1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 20:26:39.13 ID:+iqo4wxzO
ロレンス「ホロ、待ったか?」
ホロ「主よ、遅いぞ。わっちは、死ぬかとおもいんす」
3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 20:29:25.69 ID:+iqo4wxzO
ロレンス「腹が減ってか?」
ホロ「……寂しさでじゃ……わっちの胸には、ぽっかり穴が空いていんす」シナッ
ロレンス「なっ……」
ホロ「この穴を埋める為には主の気持ちが必要でありんす」
ロレンス「気持ちを表すには、ものが必要……だろ」
ホロ「よくわかっておるの」
ロレンス「はぁ……結局、それか」
ホロ「うむ」
5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 20:32:37.18 ID:+iqo4wxzO
ロレンス「それで、俺の財布にできる穴は誰が埋めてくれるのだ?」
ホロ「なら、違うものでわっちの穴を埋めてくりゃれ」
ロレンス「違うもので埋める……酒か?」
ホロ「……はぁ」
ロレンス「……違うのか?なら、果物か?」
ホロ「……存分に食べてよいという事じゃな」
ロレンス「おい」
ホロ「冗談じゃ」
ロレンス「本当だろうな?」
ホロ「さての?」ニッ
ロレンス「期待しないでおくよ、ほら」スッ
ホロ「うむ」ダキッ
ガチャ
8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 20:34:43.38 ID:+iqo4wxzO
~数時間後~
バタン
ロレンス「ほら、ホロ。着いたぞ」
ホロ「ん~、もう食べれぬ~」
ロレンス「そらそうだろうな、散々飲み食い……おい、しっかり、歩け」
ホロ「嫌じゃ~」
ロレンス「はぁー、お陰で俺の懐はすっかり寒く」
ホロ「なに、寒いじゃと?それはいかぬな~。ほれ」
ギュー
10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 20:37:31.71 ID:+iqo4wxzO
ロレンス「ホ、ホロ」
ホロ「どうじゃ、少しは暖まったかや?」ケタケタ
ロレンス「はいはい、暖まりましたよ。……すっかり、出来上がってるな」
ホロ「う~ん」コテ
ロレンス「あっほら、服を……」ドタドタ
ホロ「……むにゃ」クー
ロレンス「はぁー、この様子じゃ、明日は二日酔いだな……水でも貰ってくるか」
11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 20:42:04.15 ID:+iqo4wxzO
~
ロレンス「水と一緒に、果実を貰ったが……」クンクン
ロレンス「甘酸っぱい匂いだ、これならホロも喜ぶだろう……」
ホロ「……」クークー
ロレンス「……まぁ、机に置いといたら勝手に食べるだろ」コトッ
~夜中~
ホロ「う~ん、水」ゴソゴソ
ホロ「う~、また飲みすぎてしまったの」ゴクゴク
ホロ「……ふぅ。むっ?なんじゃこれは?」クンクン
ホロ「甘酸っぱい匂いじゃ、どれ」パクッ
ホロ「うむ、なかなか旨い」パクパク
ホロ「うむ?急に頭が……うーん」ゴソゴソ
13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 20:44:11.54 ID:+iqo4wxzO
~翌朝~
ロレンス「ほら、ホロ起きろ」
ホロ「う~ん」モゾモゾ
ロレンス「また二日酔いか?ほら、水だ」
ホロ「……」
ロレンス「どうした?」
ホロ「主は誰でありんす?」
15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 20:46:41.97 ID:+iqo4wxzO
ロレンス「お前、寝ぼけているのか?」
ホロ「そもそも、ここはどこじゃ?」キョロキョロ
ロレンス「おい、いい加減にしろ」
ホロ「……わっちはふざけてなんか、おりんせん」
ロレンス「本当か?」
ホロ「うむ。うぅ……頭が割れるように痛い……」
ロレンス「まさか……本当に、記憶が……おい、ホロ。自分の名前はわかるか?」
17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 20:55:34.39 ID:+iqo4wxzO
ホロ「わっちの名前は……ホロじゃろ」
ロレンス「なんだ、覚えて……」
ホロ「さっきから、主がわっちをそう呼んでおるからの」
ロレンス「……なら、お前の故郷は?」
ホロ「……わからぬ」
ロレンス「旅の目的は?」
ホロ「……」フルフル
ロレンス「……本当なのか?……しかし、一体なぜ、こんなことに」
ホロ「……して、主よ。わっちの質問には答えてくれぬのか?」
ロレンス「質問?」
19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 20:58:14.99 ID:+iqo4wxzO
ホロ「うむ。主の名を教えてくりゃれ」
ロレンス「ロレンスだ。クラフト・ロレンス。お前の連れだ、一応な」
ホロ「……ロレンス」
ロレンス「あぁ、そうだ。行商人をやっている」
ホロ「ふむ。して、わっちは何故、主と一緒にいるのじゃ?」
ロレンス「それは、お前を故郷のヨイツまで送り届ける為さ」
ホロ「ヨイツ……、それが、わっちの故郷の名かや」
ロレンス「あぁ、ヨイツの賢狼ホロ。それがお前の正体だ」
22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 21:01:55.98 ID:+iqo4wxzO
ホロ「賢狼……わっちは狼なのかや?」
ロレンス「うん?それも忘れてるのか。お前の自慢の尻尾と耳が示す通り、立派な狼だ」
ホロ「うむ、確かに見事な尻尾じゃ。」ワサワサ
ホロ「では、主も狼なのかや?」
ロレンス「俺は人間だよ、もっとも、お前に言わせれば羊かもしれんが」
ホロ「どっちかや?」
ロレンス「あぁ、悪い。俺は正真正銘人間だ」
ホロ「うむ」
ロレンス「しかし……記憶喪失か……」
23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 21:05:02.17 ID:+iqo4wxzO
ホロ「すまぬ」
ロレンス「うん?お前が謝ることじゃないさ」
ホロ「じゃが……」
ロレンス「大丈夫だから……な」ポン
ホロ「うむ……」
ロレンス「さてと……腹も減ったし、とりあえず朝食買ってくるよ、大人しくしてろよ」
ホロ「あっ」
ロレンス「どうした?」
ホロ「いや……なんでも、ありんせん」
ロレンス「変な奴だな、じゃ、行ってくる」
ホロ「……」
26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 21:11:55.62 ID:+iqo4wxzO
~
ロレンス(情報を仕入れてたら、すっかり遅くなった。聞いた話だと、町中でも記憶を失ったな人が幾人でているみたいだな、かなり話題になってる)
ロレンス(神の試練、精霊のイタズラや奇病の類い、様々な噂が飛び交っているが……解決方法どころか原因も解明されてないか)
コンコン
ロレンス「ホロ、悪い。遅くなった」
ホロ「……」
ロレンス「どうした?気分でも悪いのか?顔色が悪いぞ」
ホロ「……」フルフル
ロレンス「?」
28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 21:14:41.42 ID:+iqo4wxzO
ホロ「主に……」
ロレンス「俺に?」
ホロ「捨てられたのかと思ったのじゃ」
ロレンス「なっ……」
ホロ「直ぐ戻って来るものとばかり思っておったのに、主は一向に帰ってこぬ」
ロレンス「あぁ……、情報を仕入れてたからな」
29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 21:16:46.07 ID:+iqo4wxzO
ホロ「それで、急に孤独に思えての、こう、ぽっかり胸に……」
ロレンス「穴が空いたような気に?」
ホロ「……」コクッ
ロレンス「すまない。それは、悪かったよ。まぁ、この食事で穴を埋めてくれ」
ホロ「……」
ロレンス「ん?どうした?」
ホロ「……なんでもありんせん」
30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 21:21:06.42 ID:+iqo4wxzO
ロレンス「変な奴だ。そうだ、この食事が終わったら、町にでるから、早く済ませろよ」
ホロ「一緒にかや?」
ロレンス「あぁ、当然だろ?嫌か?」
ホロ「……」フルフル
ロレンス「なら、早く食べよう」
ホロ「うむ!」
ロレンス「ほら、そんなに急いで食べるとむせるぞ」
ホロ「ひゃいほうひゅひゃ」ポロッ
ロレンス「口からものがこぼれるから、食べながら喋るなよ」グイッ
32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 21:27:39.07 ID:+iqo4wxzO
ホロ「……」モグモグ
ロレンス「?」
ホロ「……」モグモグ
ロレンス「俺の言うこと聞いてくれたのか?」
ホロ「……」コクン
ロレンス「記憶無くす前と違って素直だな」
ホロ「主よ」
ロレンス「なんだ?もう、食べ終わったのか」
ホロ「うむ。での……」
ロレンス「足りないと言いたいのだろ、ほら、俺の食べていいぞ」
33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 21:31:11.40 ID:+iqo4wxzO
ホロ「う、うむ」ハグッ
ロレンス「さて……と」
ホロ「……」モグモグ
ロレンス「あっ、そうだ。食べながらでいいから、聞いてくれ」
ホロ「……」コクン
ロレンス「町中では、絶対に耳や尻尾を出すなよ……見つかったら火炙りにされるからな」ニッ
ホロ「……うむ」
35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 21:33:03.56 ID:+iqo4wxzO
ロレンス「まぁ、そんなに気負う事は無いさ、いざとなったら俺が助けてやるよ」
ホロ「頼りにしていいのかや?」
ロレンス「少しはな」
ホロ「では、頼りにするでありんす。少しだけ……じゃがな」
ロレンス「はは」
ホロ「くふっ」
37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 21:36:17.90 ID:+iqo4wxzO
ロレンス「さてと、とりあえず、記憶を取り戻さないとな」
ホロ「……何か、あてはあるのかや?」
ロレンス「さっき、飯を買う、ついでに情報を仕入れてきたんだが、他にも記憶を無くした人が沢山、いるみたいなんだ」
ホロ「わっち以外にも……」
ロレンス「あぁ。まぁ、神の仕業や変なものを食べた、奇病と色んな噂がたってるが原因はわからないらしい」
ホロ「ふむ」
ロレンス「俺の見立てだと、食べ物だと思うがな。何せ、俺ではなく、食いしん坊の狼がなるくらいだからな。」
39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 21:44:18.90 ID:+iqo4wxzO
ホロ「それで、昨日廻った店を訪ねる気なのかや」
ロレンス「そうだ、原因によっては対処法があるかも知れない」
ホロ「しかし、店主は本当の事を言うのかや?」
ロレンス「そこは、お前の耳に頼る」
ホロ「わっちの耳?」
ロレンス「あぁ、嘘をかぎ分けられる、その耳にな」
42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 21:51:53.30 ID:+iqo4wxzO
ホロ「……そうなのかや?」
ロレンス「の筈だが」
ホロ「では、何か嘘をついて見てくりゃれ」
ロレンス「急に言われてもな……」
ホロ「なんでもよい」
ロレンス「なんでもか……う~ん」
ホロ「ほれ」
43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 21:58:04.79 ID:+iqo4wxzO
ロレンス「なら、お前は、気が強いが泣き虫で、大飯食らいの大酒飲み。甘いものが好きな癖にリンゴだけは苦手。聡明で可愛いが、ねだり上手、ただ、ねだった後は、何かしらで返す」
ロレンス「どうだ?」
ホロ「……」
ロレンス「わからないのか?」
ホロ「……リンゴのとこ、じゃろ」
44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 21:59:01.69 ID:+iqo4wxzO
ロレンス「あぁ、正解だ。リンゴはお前の好物だからな、なにせ……どうした」
ホロ「いや、なんでもありんせん。ただ……」
ロレンス「ただ?」
ホロ「……なんか、恥ずかしくなっての」
ロレンス「はは、だが事実だからな、大飯食食らいの大酒飲みで……」
ホロ「そういう事ではありんせん。主がわっちを語る様子が……その、なんじゃ……」
ロレンス「変だったか?」
ホロ「変ではありんせん……その……」
46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 22:03:43.11 ID:+iqo4wxzO
ロレンス「なんだ?」
ホロ「もうよい」
ロレンス「気になるだろ」
ホロ「もうよいって、いっておる」
ロレンス「はいはい、じゃ、そろそろ外に行くか」
ホロ「うむ、それがよい……」
48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 22:08:44.00 ID:+iqo4wxzO
ロレンス「じゃ、ほら」スッ
ホロ「なんじゃ?」
ロレンス「ん?腕を回さないのか」
ホロ「……主は、わっちと長い間一緒にいたかもしれぬ」
ロレンス「あぁ」
ホロ「だが、わっちからすれば、初対面じゃ」
ロレンス「そう言えば、そうか」
50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 22:09:30.76 ID:+iqo4wxzO
ホロ「つまり、まだ、そういう行為には……抵抗が……ありんす」
ロレンス「それもそうか、悪かったな」
ホロ「気を悪くしないでくりゃれ」
ロレンス「大丈夫、こっちこそ悪かったよ。気を使わないで」
ホロ「そんな事はありんせん」
ロレンス「なら助かるよ、なにせ、俺はそういう事に疎いらしいから」
ホロ「それは、よくわかりんす」クスッ
ロレンス「はは。じゃ、はぐれない様について来るんだぞ」
51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 22:14:40.68 ID:+iqo4wxzO
ホロ「う、うむ」
ロレンス「まぁ、はぐれたら、この宿に戻って来ればいいさ」
ホロ「……」コクッ
ロレンス「さてと……うん?」グィ
ホロ「……やはり、不安じゃから……」ギュ
ロレンス「それで、服の裾か。」
ホロ「ダメかや?」
ロレンス「ご自由に……ただ」
ホロ「?」
ロレンス「引っ張り過ぎて、破くなよ」
ホロ「そんな強くは引っ張らぬ」
ロレンス「ならいいが」
ホロ「引っ張らぬ」
52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 22:15:34.30 ID:SBETFHuBO
やっぱりロレンスって枯れてんじゃね?
55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 22:25:00.44 ID:+iqo4wxzO
~路上~
ホロ「……」
ロレンス「ホロ、どうした?」
ホロ「人……多くないかや」
ロレンス「そうか?規模的には小さめな都市なんだがな」
ホロ「ほう……」ギュッ
ロレンス「ほら、行くぞ」クスッ
ホロ「うむ」
57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 22:27:49.75 ID:+iqo4wxzO
~
ロレンス「先ずは、一軒目だ。確か、この先の露店で……」
ホロ「リンゴの匂いじゃ」パッ、タッタッタ
ロレンス「おい、ホロ。どこに行くんだ」
58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 22:29:38.69 ID:+iqo4wxzO
「らっしゃい。おや?昨日来た娘だね」
ホロ「いい匂いじゃ」
「また、買ってくかい」
ホロ「また?」
「昨日も買ってくれただろ」
ホロ「……」
「忘れたのかい?そういえば、連れの人は、どうしたんだい?」
ホロ「それは、この手の……」
「誰もいないみたいだが?」
60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 22:31:17.06 ID:+iqo4wxzO
ホロ「……」
ロレンス「ホロ。やっぱり、ここか」
ホロ「主よ……」
ロレンス「急に走り出すから、見失ったかと思ったよ」
ホロ「すまぬ」
ロレンス「まぁ、昨日と同じ店に来てるのは、お前らしいが」
ホロ「うむ……」ギュッ
61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 22:39:23.42 ID:+iqo4wxzO
「らっしゃい」
ロレンス「こんにちは」
「今日も買ってってくれるのかい」
ロレンス「はい、連れが気に入りましてね。一つ、お願いします」
「そういえば、お連れさん、まさか記憶喪失かい?」
ロレンス「わかります?」
「そりゃね。昨日、あんだけ仲が良かったのに、よそよそしいからね」
ロレンス「はは、そういえば、町中で記憶喪失が多発してるようですが……何か知りませんか?」
62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 22:41:14.02 ID:+iqo4wxzO
「うーん、聞いた話しだと、ここ数日に集中してるらしいよ。大人に多いみたいだけど、大変らしいね」
ロレンス「そうですか。過去にもあったんですか?」
「いや、初めてさ。早く治まって欲しいもんだよ。」
ロレンス「そうですね、どうもありがとうございました」
「いいってことさ。はい、リンゴ。後、傷があって悪いが、これはサービス。味は変わらないから」
ロレンス「ありがとうこざいます、じゃ、これで」チャリン
「ありがとうね、あんたも早く戻るといいね」
ホロ「……うむ」
ロレンス「ほら、行くぞ。」
ホロ「待ってくりゃれ」
63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 22:45:53.43 ID:+iqo4wxzO
~広場~
ロレンス「ほら、ホロ」
ホロ「すまぬ」シャリ
ロレンス「旨いか?」
ホロ「うむ」シャリシャリ
ロレンス「それは良かった」シャリ
ホロ「……」モグモグ
65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 22:53:30.64 ID:+iqo4wxzO
ロレンス「なんだ。もう、食べ終わったのか」
ホロ「うむ」
ロレンス「ほら、食べかけだが食うか?」スッ
ホロ「いいのかや?」
ロレンス「あぁ」ニコッ
ホロ「……全然、食べておらぬが」ヒョイ
ロレンス「なんだ、いらないのか」
ホロ「そうは、言っておらぬ」シャリ
ロレンス「はは」
66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 22:59:37.47 ID:+iqo4wxzO
ホロ「……主よ、聞きたい事がありんす」
ロレンス「なんだ?」
ホロ「わっちの記憶が戻らなかったら、どうするつもりなのじゃ?」
ロレンス「……構わないさ」
ホロ「本当……かや?」チラッ
ロレンス「あぁ、ホロはホロだ。自然に任すさ」
ホロ「しかし、いいのかや?」
ロレンス「なにがだ?」
67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 23:01:29.54 ID:+iqo4wxzO
ホロ「今までの関係が無になってもじゃ」
ロレンス「なに、また築けばいいさ」
ホロ「……うむ、そうじゃな」
ロレンス「ということで、手、つないでいいか?」スッ
ホロ「……」モジモジ
ロレンス「リンゴ……食べたろ?」
68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 23:03:07.29 ID:+iqo4wxzO
ホロ「……」ギュッ
ロレンス「よし」
ホロ「主は……ズルいの」
ロレンス「うっ」
ホロ「じゃが、そのズルさは嫌いではありんせん」ニッ
ロレンス「はは……」
69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 23:03:16.79 ID:92zU+k9R0
うおーY⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒(。A。)!!!
70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 23:07:15.65 ID:kSE+iRACO
ひょおおお!!!!
71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 23:10:52.93 ID:+iqo4wxzO
~
ロレンス「さて、次は……」
ホロ「……主は、全ての店を覚えておるのかや?」
ロレンス「あぁ、何を食べて、幾ら払ったのかも大体な……まぁ、職業病みたいなものだな」
ホロ「それは、凄いの」
ロレンス「そうか?」
ホロ「うむ」
ロレンス「昔のお前なら、セコイとか言うんだがな」
ホロ「……」
ロレンス「……どうした?」
72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 23:13:11.71 ID:+iqo4wxzO
ホロ「昔のわっちと比較されるのは、あまり好きではありんせん」プィ
ロレンス「そうか、気を付けるよ」
ホロ「うむ……あっ、あの店旨そうな、匂いがするの。ちと、休憩せぬか?」
ロレンス「あぁ、あそこか」
ホロ「知ってるのかや?」
ロレンス「まぁ……」
ホロ「昔の……かや?」
ロレンス「そんなとこだ」
73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 23:15:16.92 ID:+iqo4wxzO
ホロ「じゃ、あっちがよい」
ロレンス「あっちか……」
ホロ「あっちもかや?」
ロレンス「まぁ」
ホロ「では、向こうじゃ」
ロレンス「……」ポリポリ
ホロ「向こうもかや」
ロレンス「ははは、しかし、構わないだろ。元々、昨日回った所を回るつもりなんだから」
74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 23:17:00.33 ID:+iqo4wxzO
ホロ「それはそうじゃが、なにか嫌じゃ。そもそも、主よ……」
ロレンス「な、なんだ」
ホロ「わっちを甘やかしすぎじゃないかや」
ロレンス「それは……お前がねだり上手なだけで」
ホロ「にしても、限度というものがありんす、主の財布には穴が空いてるのかや?」
ロレンス「……しょうがないだろ、お前が心の穴を埋めてくれ、とかいうから」
ホロ「今朝もその様な事を言っておったな……まさか、食べ物で埋まると思っておるのかや」
ロレンス「昔のお前は満足したし、現に、お前も満足しただろ」
ホロ「……」
76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 23:25:30.05 ID:+iqo4wxzO
ロレンス「ど、どうした」
ホロ「少し、呆れておる」
ロレンス「なっ」
ホロ「主よ、少なくとも、わっちが、喜んだのは、主がわっちを連れて外に行ってくれる、と言ってくれたからじゃ」
ロレンス「じゃ……」
ホロ「昔のわっちも、食事自体よりも主に甘える事で、心を満たしたと思いんす」
77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 23:27:01.31 ID:+iqo4wxzO
ロレンス「……そうか」
ホロ「うむ」
ロレンス「なら、どうしたら良かったかな?」
ホロ「それは、簡単じゃ。こう、ギューと、力強く抱き締めるだけで埋まりんす……少なくとも、わっちはの」
ロレンス「はは、そうか」
ホロ「そうじゃ」
ロレンス「覚えておくよ」
ホロ「うむ」ダキッ
78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 23:28:36.62 ID:+iqo4wxzO
ロレンス「うん?」
ホロ「嫌……じゃったか?」
ロレンス「いや、そうじゃなくて。恥ずかしいのじゃなかったのか?」
ホロ「もう、恥ずかしくはありんせん、なんせ、ホレた雄にひっつくんじゃからの」ニコッ
ロレンス「ッ」
ホロ「なんじゃ、照れておるのかや?」
ロレンス「流石に、こんな真正面から言われるとな」
ホロ「くふっ、経験や知識がある奴は、時としてプライドになり、それが邪魔して、中々正直になれるからの。その点、今のわっちは何もないからの、正直になれるというものでありんす」
81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 23:33:46.25 ID:+iqo4wxzO
ロレンス「成る程な」
ホロ「まぁ、青臭いともいうがの」ニッ
ロレンス「はは」
ホロ「クフッ」
ロレンス「じゃ……」
ホロ「回るかの」ギュ
ロレンス「あぁ」
82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 23:35:14.75 ID:+iqo4wxzO
~数時間後~
ロレンス「んー、特に目新しい情報は無かったな」モグモグ
ホロ「そうじゃったな」ハフハフ
ロレンス「まぁ、期待はしてなかったが」パクッ
ホロ「じゃろうな、主の推理が正しくても外れていても、回る必要がない店じゃからな」ゴクッ
ロレンス「気づいてたのか?」
83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 23:39:52.51 ID:+iqo4wxzO
ホロ「まぁの、主が正しかったとしても、露店だと、売っている品物は限られておるしの、露店の品物が原因なら、直ぐに噂になるじゃろ。
もし、食べ物だとしても、なかなか原因がわからぬという事は、不特定多数に様々な品物を提供する店じゃ、最初行った青果店や酒場などじゃな。主もその辺はわかっておろう」
ロレンス「まぁな。なら、なんで、もっと早く言わなかったんだ?」
ホロ「わっちは、主と一緒に居たかったからじゃ、それに、飯にもありつけるからの、まぁ、主の思惑もわかるしの」
ロレンス「……」
ホロ「まぁ、その想いがわっちに向けられて、おらぬのは少し、寂しいがの」
ロレンス「そんな事は……」
ホロ「ないかや?」
ロレンス「ないといったら、嘘になるな」
ホロ「素直でよろしい」
85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 23:41:44.51 ID:+iqo4wxzO
ロレンス「怒って……無いのか?」
ホロ「怒るというより、羨ましい、という気持ちの方が強いかの」
ロレンス「羨ましい?」
ホロ「うむ、そこまで主に愛されてるわっちにじゃ、何せ、一分の望みに、出さなくてよい金を出して、昨日の行動をなぞるくらいじゃからな」
ロレンス「……しかし、前に言った言葉に嘘は無いぞ」
ホロ「わかっていんす。じゃからこそ、主の気が済む様に、付き合ってるのじゃ」
86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 23:45:15.38 ID:+iqo4wxzO
ロレンス「悪いな」
ホロ「惚れた者の負け、でありんす」
ロレンス「お互いにな」
ホロ「そうじゃな」クスッ
ロレンス「少し早いが、宿に戻るか」
ホロ「いいのかや?まだ、回る所は、あるのじゃろ」
ロレンス「まぁな。だが、お前に悪い」
88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 23:46:24.22 ID:+iqo4wxzO
ホロ「お人好しじゃな」
ロレンス「はは、よく言われるよ」
ホロ「じゃが、わっちは、そこが主の魅力であるとおもいんす」
ロレンス「そうか?」
ホロ「うむ、わっちはそこに惚れたでの」
ロレンス「……」ポリポリ
ホロ「……なにか、言葉を返して欲しいんじゃが」
ロレンス「……ありがとう」
ホロ「どういたしまして」
ロレンス「はぁ……」グシグシ
ホロ「くふっ」
89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 23:49:26.81 ID:+iqo4wxzO
~宿~
ガチャ
ロレンス「うーん、疲れた……」
ホロ「わっちは腹が減ったんじゃが」
ロレンス「あれだけ、食べたのにか?」
ホロ「軽食で、しかも、主と半分づつじゃろ、すぐに減ってしまいんす」
ロレンス「わかったよ、後で酒場にでも行こう」
ホロ「すぐに行かぬのかや?」
90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 23:51:18.77 ID:+iqo4wxzO
ロレンス「あぁ、朝、商会で調べて来た事を一応、纏めたいからな」
ホロ「記憶喪失の事かや?」
ロレンス「あぁ、商会にある、文献で食べ物が原因とされるものは、対処法まで、全て書き写して来たからな」
ホロ「ふむ……汚い字じゃな」ヒョイ
ロレンス「殴り書きだからな、それを今から、こっちに整理するんだ……ほら、返せ」
ホロ「ほう」
ロレンス「まぁ、終わったら声をかけるから、自由にしといてくれ」
91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 23:53:47.37 ID:+iqo4wxzO
ホロ「うむ」
カリカリ
ロレンス「……」
ホロ「……」ジー
カリカリ
ロレンス「……ホロ、何か用か?」ピタッ
92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 23:55:04.77 ID:+iqo4wxzO
ホロ「何も用はありんせん」
ロレンス「じゃ、何でこっちを見てるんだ?」
ホロ「ダメかや?」
ロレンス「ダメでは、無いが、気になるんだが」
ホロ「それは、すまぬ。ただ、主が一生懸命仕事をしてる姿に見とれておっただけじゃ」
ロレンス「……まぁ、好きにすればいいが」
ホロ「うむ。ほれ、手が止まっていんす」
ロレンス「はいはい」カリカリ
ホロ「……」ニコニコ
96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/08(金) 00:04:34.77 ID:l1/MhsWqO
~
ロレンス「……よし、終わった。ホロ、待たせた……と、なんだ、寝てるのか」
ホロ「……」スースー
ロレンス「起こすのも忍びないが……」ナデナデ
ホロ「……うむ?終わったのかや?」ムクッ
ロレンス「あぁ、一応な」
ホロ「じゃ、飯じゃ」
ロレンス「そうだな、ほら」スッ
ホロ「うむ」ダキッ
98:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/08(金) 00:16:20.14 ID:l1/MhsWqO
~数時間後~
ロレンス「ほら、ホロ。着いたぞ」
ホロ「うむ」ムニャムニャ
ロレンス「はぁー、昨日より酷いな」
ホロ「……」
ロレンス「ほら、下ろすぞ」
ホロ「嫌じゃ。もう少し、主の背中がよい」
ロレンス「勘弁してくれ」
ホロ「むー、仕方がない、名残惜しいが、勘弁してやるかの……」
ロレンス「それは、ありがたい」
ホロ「うむ……」
ロレンス「ほら、服を……あー、ちょっと待て」
ホロ「う~ん」
ロレンス「はぁ、また、水貰って来ないとな……ん?なにか忘れてるような……そうだ、あの果物……確か」
99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/08(金) 00:19:01.90 ID:l1/MhsWqO
ガチャ
ロレンス「すみません、水頂けますか?それと、昨日頂いた果実、残っていませんか?……えぇ、勿論、お金はお払いします。」
ロレンス「あぁ、これです。ありがとうごさいます。」
バタン
ロレンス「……原因はこれだったんだ、文献に載ってたのと、特徴が一致する。酒と一緒に取らないと、症状が出ないから、発覚しにくかったんだな」
ロレンス「これなら、治療薬も確立されてた筈……うん、これだ。……よし、少し遅いが、商会に行って……」
ロレンス「そうだ……ホロ」
ホロ「……」スースー
ロレンス「寝てる……よな、しょうがない、一人で……」
ガチャ
100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/08(金) 00:22:10.31 ID:l1/MhsWqO
~朝~
ロレンス「ホロ、起きろ」
ホロ「う~ん、なんじゃ」モソモソ
ロレンス「出掛けるぞ」
ホロ「飯は~?」
ロレンス「そんなものは後だ、ほら早く、置いていくぞ」
ホロ「う~ん、待ってくりゃれ」
101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/08(金) 00:24:00.00 ID:l1/MhsWqO
~商会~
ロレンス「おはようごさいます」
「あぁ、ロレンスか」
ロレンス「昨日、頼んどいたのものはどうなりましたか?」
「今、若いのを数人、走らせてるよ、時期に戻って来るだろう」
ロレンス「そうですか、で、買い占めれそうですか?」
「あぁ、大丈夫だろ、元々需要が無い品だしな」
ロレンス「それは良かった」
「しかし、良く見つけたな」
ロレンス「えぇ、まぁ」
102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/08(金) 00:26:07.72 ID:l1/MhsWqO
「うまくやれば、大儲けができるな」
ロレンス「そうですね」
カチャ
「……買い占めれたそうだ」ボソボソ
ロレンス「本当ですか」
「あぁ、噂が回る前に一気に買えたのが良かったみたいだ」
ロレンス「そうですか、良かった、では、当初の予定通り……」
「まずは、小銭だな」
ロレンス「私にとっては、大金ですよ」
「はは、さて忙しくなるぞ」
103:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/08(金) 00:27:42.90 ID:l1/MhsWqO
~町~
ホロ「主よ」
ロレンス「朝飯は、もう一仕事終わってからだ」
ホロ「そうではありんせん」
ロレンス「あぁ、商売の話しか」
ホロ「うむ」
ロレンス「昨日、お前が寝てから、記憶喪失の原因がわかってな」
ホロ「諦めたのじゃないのかや?」
ロレンス「みすみす、逃す事も無いだろ?」
ホロ「うむ、そうじゃな……」
105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/08(金) 00:35:19.36 ID:l1/MhsWqO
ロレンス「それで、原因がわかったから、深夜に商会に飛び込んで、治療薬を作る、材料で町で一番、品薄なものを買い占めて貰ったんだ」
ホロ「ふむ、して、原因はなんじゃったのじゃ?」
ロレンス「宿で貰った、果実だった。まぁ、サービスで貰ったから、すっかり、忘れてたよ」
ホロ「主らしいの。そうじゃ、何故、全部の材料を買い占めないのかや?」
ロレンス「他の材料は有り余ってるし、なにせ、規模が大きすぎるからな、一つで十分というわけだ。それに、あまり、独占しすぎると、薬の組合やら、市政やら、メンドイ連中が絡んでくる」
106:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/08(金) 00:38:00.80 ID:l1/MhsWqO
ホロ「なるほどの、して、小銭を稼ぐとはなんじゃ?」
ロレンス「それは、今から、薬屋に記憶喪失の原因はこれですよと、情報を売るのさ」
ホロ「ふむ」
ロレンス「まぁ、情報が出回るまでが勝負だが、それまでに、回れるだけ回る。市場が動くと、一気に噂が流れるだろうしな」
ホロ「ふむ、なるほどの、で、主の取り分は幾らじゃ」
ロレンス「商会に材料の仕入れから販売を全てまかしてあるし、身内だからな、材料の売り上げの利益の半分だ」
ホロ「ほう」
ロレンス「まぁ、薬屋に売る情報の代金は俺の丸儲けだがな」ニッ
ホロ「それなら、いっそ薬を製造して売れば良いのではないのかや?」
ロレンス「町の条約で、薬の製造、販売は薬屋でしか、無理なんだ」
ホロ「複雑じゃの」
ロレンス「まぁな。さて、一軒目に着いたぞ」
108:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/08(金) 00:41:57.38 ID:l1/MhsWqO
~数時間後~
ロレンス「結局、回れたのは六軒、儲けはトレニー銀貨で14枚か、上々だな」
ホロ「儲けたのかや?」
ロレンス「あぁ、大儲けだ。……これに、後から来る、最終的な利益を考えると……」ニヤニヤ
ホロ「それは良かったの、主の喜ぶ顔を見れて、わっちも嬉しい……が」
ロレンス「が?」
ホロ「朝から走り回って、腹が減ったんじゃが」
ロレンス「あぁ、そう言えば、そうだな。よし、そこの露店で何か買うか」
ホロ「うむ」
109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/08(金) 00:44:51.56 ID:l1/MhsWqO
~夜の酒場~
ロレンス「ホロ、喜べ。大儲けだ」
ホロ「主よ、良かったの」
ロレンス「あぁ、仕入れたもの9割が高値で捌けたらしい」
ホロ「ほう」
ロレンス「まぁ、数日すれば、他の商会が隣町から仕入れたものが、届くと思うから、値は徐々に収まるだろうがな」
ホロ「そうなのかや」
ロレンス「そりゃな、いつもの数倍で売れるんだ、指を加えて見てる奴はいないさ」
ホロ「大変じゃの」
ロレンス「まぁ、今は忘れて食べよう。祝勝会だ」
110:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/08(金) 00:46:17.19 ID:l1/MhsWqO
ホロ「そうじゃな……」
ロレンス「……なんだ?元気が無いな」
ホロ「……そんなことは、ありんせん」
ロレンス「そうか?」
ホロ「……うむ」グビッ
111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/08(金) 00:47:36.29 ID:l1/MhsWqO
~宿~
ガチャ
ロレンス「はぁー、着いた。結局、背負うはめになるんだな」
ホロ「……主よ」
ロレンス「なんだ、起きたのか」
ホロ「……」
ロレンス「いつ、起きたんだ?」
ホロ「最初からじゃ」
ロレンス「おい」
ホロ「許してくりゃれ、主に甘えたくなっての」ギュー
112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/08(金) 00:49:03.09 ID:l1/MhsWqO
ロレンス「降ろすぞ」
ホロ「うむ」スルッ
ドサッ
ロレンス「酔ってなかったのか。まぁ、酒の量は少なかったと思うが」
ホロ「主が胸に、薬を忍ばせてたおったからの」
ロレンス「気づいてたのか?」
ホロ「まぁの、して主よ」
ロレンス「なんだ?」
ホロ「その薬はどうするのかや?」
ロレンス「それは……」
113:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/08(金) 00:51:39.20 ID:l1/MhsWqO
ホロ「大方、迷っておるのじゃろ」
ロレンス「あぁ……迷ってる。この薬を使って治すと、今のお前がいなくなると聞いて特に」
ホロ「そうかや……」
ロレンス「驚かないのか?」
ホロ「何となく、そんな気が、しておった……野性の勘かの」
ロレンス「そうか……」
ホロ「……主よ、わっちの胸に穴が空いたようじゃ、塞いでくりゃれ?」
ロレンス「あぁ……」
ギュー
ホロ「主よ……」
117:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/08(金) 00:53:37.04 ID:l1/MhsWqO
ロレンス「なんだ?」
ホロ「頼みがあるんじゃが」
ロレンス「……あぁ」
ホロ「うむ。それを……わっちが寝てる間に飲ませて欲しいんじゃ。……流石にわっち自身で飲むには気が引けるでの」
ロレンス「いいのか?」
ホロ「主がこれ以上、困る様子は見たくないしの」
118:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/08(金) 00:55:25.52 ID:l1/MhsWqO
ロレンス「ホロ……」
ホロ「後、短い間じゃったが、わっちと過ごした事を、忘れないでいてくりゃれ」
ロレンス「勿論だ」
ホロ「うむ。それとじゃ、記憶を取り戻した、わっちにも秘密にしといてくりゃれ」
ロレンス「それはいいが、何故だ?」
ホロ「わっちは、主だけが覚えておいてくれたら、それでいいのじゃ。それに、下手に話すと、記憶を取り戻した、わっちが妬くからの」クスッ
ロレンス「妬かないだろ」
ホロ「妬く、わっちはそういう奴じゃ」
119:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/08(金) 00:57:41.62 ID:l1/MhsWqO
ロレンス「いやに、素直だな」
ホロ「最後じゃからな」
ロレンス「……」
ホロ「そんな辛気くさい顔をするでない、元に戻るだけじゃろ?」
ロレンス「それはそうだが……しかし」
ホロ「……主は本当にお人好しじゃの」
ロレンス「それが、俺の魅力なんだろ?」
ホロ「うむ、そうじゃ。そこに、今のわっちは惚れていんす」
120:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/08(金) 00:59:16.14 ID:l1/MhsWqO
ロレンス「今の……か」
ホロ「今の……じゃ」
ロレンス「はは……」
ホロ「……」
ロレンス「……ホロ」ススッ
スッ
ホロ「そこまでじゃ……これ以上、やると歯止めがききそうに無くなるからの。それでは、わっちに申し訳がたたぬ。続きは記憶を取り戻したわっちとしてくりゃれ」
ロレンス「……あぁ」
121:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/08(金) 01:00:53.89 ID:l1/MhsWqO
ホロ「まぁ、少しはわっちも、いい思いはするがの」
ロレンス「……どういう意味だ?」
ホロ「後でわかりんす。すまぬが、眠くなってきた……。主の胸で寝かしてくりゃれ?」
ロレンス「わかった」
ギシッ
ホロ「くふっ」ヒシッ
ロレンス「……」
ホロ「……」
122:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/08(金) 01:04:35.47 ID:l1/MhsWqO
~
ホロ「……」スースー
ロレンス「……寝たか。じゃ、薬でも……」
ロレンス「……そう言うことか……ホロらしい、ズルさだ」ハハ
ロレンス「まぁ、ホロが望むなら、俺は喜んで踊るか」
ロレンス「……」
ゴクッ
123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/08(金) 01:05:26.16 ID:l1/MhsWqO
~翌朝~
ホロ「ふぁー」
ロレンス「おはよう、ホロ」
ホロ「うむ……飯は?」
ロレンス「今買ってくるよ、軽いものでいいか?」
ホロ「肉が乗ってるものが良い」
ロレンス「朝から大丈夫か?」
ホロ「うむ、昨日あんだけ飲んだのにおかしいことじゃ」
ロレンス「昨日……か」
ホロ「どうかしたのかや?」
ロレンス「いや、なんでも無い、行ってくるよ」
125:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/08(金) 01:07:07.02 ID:l1/MhsWqO
ホロ「主よ……わっちに空いた穴は、まだ埋まっておらぬ。だから……の?」
ロレンス「お前の胸には、どれだけの穴が、空いているんだ」
ホロ「なに、ほんの少しじゃ」ニヤッ
ロレンス「なら、これ以上、俺の財布に穴を空けないように、それを埋めてから行こう」
ホロ「?」
ロレンス「ほら」
ギュー
ホロ「ッ」
126:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/08(金) 01:08:00.89 ID:l1/MhsWqO
ロレンス「……」
ホロ「……」
ロレンス「どうだ?埋まっただろ?」ニッ
ホロ「主よ……」
ロレンス「なんだ?」
ホロ「……どこで、そんな事、覚えたのじゃ?」ジトッ
ロレンス「それは秘密だ」
終わり
137:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/08(金) 01:14:00.49 ID:6BVJ8i440
乙ー!
この二人のイチャイチャは見ていてめっちゃ楽しい
138:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/08(金) 01:20:51.02 ID:S+DjquZTO
ズルさってなんじゃらほい
141:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/08(金) 01:29:24.08 ID:bifGLcvvO
>>138
どう考えても薬飲むための水の口移し
142:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/08(金) 01:33:23.90 ID:E8INi7BR0
辛抱たまらん。原作読んでくる
- 関連記事
-
Amazonの新着おすすめ
おすすめサイトの最新記事