1:
◆C2VTzcV58A 2019/09/09(月) 01:29:40.29
ID:YzRcyqYf0
【ツインテール同盟】
ある日の事務所
梨沙「ハートさんの髪ってふわふわよね。毎朝どのくらいセットに時間かかってるの?」
心「んー、そんなにかかってないかな? はぁと、器用だからちょちょいのチョイよ♪」
莉嘉「すごーい! アタシもふわふわツインテールにしてみたいなー!」
心「ふふん、おねーさんが優しく教えてあげるぞ☆」
蘭子「不破の両翼……美しいわ」
心「蘭子ちゃんもやる?」
蘭子「うむっ!」
梨沙「蘭子のツインテールもすごいわよねー。アタシも一回ライブで似たような感じにしたことあるけど、あれを毎朝やるのは大変そう」
心「梨沙ちゃんも莉嘉ちゃんも自分で髪結ってるんでしょ? その歳でそれだけ綺麗にできれば立派立派☆」
莉嘉「えへへー、かわいい髪型にしたい!っていっぱい練習したんだ☆」
梨沙「はじめはママに手伝ってもらってたけど、今はひとりでヨユーだし!」
莉嘉・梨沙「ねっ!」
心「うんうん♪ それでこそツインテール同盟の一員だぞ☆」
蘭子「ツインテール同盟?」
心「あ、ウチの事務所、ポニーテール同盟があるでしょ? ツインテにもそれ欲しいなーって、今作った♪」
莉嘉「いいじゃん、ツインテール同盟!」
梨沙「メアリーとか千佳とか、仲間はいっぱいいるわよね」
蘭子「同盟……」ワクワク
心「よーし☆ じゃあ早速版図拡大に向けて仲間を増やしちゃおうぜ♪」
ガチャ
飛鳥「ただいま」
莉嘉「あ、エクステ同盟の飛鳥ちゃんだ」
梨沙「構成員ひとりしかいなくない?」
飛鳥「なんだその珍妙なワードは」
2:
◆C2VTzcV58A 2019/09/09(月) 01:31:55.28
ID:YzRcyqYf0
【エクステ同盟】
蘭子「闇に飲まれよ!」
飛鳥「やみのま、蘭子。それで、これはどういう状況なんだ」
蘭子「我が国はポニテ、ツインテ、エクステの3つに分かれ、混沌を極めていた――」
飛鳥「エクステの領地が狭すぎないか?」
心「軍門に下るなら今のうちだぞ☆ ちょーっとそのエクステを弄らせてもらうだけだから!」
梨沙「覚悟しておくことね!」
飛鳥「……やれやれ。いつの時代も、ボクはマイノリティということか。だが、簡単に屈するつもりはないよ」フッ
蘭子(あれ? あっちのほうがかっこいい?)
莉嘉「がおー☆ 4対1だぞー、しかももっと増えるんだぞー!」
飛鳥「……どうかな。確かにボクは孤立している……が、孤独ではない」
飛鳥「そうだろう、蘭子」
蘭子「!?」ビクッ
莉嘉「蘭子ちゃん!?」
梨沙「どういうこと? まさか……裏切るつもり?」
心「その明らかに一番セットに時間がかかっていそうなツインテールは飾りじゃないよね?」
蘭子「も、勿論よ。私はツインテール同盟・不破の堕天使!」
飛鳥「勘違いしないでもらいたいな、蘭子。ボクはなにも、ツインテールを否定するつもりじゃない。こちらに来たとしても、それを解けなんて言いはしないよ」
蘭子「え?」
飛鳥「なあ蘭子。以前から思っていたが、キミの美しい銀色の髪に、新たな彩を加えてみる気はないか? キミがエクステをつければ、きっと新たな可能性の扉が開くはずだ」
蘭子「か、可能性の扉……で、でもできないっ。私の使命は、ツインテール同盟を守ること……!」
飛鳥「違うよ。キミの使命は、エクステ同盟に入り叛逆の翼を広げることさ」
蘭子「………」
心「……蘭子ちゃん?」
蘭子「………」クルッ
蘭子「闇に飲まれよ!(お世話になりました!)」
梨沙「あっ! 引き抜かれた!」
心「寝取られたー!」
莉嘉「ネトラレ?」
飛鳥「フッ。同盟はいずれ破れる。歴史が証明していることさ」
梨沙「にしても5分は早すぎでしょーが! どうするのよハートさん」
心「むむむ……」
ガチャ
P「ただいまー。いやー、急に雨に降られて大変だった」
心「これ以上戦力をとられてたまるか! ものどもかかれー☆」
P「うわっ! なんですか心さんいきなりむごごっ、髪引っ張らないで! 抜ける!」
心「お前もツインテールになるんだよ☆」
莉嘉「Pくんが襲われてる!」
蘭子「猛獣の捕食……」ブルブル
梨沙「……ねえ、飛鳥。アタシもそっち行っていい?」
飛鳥「盛者必衰……儚いな」
3:
◆C2VTzcV58A 2019/09/09(月) 01:33:22.63
ID:YzRcyqYf0
【夏の忘れ形見】
梨沙「ねー飛鳥。前から気になってたんだけど、冷蔵庫に一個だけ残ってるアイス、誰かのだったりするわけ? ずっと同じとこにあるけど」
飛鳥「いや。確かあれはPがまとめて買ってきた中のひとつのはずだ。ひとつだけ取り残されたせいで、みんな手を出しづらくなってしまったんだろう」
梨沙「このままじゃ夏が終わっても残っちゃいそうね」
飛鳥「夏の忘れ形見か……」
梨沙「ねえ、アタシ達で半分こしない? あのまま放っておいてもしょうがないし、食べちゃいましょ」
飛鳥「いいのかい、全部食べなくて」
梨沙「半分くらい食べたい気分なのよ♪」
飛鳥「そうか。なら、いただこうか」
梨沙「決まりね! アイスとスプーン持ってくるわ!」
梨沙「今日暑いし、アイスが身体に染みわたるわね~」シャリシャリ
飛鳥「………」
梨沙「なにボーっとしてんのよ。ほら、アンタも食べる」ズイ
飛鳥「あぁ、ありがとう」パク
飛鳥「………」
飛鳥「夏が忘れていったアイスひとつ」
飛鳥「……これを食べ終えれば、夏の終わりが訪れる。なんてね、少し感傷的すぎるか」
梨沙「ねえ、飛鳥」
飛鳥「……なんだい?」
梨沙「なんかこれ、ユリエイギョーみたいね!」ニカッ
飛鳥「耳を塞いでいれば少しは風情が残ったかもしれない」
4:
◆C2VTzcV58A 2019/09/09(月) 01:34:58.41
ID:YzRcyqYf0
【あの子が欲しい】
心「夏休みが終わって学校が始まったことを嘆いている子達を見ると、なんだか少し嬉しくなってしまう。あると思います」
P「いやにブラックな発言ですね」
心「疲れた夜は心も疲れちゃうんだよねー」
P「気持ちはわからなくもないですけど、そういう方向に思考が向かう前に帰って休んだらどうですか」
心「はぁとにはこの台本を覚える仕事があるの。つか、休めって言ったらプロデューサーもだろ。いつ帰るつもり?」
P「もうちょっとしたら帰ります」
心「じゃあはぁとももうちょっと頑張るー」
P「……無理しすぎないようにしてくださいよ」
心「わかってるわかってる♪ あ、そうだ。プロデューサー、コーヒーいる?」
P「いただきます」
心「おし、じゃあ淹れて……あれ、そういえば昨日コーヒー切れちゃってたんだっけ」
P「それなら今日、ネネが補充してくれてました。いつの間にか」
心「あー、ネネちゃん。いいよねーネネちゃん、細かいところに気がつくし、甲斐甲斐しいし」
P「ですね。本当に助かってます」
心「ああいう子が世話してくれたら、酔いつぶれて家に帰ってもぐっすり眠れるんだろうなぁ」
P「ですねぇ」
心「はぁ~、ネネちゃんと同棲したい☆」
P「したいですね」
心「プロデューサーも? じゃあいっそ3人で住むか☆」←半分深夜テンション
P「いいですねーそれ」←半分深夜テンション
翌朝
ネネ「え、あの……私、妹をはじめとして家族がいるので……いきなり他の人と一緒に暮らすのはちょっと」
梨沙「そんなマジになって答えなくてもいいのに」
P「ということは、3人暮らしからネネが抜けて」
心「プロデューサーと、ふたりきりで同棲……?」
飛鳥「何故ふたりして頬を染めているんだ」
5:
◆C2VTzcV58A 2019/09/09(月) 01:35:59.87
ID:YzRcyqYf0
【鼻歌】
心「………」
ネネ「………」
梨沙「あれ、何してるのふたりとも。というか中入れないんだけど」
心「しーっ」
梨沙「え?」
ネネ「中、見てみてください」
飛鳥「~~~♪」
梨沙「飛鳥が鼻歌うたってる?」
心「結構レアシーンじゃない? だから心のカメラにしっかり記録しておこうと思って」
梨沙「それでのぞき見ねぇ……こういうのにネネが混ざってるのは珍しいわね」
ネネ「あはは……飛鳥ちゃんのああいう穏やかな顔を見るのが好きで、つい」
梨沙「まあ、確かにあんまり見ないわよね。難しい顔してる時のほうが多いイメージ」
心「しかも今は鼻歌つき♪ ……まあ、あんまりずっと見てるのもシュミ悪いし、そろそろ入ろっかな――」
飛鳥「………」
飛鳥「みんな、まだかな」ボソッ
飛鳥「……なんて。ボクもいつからか、人肌恋しくなりがちになったものだ――」
心「ただいまとば~~~!!」ギューッ
飛鳥「うわっ!? し、心さん! なんだ急に」
心「帰ってきたぞ~~☆ すりすり~~☆」
飛鳥「ほ、ほっぺすりすりは暑苦しいからやめてくれっ」
梨沙「……まあ、さっきの独り言はちょっとかわいかったわね」
梨沙「……って、なに今のアイサツ!?」
ネネ「『ただいま』と『的場』をかけたんじゃないですかね?」
梨沙「的場はアタシだけど! 許可取ってからにしなさいよね」
ネネ「……おかえりはら~」
梨沙「ネネ?」
ネネ「な、なんでもないです」
梨沙「今のは『おかえり』と『栗原』をかけた」
ネネ「わーっ、解説しないで~~!」
6:
◆C2VTzcV58A 2019/09/09(月) 01:42:10.46
ID:YzRcyqYf0
【祝え!】
飛鳥「しかし、こうして見るとなかなか興味深い構図だな」ズルズル
ネネ「私だって、カップ麺を食べることくらいありますよ?」ズルズル
飛鳥「理解ってはいるさ。ただ、健康志向のアナタが、と思うとね。今度、ハンバーガーでも食べに行くかい」
ネネ「いいですね! 私、あんまり大きいのは食べられませんけど、行きたいです」
飛鳥「安心してくれ、ボクも口を大きく開けるのは苦手だ」
ネネ「ふふっ」
飛鳥「カップ麺にハンバーガー。実に栄養が偏りそうだ」
ネネ「そのぶん、他の食事で栄養を賄えば問題ないですから。ね?」
飛鳥「……ひょっとしなくても、ボクも対象に入っている?」
ネネ「食後に野菜ジュース、飲みます?」
飛鳥「……いただきます」
ネネ「はい♪」
飛鳥「相変わらず、ネネさんに言われると断れないな……っと、そうだ。野菜ジュースといえば……忘れないうちに」
ネネ「はい?」
飛鳥「これ、誕生日プレゼントだ。おめでとう」
ネネ「……これ、ミキサーですか? こんないいもの、もらっちゃっていいんですか?」
飛鳥「ネネさんには、いつも助けられているからね。日頃の感謝も込めている」
ネネ「飛鳥ちゃん……ありがとうございます! どんどん野菜ジュース、作っちゃいますねっ」
飛鳥「あぁ、是非そうしてくれ。ただ、苦いものは少なめで頼む」
ネネ「頑張って作りますねっ!」
飛鳥「微妙に会話が噛み合ってないような気がするな……まあ、誕生日だから流そう」
ガチャ
心「ネネちゃん♪」
梨沙「誕生日おめでと! お祝いに来たわ!」
ネネ「心さんに梨沙ちゃんも……ありがとうございます。嬉しいです」
飛鳥「今、ちょうどボクからのプレゼントを渡したところだ」
梨沙「あ、そうなんだ。じゃあアタシ達もさっさと渡しちゃいましょ♪ はいこれ、ネネに似合いそうなリボンよ」
ネネ「わあ、綺麗な青……早速つけてもいいですか?」
梨沙「もっちろん!」
心「はぁとからはこれ!」
ネネ「これは……」
心「エクステ同盟として、エクステをプレゼントだぞ☆」
梨沙「寝返ってる!」
飛鳥「栄枯盛衰……」
心「ふふっ、今は獅子身中の虫として、牙を研ぐ時期……あ、そのエクステは本気でネネちゃんに似合うと思って選んだからね?」
梨沙「なんか物騒」
飛鳥「いつの世も争いは絶えないな……だが」
ネネ「えへへ……こんなにたくさんいただいちゃって、どうしようかなぁ」
飛鳥「今はただ、皆で祝おう。彼女の生誕の日を」
梨沙「うまく締まったわね♪」
心「ラブ&ピースならぬラブ&ヘルスだな☆」
おしまい
7:
◆C2VTzcV58A 2019/09/09(月) 01:43:08.67
ID:YzRcyqYf0
おわりです。お付き合いいただきありがとうございます
ネネさん誕生日おめでとう
8:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/09(月) 01:45:43.85 ID:RgXNAuGGo
おつおつ
いい雰囲気
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