【艦これ】長門さんはカレーは飲み物派【SS】

2020-03-30 (月) 18:01  艦これSS   0コメント  
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/21(火) 05:30:09.23 ID:lTcyIwD60

服装の問題。もちろん暴論。




2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/21(火) 05:31:33.23 ID:lTcyIwD60

陸奥「今更だけど、一つ尋ねてもいいかしら」

長門「うむ」

陸奥「どうしていつも長門は、カレーを湯船に浸かりながら、食べているのかしら」

長門「唐突だな。今に始まったことではないだろう」

陸奥「ええ唐突よ。今まで気にも留めなかったけど、思えば、おかしなことだと思ったから、こうして聞いてみたのよ」

長門「確かに、風呂に入りながらカレーを食べるのは、おかしなことだと言える」

陸奥「自覚はあるのね」

長門「いいや、陸奥に言われて初めて気がついた。今まで、おかしなことだと一度も思い浮かばなかったからな」

陸奥「自分の常識を疑ったことはないのかしら?」

長門「いや常日頃から疑い、思案を巡らせているぞ」

陸奥「なら客観的に、湯船に浸かりながらカレーを食べる自分の姿を、長門はどう見つめ直せるかしら」





3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/21(火) 05:32:15.27 ID:lTcyIwD60

長門「合理的と言えよう」

陸奥「一体何が合理的なのかしら」

長門「陸奥は私が辛いカレーが苦手なことを知っているだろう」

陸奥「ええ知っているわ。でもカレーは甘口でも辛口でも、辛い、という味覚は変わらないわ。だからてっきり私は、長門は辛口しかり、甘口でも、カレー自体が嫌いな食べ物だと思っていたわ」

長門「辛いから苦手と言って、何も嫌いな食べ物というわけではないぞ」

陸奥「イコールというわけではないのね」

長門「そうだ何事もイコールでは結びつかん。しかし陸奥よ。私がカレーを嫌いだと思っていたのに、その食べている姿を見て、どう思っていたんだ」

陸奥「何も思わなかったわ。だから興味を持った今、こうして聞いているのよ」

長門「なるほど」

陸奥「それで、一体何が合理的なのかしら」




4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/21(火) 05:38:28.32 ID:lTcyIwD60


長門「陸奥が言うように、カレーは甘口だろうと辛口だろうと、辛い食べ物だ。そして辛い食べ物を食せば、人間、艦娘は自ずと汗をかく。私はそれが顕著だ」

陸奥「長門は味覚性発汗が著しいのね」

長門「なんだそれは」

陸奥「辛いものを食べると出る汗のことよ。長門は唐辛子や、香辛料などに含まれる、辛いの元凶、カプサイシンっていう成分の効果を受けやすいのよ。ちなみに辛いものを食べて、汗が出るメカニズムは、舌べろや粘膜に通っている知覚神経に、カプサイシン受容体っていうのがあるからよ。そこは辛いや熱いの刺激。今までの話の流れに沿って説明すると、その受容体はカプサイシンの効果を知覚すると、アドレナリンの分泌を促進して、交感神経を活発にさせる働きがあるの。そして交感神経の中には、汗を司る汗腺の一つ、エクリン腺っていうのがあるの。アドレナリンによって交感神経が活発になれば、同じくエクリン腺も活発になり、自然と汗が分泌される。そういうメカニズムで汗はでるのよ」




5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/21(火) 05:39:19.31 ID:lTcyIwD60


長門「なるほど」

陸奥「わかっているのかしら」

長門「そのエルリン腺?エアリン腺?とかいうのがすごくなって、汗がでるということだな」

陸奥「まぁ、細かいことに目を瞑れば、間違ってないわよ」

長門「それでなんの話だった?」

陸奥「カレーを食べると汗がたくさん出る話よ」

長門「うむ、見失うところだった。それで私はカレーを食べるとたくさん汗をかくのだ」

陸奥「もしかして長門は味覚性多汗症なのかしら....?」

長門「そういうことにしておこう。して、私の服装はノースリーブを逸脱しているだろう」

陸奥「私もそうね」

長門「汗をかくと、頭から顔、もちろん腋や胸の谷間まで現れる」

陸奥「あぁ...だから少し匂うのね...」




6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/21(火) 05:39:57.41 ID:lTcyIwD60

長門「なんだと?私は、匂って、いるのか....?」

陸奥「ごめんなさい嘘よ。だから湯船に顔をつけるのはやめて」

長門「その嘘は私の心を抉る」

陸奥「ごめんなさい、つい出来心で。でも安心して、本当に匂ってないわ。私と同じシャンプーと、コンディショナーを使っているから、甘くていい香りよ」

長門「なら安心した」

陸奥「そういえば、なんで私がリンスじゃなくて、コンディショナーを選んでいるのかと言うと....」

長門「うむ湯上りにゆっくり聞こう。それで汗を体じゅうにかけば、その後には風呂に入りたくなるだろう」

陸奥「そうね、体じゅうべとべとだと気持ち悪いもの」

長門「だったら風呂に浸かりながら、頭にタオルを巻き、カレーを食べるのは理に適っていよう」

陸奥「論理の飛躍が滅茶苦茶ね」

長門「汗をかいたら風呂に入る。ならば風呂に入りながら、カレーを食べ汗をかく。合理的ではないか?」

陸奥「へー。危うく納得するところだったけど、あくまでそれは長門の視点よね。客観的に、自分を見直す。私から見て、長門がいましている行為は、理に適っていると言えるのかしら?」




7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/21(火) 05:40:28.41 ID:lTcyIwD60

長門「無論、そう言える」

陸奥「なぜ?」

長門「カレーは飲み物だからだ」

陸奥「根拠は?」

長門「湯船に浸かりながら酒を飲むのは、非常識とは言わんだろう。そうできる宿は世の中にはあるのだから」

陸奥「確かにそうね。でも入浴中に飲酒するのは体に悪いわよ。アルコールによって血液が大量に送られ、貧血や....」

長門「うむそれも湯上りにゆっくり聞くとしよう。それで飲み物を持ち込み、風呂に入るのが許されるのなら、カレーもまた飲み物だから許される。私はそう思っている」

陸奥「今考えついたくせに、よく豪語できるわね。でもその屁理屈を並べても、カレーは飲み物じゃなくて、食べ物よ。長門は今スプーンを片手に、お米とルーを、食べている、じゃない」

長門「いやこれは掬って飲んでいる」

陸奥「咀嚼してるじゃない」

長門「陸奥よ。私がカレーを飲み物と主張するのには、歴とした根拠がある」

陸奥「何かしら」




8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/21(火) 05:40:56.74 ID:lTcyIwD60

長門「陸奥はコーンスープは、飲み物、食べ物どちらだと思う?」

陸奥「卑怯ね。でも、コーンスープは飲み物ね」

長門「ならオニオンスープはどうだ?」

陸奥「オニオンスープも飲み物ね」

長門「そうだろう」

陸奥「ドヤ顔で言っても、私は納得できないわよ」

長門「しかし、この両者もスプーンを使い、掬い上げ飲むものだ。コップに注ぐのもあるがな。故に飲み物と言える」

陸奥「でもカレーは具材の大きさ明らかに違うわ。それにお米も入っていて、なおかつ咀嚼もしなければ、飲み込めないわよ?」

長門「カレーを食べている時、陸奥は自分の咀嚼回数を数えたことはあるのか?」

陸奥「ないわよ。そもそも気にしないわ」

長門「なら数えてみるといい」

陸奥「カレーを渡してこないで....。答えだけでいいわ」

長門「.....」




9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/21(火) 05:41:27.19 ID:lTcyIwD60

陸奥「答えだけ言ってくれればいいのに、食べないでいいわよ....」

長門「七回だ」

陸奥「へー、で?」

長門「次は白米だけだ」

陸奥「.....」

長門「......」

陸奥「飲み込んだわね」

長門「七回だ」

陸奥「同じじゃない」

長門「いや、カレーには具材が入っている。しかし、米は米だけだ。同じ回数は割に合わんだろう」

陸奥「それにしても長門は噛む回数が少ないわね。もっと増やさないと便秘の原因になったり、大食いの原因だったりいいことないわよ?それに....」

長門「うむ次から気をつけよう。それで私が実践し、証明したわけだが、カレーは食べ物だとしても、白米単体の咀嚼回数と同じなのは、気にならないか?これが、カレーが飲み物と主張できる所以だ」

陸奥「暴論に近い主張の所以を話してもらえるのよね?」




10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/21(火) 05:42:10.57 ID:lTcyIwD60


長門「コーンスープとて咀嚼はいる。オニオンスープも同様に。しかし、この二つは圧倒的に咀嚼回数は少ない。従ってこう言えるだろう。飲み物は咀嚼回数は少なくてよいと。だから食べ物の白米と、具材も多く白米も付いてくるカレーの咀嚼回数が同じでも、ものが多いカレーは咀嚼回数は少ないと言える。だから私は、カレーは飲み物だと断言できるのだ」

陸奥「だとしても、意図的に咀嚼回数を減らした可能性も否めないわよ?」

長門「カレーのルーはそもそも液体だ。錠剤の薬を飲む時、あの異物を水で流し込めるだろう。それと同じ原理で、カレーを飲み込む時に、多少大きな具材や白米があっても飲み込めるのだよ」

陸奥「粉薬飲めないくせに、ねぇ」

長門「それは今は関係ないだろう....」

陸奥「まぁ、なんだっていいわよ。カレーが飲み物でも食べ物でも。そもそも湯船に浸かりながらカレーを食べる理由を聞いたのに、カレーは飲み物の話に移るなんて。だんだんバカらしくなってきたわ....」

長門「今回は私の勝ちのようだな」

陸奥「でもお風呂の中にカレーを落としたら、って考えると、やっぱ筋が通ってないわね」

長門「落としやしない」

陸奥「だとしても、後ろめたい気持ちがあるから、こうして私と長門しかいない時にカレーを食べるのよね?」




11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/21(火) 05:42:45.83 ID:lTcyIwD60

長門「.....」

陸奥「そもそも体じゅうが汗でべとべとになるのが嫌なのよね。それに汗をかいても、長門はいい匂いだから汗臭くならないはず。だったらもっと簡単な解決策があるじゃない」

長門「ほう、一体なんだ」

陸奥「着る服を変えればいいのよ。ノースリーブなんかやめて、ちゃんと袖がある服を着る。そうすればいいだけのことじゃない」

長門「だが汗をかいてむずむずする」

陸奥「後ろめたさがあるから、カレーは一人か私がいる時に食べるのよね?後ろめたいなら、乾くまで我慢すればいいじゃない。それか食べ終わったらお風呂にはいる。それに合理性を求めると品が疑われるわよ?イヤでしょ?」

長門「うむ。長門の名に恥じないよう、常に気品に溢れていたいな」

陸奥「なら多少の我慢は必要よ」

長門「しかし陸奥よ。室内でコートを羽織るのは、滑稽であろう?」

陸奥「ええ見てて暑苦しいわね」

長門「しかし脱いだとしても、腕の上半分だけの袖と、逸脱したノースリーブの服装ではどうしようもないだろう」

陸奥「ほんとにそうね」

長門「.....一体いつになったら、私は腹と腕をしっかりと覆えるのだろうか....」

陸奥「覆えてたら、腹痛で悩まされず、胃腸薬だって飲まなくて済んだはずなのにね。まぁ、我慢よ」

長門「なるほど、耐え難きを耐え、忍び難きを忍びとはこういう心情なのか」

陸奥「まぁ、いいわ。もう上がりましょう」

長門「うむそうしよう」

陸奥「積もる話は山ほどあるわけだし」

長門「....忘れてなかったのか」




12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/21(火) 05:43:56.96 ID:lTcyIwD60

おしまいです。深夜のテンションで書いたので意味わからんかもしれません。寝ます。



元スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1511209805/

4040730194わたしの幸せな結婚 (富士見L文庫)

KADOKAWA 顎木 あくみ(著), 月岡 月穂(イラスト) 2019-01-15T00:00:01Z

Amazonで詳しく見る

関連記事

艦これSS   コメント:0   このエントリーをはてなブックマークに追加
コメント一覧
コメントの投稿