3:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 01:20:30.20 ID:
gHyjkRyE0
アスカ「は? 師走?」
ミサト「そ。シ走よシ走。シンちゃんが走ると書いてシ走」
アスカ「くっだらな……」
ミサト「あっひっどーい。渾身の一発だったのに」
アスカ「……まぁ、ちょっとだけ評価してあげるわ」
ミサト「でしょ? 結構うまい事言って――」
シンジ「ちょっとミサトさん! 話してる暇があったら手を動かしてください!」
ミサト「わっ」
シンジ「ビールの缶はひとつずつ中をすすいで! 指で斜めにへこみを入れてから雑巾絞りの要領で潰してください!」
シンジ「アスカはその辺に散らばってるゲームを自分の部屋に持っていってね! パッケージと中身をちゃんと合わせておくんだよ!」
ミサト・アスカ「「は、はーい……」」
ヱヴァンゲリヲン新劇場版 カレンダー2013年
7:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 01:25:28.20 ID:
gHyjkRyE0
シンジ「大掃除だよ!」
シンジ「ネルフの仕事にクリスマスに忘年会に、年の瀬になって予定が立て込んだけど」
シンジ「新年は待ってくれないよ! 今年の汚れは今年のうちに!」
シンジ「まずはいきなり大物、台所の換気扇だ!」
ギトォ
シンジ「うっ……」
シンジ「逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ」
シンジ「よしっ!!」ガタッ
アスカ「シンジィー、緑のコントローラーどこぉ?」
シンジ「知らないよ! ちゃんと片付けないからだよ! テレビラックの中じゃないの?」
アスカ「あ、あった」
9:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 01:29:26.85 ID:
gHyjkRyE0
シンジ「最初の目標はファンだ! 使用兵装は重曹水と酢水のスプレー!」
シンジ「油汚れをセンターに入れて重曹! 油汚れをセンターに入れて酢水!」シュッシュッ
シンジ「そして歯ブラシで擦る!!」
シンジ「このっ! このっ! このっ!」ガシガシガシガシ
シンジ「あらかた落ちたら水で流しながらタワシで擦るよ!」ジャーワシャワシャ
シンジ「ウエスで拭いて、できた!!」
ミサト「……」チャプ
シンジ「ミサトさん! 缶に残ったビールを物欲しそうな目で見ないでください!」
ミサト「えっ!?(ギクッ) な、何よシンちゃん、私そんなに嫌しんぼじゃないわ!」
シンジ「掃除が終わったら好きなだけ飲んでいいですから!」
ミサト「マジで!?」パァッ
13:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 01:34:16.35 ID:
gHyjkRyE0
シンジ「フィルターとレンジフードも同じようにやっつけるよ!」
シンジ「重曹! 重曹! 酢水! 酢水!」シュッシュッ
シンジ「フィルターに歯ブラシ!!」シャコシャコシャコシャコ
シンジ「レンジフードに乾いた布!!」フキフキフキフキ
シンジ「よし終わり!」
アスカ「……」
シンジ「アスカ! なんで説明書なんか読んでるのさ!!」
アスカ「あっ……しょうがないじゃない! なんか片付けてたら気になったのよ!」
シンジ「ダメだよ! それはそのままズルズルとゲームを始めて日が暮れる黄金パターンだよ!」
シンジ「ほら何やってんの! さぁ説明書を閉じて! よーしよしそうそういい子だ! よーしパッケージを閉じて! よし!」
アスカ「ちょっとあんたうるさい!! ムツゴロウか!」
シンジ「ついでにテレビラックの雑巾がけしといてね!」
アスカ「もう分かったわよ! やればいいんでしょやれば!」
14:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 01:38:13.95 ID:
gHyjkRyE0
シンジ「キッチンはいつも綺麗にしてるし……」
シンジ「次は風呂場だ!」バンッ
シンジ「うちは髪の長い女性が二人も居るからなぁ……排水溝がよく詰まるんだ」
シンジ「溜まった水垢はブラシで!」ゴシゴシ
シンジ「シャワーホース、タイルにこびり付いたカビには、激落○くん!!」ゴシゴシゴシゴシ
シンジ「ていうか、僕はさっきから誰に向かって喋ってるんだよ!」
ミサト「シンちゃーん、缶潰し終わったからゴミ出してくるわねぇ」
ミサト(ついでにちょっち休憩してこよっと)
シンジ『あ、今日は缶の日じゃないんで玄関に置いといてくださーい!』
ミサト「えっ」
シンジ『あとミサトさん次は窓掃除しててください! そこに洗剤とスポンジと水切り入れたバケツ置いてるんでー!』
ミサト「……はーい……」
16:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 01:43:24.37 ID:
gHyjkRyE0
アスカ「……んしょっと」ドササッ
アスカ「やっと全部持ってこれたわ……ったく、なんであたしがバカシンジに言われて掃除なんか……」
アスカ「……」
(――そうそういい子だ!)
アスカ「……まぁ、いいけど……」
アスカ「……」
アスカ「引越しの時のダンボール、まだそのままね……」
アスカ「……ちょっと、片付けておいてやろうかしら」
アスカ「あたしもまぁ、このままじゃ気分が悪いし!? べっつにどうだっていいけど!」
(――そうそういい子だ!)
アスカ「……」
シンジ「」ゴシゴシゴシゴシ
17:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 01:47:36.68 ID:
gHyjkRyE0
※(年中夏設定は無視してます)
シンジ「よし! ピカピカだ!」
シンジ「さて、次は……」
ミサト「シンちゃーん、次はどうする?」
シンジ「あれミサトさん。もう窓は終わったんですか?」
ミサト「うん、まぁ……内側はやったわ」
シンジ「え? じゃあ外側は……うわ! ペンペン!?」
ペンペン「」キュッキュッ
ミサト「寒いからね~。ダメ元で頼んでみたら意外とイケたわ」
ミサト(アジ3匹と交換条件だけど)
シンジ「へ、へぇー……あ、じゃあもうリビングは大丈夫なんで、あとはミサトさんの部屋をやっていいですよ」
ミサト「」
シンジ「ミサトさん?」
ミサト「あ、いや、なんでもないわ……そうさせてもらうわね」ガラッ
ミサト(片付ける……? この部屋を……どうやって?)ゴチャァァ
18:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 01:52:31.03 ID:
gHyjkRyE0
シンジ「そういえば、アスカはどこ行ったんだろ」
シンジ「まさかとは思うけど、部屋でサボってないかな……ちょっと見てこよう」
シンジ「アスカー、入るよー?」コンコン
アスカ『ばっ!? ちょっ、今はだめっ!!』
シンジ「えっ? まさかゲームしてるんじゃ……」ガラッ
シンジ「――うわぶっ!?」ドドガシャアー
アスカ「あーもう!! なんでダメって言ってんのに開けんのよ! エッチチカン変態信じらんない!!」
シンジ「……」
アスカ「ちょっと、いつまで寝てんのよ」
シンジ「……アスカ、この雪崩は何?」ムクリ
アスカ「何って……荷物をダンボールから出してたのよ」
アスカ「小学校の時の服と、いろんな外箱と、やりかけのパズルと、雑誌と……」
シンジ「アスカっ!」ガシッ
アスカ「ひゃっ!?」
20:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 01:57:22.77 ID:
gHyjkRyE0
シンジ「アスカ、ダメだよ。これはもう荷物じゃない、ゴミだ。整理しよう」
アスカ「わ、分かったからとりあえず離しなさい!!」バシッ
シンジ「前々からおかしいと思ってたんだ、引越しの荷物がいつまで経ってもそのままだし」
アスカ「余計なお世話よ!」
シンジ「いいや限界だッ!言うね! だってアスカには片付けられない女で居て欲しくないんだ!」
アスカ「えっ」
シンジ「今頃部屋で途方に暮れてるミサトさんみたいな大人にならないために!」
シンジ「アスカの整った容姿に汚部屋はまったくもってふさわしくないよ! そのきめ細やかな肌にも悪いし!」
アスカ「えっ」
シンジ「今回は僕で良かったけどもし万が一華奢なアスカに向かってこの雪崩が起きたらと思うと心配で年も越せないよ!」
アスカ「えっあっ」
シンジ「アスカの未来は、僕が守る」
アスカ「」キュンッ
ミサト「ぶえっくしっ!」
ミサト「うう……ハウスダストかしら」ズズッ
22:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 02:01:59.92 ID:
gHyjkRyE0
シンジ「まずはいらない物を選別しよう!」
アスカ「う、うん……」
シンジ「じゃあとりあえずこの服は小さすぎて入らないよね」
シンジ「これはコントローラーの箱? もう使わないよね」
シンジ「このパズルもピースが足りないし」
シンジ「雑誌も全部捨てちゃおう」
シンジ「あとこれと、これと、あれとそれとこれも」
アスカ「ちょっと、人の物を次々とゴミ認定しないでよ!」
シンジ「じゃあアスカ、これに何か大事な思い出とか、使う予定とかあるの?」
アスカ「それは……無いけど……」
アスカ「でも、もしかしたらって事もあるし! そう、MOTTAINAI精神よ!」
シンジ「アスカがそんなに日本びいきだとは知らなかったな」
アスカ「そ、そうなの!」
シンジ「でもそれはMOTTAINAI精神じゃなくて貧乏性だよ」
アスカ「ぐっ……」
23:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 02:08:26.18 ID:
gHyjkRyE0
シンジ「いいかいアスカ、逆に考えるんだ。『捨てちゃってもいいさ』と考えるんだ」
アスカ「うーん……」
シンジ「さあ! アスカ!」
アスカ「……」
シンジ「……」
アスカ「…………くれたら」ボソッ
シンジ「ん!?」
アスカ「いい子だって言ってくれたら、捨てる」
シンジ「…………」
アスカ「…………」
シンジ「アスカ! いい子だ!」
アスカ「もうやだ何これ意味わかんないあたしバカぁ!? いいからサッサと捨てるわよこれもこれもこれもこれも!!」ドサドサドサドサ
24:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 02:13:05.93 ID:
gHyjkRyE0
アスカ「はぁ……はぁ……」
シンジ「いやーアスカ、捨てたねー!」ドッサリ
アスカ「そうね……自分でもこれだけ余分に溜め込んでたとは驚きだわ」
シンジ「いい子d
アスカ「それもういいから!」
シンジ「あ、カーテン洗濯するから出しておいてね!」
アスカ「……ほんとせわしないわね、今日のあんた」
シンジ「そりゃそうだよ! もう2012年は稼働限界ギリギリなんだ! 一日でケリをつけなきゃ!」
アスカ(シ走……)
シンジ「じゃあ僕はミサトさんの部屋を見てくるよ!」タタタ...
アスカ「はいはい」
アスカ「……」
(イチコロだよ!)
アスカ「……嘘つき」ボソッ
25:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 02:18:02.79 ID:
gHyjkRyE0
シンジ「終わった~!」
アスカ「はぁーつっかれたー」
ミサト「でも綺麗になったわ。この家ってこんなに広かったのねー」
ミサト「二人のお陰だわ、どうもありがとう」
シンジ「そんな。ミサトさんこそ協力してくれてありがとうございます」
アスカ「フン、まぁビールの空き缶に囲まれて新年を迎えるのはゴメンだからね」
ミサト「なによぉ~、人がせっかく感謝してるのに」
シンジ「あはは。じゃあ急いで夕飯作るから、ゆっくりしててください」
ミサト「お言葉に甘えてー。あっシンちゃんビール貰うわよ! ふっふ~ん酒が飲める酒が飲める酒が飲めるぞ~♪」カシュッ
アスカ「……ちょっと」
シンジ「ん、どうしたの? あ、すぐできるからお菓子は我慢してよ」
アスカ「違うわよバカ! その……料理、手伝ってあげても、いいけど」
シンジ「え……え?」
ミサト「あらあら~~!」
アスカ「何よそのリアクション! ホント失礼しちゃうわね!」
26:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 02:22:15.85 ID:
gHyjkRyE0
12月30日
シンジ『……』
レイ『……』
アスカ『……』
マヤ「シンクロ率、それぞれ高水準を維持しています。脳内パルス波も異常なし」
リツコ「問題なさそうね。いいわ、終わってちょうだい」
ミサト『三人とも、お疲れ様。上がっていいわよ』
ザバァー
27:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 02:28:04.04 ID:
gHyjkRyE0
シンジ「ふぅ……」
シンジ「今日は色々買い出しに行かなきゃなぁ」
シンジ「とりあえずアスカを迎えに……あれ」
レイ「……」
シンジ「綾波、お疲れ様」
レイ「お疲れ様」
シンジ「アスカは、まだ着替え中?」
レイ「そう」
シンジ「そっか……」
レイ「……」
シンジ「……」
28:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 02:33:41.25 ID:
gHyjkRyE0
シンジ(……何か、話題……)
レイ「……」
シンジ「……あ、綾波の家は大掃除、もう終わった?」
レイ「大掃除?」
シンジ「うん、年末の大掃除」
レイ「どうして、年末に掃除をするの」
シンジ「え? それは……えーと」
シンジ「心身と身の回りを綺麗に片付けて、新しい年を清々しい気持ちで迎えるため、かな」
レイ「そう……」
レイ「私は大掃除、していないわ」
シンジ「そっか……まぁ、綾波の部屋は片付いてたもんね」
レイ「ええ」
シンジ「なんていうか……質素倹約っていうか……」
レイ「そう」
シンジ「うん……」
29:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 02:38:21.85 ID:
gHyjkRyE0
レイ「……」
シンジ「……あ、あのさ!」
レイ「何?」
シンジ「あー……その……」
シンジ「……明日は、どうするの?」
レイ「……何も、しないわ」
シンジ「何も?」
レイ「ええ。12月31日に、私に命令は与えられていない」
シンジ「命令、か……」
レイ「……」
シンジ「……ちょっと、待っててね」スッ
プルルルル...
ア、モシモシ
ハイ、アノ、ジツハ...
...ナノデ、アヤナミモ、イッショニ...
ハイ、ハイ...ハイ、アリガトウゴザイマス!
レイ「……?」
30:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 02:46:23.73 ID:
gHyjkRyE0
シンジ「ごめん、お待たせ」
レイ「構わないわ」
シンジ「うん。それでさ、もし綾波がよければなんだけど」
シンジ「大晦日、僕たちの家に泊まらない?」
レイ「え……?」
レイ「私が、碇君の家に」
シンジ「うん、どうかな?」
レイ「……どうして?」
シンジ「あっ、変な意味じゃないよ!? うちにはアスカもミサトさんもいるし!」
シンジ「じ、じゃなくて、大晦日ってやっぱり特別な日だし」
シンジ「一緒に過ごす人は多い方が……なんていうか、暖かい気がするんだ」
シンジ「それが綾波とだったら、なおさら……ね。それに……」
シンジ「……命令がないから何もしないなんて、寂しいこと言うなよ」
31:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 02:51:50.24 ID:
gHyjkRyE0
レイ「……そう」
レイ「碇君は、大晦日をたくさんの人と過ごすと、ポカポカするのね」
シンジ「そうさ」
レイ「……私は、碇君に、ポカポカしてもらいたい」
レイ「……私も」
レイ「碇君と大晦日を過ごせば、ポカポカするような気がする」
レイ「だから……」
レイ「お邪魔しても、いい?」
シンジ「もちろん!」
シンジ「……で、その……ついでだし……泊まって、いく?」
レイ「……碇君が、その方がいいのなら」
シンジ「僕!? 僕は……その方が、いい、かな」
レイ「そう」
シンジ「うん……」
32:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 02:57:40.46 ID:
gHyjkRyE0
プシュッ
アスカ「はーすっきりした!」
アスカ「あれ、ファーストまだ居たの?」
レイ「……ええ」
アスカ「まぁどうでもいいけど。それよりシンジ来なかった?」
レイ「来たわ。そして伝言を頼まれた」
アスカ「伝言?」
レイ「ええ。『ちょっとトイレに行ってくるから、アスカがもし出てきたらそう伝えて』と」
アスカ「なんだ……いちいち大袈裟ねぇ」
レイ「そして『ついでにミサトさんに連絡もしてくるから』と」
アスカ「連絡? なんの?」
33:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 03:03:29.60 ID:
gHyjkRyE0
レイ「……おそらく、私と碇君のことと思われるわ」
アスカ「あ、あんたと……あいつのこと?」
レイ「ええ……」
レイ「一緒に過ごすことに、なったから」
アスカ「!?」
レイ「碇君は、私と一緒に居ると、ポカポカするって」
レイ「私も、碇君と一緒に居ると、ポカポカすると答えた」
アスカ「!!?」
レイ「だから、その連絡」
34:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 03:07:31.72 ID:
gHyjkRyE0
アスカ「ちち、ちょっと!! ぽぽぽポカポカって、ど、どーいうことよ!?」
レイ「……」
シンジ「あ、アスカ。やっと出てきたんだ」
アスカ「ばぁかシンジィィ~~っ!!」ドドドド
シンジ「うわぁ!? な、何だよ急に!!」
アスカ「こっちの台詞よこのスケコマシ! あああんた、あたっ、あたしという者がありながらねぇ!」
アスカ「なんで!」
アスカ「……なんで、エコヒイキなのよ……っ」
シンジ「はぁ? 綾波がどうしたのさ」
アスカ「とぼけないでよ! さっき全部聞いたんだから!」
シンジ「あ、そっか。アスカにはまだ言ってなかったね」
シンジ「綾波と、一緒に過ごすことになったから」
アスカ「……!」グッ
35:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 03:10:35.73 ID:
gHyjkRyE0
シンジ「大晦日」
アスカ「……」
アスカ「…………大晦日?」
シンジ「うん、大晦日。僕とアスカとミサトさんと、綾波で」
アスカ「……はっ?」
シンジ「あれ? 綾波から聞いたんじゃなかったの?」
シンジ「綾波が明日暇らしいからさ、それならウチに招待しようかなって」
シンジ「もうミサトさんには許可を貰ってるけど、アスカもいいよね?」
アスカ「……」
レイ「……」
シンジ「アスカ?」
アスカ「……そ、そう。分かったわ」
シンジ「? じゃあ、そういうことだから」
36:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 03:14:03.45 ID:
gHyjkRyE0
シンジ(意外だな……もっと嫌がるかと思ったんだけど。まぁ話が早くていいや)
シンジ「さて、そうと決まったら気合を入れて買い込まなきゃ。アスカも手伝ってよ」
アスカ「しょうがないわねぇ」
シンジ「それじゃ綾波、また後で連絡するよ」
レイ「ええ」
スタスタスタ...
アスカ「……」
アスカ「――あんたねぇー! 一言も二言も足りないのよ!! お陰で変な勘違いしちゃったじゃない!」ヒソヒソ
レイ「……」
アスカ「……もしかして、ワザとやったわけじゃないでしょうね」
レイ「……」
アスカー! ハヤクー!
アスカ「分かったわよ! 今行く!」
37:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 03:17:10.55 ID:
gHyjkRyE0
ミサト「はいはい、じゃーねー」
プツッ
リツコ「仕事中に私用電話は関心しないわね」
ミサト「かたいこと言いなさんなー。それよりちょっと聞いてよ!」
ミサト「シンちゃんがね、明日レイをうちに連れてくるらしいの!」
リツコ「レイを? シンジ君が?」
ミサト「そーなの。随分積極的よねぇ」
リツコ「珍しいわね。レイが応じたのも意外だけど」
ミサト「まーシンジ君が動かなかったらあたしが捕獲してたけどね。レイは放っといたら絶対独りぽっちで年越しちゃうんだから」
リツコ「まったく……でも、アスカが黙ってないんじゃない?」
ミサト「そこはシンジ君がなんとかするでしょ。うふふ~見ものねぇ~」
リツコ「いい趣味してるわ」
ミサト「あんたに言われたかないわよ」
40:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 03:22:51.78 ID:
gHyjkRyE0
店内BGM(テーテーテー♪ テーテーテ♪ テーテーテー♪)
シンジ「えーと、さつまいも、里芋、にんじん、れんこん、ごぼう、しいたけ……」
アスカ「何それ、野菜ばっかりじゃない」
シンジ「仕方ないよ、おせち料理なんだから」
アスカ「おせちぃ?」
シンジ「うん……あ、ホラ、そこに出来合いのがあるよ」
アスカ「あら、随分彩り鮮やかなのね」
シンジ「そうだね、見た目が綺麗なこともおせちの大事なポイントだよ」
アスカ「それに……弁当にしては随分ぎっしりと詰まってるわね」
シンジ「そりゃそうさ、お正月中をかけてゆっくりと食べるものなんだから」
アスカ「正月中!? ってことは、この重なってるのも含めて全部おせちなの!?」
シンジ「うん。この五段重はすごいねー」
アスカ「はー……。でもなんでそんなしみったれた事するわけ?」
シンジ「うーん……お正月ぐらい家事をしなくていいように、かな?」
アスカ「昔の人はうまい言い訳を考えたものね」
41:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 03:25:43.08 ID:
gHyjkRyE0
シンジ「僕一人でこんなに作るのはさすがに無理だから、今回は一食分だけどね」
アスカ「にしてもパッとしないわねー、なんかもっと年末年始を飾るのにふさわしい食材を買いなさいよ」
シンジ「そんなこと言っても……」
アスカ「ん?」
サァサァ、ドウヨオクサン!
イマナラコチラノ、トクジョウギュウニク! オヤスクナッテルヨー!!
アスカ「肉だわ! あれ買うわよシンジ!」
シンジ「ええ!? や、やめとこうよアスカ、あれ高そうだよ!?」
アスカ「なーに言ってんのよ、あたし達は他ならぬエヴァンゲリオンパイロットなのよ?」
アスカ「そんじょそこらのサラリーマンよりよっぽど稼いでるし、それ相応の危険も背負ってるんだから」
アスカ「好きな時に好きなもの食べて素直に贅沢してればいいのよ」
シンジ「とか言って、実際に買うのは僕なんだけど……」
アスカ「つべこべ言わない! さぁ行くわよ!」グイッ
シンジ「あっちょっ、分かったから引っ張らないでよ!」
42:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 03:25:43.36 ID:52RWTbWd0
まじで
お正月くらい家事をしなくていいように
なの?
43:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 03:26:51.40 ID:
gHyjkRyE0
>>42 調べてもそれっぽい理由がそれしか出てこなかったんだ……
45:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 03:28:20.39 ID:u+fMsu070
>>1は掃除慣れしてるな
46:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 03:28:32.70 ID:
gHyjkRyE0
おじさん「お、らっしゃい!」
シンジ「まったくもう……うわ、やっぱりちょっと値が張るなぁ」
おじさん「はっは、まぁ特上だからねえ。でもその分味は保障するよ!」
シンジ「うーん……結構種類がありますね」
おじさん「自慢の品揃えだよ。しゃぶしゃぶにすき焼き何でもござれだ!」
シンジ「アスカ、肉って言うけど、どういう料理が食べたいの?」
アスカ「そうねぇ……やっぱりここは豪華かつストレートにステーキで行きましょう」
おじさん「あいよ! ステーキにはこっちのフィレ肉だね!」
シンジ「じゃあ、これだけください」ドサッ
アスカ「ちょっと何よそのみみっちい量! そんなので足りるわけないでしょ! このぐらいよ!」ドササッ
シンジ「勘弁してよアスカ!! 他にも料理はあるんだし、だいいち今そんなにお金持ってないよ!」
アスカ「あんたバカぁ!? どーして買出しに行くってのにそんな寂しい懐で来るのよ!」
シンジ「まさかこんなに予定外の出費があると思わないじゃないか! アスカが余計なものばっかり買うからだよ!」
アスカ「ぬぁんですってぇ!?」
ギャーギャー!!
47:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 03:30:38.60 ID:
gHyjkRyE0
おじさん「分かった分かった! 特別にそれお安くしとくから!」
シンジ「え? あ……す、すいません!」
アスカ「あら、おじさん気が利くじゃない」
おじさん「まったく、売り場で痴話ゲンカを見せつけられちゃあたまらないよ」
アスカ「なっ……!」
おじさん「それはご両人への俺からのご祝儀ってことでな! それ持って早く愛の巣に帰りな!」
アスカ「ちっ、違うわよ!? 何勘違いしてんのオッサン!」
おじさん「あり? 違うの?」
アスカ「んなワケないでしょ! なんであたしがこんな冴えない男とイイ仲にならなきゃいけないわけバッカじゃないの!?」
シンジ「おいアスカ! こんな親切な人に失礼だよ!」
おじさん「いいっていいって少年! 彼女テレてんだから~」
アスカ「だから! 違うって!!」ダンッ
シンジ「もういいから行くよ! なんかさっきから注目を浴びてるんだよ!」
アスカ「……! くっ……! もう、知らない!」ダッ
シンジ「あっ、もう、今度は置いてけぼりかよ!」
48:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 03:32:51.43 ID:u+fMsu070
おせちは元々は歳神様へのお供え物
そして正月の間家事をしないってのは
歳神様が大きな音や火を嫌うから
って昔NHKの番組でどこかのバアちゃんが言ってた
51:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 03:34:52.90 ID:
gHyjkRyE0
いちおう、式波アスカなので加持とは水族館以外面識がない体です
>>48
なるほど!バアちゃんさすがやな
49:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 03:33:35.41 ID:
gHyjkRyE0
シンジ「待ってってばアスカぁ~」
アスカ「……」ジッ
シンジ「アスカ? ……あ」
加持「よう、シンジ君」
シンジ「加持さん。こんにちは」
アスカ「ああそうそう、思い出した、加持って人ね」
加持「はは、ひどいなぁ。我ながら中々キャラクターは濃い方だと自負してるんだが」
加持「まぁそれはともかく、奇遇だねシンジ君。君らも年末年始の買出しかい?」
シンジ「ええ。っていうことは、加持さんもですか?」
加持「ああ、この後すぐ本部にとんぼ返りさ。特務機関ネルフには盆も正月もないんだよ」
シンジ「あ……なんか、すみません。僕らだけこんなのほほんとしてて……」
加持「気にすることはない。君らは今までその肩には重過ぎる荷を背負い、戦い抜いてくれた」
加持「だからこういう時ぐらい、俺達大人に全部ほっぽり投げちまっていいのさ」
シンジ「……はい。ありがとうございます」
アスカ「……」
52:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 03:36:32.70 ID:
gHyjkRyE0
加持「アスカ君も、たまにはシンジ君に思いっきり甘えてみればどうだい?」ウィンク
アスカ「……ッ! バカシンジ! あたし先行ってるから!」スタスタ
加持「ありゃ、まずったかな」
シンジ「先行くって、どこ行くんだよー?」
オカシノトコー!
加持「……シンジ君、すまん。盛り上げてやろうと思ったんだがかえってデートの邪魔しちまったな」パンッ
シンジ「もう、デートなんかじゃないですって。アスカには手伝ってもらってるだけです」
加持「そう思ってるのは君たちだけ、もとい、君だけかもしれないぜ。シンジ君」
シンジ「アスカが……? はは、それこそ無いですよ。そんなこと本人の前で言ったら蹴っ飛ばされちゃいます」
加持「……う~む、無意識……天然ジゴロか……。今はこういう芸風の方が受けるのか?」
シンジ「?」
加持「何でもない。じゃ、俺はそろそろ行くよ」
シンジ「あ、はい」
53:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 03:38:46.84 ID:
gHyjkRyE0
加持「っとと、そうだ、忘れるところだった」
加持「シンジ君、大晦日は空いてるかい?」
シンジ「えっ」ギクッ
シンジ「大晦日、ですか……」
加持「ああいや、そう身構えなくてもいい。仕事の話じゃないんだ」
シンジ「な、なんだ……じゃあ、何の用事ですか?」
加持「実はな、スイカ畑を作る時にお世話になった農家の人からもち米を譲ってもらっててね」
シンジ「もち米?」
加持「ああ。それでどうせなら本格的についてやろうと思って餅つき機材一式も借りたんだが」
加持「一人じゃ人手が足りなくてね。良ければ手伝ってもらいたいんだ」
シンジ「えーっと……お誘いは魅力的なんですけど……その……」
加持「もしかして、先約かい?」
シンジ「はい、実は……」
かくかくしかじか
55:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 03:42:03.14 ID:
gHyjkRyE0
加持「……なるほど、レイ君と大晦日を過ごす約束を」
シンジ「はい、だから僕が家を空けるのは……」
加持「だったら好都合だ。彼女らにも手伝ってもらおう」
シンジ「え?」
加持「明日葛城の家まで道具一式を持って俺も行くよ。それならいいだろ?」
シンジ「そりゃあ、まあ……でも、ミサトさんに許可を取らないと」
加持「大丈夫だよ。俺が行くと言って葛城が断るわけがないさ」
シンジ「あ、あはは」
加持「この際だ。アスカ君にもレイ君にも、日本の伝統文化をじっくり教えてあげるといい」
加持「ただのんびり過ごすより、よっぽど充実した年の瀬になるはずさ」ウィンク
シンジ「加持さん……。そうですね、頑張ります!」
加持「さ、話はこれでおしまいだ。そろそろ姫がお待ちかねだろうから、行ってあげな」
シンジ「はい。それじゃ、加持さんもお仕事頑張ってください」
加持「ああ」
57:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 03:44:04.84 ID:
gHyjkRyE0
アスカ「まったく! みんなして! 勝手なことばっか!」ガシガシガシ
マリ「ありゃ? そこで親の仇のようにお菓子をカゴに叩き込んでるのは姫じゃないかにゃ?」
アスカ「あ? なによコネメガネじゃない。なんであんたこんなとこに」
マリ「いーかげん名前で呼んで欲しいもんだにゃー」
アスカ「あんたみたいなのはコネメガネでじゅーぶんよ!」
マリ「はらら、なんか機嫌悪い?」
アスカ「べっつにぃー」
マリ「ていうか一人? わんこ君は?」
アスカ「もーシンジシンジうるさい! 知らないわよあんなバカのこと!」
マリ(あ、彼となんかあったなこれ)
マリ(まったくわんこ君、お姫様の手綱はしっかり握ってもらわないと困るにゃー)
マリ(……それじゃ逆か)
59:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 03:46:05.22 ID:
gHyjkRyE0
マリ「……ひ~めぇ~」ダキッ
アスカ「ちょっと、邪魔!」ガシッ
マリ「いいじゃんいいじゃん、それよりどったの? そうやってツンツンしてると美人が台無しだよー?」
アスカ「だからどうもしてないってば! 第一あたしとあいつがいっつも一緒に居ると思わないでよ!」
マリ「へ? いっつも一緒じゃん」
アスカ「んなワケ! ……ない、こともない、けど……」
マリ「でしょ。ほらほらぁ~お姉さんに何があったか話してみ?」
アスカ「何であたしがコネメガネに相談しなきゃなんないのよ! もーいいからあっち行ってってばぁ!」グイィ
マリ「ちゅ、ちゅれにゃいにゃー」パッ
マリ「こりゃーわんこ君に聞いた方が早いか。彼今どうしてんの?」
アスカ「さぁね。おおかたニヤニヤしながらファーストをおもてなしする準備でもしてるんでしょ」
マリ「おもてなし?」
アスカ「明日ウチに泊めるそうよ。まったく鼻の下伸ばしてデレデレしちゃって、気持ち悪いったら!」
マリ「何それ面白そう!」グイッ
アスカ「わっ!」
60:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 03:48:06.02 ID:
gHyjkRyE0
マリ(はーんなるほど、それでかにゃー)
マリ「ね、ね! それあたしも行っちゃダメー?」
アスカ「はぁー!?」
マリ「いーじゃんいーじゃん、こういうのって賑やかな方がいいもんだよ? あたし盛り上げ役には定評があるし!」
アスカ「知らないわよ! ていうか何であんたが来るの!?」
マリ「だってぇー、みんなで年越しとか楽しそうだし」
マリ「それとも、同じエヴァパイロットの仲間なのに、あたしは行っちゃいけにゃいのかにゃ……?」
アスカ「う……」
マリ「まぁ、そだよね……あたしって突然割り込んできた外様の人間だし……」
アスカ「くっ……」
マリ「なんか、ごめんね……」
マリ「…………ううっ」
アスカ「もーーー!! 分かったわよ、好きにすれば!?」
マリ「やったにゃーーー! さっすが姫、話が分かるぅ!」ケロッ
アスカ「変わり身速っ!」
63:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 03:50:54.64 ID:
gHyjkRyE0
マリ「まっ、姫とわんこ君の邪魔はしないからさ! 何ならサポートすっし!」
アスカ「い、いらないわよ! 何よそれ!」
マリ「にゃはは~♪ じゃっそゆことで! バイビー!」タタッ
シンジ「アスカー」
アスカ「……遅い」
シンジ「ごめんごめん。って、今のもしかして真希波?」
アスカ「……あのさ」
シンジ「うん?」
アスカ「大晦日、コネメガネも呼ぶことにしたから」
シンジ「え? 真希波も!?」
アスカ「そーよ、悪い? あんただってエコヒイキを呼ぶんだからこれでチャラよチャラ!」
シンジ「いや、悪くはないしチャラの意味も分かんないけどさ……ミサトさんには連絡したの?」
アスカ「これからよ!」ピッ
シンジ「お肉、多めに買っといてよかった……」
65:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 03:58:43.84 ID:
gHyjkRyE0
マリ「にゃーにゃーにゃーん♪」
加持「マリ、遅いぞ」
マリ「やーごめんよ! ちっと面白いものを見つけてさ」
加持「ほぉ、気が合うな」
マリ「何それ、口説き文句?」
加持「だったらどうする?」
マリ「ノー、サンキュー! あたしにはもうツバつけたカワイコちゃんが居るんだにゃー」
加持「奇遇だな、俺もだ」
マリ「あらら、ホントに気が合うね。二人のフィーリングはばっちりかも!?」
加持「だといいな。ほら、早く車に乗れ。残業組が腹を空かせて待ってる」ガチャ
マリ「ほいほーい」ガチャ
加持・マリ「「あ、ところでさ」」
66:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 04:02:59.30 ID:
gHyjkRyE0
ミサト「……」
リツコ「どうしたの? 携帯片手に固まっちゃって」
ミサト「……なんか、明日、マリと加持君も来るらしいわ」
リツコ「あらあら、すっかり大所帯ね」
ミサト「おまけに加持君はなんか餅をつきに来るとか。うげぇ~めんどくさ」
リツコ「いいじゃない、久々に二人で仲良く夜更かしすれば?」
ミサト「絶対泊めないわよあんなヤツ! 女の子が三人も居るってのに何するか分かったもんじゃない! 餅だけ置いて即帰ってもらうわ!」
リツコ「ともかく、当日家で目を光らせていたいならこの山のような書類を片付けることに尽力した方が得策ね」
ミサト「はぁー……シンちゃんのおせちを励みに頑張るか」
ミサト(部屋、片付けといてよかった……)
リツコ「……あなたは自覚してないでしょうけど、さっきからかなりの幸せ自慢をしてるのよ?」
日向・青葉・マヤ「」ウンウン
ミサト「は?」
68:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 04:06:51.87 ID:
gHyjkRyE0
プシュッ
シンジ「ただいまー」
アスカ「うーさむさむっ! コタツコタツ」
シンジ「あ、それ机に置いといて」
アスカ「うん」ガサッ
シンジ「んしょっと」ドサッ
アスカ「ふー……」ゴソゴソ
シンジ「アスカ、コタツに潜るのやめなよ。またそのまま寝ちゃうよ」
アスカ「仕方ないわ、寒いんだから」
シンジ「今あったかい飲み物作るからさ。何がいい?」
アスカ「ココア」
シンジ「はいはい」
70:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 04:10:46.55 ID:
gHyjkRyE0
シンジ「はいココア」
アスカ「んー」モゾ
シンジ「ほら、ちゃんと起きないと火傷するって」
アスカ「うあー」ムクリ
シンジ「よっと」ゴソゴソ
シンジ「ふー、ぬくいや」
アスカ「……」ズズ...
シンジ「……」ズズ...
アスカ・シンジ「「はー」」
シンジ「……明日、楽しみだね」
アスカ「……んー」ズズ...
71:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 04:14:39.68 ID:
gHyjkRyE0
12月31日
ピンポーン
シンジ「はーい!」タタタ
プシュッ
シンジ「おはよう、綾波」
レイ「おはよう」
シンジ「荷物、預かるよ。どうぞ上がって」
レイ「ええ。お邪魔します」
ミサト「あら~レイ。いらっしゃ~い」
レイ「おはようございます」
アスカ「ふわぁあぁ~~~……おはよ……」ゴシゴシ
ミサト「ちょっとアスカ、お客さんが来たのにそれはないわよ」
アスカ「別にいいじゃない、ファーストなんだし」
ミサト「よかないわ。ホラ、顔洗ってきなさい」
72:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 04:18:24.19 ID:
gHyjkRyE0
ミサト「まったくぅ……あ、レイはちょっちコタツにでも入ってゆっくりしてて」
レイ「はい」
レイ(コタツ……)
レイ(熱源装置の組み込まれた机に、布団をかけた暖房器具)
レイ(使うのは……初めて)
レイ(葛城一佐は、コタツに入れと言った)
レイ(ならば……こうするのが妥当)モゾモゾ
アスカ「くー冷たい! コタツコタツ――」
ゲシッ
アスカ「え? ……何、これ」ガバ
レイ「……」
アスカ「……ファースト、あんた、コタツの中で何してんの?」
レイ「……ポカポカする」
73:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 04:20:08.25 ID:RG88sI7q0
レイが可愛すぎる
74:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 04:21:03.59 ID:THofPD//O
なにこのいきものかわいい
75:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 04:22:18.12 ID:
gHyjkRyE0
ピンポーン
シンジ「はいはーい!」タタタ
プシュッ
マリ「やっほーわんこ君!」
シンジ「おはよう真希波」
マリ「早速お邪魔しまーす! へぇーここがわんこ君の家……おお、確かにわんこ君の匂いがする……」スンスン
シンジ「やめてよそれ! なんかヤだよ!」
マリ「あ、荷物どこに置いたらいいかにゃ?」
シンジ「預かるよ。アスカの部屋に置いとくから」
マリ「ほいほい。あ、それ下着とか入ってるから」
シンジ「えっ!?」
マリ「わんこ君なら、見たけりゃ見ていーよ?」
シンジ「見ないよ! 何言ってんだよ!」
マリ「ありゃ、残念♪ にゃははー!」
76:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 04:25:52.39 ID:
gHyjkRyE0
プルルル プルルル
ガチャ
シンジ「はい、葛城です」
加持『ああシンジ君か、おはよう』
シンジ「加持さん。おはようございます」
加持『ちょうど良かった。今マンションの下まで来てるんだが、ちょっと荷物が多くてな』
加持『できれば君に運ぶのを手伝ってもらいたいんだが』
シンジ「分かりました、すぐ行きますね」
加持『ああ、助かる』
シンジ「ミサトさん、今加持さんが着いたみたいなので、ちょっと荷物運ぶの手伝ってきますね」
ミサト「ほいほーい」
ミサト「……」スッ
ミサト(目ヤニとか、ついてないわよね)
マリ(葛城一佐、意外と乙女だにゃー)
77:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 04:28:18.87 ID:THofPD//O
乙女なみさとさんかわいい
78:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 04:30:39.99 ID:
gHyjkRyE0
マリ「で、姫たちは何してんの?」
アスカ「見て分かんない? コタツに入ってるんだけど」
レイ「そう」
マリ「そりゃ分かるけど、零号機のコと並んで寝てるからなんかシュールだにゃ」
アスカ「この世間知らずにコタツの正しい入り方を教えてあげてるのよ」
マリ「なんでもいいけど、それじゃあたしの入る隙間がないじゃん」
アスカ「我慢しなさい」
マリ「ひどいにゃー、この寒い中遠路はるばるやってきたお友達への仕打ちとは思えないにゃー」
アスカ「もーしょうがないわねー。ファースト、ちょっとそっち詰めなさい」グイッ
レイ「……」モゾ
マリ「やりぃー! んじゃお邪魔しまーす!」ズボッ
アスカ「ちょっ、なんであんたまで寝っ転がるのよ! せ、せまっ」
マリ「いやーなんか二人とも楽しそうだったし……でもこれは、さ、流石に、無理があったかにゃ」ギチッ
アスカ「あ、あんたバカぁ?」グイイッ
レイ「……」グググ
79:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 04:32:55.11 ID:irHkRO8x0
想像したら爆発した
80:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 04:35:24.58 ID:
gHyjkRyE0
シンジ「ふーっ、重かった」ゴトン
加持「やぁありがとう。お陰で早かったよ」
ミサト「わっ、加持君何よこの大荷物!」
加持「電動餅つき機に餅切り機、木箱に片栗粉、それともち米だな」
加持「本当は杵と臼でやりたかったんだが、さすがにな」
ミサト「たかだか餅つきって思ってたけど意外と大仕事なのねぇ」
加持「だがその分、つきたての餅はうまいぞぉ?」
ミサト「言っとくけど、お金は出さないわよ」
加持「もちろんさ、手伝ってくれるならな。もしくは一度のキスと引き換えでもいいが……」
ミサト「バッカじゃないの!? 追ん出すわよ!」ギュゥ
加持「痛てて! 分かった分かった、悪かったよ」
シンジ「……あの二人も飽きないなぁ」
82:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 04:39:00.27 ID:
gHyjkRyE0
シンジ「あれ? アスカたちはどこ行っ……」
アスカ「……」
マリ「……」
レイ「……」
シンジ「……何してんの?」
マリ「いや、なんか、抜けなくなっちゃって」
アスカ「あんたのせいよこのバカメガネ!」
レイ「碇君……暑い……」ホカホカ
シンジ「綾波っ!? ちょ、ちょっと待って、今電源切るから!」
マリ「うんぬぅっ、胸が机の足に引っ掛かって……抜けない……っ」ググッ
シンジ「むっ、胸って……!」カァァ
アスカ「コラァ! 何いやらしい目で見てんのよこのスケベ!! 最っ低!」ガタタ
マリ「あだだだ! 姫暴れないで!」
レイ「」
85:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 04:47:07.39 ID:
gHyjkRyE0
加持「それじゃあ早速はじめようか」
シンジ「はい、アスカたちも呼んできますね」
加持「いや、まだいいよ。最初はこの餅つき機に米と水を入れて待つだけだ」
加持「もち米はもう洗って水に浸しておいたものを持ってきてるからな」
ザザー ジャー ピッ
加持「これで、蒸してつくまで全部やってくれる」
ミサト「へぇー、便利なものがあるのね」
加持「その分風情はないけどな。また機会があれば米を蒸すところから手ずからやってみたいもんだ」
シンジ「……加持さんって、意外と好奇心旺盛ですよね」
加持「シンジ君、人は好奇心を無くした時に老いるのさ」
加持「俺はいつでも興味津々だよ。例えば、今あっちの部屋で茹ダコになってる三人の中で君の本命は誰なのか? あるいは他にいるのか? とかな」
ミサト「それは私も興味があるわね!」
シンジ「な、なんですか急に!?」
86:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 04:51:30.07 ID:
gHyjkRyE0
ミサト「まーいいじゃない! ささ、お姉さんたちに話してみなさい! 内緒にしとくから!」
ミサト「やっぱりレイなの? それともアスカ? もしかしてマリ?」
シンジ「綾波は……一緒にいるとすごく落ち着くし、無口だけど、優しいし」
シンジ「アスカは、普段はきついけど、たまに見せる笑顔が可愛いし、なんだかんだで僕を支えてくれてるなぁって思うし」
シンジ「真希波はミステリアスなお姉さんって感じで、掴みどころのない魅力があるし、美人だし……」
シンジ「でも、本命とかそういうの、よく分からないです!」
加持「大穴で葛城って線もあるぜ?」
ミサト「なっ……!?」
加持「あーだがなシンジ君。それは悪手と言わざるを得ないな。この俺を敵に回すのはやめておいた方がいいぞ?」ニヤッ
ミサト「ちょっ、何言ってんのよこの、アホッ!!」
シンジ「は、はは……僕、ちょっとあっちの部屋に行ってますね」クルッ
ガタタタッ ズシャッ
アスカ「あ、あー! あっついわねーホント! あー冬だってのにあっついわーホント!!」
マリ「にゃ、にゃははは! にゃはははは!!」
レイ「…………」
シンジ「……?」
88:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 04:55:30.03 ID:
gHyjkRyE0
ピピーッ
加持「よし、できたな。みんな来てくれー!」
マリ「やっとかにゃー」ペタペタ
アスカ「待ちくたびれたわよ。で、何を手伝えばいいの?」
加持「それじゃ、これをこの餅切り器に入れてハンドルを回すとそっちの方から餅が出てくるから」
加持「シンジ君はそれを備え付けのナイフで適当な大きさに切って、片栗粉を撒いた板に置いてくれ」
シンジ「はい、分かりました」
加持「で、女性陣はそれを綺麗な形に丸めて、そっちの木箱にくっつかないように置いていってくれ」
レイ「了解」
ミサト「何、そんだけでいいの?」
加持「餅はすぐ冷めちまうからな、スピードが命なのさ。どんどん出すからどんどん丸めてくれ」
加持「あと、手にはたっぷり片栗粉をつけておけよ。アツアツの餅が引っ付いて大変なことになる」
ミサト「随分詳しいのね」
加持「農家のおじさんからの受け売りさ」
89:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 04:58:19.68 ID:Rg2tHyFy0
加持さんいいなぁ
91:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 04:59:05.49 ID:
gHyjkRyE0
加持「よし、それじゃ行くぞ」
シンジ「はいっ」
カパッ グイッ ガポン
加持「それっ」グルグルグルグル
シンジ「……あ、出てき、うわ速い!」ガシュッ
シンジ「あー、大きくなりすぎちゃった!」
加持「大丈夫さ、まだ出来立てだから一回容器に戻してやればまた混ざって出てくる」
アスカ「もー! 何やってんのよトロいわね!」
シンジ「しょうがないじゃないか、初めてなんだし!」
加持「さぁもう一回、ほいっ」グルグルグルグル
シンジ「……よっ、と」ガシュッ ポイッ
ミサト「ほいほい、これを丸めればいいのね」スリスリスリ
シンジ「……よっ」ガシュッ ポイッ
マリ「にゃーにゃー♪」スリスリスリ
加持「いいぞ、その調子だ」グルグルグルグル
93:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 05:03:45.99 ID:
gHyjkRyE0
ミサト「加持君、こんなものかしら」
加持「いいじゃないか。葛城にしては器用だな」
マリ「ねーわんこ君見てよ、どうコレ!?」
シンジ「わあ、綺麗だね! 売り物みたいだ」
アスカ「……。ちょっとバカシンジ! あたしにもさっさと投げて寄越しなさいよ!」
シンジ「あっ、ごめん」ガシュッ ポイッ
アスカ「ふん、こんなの……」スリスリスリ
シンジ「綾波も、はい」ガシュッ ポイッ
レイ「……」スリスリスリ
アスカ(……なんか、全然、ミサトたちのみたいな形にならないわね……)スリスリスリ
レイ「……できたわ、碇君」スッ
アスカ(!?)
シンジ「へぇ、綾波もすごく上手じゃないか。やったことあるの?」
レイ「……いいえ、はじめて」
アスカ(ぐぬぬ……!)
94:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 05:05:21.78 ID:beMkeu8k0
ほんとアスカってかわいいなー
95:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 05:11:18.12 ID:irHkRO8x0
98:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 05:28:29.99 ID:9fWrBUhh0
アスカ(こ、この……さっさと整いなさいよバカ餅!)スリスリスリスリスリスリ
アスカ「…………おっ」
アスカ「……できた!」
シンジ「ん?」
アスカ「あっ……な、何よ。文句あんの?」
シンジ「いや、全然。凄く綺麗なドーム状になってるね。美味しそうだよ」
アスカ「えっ? ……と、当然じゃない! あたしにかかれば餅を丸めるぐらいお茶の子さいさいよ!」
シンジ「はいはい。それより台に餅が溜まってきてるから、早く次のをやってよ」
アスカ「しょーがないわね!」
加持(分かりやすいな……)
ミサト(分かりやすいわね……)
マリ(分かりやすいにゃ……)
レイ(……)
アスカ「~♪」
101:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 05:34:22.60 ID:9fWrBUhh0
加持「よし、ひとまず終わりだ」
シンジ「お疲れ様です」
マリ「あり? もう終了?」
加持「いや、まだまだあるぞ。二台目の餅つき機の方ももう出来上がってるんだが……」
加持「すまんシンジ君、ハンドル回し代わってくれ」
シンジ「あはは、いいですよ。凄くキツそうでしたもんね」
ミサト「あ~あ~加持君、ずいぶん衰えてるんじゃないの?」
加持「そうかなぁ。自分ではまだ若いつもりなんだが、最近デスクワークばかりだったしさすがに30代ともなると」
ミサト「いや、やめて。聞きたくない」
シンジ「じゃあ、行きますよ」
加持「よし来い」
カパッ グイッ ガポン
シンジ「ふっ」グルグルグルグル
加持「ほいよ」ガシュッ ポイッ
102:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 05:40:42.53 ID:9fWrBUhh0
加持「……」チラッ
マリ「姫ぇー、そっちの方溜まってきてるよ」
アスカ「っさいわねー、あたしは丁寧にやってんの」
レイ「……」スッ スッ
ミサト「レイは仕事が速いわねー」
加持「……いやー、しかしなぁ、ミサト?」
加持「シンジ君は炊事洗濯の家事は一通りこなす上に、エヴァパイロットで、おまけに優しく力持ち、極め付けに甘いマスクの持ち主ときた」
加持「こんなの女の子が放っとかないだろう。その辺どうなんだ? 浮いた話は聞かないのか」
アスカ・レイ・マリ「「「!?」」」
シンジ「ちょ、何言ってるんですか加持さん!?」
ミサト「……! えぇーそうねぇー、こんな優良物件、買い手がつかないのがおかしいぐらいだわー」
シンジ「ミサトさんまで!」
アスカ「そ、そうかしら?!」
シンジ「アスカ?」
105:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 05:45:21.01 ID:9fWrBUhh0
アスカ「バ、バカシンジなんて、エロいし、うじうじしてるし、顔だってフツーよフツー!」
アスカ「こんなのがモテるワケないでしょ、ミサトたちの考えすぎよ!」
ミサト「ア、アスカ?」
シンジ「……うぅ……」ズーン
アスカ「あっ……な、何よ! コネメガネもそう思うでしょ?」
マリ「え?」
マリ「いやぁ……私はそうは思わない、っかにゃあ」
アスカ「はっ?」
マリ「わんこ君、なんだかんだでめっちゃ頑張ってるし。可愛いし、いい匂いするし」
シンジ「ま、真希波……!」ジーン
アスカ(ちょ、ちょっと! 話が違うじゃない! あんたあたしのサポートするんじゃなかったの!?)ヒソヒソ
マリ(やー、これは致し方なしだよ。あたしもわんこ君に嫌われたくないし)ヒソヒソ
マリ(ていうかサポートして欲しかったの?)ヒソヒソ
アスカ(ばっ……! し、知らない!)ヒソヒソ
108:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 05:51:44.89 ID:9fWrBUhh0
加持「ほお……ってことは、マリはシンジ君の事が好きなのか?」
マリ「にゃっ!?」ビクッ
シンジ「ええっ!?」
ミサト「あら、意外ね」
マリ「あーえーあー、ま、まーね?」
アスカ「嘘!?」
加持「え、マジで?」
マリ「え? …………」
マリ「ぜぜぜ、零号機のコはどうなのかにゃ~~~!?」カァァァ
加持(逃げた)
ミサト(逃げた)
アスカ「コネメガネ! あんた後で詳しく聞かせてもらうからね!?」
レイ「……」
109:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 05:56:32.46 ID:9fWrBUhh0
加持「シンジ君、手が止まってるよ」
シンジ「あ、す、すいません」グルグルグル
ミサト「レイは、シンちゃんのことどう思ってるの?」
レイ「私が……碇君のことを……?」
レイ「……」
ミサト「……」
アスカ「……」
マリ「……」
シンジ「……」グルグルグルグル
加持「……」ガシュッ ポイッ ガシュッ ポイッ
レイ「……よく、分からないわ。けれど……」
レイ「碇君といると、ポカポカ――」
アスカ「それはもういいっちゅーの!!」ダンッ
レイ「!?」
110:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 06:01:00.97 ID:9fWrBUhh0
アスカ「あんた前にもそうやってはぐらかしたけど、いい加減はっきりしなさいよ! ポカポカで味を占めてんじゃないわよ!」
アスカ「今度こそ答えなさい! 好きか、好きじゃないか、二択よ!」ビシィッ
レイ「……」
レイ「……どうしても、二択なの?」
アスカ「そうよ! ど、どうなの!?」
レイ「なら、好きよ」
シンジ「!!?」
ミサト「おほっ」
アスカ「……ッ! あー、そう! なるほど! 良かったわねシンジ、あんたレイに『友達として』好かれてるそうよ!?」
シンジ「え? 友達……あ、え?」
アスカ「ト・モ・ダ・チ!!」
シンジ「そ、そっか、そうだよね~。あははは……」グルグルグル
レイ「……」
マリ(姫ったら最初からこの逃げ道を用意して二択をかけてたにゃ~)
加持(正直突っ込みどころは満載だったが、これ以上追及するのは薮蛇だな)ガシュッ ポイッ
111:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 06:06:37.27 ID:9fWrBUhh0
シンジ「……よし、終わった!」
加持「お疲れ様、よく頑張ったなシンジ君」
ミサト「あなたたちも、お疲れ様。居間で休んでていいわよ」
レイ「……はい」
アスカ「はぁー、立ちっぱなしで疲れたわ」ポキポキ
マリ「おっ、もうゴールデンタイムじゃん! さぁーて、なんか面白い特番ないかにゃー」ピッ
ミサト「さて、あたしはこれベランダに出してくるわね」
加持「ああ、頼むよ」
加持「道具の片付けは俺がやるから、シンジ君も休んでな。よく働いて疲れたろう」
シンジ「いえ、僕は今からこれを作ろうかなって」
加持「ん……?」
加持「ほお、いいじゃないか。俺も手伝うよ」
112:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 06:12:09.22 ID:9fWrBUhh0
マリ「んー、色々あるにゃ、どれにしよっかな」
アスカ「何でもいいわよ」
マリ「んじゃーやっぱりコレ!」ピッ
\デデーン/ ゼンイン、アウトー
アスカ「えーーー……? 低俗ぅ」
マリ「今何でもいいって言ったにゃ!」
アスカ「やっぱり嫌だったのよ。そんなのより、こっちの方がいいわ」ピッ
キョウリュウニハ、コノヨウナ オドロクベキ ヒミツガ...
マリ「うぇーー、退屈ぅ」
アスカ「何よ! 恐竜のどこが退屈だっての!?」
マリ「零号機のコはなんか見たいのないの?」
レイ「……」ピッ
テッテテテッテ テッテテテッテッテー ドコデモドアー
アスカ・マリ「「……!?」」
レイ「……面白い」
113:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 06:12:55.84 ID:beMkeu8k0
ワロタ
114:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 06:17:48.69 ID:9fWrBUhh0
ミサト「あらあら、チャンネル権の争いなんて微笑ましいことやってるわね」
アスカ「ミサトは何が見たいのよ?」
ミサト「あたし? あたしはやっぱり――」
アスカ「あ、やっぱいいわ。どうせボクシングとか言うんでしょ」
ミサト「何よ! 年の瀬は格闘技って相場は決まってるのよ!?」
マリ「……」カキカキ
マリ「できたにゃ!」
アスカ「……何それ、あみだくじ?」
マリ「これで見る番組を決めるにゃー。そうすれば公平でしょ?」
ミサト「さっすが、機転が利くわねぇ」
アスカ「うーん、しょうがないわね……」
マリ「じゃあほら、みんな一本ずつ線を足して足して~。文句は言いっこなしだよ?」
レイ「……」キュッ
116:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 06:24:14.31 ID:
gHyjkRyE0
マリ「……」
アスカ「……」
レイ「……」
ミサト「……」
コヨイ ナミダ コラエテ カナデル アイノ Serenade~♪
マリ「……まぁ、くじの結果だからにゃ」
ミサト「結局なんだかんだでこれを見ながら一年が終わっていくのねぇ」
アスカ「……」
トワノ White Love...♪
アスカ「……負けないからね」
レイ「……!」
マリ「……!」
ミサト「……」フフッ
117:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 06:29:31.97 ID:
gHyjkRyE0
マリ「ん……? なんかおいしそうな匂いがするにゃ」
ミサト「あらホント! これってもしかして」
加持「おまっとさん。晩御飯にしよう」
シンジ「今日は大晦日だから、年越しそばだよ」
レイ「年越し、そば?」
シンジ「うん。一年の終わりに切れやすいそばを食べることで、今年一年の災厄を断ち切るっていう縁起物なんだ」
アスカ「まー美味しけりゃなんでもいいわ! もうお腹ぺっこぺこよ!」
マリ「右に同じく!」
加持「ほら、葛城」
ミサト「ん、ありがと」トクトクトク
加持「じゃあみんな、今日はどうもありがとう。明日は早速あの餅を使って雑煮を作るから、楽しみにしててくれ」
ミサト「って、やっぱりあんたも泊まってく気なの!?」
加持「ん、そうだが?」
ミサト「……まぁ……別に、いいけど」グビッ
118:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 06:34:42.43 ID:
gHyjkRyE0
シンジ「それじゃ……」
「「「「「「いただきまーす!」」」」」」
...
ゴーン... ゴーン...
よいお年を。
終劇
119:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 06:37:38.92 ID:5NR/nZsN0
乙
122:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 06:40:41.99 ID:uoPOJJUx0
おつ
面白かったよ
124:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/30(日) 06:43:22.47 ID:MWe6zjr30
よいお年を!!
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