1:
◆U.8lOt6xMsuG 2020/03/21(土) 01:57:39.54
ID:AoPUJLA90
八宮めぐるさんとPの初夜です
2:
◆U.8lOt6xMsuG 2020/03/21(土) 01:58:22.33
ID:AoPUJLA90
隣の少女は無言だった。昨日までは寒かったのに、今日はすっかり春らしい気候で、冬服だと首下に汗が滲む。しかし夜になれば話は変わり、昼間のツケが帰ってくるかのように今の服に感謝をした
電灯が等間隔に灯っている。星空の下と、電球の下を繰り返しながら歩いた
「……寒いな。何か買っていくか? コーヒーでも、ココアでも」
少し先に自動販売機が見えた。ホットコーヒーなりココアなり、かじかみかけの手を温めようと少女に提案する
「……うぅん、大丈夫。早くプロデューサーの家に行きたいし」
少女はそう言いながら断った。
プロデューサー、と呼ばれた瞬間に胸が締め付けられた。俺はアイドルのプロデューサーで、この少女の担当をしていて、まだ未成年の彼女を家に連れ込もうとしている。砂糖が溶けきってない、ドロドロのコーヒーみたいな思考が脳内を埋める
自分の事をどうしようもないクズだと自称し、自宅までの道を彼女と歩いた
「……めぐる」
彼女の名を呼んだ。前を向いたままだったので、彼女の金色の髪は視界の端っこにしか入らない
「何、プロデューサー?」
彼女の手は温かかった。冷えた指先が、柔らかい熱に包み込まれる。ほら、変装していると言っても、前に事務所に来た阿久井徳次郎さんみたいな記者にすっぱ抜かれたら、と言いかけて止めた
「……いや、めぐるの手が、暖かいって思って」
代わりの言葉を吐いた。少女はふふっと吐息を溢した。そのまま、身体の側面と側面がくっついた。歩くときに出す足が同じになった
夜になればまだ寒い、とはいえ彼女がいるならば冬服でなくてもよかったのではと思った
3:
◆U.8lOt6xMsuG 2020/03/21(土) 01:58:50.56
ID:AoPUJLA90
彼女が――八宮めぐるが自身の抱えている感情に恋と名付け、俺に教えた。それが始まりだった。
アイドルとして抱いてはいけない感情だと言うのは彼女も重々承知していた。しかし、もはや彼女はそれを抑えることが出来なくなっていた
『……うん、言ってスッキリできたよ。ありがとうプロデューサー、また明日ね』
ある日の夕暮れ、帰り支度をしているとき呼び止められた。俺としては急に何をと戸惑うものだったが、めぐるにとってはそうじゃなくて。ずっと抱えていたものを、ようやく吐き出せたらしい彼女の言葉は、途切れ途切れでたどたどしく、最後の方は震えていた
耳まで真っ赤になった顔と、涙がたまった瞳を無理やり笑顔に変えて、彼女は背を向けた。言って、ここで終わりにするつもりだったのだろう。だって八宮めぐるはアイドルで、俺はプロデューサーだから
彼女にとってのこの告白は、精算でもあったのだ。もう抱えているものはお終いにして、明日からは何もなかった頃のように、と。彼女はそれを望んでいた
俺はめぐるが歩き出す直前に、手をとった
アイドルとしてのめぐるの将来と、自分の事を慕う女性に応えようという思い。二つを天秤にかけて、後者を優先した。
めぐるは目を白黒させて戸惑った。俺も俺が何をしているのか理解が追いつかなかった。彼女の涙には覚悟も含まれていた。終わらせるために勇気を振り絞った。俺はそれを侮辱した。それだけだった
今度は子どものように、めぐるが泣きじゃくった。その後に笑った。以来、秘密の関係が出来た。
4:
◆U.8lOt6xMsuG 2020/03/21(土) 01:59:20.46
ID:AoPUJLA90
高校生だぞ、と頭の中で自分が何度も叫ぶ。手遅れに……は、既になっているが、それでも早めに元の関係に戻った方が互いのため、だというのも分かる
しかし、引き返すことが出来なかった。どんどんと、自分の足下が泥のようになって行く感覚が大きくなって、沈んでいく息苦しさが増えて行く。それでもめぐるを拒絶出来なかった
彼女が目に涙を溜めながら言葉を綴ったあの夕方の景色を思い出す度、沈んでいく感覚に抗おうという気は小さくなった
『あのね、プロデューサー』
そして、めぐるとそういう関係になって3ヶ月が経った頃。事務所で二人きりになった今日。
俺たちはいつからか、示し合わせたわけでもないのに、互いに事務所に遅くまで残るようになっていた。互いに多忙で、共有出来る時間は少なかった。だからか、俺の仕事が終わるまでめぐるが待っていたり、めぐるがスタジオから戻ってくるまで帰らなかったり、互いにそういうことをしていた
今日もいつも通りめぐると二人きりになって、他愛もない会話をし、時間を一緒に消費していった
『どうしたんだ?』
そんな中で、彼女に切り出された。マグカップを両手で挟んで、うつむいて表情がよく見えなかった。金色の髪の毛から、赤い耳が見えた。
『……そのね、今日、学校でさ、友達が』
彼氏と、そういうことをした。その話を聞いた。めぐるはそう言った。震えた声だった。
『だからっ……って、ワケじゃないけど、その』
興味が出たのだと。それから、自分がプロデューサー――俺にとって、そういう対象として見られているのか不安になってしまったのだと。彼女はポツポツと語った
『いきなりだけど……プロデューサーも、私も、明日はお休みだし』
そうだ。明日はこういう関係になって初めて、共通の休暇日だ。だからといって、これはあまりにも急すぎるのではないか。確かに、性行為で愛を確かめるというのはある。しかし、必ずしも性行為が必須というわけでもない。他に採れる方法は多い。
また、めぐるはまだ高校生だ。自身の身体を慮ることが一番ではないか。もし妊娠でもしたならば、もしトラブルが発生したら……とリスクについて考えてしまう。彼女にとって最悪といえるシナリオが、頭の中で克明に描かれる。
しかし、俺はめぐるにプロデューサーとしてかける言葉を使わなかった
代わりに『家は汚いが大丈夫か』と、最低な言葉を吐いた。めぐるはこくんと頷いた。
5:
◆U.8lOt6xMsuG 2020/03/21(土) 02:00:46.20
ID:AoPUJLA90
軽食を済ませ、めぐると夜道を歩く。互いに会話は少なく、コツコツと、踵をそろえた音がいやに響いてくる。腕に抱きつかれて、彼女の体の柔らかい部分をどうしても意識してしまった。
道中にコンビニが見えた。横断歩道の向こう側だった。ちょうどいい、と俺は左腕に抱きつくめぐるへ声をかける
「少し、待っていてくれないか?」
「? さっき、ご飯はもう食べたよ?」
「いやお腹が減ってるんじゃなくて……」
軽食じゃ足りなかったから追加でとか、そういうのではなくて。もう女性と交際をしなくなった期間が長く、俺の家には避妊具がない。だから、それを購入するだけなんだ
隠しても仕方が無い、とオブラートに包まずダイレクトに「ゴムを買うから」とめぐるに告げた。めぐるは見上げていた顔を赤くし伏せて、何も言わなくなった
ちょうど横断歩道が青になる。めぐるに左腕から離れてもらおうと、彼女の肩に手を置いた。しかし、めぐるはより強く抱きつく。肩を手のひらで優しく叩いた。それでも離れなかった。信号は赤になった。
「……買わなくても、大丈夫だから」
……いやいや、何を言ってるんだ。
「いやいや、何を言ってるんだ」
口に出た。何を言っているんだ。めぐるはアイドルだ。避妊せずに性交渉をして、もし妊娠したらどうなる。いや、アイドルと性交渉をしようとするな、と言われればそこまでだけれど
「避妊なら……その、お薬、飲んでるし……」
「……は?」
「一週間以上前に飲み始めたから、効果もちゃんと……」
「……」
めぐるの話は、つじつまが合っていない。友人から彼氏との性行為に関する話を聞いたのは今日のことで、だか今二人こうして家に向かって歩いているはずなのだが。一週間以上も前から避妊薬を飲んでいたと言うことがそもそもおかしい
今日いきなりのお願いをしてきたこと。それが、避妊薬を服用していると言うこと。どちらかは確実に嘘だと言えよう。
また信号が青になった。車は一台も止まっていなかった。赤信号でも、無視をすれば渡れるだろう
一度深呼吸をした。肺の中に、まだ冷たい初春の夜が入り込む。息を吐いた後、俺はコンビニに行くこと無く、左腕に彼女が抱きついたまままた家に向かって踵を慣らした。
彼女の嘘を暴くつもりにはなれなかった。いきなりのお願いが嘘だった場合、彼女はずっと抱えていた不安や俺への思いをようやく今日吐き出せたと言うことになる。あの夕暮れの告白と同じだ。いきなりではなくずっと、めぐるはこうしたかったと言うことだろう
避妊薬の服用が嘘だった場合……は、めぐるの真意がよく分からない。妊娠のリスクを避ける以上、避妊具の使用は必須だ。が、めぐるがそうしたいと望むなら、俺もそうしよう。72時間以内だったらアフターピルもある。それに頼り切りになるのは避けたいところだが
どうやら俺は、めぐるのわがままに弱いようだ
マンションに着いた。エレベーターに二人で乗り込んだ。部屋の前、鍵を出すためにめぐるに腕から離れてもらうと、腕から急に熱がなくなって寂しい気持ちになった
玄関のドアをくぐる。「ただいま」と「……おじゃまします」を交わした後、靴をそろえた
11:
◆U.8lOt6xMsuG 2020/03/25(水) 00:51:53.13
ID:mSH+Qrk60
◆◇◆
私の鼻に、プロデューサーの匂いが飛び込んでくる。いつも心地良いと感じていた香りに包まれて、安心と緊張を覚えた
プロデューサーの後に付いて部屋まで行く。汚い、って言ってたけど全然そんなことはなかった。改めて見渡してみた。私達のCD、私達が取材を受けた雑誌、私の写真集、事務所のみんなが映ったポスター……お家なのに、お仕事の部屋みたいになっちゃってる
「適当にくつろいでてくれ」
冷蔵庫が開く音がして、ボーッとしてたのが引き戻される。適当に……と言われても、どうすればいいんだろう。男の人の家に来るのは初めてだし……とりあえずソファに座ってみた。プロデューサーが飲み物を持ってきてくれた。オレンジジュースだった。常備しているのかな
プロデューサーは隣に腰を下ろす。肌が触れるくらいの距離でコーヒーを啜ってる。私もオレンジジュースに口をつけた。
横目でプロデューサーを見る。スーツの上着もネクタイも脱いでいて、リラックスしているみたい。お家だといつもこんな感じなのかな。マグカップを握る手、プロデューサーのゴツゴツとした男らしい指に見とれた
「なぁ、めぐる」
「……なに?」
プロデューサーはリモコンを手に取る。口の辺りをモゴモゴとして、何かを言いあぐねていた。ついたテレビの音は全然聞こえない。ただ、プロデューサーに注目しちゃう
何を言おうとしているんだろう。待つ時間が長くなると、ドキドキしちゃう。もしかしたら「今日はやめよう」なんて言われるかもしれない。ピル飲んでるの嘘だって思われたのかな。二人ともお休みの日になる今日に合わせて飲んできたんだけど
私が吐いた嘘は「今日、彼氏とえっちした友達の話を聞いた」ってことだけ。その友達に彼氏はいないし、もちろんえっちしたなんて話も聞いたことがない。全部私の妄想だ。でもそれだけ。ずっとプロデューサーとえっちがしたかった。
私はアイドルでプロデューサーはプロデューサー。私は高校生でプロデューサーは大人。だから、えっちどころかこういう関係になってるのも本当はダメ。
それを分かっているけど、私はプロデューサーと結ばれたいと願ってしまった。最初は好きだってことを理解して、その想いを伝えるだけで良かった。でも、結ばれると自分の中からどんどんしたいことが生まれてくる。諦めていたことをしたいと思ってしまう
手を繋ぎたい。腕に抱きついてカップルみたいに歩きたい。部屋でのんびりしながらイチャイチャしたい。キスがしたい。一緒になりたい
アイドルとプロデューサーじゃなくて、普通の人みたいに関わり合いたい。そう思うようになってきて。
でも、これは私の一方的なことで、プロデューサーはそうじゃない。プロデューサーの考えていることはわからない。けど、大人で、アイドルのプロデューサーな彼はきっと、私よりもずっと多くのことを観ている
私のわがままを聞いてくれたけど、考えが変わって「今日はやめ」って切り出すかもしれない。もちろん、そっちの方が正しい。
だけど、やっぱり嫌かも。断られるところを少し妄想しただけでも、胸の辺りが苦しくなっちゃった。ちびちびとオレンジジュースに口をつけてから、コップを置いて、祈るように膝の上で手を組む
「――めぐる」
プロデューサーがもう一度私の名前を呼んだ。「うん」って喉で慣らした。次の言葉に意識を集中させる。
と、言葉より先に感触が来た。プロデューサーに手を握られていた。組んでいた手の上に、プロデューサーの手のひらが重なってる
「……本当に、いいんだな?」
断りの言葉じゃなかった。ただ、私に尋ねてきた。いいのか、なんて答えは決まり切ってるのに。組んでいる手を外して、プロデューサーの指と絡ませる
「……うん」
それだけを言った。さっきよりもはっきりと、「うん」を告げる
横目で見ると、プロデューサーの瞳が真っ直ぐ向いているのが分かって。私も向き直して、ちょっとの勇気で近づいて、オレンジとコーヒーの味を重ねた
一瞬だけ軽く触れた。顔を離して、プロデューサーを観た。ちょっと驚いているみたい。なんだか可愛らしかった。プロデューサーの指はゴツゴツしてて、男らしかった。そんな指に力が入って、手のひらと手のひらが密着する
したいと思っていた事が、この瞬間にいくつか叶った
12:
◆U.8lOt6xMsuG 2020/03/25(水) 00:58:21.37
ID:mSH+Qrk60
オレンジジュースを飲み干してからしばらくして。私はシャワーを浴びている。こういうののタイミングが分からなくて、先か後のどっちにすれば良いのか悩んで、プロデューサーより先にシャワーをいただくことになった
一緒に入ろ? なんて言えれば良かったんだけど。そんな勇気はまだ無いし
シャンプーもトリートメントも、いつも私が使っているのと違うから仕方なくボディーソープだけ借りた。手で泡立てて、身体に広げて汚れを落としていく。
暖かいシャワーで全身の泡を落としてから、バスタオルで身体を拭った……後、どうすれば良いのか迷った。こういう時って、どういう格好で待てば良いんだろう?
着てきた服や下着をまた着ればいいのかな? でもそれだと身体を洗った意味がなくなっちゃうんじゃ……。プロデューサーにシャツとか借りれば、でもクローゼットの場所わかんないし。裸? 無理。
急いでスマホで調べる。こういうときどうすれば良いのかを検索した。『気合いを入れた勝負下着とかもオススメです!』持ってないよそんなの!
どうしよう、どうしようとテンパる頭で解決策を探る。結局、バスタオルを身体に巻いて行くことにした
13:
◆U.8lOt6xMsuG 2020/03/25(水) 01:05:42.71
ID:mSH+Qrk60
バスタオル一枚で脱衣所から出て、さっき教えてもらった寝室に行く。その間に「上がったよ」と声をかけた。おお、と返事をしたプロデューサーに「振り向かないで」とお願いした
寝室は暖房が付いていた。私がシャワーを浴びてる間にしてくれたのかな。プロデューサーってこういうところあるよね
シングルサイズのベッドに腰掛けて、シャワーの音が止まるのを待つ。髪の毛から水滴が一つ、ベッドに落ちた。テンパってドライヤーが不十分だったかな。まだ水分が残って、纏まってる髪の毛を指先でくるくると弄る。見慣れた黄金色だった
待ってる間に考えた。好きだって自覚する前、好きになったのはいつだろうって。こんな気持ちになったのはプロデューサーが初めてで、いつから私は惹かれていったんだろう
夜にコンビニで会った時。いつもより少し寂しそうなプロデューサーが気になって。それから、一緒に歩いているときに心地よくって。ずっとこの瞬間が続いて欲しいって思って
アクアリウムを観たときかも。一匹だけ仲間はずれの子を自分と重ねちゃった。でも、プロデューサーがいたら私もその子も大丈夫だって、根拠のない安心があった
WINGで優勝したとき……は、自覚した瞬間の方だ。あのとき、口をついて「大好き」って言った。でも次の瞬間から喉が圧迫されて、胸が苦しくなって、目の前が綺麗に見えて。私の優勝を、自分の事以上に喜んでいるプロデューサーに、ドキドキした
その時の「大好き」は、友達に言うみたいな感じで口から出たのに。言った瞬間に、私の本心はそうじゃないって気がついて。顔が熱くなって、ハグしたいのにしたくなくて。変な感じだった
私はきっと、何気ない日々の中にあるちょっとしたことを積み重ねて、プロデューサーを好きになったんだと思う。
……プロデューサーはどうなんだろう。プロデューサーは私のどこを、いつ、どういう風に好きになってくれたのかな。どうして私の思いに応えてくれたのかな
それこそ、考えても私には分からない。だから私から聞いてみよう。私を受け入れてくれたワケを。それから私も言おう。プロデューサーに伝えたかった理由を
胸に陽だまりみたいな暖かさが重なっていく。心地よい熱に身を任せながらプロデューサーを待った
14:
◆U.8lOt6xMsuG 2020/03/25(水) 01:20:18.24
ID:mSH+Qrk60
◆◇◆
冷水を浴び、頭の熱を取る。めぐるがシャワーを浴びる前、彼女にかけた言葉を後悔していた。『本当にいいのか』なんて、責任を彼女に被せる言葉であるだろうに
結局俺は、たいそう偉そうなことを吐いているクセに、まだめぐるを抱くという事に対して抵抗があるのだろう。
シャワーを止めた。髪の毛の先から水滴が落ちる。鏡を見る。一日経って、髭が少し伸びかけていた。剃った。そのまま両手で頬を叩く
ここから先、俺はどう転んでもクソ野郎だ。それは絶対に変わらないことだ。だったらせめて、めぐるのためにならないといけないと思う。俺はどうなっても、めぐるの心に影は落とさせない。それが、少女の想いの応えた俺の責任だと、そう思う。心にぶれない芯を一本通すように、決意をした
……どうして俺は、めぐるがここまで大切だと思うのだろうか。自分の思考範囲の内、めぐるが占める割合が日に日に増えていっている気がする。俺だってプロデューサーだ。アイドルからどれほど大きな愛を述べられても、断らなければいけないと十二分に理解している
しかし、俺はめぐるの手をとった。めぐるのわがままを聞いた。嘘を見逃した。自分の事が、自分で全く理解出来ない。
どうしてだと考え始めて、すぐに彼女と初めて出会ったときの事を思い出した。友達とバスケをしていた彼女の姿が浮かぶ。
俺と彼女が始まったあの日、あの瞬間。その時の匂いも、景色と一緒に思い出せるようで
「……一目惚れかよ」
言葉が口を突いた。瞬間、全てが腑に落ちた。楽しい事が待っていると、俺の手を引いた彼女の笑顔が忘れられない。俺が彼女に抱いていた感情の始まりが顕わになって、ようやく理解が出来た。俺はめぐるに恋をしていたんだ。彼女の為に何かしたいと思うのは、俺がプロデューサーってだけじゃなかった。彼女が八宮めぐるだからなんだ
「…………はっ」
得心行った後、短く吐いて自嘲する。いよいよ、『本当にいいのか』とセリフのクソらしさが上がっていく。好いている女性に、好いてくれる彼女に、俺はなんてことを言っているんだ。無自覚と言えど、自分の駄目さ加減にほとほと呆れる。だからこそ、としたばかりの決意をより強めた
シャワーを再び出す。まだ冷たいままだった。構わず浴びた
口にはもう、オレンジジュースの味なんて残っていない。さっきのには本当に驚いた。めぐるは顔を真っ赤にしていた。年甲斐もなくときめいた
「甘酸っぱかったな」
いきなりキスをしてきた彼女は、こんな駄目な俺のどこを好きになったんだろうか。……そんなことは、どうでもいいか。いやどうでもってそりゃ言い過ぎたけれど。そう言ってやりたい。どこが好きだろうと、好きになってくれたんだから。彼女にもらったものを、これから俺の分を上乗せして返していこう
15:
◆U.8lOt6xMsuG 2020/03/25(水) 01:34:00.27
ID:mSH+Qrk60
あまり待たせすぎると悪い。ささっと身体の水気を拭き取り、パンツとシャツを身に着けて寝室へ向かう。
「あっ」
めぐると目が合った。彼女はバスタオルだけを身体に巻いている。俺の姿が目に入った途端、顔を赤くし伏せた。
「悪い、待たせた」
歩き、彼女の隣に腰掛ける。さっき、ソファで座ってたみたいだ。めぐるの髪の毛はまだ乾ききってなくしっとりしている。
近くに来ると分かるが、彼女の体はひどく強ばっている。そんな彼女の手をとった。今度は、さっきと違う言葉を吐こうとした。けれど、気の利いた言葉はとっさに思い浮かばなかった
「……プロデューサー、今」
言葉が出ないから、頬に唇を添えた。ボディーソープが香った。同じものを使っているはずなのに、なぜめぐるからはここまで良い匂いがするんだろう。一度アクションを挟むことで、再び思考のための猶予が生まれた。その瞬間に脳を回し、言葉を探す
「……正直に言うと、俺も経験が豊富ってわけじゃない。めぐるに嫌な思いをさせてしまうかもしれない。でも……」
めぐるの手はひんやりしている。指が細く柔らかい。ずっと握っていたい
「俺は、めぐると最後までしたいと思ってる」
結論として、心の内を全て吐くことに決めた。俺はめぐるを抱きたい、めぐるを自分だけのものにしたいと告げる。性欲が混じっていないわけではない。バスタオルだけ纏った彼女の姿は、自分の瞳に性的に映ったこと否定出来ない。その薄汚れたような感情も、彼女にぶつけた。
「……うん、私も」
プロデューサーとして失格な発言も彼女は肯定した
「でもその前に……やっぱり恥ずかしいし、緊張するから……明かりを消してもらってもいい?」
絡まった指に、彼女が強く力を込める。ほどいてもらわないと明かりを消しにいけない。けど、少しの間でも離れるのが嫌になった。わかったと言った後も、少しの間繋がり合った
16:
◆U.8lOt6xMsuG 2020/03/25(水) 01:52:06.59
ID:mSH+Qrk60
明かりを消して、再びベッドへ。窓から差し込む月明かりだけが光源になっている。そんな中でも、めぐるの金髪は輝いて見えた
ベッドに座り込んでいる彼女の目の前に膝をつく
「あっ……」
バスタオルに手をかける。少し湿っていて、彼女の体温がじんわりと移っていた。顕わになった彼女の肌は、水着姿の時には隠していたものを見せた。
「……へ、変じゃないかな」
「暗くてよく見えないけど、うん……変じゃないと、思う」
薄明かりの中でも、彼女の肌の白さはよく分かった。大きな乳房と、すらりとした腰つき。健康的であり、しかし性的だった。本当にまだ高校生なのかと疑いたくなる
「……よかった。プロデューサー、たまに胸を観てくる時あるし、大きい方が好きなのかなって思ってて……」
……ああ言うのって、やっぱりバレるのか。今度から気をつけよう。
17:
◆U.8lOt6xMsuG 2020/03/25(水) 02:13:09.59
ID:mSH+Qrk60
自分もシャツとパンツを脱いだ。ペニスはすでに勃起していた。めぐるにたまらないほど性的興奮を得ていることが分かる
裸になると、めぐるが胸板に手を添えてきた。ひんやりとした手だったので、少し驚いた
「……男の人、って感じがする」
「そりゃ男だからな」
「……固い」
指先が鎖骨、肩まで伸びる。そのまま寄りかかられる。彼女の柔らかな乳房が、二人の間で形を変えた。抱きつかれて、さっき髭を剃っておいて良かったと思った
「……暖かい」
「……そうか」
「うん……プロデューサーって、暖かいよ」
めぐるもそうだ。手先とは違って、肩や背中は湯たんぽの様に暖かい。ずっと触っていたいと思える。背中を撫でていると、彼女の肌のなめらかさを思い知らされた。
「あのねプロデューサー、こんなタイミングで言っちゃうけど……」
肩に、めぐるの鼻がぶつかっている。背中に置いた手のひらから、彼女の拍動が伝わってきた。運動直後のように早鐘を打っていた
「私、こういうの初めてだから……優しくしてほしい」
胸辺りにめぐるの吐息が掛かる。そうか、まだ乙女なのかと頭で理解した後に、彼女の早鐘を抑えたくなって、赤子をあやすようにポンポンと優しく、一定のリズムで叩く。
「わかった」
正直に言うと、めぐるは経験があると思っていた。彼女は人に好かれやすい。当然、好意を寄せる男だって多いだろう。俺もその一人だ。だから、めぐると好き合えた同じくらいの年齢の男子と一度くらいはそういうことがあったのかも、と思っていた
でもそうではないとめぐるは告白した。破瓜の傷みを俺は知らない。男だ、知る事なんて絶対に出来ない。これから彼女が受ける痛みを肩代わり出来たなら、と願った
しかしそれはどうしようもない。だから少しでもめぐるが痛くならないようにしたいと思った。
背中に置いたのとは逆の手をめぐるの顔へ。少し離れてもらってから、顔と顔を近づけた。さっきみたいなオレンジジュースの味はもう存在していなかった
唇を離し、見つめ合う。これだけ近かったら、明かりがなくてもよく見える。めぐるの瞳は潤んでいた。いつも見せる笑顔とは違う、憂うような表情だった。
その顔にまた近づく。今度は唇を重ねた後、舌で結び目をこじ開けて、めぐるの口の中に侵入した。ふあっ、と彼女が声と吐息を同時に漏らした
18:
◆U.8lOt6xMsuG 2020/03/25(水) 02:23:14.71
ID:mSH+Qrk60
ぴちゃぴちゃと唾液が音を立てる。めぐるのキスは拙く、迷ったような舌の動きが可愛らしい。縋るように二の腕を掴まれる。息苦しいのかと思って、キスを中断して顔を離した
「あっ……」
「苦しい?」
「……うぅん、全然。だから、その、もっと……」
消え入りそうに、恥ずかしそうにめぐるは言う。行き場を失った手を太ももの上に添えられた。
「プロデューサー?……んっ、はぁ……ふふっ」
彼女に近づいて、触れるだけのキスをした。笑みを溢された。めぐるはキスが好きなのかもしれない。笑ったままの彼女にまたキスをする。口を開けて、舌のザラザラした表面を擦り合わせた
めぐるの吐息に、段々と艶というものが含まれるようになったと思う
19:
◆U.8lOt6xMsuG 2020/03/25(水) 02:30:59.65
ID:mSH+Qrk60
キスをしながら手を伸ばし、めぐるの乳房に触れる。親指の腹がめぐるの乳首とぶつかった。固かった。
「んっ……」
彼女の体がぴくっと跳ねた。鷲掴むようにすると痛みが生まれると聞く。添えるようにして、優しく指を沈ませた
「プロデューサー、ちょっ、待って……」
めぐるがキスを中断した。慌ててしまった。
「悪い、痛かったか?」
「そうじゃなくて、いきなりで、変な感じがして、びっくりしたから……うん、もう大丈夫、だと思う」
「……」
明かりを消していても、段々と目は暗順応してきて、めぐるの姿がはっきり見えるようになってくる。表情に嘘はなかった。彼女を信じた。胸に再び手を伸ばす。痛くならないように、めぐるに触れる。アンダーバストの部分を指先で撫でる
乳首もデリケートだ。痛みが出ないように、親指の腹でなぞるように触れた。
「ぅんっ……プロデューサー、なんか、変な感じがする……」
「……嫌?」
「嫌じゃない……嫌じゃなくて、なんかこう、くすぐったい感じがするけど、変で……」
「やめてほしかったら言って。嫌だったり、痛かったりしたら、すぐに手を離すよ」
「うん、わかっ、んぅ、はぁ……」
その後、めぐるからやめてほしいと言われることはなかった。乳房に触れながら、キスをする。時間をかけて、めぐるを愛撫していく。
めぐるが下半身をよじらせる。吐息に激しさが混ざる。一度キスと愛撫をやめて彼女と向き合うと、目の焦点が合ってないような瞳をしているのが分かった
20:
◆U.8lOt6xMsuG 2020/03/25(水) 03:02:01.95
ID:mSH+Qrk60
「……めぐる、いいか?」
こくんとめぐるは頷く。そのまま寝てもらって、彼女の太ももと太ももの間に身体を動かした。月明かりの中で、彼女の割れ目に指を添えた。じっとりとした愛液が人差し指に纏わり付く
「やっぱり、恥ずかしいな……」
「……」
無言でめぐるの額にキスをした。ずるいと目で訴えられた。
濡れていると言っても、めぐるは処女だ。痛みはやわらげたいし、なにより嫌な思いをして欲しくない。割れ目に添えていた指を、彼女の反応を注視しながら穴へ指先を進ませる
「……っ」
めぐるが唾を飲む。アイコンタクトを交わした後、頷かれた。それを合図に、ゆっくりと指を入れていく。めぐるの膣内はぬめっていて、熱を帯びていた
「痛くないか?」
「……今のところは痛くないよ。なんか、自分でしてる時と違って変な感じがする……」
「……」
わかった、とそのまま指を進ませる。第二、第三関節まで入った。入れたまま指を動かさず、めぐると見つめ合った。
するとめぐるは、蓬けたように俺を見つめ
「プロデューサー……多分、私は大丈夫だと思うし……」
手を伸ばして、俺の両頬に添えて
「……最後まで、お願い」
真っ直ぐな言葉で、伝えた。言葉も、動きも、表情も、全てが愛おしかった
21:
◆U.8lOt6xMsuG 2020/03/25(水) 03:08:35.24
ID:mSH+Qrk60
ゆっくりと指を引き抜いた後、勃起したペニスをめぐるの膣口に持って行く。亀頭と陰唇が触れ、愛液がついた。
めぐるは口元を抑え、俺のペニスを凝視していた。彼女の太ももに手を添え、進入を開始した
「いっ……あっ……!」
膣の中を押し込んで進める。太ももに入る力の強さを手のひらで感じる。さっきまでペニスを凝視していた瞳は、ぎゅっと閉じられている。初めての感覚、違和感に耐えているようだ。
ペニスから何かが裂けるような感覚が伝わる。視線を落とすと、結合部から出血していた。破瓜だ。そこで一度腰を止めた。痛みがあるなら中断して、めぐるに
「大丈夫っ……!」
手首を掴まれた。力強さが伝わる手のひらだった。手のひらの持ち主は、俺の顔を見ていた。
「……思ったより痛くないし、このままで、大丈夫だから……」
玉のような汗をかいていた。瞳にたまった涙は今にも零れそうだった。これが嘘かどうか分からなかった。でも、彼女が望んでいることだと分かった
掴んでいる手を離してもらって、代わりに俺の手の平を持って行く。指が絡んで、ぎゅっと握られた
「……わかった」
望みのままに。めぐると手のひらを重ね、体温をやりとりする。さっきまで冷たいと思ってた手のひらも、いつからか熱を持っていた。腰を進める度に、指に込められる力は強くなっていった
恥骨と恥骨がぶつかる。陰毛同士が絡むくらいまで密着し、奥までペニスは到達した
22:
◆U.8lOt6xMsuG 2020/03/25(水) 03:33:43.82
ID:mSH+Qrk60
挿入しきったが、あまり動かさない方が良いだろう……そう思っていたら、めぐるは繋いでない方にも手のひらを重ねてきた。絡ませた。街を歩く恋人が繋ぐように、指を指が形を成す。
「……プロデューサー」
譫言のように呼ばれた。なんだ、と視線を返すと、彼女の瞳から大粒の涙が零れていた。驚いた、けどその涙を止めたいとは思えなかった
「わたしね、わたし……今、プロデューサーがね……ひぐっ」
哀しさでも、悔しさでも、苦痛でもない。幸福の気持ちが溢れて、水になって流れているような涙だった。セリフの文脈も滅茶苦茶で、涙声で何を言っているかは耳を澄ませてもよく分からない。その支離滅裂な言葉は、俺の心を心地よく締め付けた
申し訳ない、と思いながらも右手をほどいた。そのまま涙を拭い、頭を撫でる。洟をすする彼女の全てが愛おしいと思って、撫でたくなった
彼女が下の方から身体を起こす。まだ涙は止まっていない。けれど、目を閉じたのはそのためじゃないだろう。そう理解してから、すぐにキスをした。
「……もっと」
涙声ながらに、彼女にねだられる。ねだられなくても俺はキスはしたと思うが。
23:
◆U.8lOt6xMsuG 2020/03/25(水) 03:38:49.65
ID:mSH+Qrk60
挿入したままのペニスに快感が伝わる。膣は収縮をして、ペニスを締め付けていた
「……もう、慣れたみたいだし」
めぐるがポツポツと言う。まだ涙声だった。涙声で、フワフワしていた
「……うごいて、だいじょうぶだから」
「……わかった」
髪を撫で、もう一度キスをしてから、ピストンを開始する。ぬちゅ、と愛液の粘ついた音がした。引いてから、ゆっくりと再び挿し込んでいく
奥まで到達すると、めぐるが「んっ」と息を搾ったような声を出した。膣は抜けていくペニスを離そうとせず、締め付け、絡んでくる。締まる穴の快感は大きく、気を抜くと射精してしまいそうだ。
めぐるが痛みを感じていないか、つぶさに観ながらペースを上げていく。
「うっ、あぅ、ぷっ、ぷろでゅーさぁっ、ん」
彼女に痛がっている様子はなく、むしろ白い肌を朱に染め、軽い痙攣を何度もしている。感じているのだろうか。みると、ピストンの勢いで揺れる胸、中心にある乳首はさっき触っていた時よりも固くなっているように見える
めぐるの柔らかな肢体が赤くなっていくのをみると、興奮が止まらなくなっていく。うねる膣内を抉るように、しかし激しくして痛みを与えないよう、ピストンをする
めぐるは口を閉じることも出来なくなっていた。プロデューサー、ではなく俺の名を呼んでいる。とろんとした瞳は俺の方を観ていた
汗が滲む肌。揺れる大きな胸。月明かりに映える金髪。そんなめぐるの全てを、俺だけのものにしたくなってくる。
ペニスを往復させる度、めぐるは蕩け、甘い声を上げる。いつもは結ってある髪も乱れ、汗ばんだ肌に張り付いている。口元に手をそえると、赤子が指を握り返すように、口元の指を唇ではさみ、舐めてくる。
ピストンは激しくなっているわけではない。ただ彼女がどんどん感じやすくなって、少しの動きでもナカは締め付け射精を促し、膣からの快感をめぐるの脳に直接届けているだけだ。彼女の乱れる姿が性的で、俺も我慢が出来なくなり、すぐにでも射精してしまいそうだ
「んぅ、ひぅ、うぁっ、あ❤❤」
嬌声と俺の名と、指を舐めた水音しか出さなくなった口に唇を重ねた。また膣はペニスを締める。早く射精しろ、奥で精液を出せと急かすように搾り取ってくる
促されるままに、一番奥で射精をした。身体が痙攣する。めぐるの一番深いところを、自分のもので汚していった
「あっ❤❤……いま、なかで……❤」
浮ついた声よどこか遠くで機器ながら、精液を吐き出した竿をゆっくりと引き抜いた。入りきらない白濁液が垂れる。近くにあったティッシュでそれを拭った
すると、めぐるに名前で呼ばれた。顔を向ける。彼女は熱を出したような顔で笑っていた
「……ありがと」
はぁはぁと息を乱したまま、そう言われた。俺はどうしてか『こっちのセリフだ』と言いたくなった
24:
◆U.8lOt6xMsuG 2020/03/25(水) 03:55:48.72
ID:mSH+Qrk60
◆◇◆
ベッドの縁に、シャツとジャージが置いてあった。彼が置いてくれたのだろう。裸のままだと(最中はそうじゃなかったのに)恥ずかしいからそれを着た。彼の匂いがした
そんな彼は、今となりにいない。先に起きたんだと思う。キッチンの方から、良い匂いがする。朝ご飯を作ってくれてるんだ。昨日のアレで疲れただろうに
……昨日。夜。思い出すだけで顔が火照っちゃう。おっぱいもあそこも全部観られちゃった。しちゃった。初めてなのにすっごいことになってなかった? 彼にえっちな女だって思われたらどうしよう
恥ずかしさと一緒に、満足感がやってきた。ずっと好きな人と、ずっと望んでいたことを最後まで出来た。それが本当に嬉しい。
胸に重なった陽だまりは、私に幸せを持ってきてくれた。恥ずかしさで熱くなってるほっぺも、この幸せの前には叶わない。
ジャージはちょっと大きい。裾の辺りを引きずるようにしながら廊下を歩いて、昨日ファーストキスをした場所まで行った
「あっ、おはよう、めぐる」
「……おはよっ」
彼はベーコンエッグを焼いていた。お肉のいい香りがする。ソファに座って、彼が料理をしている姿を眺める
「……すこし、恥ずかしいんだけど」
「もうちょっと観させてよ」
「わかった」
やれやれ、と彼は諦めたように返事をした。彼は冷蔵庫から野菜とトマトジュース、牛乳を取りだした
「何を作るの?」
「簡単にビシソワーズを」
「トマトジュースと牛乳で出来るの!?」
「ああ、結構楽だし美味いんだ」
感心した。今度自分もやってみよう
25:
◆U.8lOt6xMsuG 2020/03/25(水) 04:09:48.17
ID:mSH+Qrk60
料理している姿を眺める。日常の一コマみたいで、昨日えっちなことをしたのが嘘みたいに思える。なんだか変な感覚。でも、下半身に少し残る痛みが、嘘じゃないって教えてくれた
「盛り付け、手伝ってくれないか?」
「うん。お皿とかどこにあるの?」
トーストとベーコンエッグ、ビシソワーズ。前にテレビで観たレシピを丸パクリしただけだって照れていった。いただきますをしてから食べていく。美味しかった。
昨日と同じソファに座って、恋人みたいにいちゃついた。今日はオフの日。私も彼も、今日だけはアイドルでもプロデューサーでもない。だから、積極的にイチャイチャしに行った
……まだ今日は長い。時間はたっぷりある。私が言いたい好きと、彼から訊きたい理由を伝え合うには余裕がある。ソファに二人並んで座って、手を握りながら、なんでと聞いた
一目惚れって言われて、また嬉しくなった
【終わり】
26:
◆U.8lOt6xMsuG 2020/03/25(水) 04:14:29.23
ID:mSH+Qrk60
ここまでです、ありがとうございました
八宮めぐる、一度えっちを覚えてからは滅茶苦茶に乗り気でPがもう無理だって言ってもお口で無理 矢理にチンチン勃たせて騎乗位してきそうじゃないですか?性欲は強そう
そうじゃ無いですか?おい、俺は同意を求めてんだよ、何とか言えよこの不完全変態(蛹を経ず、幼虫が直接成虫に変態することを不完全変態という。昆虫の基本的な変態様式で、この場合の幼虫は、完全変態をするものと区別するため、通常は「若虫(じゃくちゅう、わかむし)」と呼ばれる。中でもセミ、カマキリ、トンボ、バッタ、ゴキブリなどが代表的な例である。
不完全変態をする種では、若虫と成虫の形態がよく似ており、若虫期に数回の脱皮を繰り返して成虫に変態することが多い。バッタ、ゴキブリでは、若虫と成虫の外見上の違いは、体の大きさ以外では、翅(羽)が生えているかどうかの程度である。翅は若齢の若虫では見られず、脱皮と共に多少大きくなり、成虫になると一気に完全なものになる)出典:Wikipedia
元スレ
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