夕張「提督、耳かきしてあげましょうか?」

2020-04-15 (水) 00:07  艦これSS   0コメント  
1: ◆pysihcVNJQ 2020/04/06(月) 18:37:32.37 ID:ZqLNVFT7O

―提督の執務室―


ガシャーン!! ドサドサドサ!! ガタガタガタ!!

提督「無い……無い……」

ガサガサガサ!! ドタバタドタバタ!!

提督「無い無い無い無い無い!!」

提督「うぉぉぉおお何処だァ! 何処へ行ったァ!」

提督「何故だ! 何故無い! 昨日まで! 昨日まで確かにあったものが! 何故今は無い!?」

提督「今まではそこにあったのに! 何故必要になった今消えた!?」

提督「何処に紛れた!? 何に紛れた!? 誰が何処へやった!」

提督「ぁあぁぁああぁぁああッ……!! ムカムカするぅぅううぁあああぁっ……!!」


コンコン……ガチャッ


夕張「提督ー、今だいじょ……うわぁっ!? 執務室が見た事ないくらい散らかってる!?」

提督「ああ!? 夕張か! すまんな見苦しい部屋で!」ガサガサガサ!!

提督「悪いが俺は今見ての通り取り込み中だ! 来客なら秘書艦に任せてくれ! 今日は神通だ今なら演習場にいる!」

夕張「い、いえ、午前中の装備開発の結果報告に来ただけなので……レポートここに置いておきますね」

提督「あぁありがとう! 後で確認する!!」





2: ◆pysihcVNJQ 2020/04/06(月) 18:39:13.84 ID:ZqLNVFT7O


夕張「……それにしても、何でそんなに荒れてるんですか? 提督も部屋も……限定海域を攻めてる時ですらこんなになった事ないのに……」

提督「あぁ!? それは耳かきが見つからんからだ!」

夕張「耳かき?」

提督「そうだ! ペン立てに一緒に差しておいた筈なんだが見つからんのだ、どういう訳か!」

提督「知らない内に落ちたか何処かに紛れたのかと思って机の上、下、中、周り、ついでにソファーの周りや本棚の裏まで探したが何処にも無い!」

提督「部屋の外に出した覚えは無いし、神通が勝手に持ち出したとも思えん!」

夕張「服のポケットとかは?」

提督「一回裸になってチェックしたが何処にも紛れてはいなかった!」

夕張(は、裸……///)

提督「この部屋だ! この部屋のどこかに落ちている筈なんだ!」

提督「あぁあぁぁあ……耳の中がゴワゴワするぅぅ……痒いぃぃぃいい!!」

ガサガサガサ!! ゴソゴソゴソ!!

夕張「……!」ピコーン

夕張「えぇっと、じゃあ、私はこれで失礼しますね」

提督「あぁ! 報告ご苦労!」

キィ……バタン

夕張「……」ダッ!!




3: ◆pysihcVNJQ 2020/04/06(月) 18:44:37.80 ID:ZqLNVFT7O


―工廠―


夕張「……」ザッ!


バッ!

ガシャッ!

キュィィィィン!!

ガリガリガリガリガリ!

バリバリバリバリ!!

キュィィィィン!!

ジジジジジジジジジジ!!

ググッ、ググーッ……

キィン! キィン!

シュッシュッ!! シュッシュッ!!

チュィィィィィン!!

カーン!! カーン!! カーン!!


夕張「……」ダッ!


―――
――




4: ◆pysihcVNJQ 2020/04/06(月) 18:45:37.09 ID:ZqLNVFT7O


―再び執務室―


提督「無い……どこにも無い……」

提督「何故だ! 何故無い!? 足でも生えて逃げたのか!?」

提督「出てこい! さっさと出てこい耳かきぃぃぃああぁぁああああ!!」

コンコンガチャッ

夕張「提督ー! 耳かきは見つかって……ないみたいですね」

提督「おう夕張か! どうした報告漏れか!?」

夕張「そういう訳じゃないんですけど……見つかってないなら良い知らせです」スッ

提督「そ、それは……!」

夕張「私が丹精込めて3分で作った耳かきです! 高級素材として知られる煤竹の性質、質感や触感を妖精さん謹製の新素材で完全再現しました!」

提督「素晴らしい! 流石夕張だ! ……で!! それは幾ら出せば譲ってくれるのだ!?」サイフトリダシ

夕張「……うーん、譲るのはタダでも良いですけど……」

提督「……けど、何だ!?」

夕張「そこのソファの上を片付けてくれたら……私が耳かきしてあげます、よ……?」

提督「……なん……だと……!!?」

夕張「提督が嫌でなければ、ですけどね」

提督「嫌なものか! ウォラッシャァァアアア!!」

ドサーーーーーーッ!!!

夕張(ソファに乗ってた書類やら本やら、全部床にぶちまけた……)

提督「よし! 片付いたぞ!」

夕張「ま、まぁ良いでしょう。では、どうぞ」スッ……ポンポン

提督「よし、頼むぞ!!」スッ!




6: ◆pysihcVNJQ 2020/04/06(月) 18:54:28.50 ID:ZqLNVFT7O


――
―――


提督「さぁ……早く……一気にこう、ガッと……!」

夕張「わっかりました!……と言いたい所ですけど、耳の中はデリケートなんです。丁寧にやらないといけません」

提督「そ、そうなのか……まぁ夕張なら手先器用そうだし、心配は無いな」

夕張「お任せください! さっ、まずは耳たぶに張り付いている耳垢から……」

ツーッ……カリカリ……カリカリカリ……
ググッ……ペリペリ……バリバリバリ……
ガサガサガサ……ゴシゴシ……

提督(耳たぶの皺の、深い所を耳かきがなぞって行く……)

提督(この辺りを自分で掻くことはない……だからか、耳垢がめくれる音と感覚が強い……)

ガサガサガサ、ゴソゴソ……
グイグイグイグイ、ググーッ……
バリバリバリ……ゾゾゾゾゾ……

提督(……ほとんど掃除していなかったとはいえ随分とたくさん取れるな……)

提督(皺の深部、一か所ずつ……掻かれたところが、明らかにすっきりして行く……)

……パリパリパリッ、ペリッ……コシュコシュ……
カリカリ……パリパリパリ……
ググーッ、シュッシュッ、シュッシュッシュッシュッ……

夕張「ここは終わり……っと。次は……」

ツツーッ……バリッ……バリバリ、ベリベリベリ……
コシュコシュ、グシグシグシ……パリパリ……
グシグシ……ゴシゴシゴシ……キュッキュッ……

提督(正に、詰まっていたものが取れて行くような、不思議な感じ……)

グシグシ……パリパリパリ……
ゴシゴシ、ゴシゴシゴシ……シュッシュッ……
ググッ、ググッ……グイグイ……シュッシュッ

提督(これはこれで楽しい感覚だし気持ち良いが……早く、中を……!)

ガサガサガサ……カサカサ、パリッ
ガザザザ……ガリガリ、バリバリバリ
ビリリリリッ……

夕張「結構多いですね……穴の中はともかく、耳たぶくらいは綺麗にしてないとダメですよ?」

提督「あぁ……これからは、気を付けるとしよう……それより、中の方を……」

夕張「もうちょっとですから……慌てないで……」

カリカリ……パリパリパリ……
ゴシュッ、ゴシュッ……パリパリペリ……
パリリリ……ペリペリ、ググググ……

提督(耳の奥のムズムズが……どんどん強くなって行く……耳たぶは気持ち良いが……奥は痒いのは複雑だ……!)

ゴシュッ、ゴシゴシゴシ、グシグシグシ……
シュッシュッ、ツツーッ……
クシクシ……シュッシュッ……ススー……




7: ◆pysihcVNJQ 2020/04/06(月) 18:57:07.50 ID:ZqLNVFT7O


夕張「後は皺を綿棒で拭いて行きます」

ガサゴソ……ゴソゴソゴソ……
グシグシ……グッグッグッ……
クル……クル……

提督「綿棒か……穴の方をやるんじゃないんだな」

夕張「穴の中を綿棒で掃除するのはやめておいた方が良いですよ、掃除どころか奥に押し込んで行ってしまうらしいです」

ゴソゴソ……ゴソゴソゴソ……
ググッ、ググーッ……ガサササ……
ゴソッ……ゾ……ゴソソソソ……

提督「アレ駄目なのか……前はちょくちょくやってたんだが……」

ゴゾ……ググググ……
ググッ、クルクルクル……
ゴゾゾゾ……バリッ……!

提督(時々溝の奥でクルクルするの、気持ち良いな……)

ガサッ、ゴソッ、ゾゾゾゾゾ……
グーッ……ググーッ……

提督(でも……早く、早く中を……!)


――――
―――




8: ◆pysihcVNJQ 2020/04/06(月) 18:59:28.87 ID:ZqLNVFT7O


夕張「はい、これで耳たぶはお終いです。いよいよお待ちかねの耳の穴の中ですよ」

提督「おぉ、やっとか……! 早く、早く……!」

夕張「はいはい、焦らない焦らない……動かないでくださいね……」

スーッ……
……バリィッ……!

提督「ぅおっ……!」

バリバリバリ、メリリッ……!
メリメリメリ……ミリミリミリッ! バリリリリッ!
スーッ……

ザリッ……! ザリザリザリッ!
ザリザリザリ、バリリリッ! メリメリメリッ!
ススーッ……

提督(耳の穴の手前も手前、かゆみの大本からは程遠いところ……それでこのしっかりと耳垢が掻き出される感覚……!)

バリバリ、メリッ……!
メリメリ、ピリピリピリ、バリッ!
スーッ……

提督「くぅっ……おぉ……!」

バリバリバリッ! ザリザリ、ビリッ!
ベリッ、ベリリリリ……パリッ!
スゥーッ……

提督(そしてこの爽快感……見なくとも分かる、これは大物……!)

ガサガサガサ……バリバリバリ……
ベリベリ……バリッ……バリッ……バリッ
ズーッ……バリッ……メリメリ……パリッ

提督(こんな位置からこれだけのものが出て来るとは、余程溜まっていたんだな……)




9: ◆pysihcVNJQ 2020/04/06(月) 19:01:45.46 ID:ZqLNVFT7O


提督「夕張……中、どんな感じだ?」

ツーッ……メリメリメリ……ジリリッ、ザリザリッ
ザリザリザリ……ザリッ……バリバリ
シャッシャッ、スーッ……

夕張「かなり溜まってますね……あれだけ荒れていたのも頷けます」

メリメリメリッ……パリッ……パリパリパリ……
パリパリ……パリパリパリ……ペリペリペリ
ズズズズッ……!

夕張「耳かきはあまり頻繁にやると却って悪影響ですけど……」

ツツーッ……サリサリ……ツツツーーッ……
……ザリッ……ジリリリッ
ツーッ……スッ……スッ……

夕張「提督はもうちょっとだけ掃除した方が良いかもしれませんね」

提督「そうだな……そうしよう……」

メリメリ……パリパリパリ……パリパリパリ……
スーッ、スーッ……パリパリパリ……サリサリサリ……
ザリザリザリ……サリサリ……スッスッ、スーッ……

提督(耳垢が取れた跡をもう一度なぞられるの、良い……)

メリメリ……ザリザリッ、ザリリッ……パリッ!
スーッ……シャッシャッ、ススーッ……
スリスリ、サリサリサリ……シュリシュリ……

提督(掻き出されてスッキリした後、残った細かい耳垢もこそげ取られて……ちょっとだけ残る痒い部分も一緒に掻いてくれてる感じ……)

シュッシュッシュッ、シュリシュリ……
サリサリサリ、サリリリッ……
パリパリパリ……スーッ、スーッ、ススーッ……

提督(確実に耳垢を掻き出して綺麗にしてから、少しずつ奥に進んで行く……)




10: ◆pysihcVNJQ 2020/04/06(月) 19:05:57.35 ID:ZqLNVFT7O


ツーッ……ツツーッ……ツーッ……

夕張「よし、これで上の方は綺麗になりました! 続いて……」

スゥ……
カサッ……パリッ……カリカリ……バリバリバリ……
カリカリカリ……バリッ……カサカサ……コソコソ……

提督(耳かきが奥まで入って来た……一緒に音も変わって……)

カリカリ……カリッ、カリッ……コリコリコリ……
カツッ……ツ……ツツーッ……カリカリ……
……パリッ!

提督(この辺の耳垢は……さっきのより硬く固まっているような印象……)

カリカリ……カリッ……パリッ!
カツッ、カツッ……カツッ……ペリリッ!
パリパリパリ……ペリッ……!

提督「この辺は取れるというより……剥がれるって感じだな……」

夕張「結構しつこめに貼り付いてますね……」

カツッ、カツッカツッ……ググ……
ゴソッゴソッ、ググググ……パリッ!
ペリペリベリ……カリカリ……コソコソ……

夕張「まっ、全然取れないって程じゃないですけどね!」

カツッ、カツッ、カリカリカリカリカリ……コリコリコリ……
ククッククッ、ペリッ……!
カッ、カツッ、コツッ、コツコツ、コリコリコリコリコリ……
パリリリッ……スーッ……

提督(自信満々な態度に偽りなく……どんどん取れて行く……)

スィーッ……カリッ……! クリクリ、コリコリコリ……カリカリカリカリ……
パリパリパリ……ペリリリリッ……
スリスリ……サリサリサリ……




11: ◆pysihcVNJQ 2020/04/06(月) 19:10:57.46 ID:ZqLNVFT7O


スーッ……
カリカリカリ……ココッ、ココッ、コリコリコリ……
カリカリ……ペリリリリッ……パリパリパリ……

提督(耳の中の、出っ張った部分の裏、か……? 自分で耳かきした時は、どうしても掻けずに放置せざるを得なかった場所……)

カリカリ……コリコリコリ……カリカリカリ……
カリカリカリカリカリ……ペリペリペリ……
ツーッ……コリッコリッ、カリカリカリ……コリコリ……
スーッ……

提督(なのに……どんどん取れて行く……耳かきの届きにくい所の耳垢も、夕張の手にかかれば確実に掻き出してくれる……)

シュッシュッ……コシュコシュ……
スリスリ……ススーッ……
サリサリサリ……ツツーッ……カリカリカリ……

提督(しかも、耳かきで変な所を突いたり掻いたりしない……さっきから全く痛みが無い……)

カツッカツッ、コツッコツッ、カリカリ……コリコリ……
ペリペリペリ……パリパリパリ……
ススーッ……スーッ……サリサリサリ……

提督(流石の手先の器用さ……自分では、こうは行かないのに……)

コツコツ……コツコツコツ……カリッ……
カリカリカリ……カリカリカリ……パリパリパリ……
スーッ……

提督「凄いな……もう、夕張無しでは生きていけないかもしれない……」

カリカリカリ……パリパリパリ……
ゴソゴソゴソ……パリパリパリ……
サリサリサリ……ススーッ……

夕張「お、オーバーですよ、そんな……」




12: ◆pysihcVNJQ 2020/04/06(月) 19:13:53.03 ID:ZqLNVFT7O


カリカリ……カリカリカリカリカリ……
クリクリ……ココッ、ココッ……
ゴヅッ……!

夕張「おっと……奥にゴツいのがありますよ……」

ガツッ……! ガッガッ、グッグッ……!
ガリッガリッ、ググッ、ググッ……!

提督(ずっと掻けずにいた場所だけに、やはり大物ができていたか……)

ガツッ、ガツッ、ガツッ……ズルッ
ガッガッ、ググ……ズルルッ……
ガリッガリッ……グググ……

提督(剥がれない……耳垢の淵を耳かきで掻いても、滑るばかりで剥がれてくれない……)

ツィーッ……ツツーッ……
カリカリカリ……クリクリクリ……
ツツーッ……カリカリカリ……

夕張「これはちょっと……手強いですね……」

提督(夕張をして手強いと評する……一体どれだけの……)

カリカリカリ……カリカリカリ……
クリクリ……カリカリカリカリカリ……
カリッカリッ、コリッコリッ……

提督(例の大物の、表面を撫でているのか……?)

カリカリ……パリパリパリ……
クイックイッ……コショコショ……
カリカリカリカリカリ……

提督(音は伝わるが、撫でられている感覚が小さい……相当な厚みがあるみたいだ……)

ツイーーッ……ツィーーッ……ツツツーーッ……
カリカリ……クリクリ……
ツツツーーッ……ツーーッ……

提督(何だ、これ……大物の周りを……淵の部分だけを掻いてるのか……)

カリカリ、ククーッ、クリクリ……パリパリパリ……
ツツーッ……ツツツーーッ……
カリカリ……クリクリ……カリカリ……コリコリコリ……

提督(耳の中の感触からして、大きさが分かる様だ……これは間違いなく大物……!)

ツィーッ……ツィーーッ……
コリコリ……コリコリコリ……カリカリカリ……
ツツーッ……

提督「も、もどかしいな、それ……」

夕張「意地悪してるんじゃないんですよ? 今丁度……」




13: ◆pysihcVNJQ 2020/04/06(月) 19:16:43.53 ID:ZqLNVFT7O


カリカリ……クックッ、ククッ……カリカリカリ……
コリコリコリコリコリ……カリカリカリ……
カリッ、カリッ、カリッ、コリッ、グググググ……
…………ペリッ……!

提督(は、剥がれた……! 一部分だけたが、確かにめくれた……!)

グイッ、ググッ……
……ペリッ
ググッ……グイッグイッ……
……ペリリリッ……

提督(……周りをツーってなぞっていたのは、どこが削りやすいか探っていたのか……?)

ググググ、グィーッ……
……バリッ! バリバリバリッ! ゴソゴソゴソゴソゴソ!!

提督(一部をめくれ上がらせて、そこから匙の先端を差し込んで、一気に……!)

ズゾゾゾゾゾッ!!
ガサササササササッ!!
……ベリリリリ……バリッ!

提督(剥がれたっ……! しつこく貼り付いていた大物が、やっと……!)

バリバリバリッ!
ガサガサ!!
……ベ……リンッ……!

提督(取れた……跡が、ジンジンする……)

夕張「ふぅ……後はこれを落とさないように……」

ゴソゴソ……ガサガサガサ……
ズズズズズズ……

提督(大物が持ち上げられて行く……大きいからか、時々壁に引っかかってるな……)

ズズズズ……ゴソソソ……
……スッ……!

夕張「やっと出て来た……ものすごい大物ですよ」スッ

提督「わーお……デカいな……ちょっと見た事がないサイズだ……」

提督(BB弾を潰したみたいな厚みと大きさ……よくも耳の中に入れていたものだな……)




14: ◆pysihcVNJQ 2020/04/06(月) 19:18:51.33 ID:ZqLNVFT7O


夕張「後は残ったのを掃除して……」

カリカリカリ……サリサリサリ……
ペリペリ……パリパリパリ……

提督「さっきので一気にスッキリしたが……まだ残りがあったんだな……」

夕張「もうカスみたいなのしか残ってないですよ。ここで……」

モフッ!
モフッモフッ、フワフワフワ!
ゴソゴソゴソ! フワフワフワ!
モフモフモフモフ……

提督(梵天……!)

ゴソゴソゴソ! フワフワフワフワ!
クルクル……クルクルクル……
モフモフモフモフ……

……ふーっ……!




15: ◆pysihcVNJQ 2020/04/06(月) 19:21:24.03 ID:ZqLNVFT7O


提督「ぅお……!」ビクッ

夕張「ふぅーっ……これでこちら側はお終いです。さぁ、反対側も見せてくださいね」

提督「あ、あぁ……」

提督(大物が一気に剥がれて、おまけに梵天もふもふ攻撃……正直、身体を回す力も入らないくらい脱力してるが……)

提督(でも回らないと続きしてもらえないしな……)グルッ

提督「…………あ、ゴメン」

夕張「い、良いですよ! このままやりましょう!」

提督(マジかよ……目の前に夕張のお腹が……! 地肌が! おへそが!)

夕張「じゃあ、また耳たぶから綺麗にしていくので、まず力抜いてくださいねー……」

提督「あ、あぁ……」

サリサリサリ……ザリザリザリ……バリッ
ベリベリ……バリバリバリッ……ベリッ

提督(あ……やっぱり、気持ち良い……この音だけで、全身の力みが抜ける……それに何となく良い匂いも……)

カリカリカリカリ……ザリッ、ザリザリッ……
バリバリバリッ……
シュッシュッ、グシグシ……

提督(こっちも相当溜まってたらしいな……)

カリカリカリ……ザリザリッ……グイグイグイッ……
ググググ……ゴシゴシゴシ……パリパリ
ガサガサガサ……ゴソゴソゴソ……

ググッ、ググッ、ググググ……パリパリ
シュッシュッ、シュッシュッ、コシュコシュ……
パリパリパリ……ツツーーッ……

ガサガサガサ……ザリザリザリ……
バリバリ……ザリザリ……バリバリバリッ……
シュッシュッ、ゴシゴシ……ゴシゴシゴシ……

パリパリパリ……ピリピリ……ペリッ
カリカリカリ……カリカリカリ……グイーッ……
ススッ、ススッ、ススーッ……

提督(どんどん取れる……)




16: ◆pysihcVNJQ 2020/04/06(月) 19:24:36.23 ID:ZqLNVFT7O


夕張「そろそろこちらも中を掻いて行きます。こちらも多いですよ……」

提督「あぁ……頼む……」

カリカリカリ……パリパリパリ……ペリッペリッ……
メリメリ……パリッ! パリパリパリッ!

パリパリパリ……メリメリメリ……
カリカリ……パリパリ……スーッ……

提督(確かに……大分溜まってるらしい……)

カリカリ……カリカリカリカリ……
カリッカリッ、カリッカリッ、パリリリッ……

メリメリメリ……パリパリパリ……
カリカリ……コリコリコリコリコリ……カリカリカリ……

提督(こっちも……あぁ……どんどんスッキリして行く……)

カリカリ……サリサリサリ……
シュッシュッ、シュッシュッ、スーッ……

コシコシ……クシクシクシ……コシュコシュ……
シャッシャッ、コリコリ……カリカリ……

提督(ここ……良い……ツボってやつなのかな……)

カリカリ……クリクリ……カリカリカリカリカリ……
サリサリサリ……パリパリパリ……
ツツーッ……カリカリカリ……パリリリッ……

提督(……なんだか……眠く……)ウトウト

カリカリカリ……パリパリパリ……
パリパリパリ……ススーッ……

クリクリ……コリコリコリ……
カリリリリッ……ツツーッ……カリカリカリ……

コリコリコリ……カリカリカリ……
パリッパリッ……カリカリカリ……
カリカリカリカリカリ……ココココッ……


――――
―――
――




17: ◆pysihcVNJQ 2020/04/06(月) 19:27:35.37 ID:ZqLNVFT7O


――
―――
――――


――ガザッ!!


提督「……はっ……!?」ビクッ

夕張「気が付きましたか?」

提督「ね、眠っていたのか……ところで、今のは……?」

夕張「奥の方に大きいのが引っかかってますね……さっきのと違って既に剥がれ落ちてますけど」

ガザッ、ガザッ!! バリバリバリッ!!
ゴソゴソゴソ!! ガサガサガサ!!

提督「うわあぁぁ……! 何だこの音と、感触……!?」

ガサガサガサ!! ゴソゴソ!!
ゴソゴソゴソ!! ガサッ!! ガサッ!!

夕張「多分……鼓膜に当たってるんだと思います。大きいですし」

チョンチョン
ガサッ!! ガサッ!!

提督「うわわわわ……さっさと掻き出してくれっ……!」

夕張「お任せ下さいっ!」




18: ◆pysihcVNJQ 2020/04/06(月) 19:33:43.52 ID:ZqLNVFT7O


ガサガサガサ!! ガサッ!!
ゴソゴソ!! ガザッガザッ!!

提督(貼り付いてるんじゃなく、そこに「ある」という感じ……剥がれたのが外に出ずに残ってしまったのか……)

ガザッ!! ガザッ!! ガザッ!!
ゴゾゾゾッ……!! ガサガサガサ!!

提督(出て来ない……どこかに引っかかっているのか、端を撫でているだけみたいな感じ……)

ガサガサガサ!! ガサガサガサガサ!!
ゴソッゴソッ!! ガサッガサッ!! ガザザザザザ!

夕張「ちょこざいな……こうしてくれるっ!」

ガサガサガサ!! バリッ!
バリバリバリッ!! バリバリ!!

提督(耳の壁に押し当てて……引き抜こうとしている……? 耳垢越しに壁を掻いて……)

ガザガザガザ……ザリザリザリ……
ズズッ……ズズズズズズ……
ガサッガサッガサッ!! ズズズズズズ……

提督(少しずつ登って来て……出て来る……音がどんどん、外に向かって……)

ガサガサガサ……ガサササササササッ……!!
……パリッ……!

提督「おぉっ……!」

夕張「おぉ、出てきましたよ……やたら大きい、ヒラヒラしたのが」

提督(やはりとんでもない大物……通りで……今の、相当なスッキリ感……)

夕張「後は残りを掃除して……」

カリカリカリカリカリ……カリカリカリカリカリ……
パリパリ……スーッ……パリパリパリ……

カリカリカリ……コリコリコリコリコリ……カリカリカリ……
パリパリパリ……ツツーッ……カリカリカリ……
ツーッ……

夕張「仕上げに梵天で……」

モフモフモフッ……モフモフモフモフ……
フワフワ……フワフワフワ……
モフモフモフモフ……
モフッモフッモフッ、モフッ……
フワフワフワ……

ふーっ……




19: ◆pysihcVNJQ 2020/04/06(月) 19:35:01.88 ID:ZqLNVFT7O


――
―――


夕張「はい、これで完了です」

提督「あぁ……ありがとう……気持ち良かったよ……」ムクッ

夕張「ふふっ、いつもの提督に戻りましたね」

提督「久し振りに落ち着いたよ……そのお陰で部屋の様子もよく分かる……ヒドいなこれは、神通が戻ったら何を言われるか……」

夕張「折角ですし私も手伝いますよ」

提督「助かるよ。取り敢えず床に散らばった本を纏めてくれ」

夕張「了解です!」

提督「それにしてもどこに行っちゃったんだろうなぁ、あの耳かき。今となっては最早未練は無いが」

夕張「探すのを止めた時に見つかるのもよくある話と言うじゃないですか。そのうち見つかりますよ」

提督「いつの歌だよ……まぁ、だと良いんだけどな」



――――

―――

――





20: ◆pysihcVNJQ 2020/04/06(月) 19:37:50.05 ID:ZqLNVFT7O


―時間は少し遡り 工廠裏手の茂み―

チュィィィィン……
ギュリギュリギュリ……
ガガガガガガガガガガ……
カーンカーンカーン!

夕張「できたっ……急がないと……!」ダッ!!


……


白猫「ニャーニャー」

黒猫「ゴロゴロゴロ……」

三毛猫「ニャーン」

雷「かわいい~……」ホッコリ

電「なのです……」ウットリ

響「良いのかな、勝手に餌付けとかして……」パラパラ

暁「ほぼ鎮守府の飼い猫みたいなものだし良いんじゃない? 司令官も駆除してないし」パラパラ

斑猫「ニャーニャー」テシテシ

三毛猫「ニャーニャー」フワフワ

雷「あら、何かしらこれ?」

電「猫が何かで遊んでるのです……?」ヒョイ

響「これは……耳かき? 何でこんな所に」

暁「さぁ……?」

猫「ニャー」






この後滅茶苦茶した

おしまい




元スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1586165852/

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