1:
◆Giu6rR0Y.o 2019/02/11(月) 21:25:50.06
ID:oyRduWMUo
校舎裏
サトシ「え?」
ピカチュウ「ピカー」
スイレン「そ、その…このチョコに込めたの…!私のゼンリョクのキモチ!」ドキドキ
スイレン「……だから…受け取ってほしい…サトシに…」ドキドキ
サトシ「スイレン…」
2:
◆Giu6rR0Y.o 2019/02/11(月) 21:42:11.68
ID:oyRduWMU0
サトシ「へへっ、サンキュー!スイレン!」
スイレン「う、うん!////」コクッ
サトシ「あけてもいい?」
スイレン「いいよ!」ニコッ
サトシ「やったー!えーっと……」ゴソゴソ
サトシ「おっ!ピカチュウの形したチョコじゃん!」
ピカチュウ「ピカー!」
スイレン「そ、その…頑張って作ったの!サトシのために!」ドキドキ
スイレン「よ、良かったら…食べてほしい…」ドキドキ
サトシ「マジ?じゃあ……いただきまーす!」パクッ
サトシ「……んー…」モグモグ
スイレン「ど、どう?」ドキドキ
オシャマリ「シャリマー」ドキドキ
サトシ「うまい!すっげーうまいよスイレン!」
ピカチュウ「ピカァ!」
スイレン「よ、良かった…」ホッ
サトシ「……これならすぐにでも嫁にこれるな…」
スイレン「……え?」ピタッ
スイレン「あ、あの…サトシ…い、今なんて…」ドキドキ
サトシ「俺と結婚してくれ!スイレン!」キリッ
スイレン「えぇ!?け、結婚…////」ボフン
サトシ「……ダメかな?」
スイレン「え、えと…その…////」ドキドキ
スイレン「……わ、私でよければ…喜んで!////」ポッ
サトシ「やったー!スイレン、ゲットだぜ!!」
ピカチュウ「チュウ!」パチパチパチ
オシャマリ「シャリー」パチパチパチ
スイレン(サトシと結婚…)ドキドキ
スイレン(……夢じゃ……ないよね?)ドキドキ
3:
◆Giu6rR0Y.o 2019/02/11(月) 21:51:37.21
ID:oyRduWMU0
スイレンの家
オネーチャン オネーチャン
スイレン「……うーん…」モゾ
ホウ「おねーちゃん!起きてー!」ユサユサ
スイ「スクールに遅刻しちゃうよー!」ユサユサ
スイレン「……スクール?スクールなら今…」ムクリ
スイレン「………」ポケー
スイレン「………私の部屋…?」
ホウ「何言ってるのおねーちゃん?」
スイ「おねーちゃん寝ぼけてるー!」
スイレン「じゃあ、夢……さっきのは…」ポケー
スイレン(……ホッとしたような…ガッカリしたような…)
スイレン「……サトシと結婚…」
スイレン「/////」ボフン
ホウ、スイ「?」
オシャマリ「zzz」
4:
◆Giu6rR0Y.o 2019/02/11(月) 22:04:50.45
ID:oyRduWMU0
2月13日
放課後
アイナ食堂
マオ「やっと完成したねー!バレンタインデーのチョコレート!」
アマージョ「ッジョ!」
シェイミ「ミィ!」
スイレン「うん!会心のデキ!」
オシャマリ「シャリー!」
ナギサ「イッブイ!」
リーリエ「何とか明日までに間に合って良かったです!」
シロン「コーン!」
リーリエ「スイレンとナギサが味見と称してチョコをバクバクつまみ食いし始めた時はどうなることかと…」ハァ
スイレン「そ、そういうリーリエだって…お鍋ひっくり返したりしてた!」
リーリエ「わ、私はその…論理的結論からいいますと…」
マオ「あ、アハハー…まぁ、無事完成した訳だし、今はチョコができたことを喜ぼうよー」
ナギサ「イッブイ」ゲップ
5:
◆Giu6rR0Y.o 2019/02/11(月) 22:11:59.82
ID:oyRduWMU0
リーリエ「そ、そうですね!」
スイレン「うん、マオちゃんの言うとおり!」
マオ「男子たち、喜んでくれるかな?」
リーリエ「ふふっ、大丈夫ですよ!」ニコッ
リーリエ「……うーん…マーマネならきっと…まだ足りないからおかわりちょうだい!とか、言いそうですね?」クスッ
スイレン「あっ、言いそう!」
マオ「アハハ、カキなら…美味いな!ホシの次に!とか、言いそうだね?」
リーリエ「かもしれませんね?」クスッ
スイレン「………サトシなら……」ウーン
スイレン「……………」
スイレン「/////」ボフン
マオ、リーリエ「?」
6:
◆Giu6rR0Y.o 2019/02/11(月) 22:30:01.97
ID:oyRduWMU0
リーリエ「スイレン!顔が真っ赤ですよ!?大丈夫ですか!」アワアワ
シロン「コーン?」
スイレン「だ、大丈夫!何でもないから!」アセアセ
リーリエ「で、ですがスイレン…よく考えてみますと、今日のスクールでも俯いていることが多かったような…」
スイレン「そ、それは…」
スイレン(夢のせいで、サトシの顔がまともに見れなかったからなんて言えない…)
リーリエ「やはり……体調が悪いのでは…」
スイレン「ほ、本当に大丈夫だから!心配してくれてありがとう、リーリエ!」
リーリエ「い、いえ…ですが、無理はしないでくださいよ?」
スイレン「う、うん!」
マオ「大丈夫だよリーリエ!病気は病気でも……」
マオ「………スイレンは……病院じゃ治らないような病にかかってるんだもんねー?」ニヤニヤ
シェイミ「ミィミィ!」
スイレン「な、なんのこと……?マオちゃん…」ダラダラダラ
リーリエ「びょ、病院じゃ治らない病!?」ギョッ
リーリエ「スイレン!何故そのような重大なことを相談してくれないのですか!!」
シロン「コーン!!」
スイレン「い、いや…その…」
リーリエ「……と、とにかく!今すぐにでもお母様に連絡をとって、最高の名医を!!」プルルルル
スイレン「ちょ……」
マオ「ハァ…どんかんすぎだよリーリエー…」
アマージョ「ッジョ」ハァ
ギャー ギャー
7:
◆Giu6rR0Y.o 2019/02/11(月) 22:46:40.35
ID:oyRduWMU0
リーリエ「マオ、スイレン!明日はバレンタインデー……女の子にとっては聖戦とも言える日です!」
スイレン「聖戦……」
マオ「聖戦って……大袈裟だよリーリエー」アハハ
リーリエ「明日はゼンリョクでがんばリーリエ!ですよ!」
シロン「コーン!」
マオ「うん、そうだね!」ニコッ
スイレン「……………」
スイレン「あ、あの…マオちゃん、リーリエ」
マオ「ん?」
リーリエ「どうかしたんですかスイレン?」
スイレン「その…良かったらもらってもいい?余ったチョコ作りの材料…」
マオ「…………あー…」ポン
マオ「うん、いいよ!リーリエはどう?」
リーリエ「はい、私も構いませんよ」ニコッ
スイレン「あ、ありがとう!」
ナギサ「ブイブーイ!」
マオ「スイレン、サトシに作るんだね?」ヒソッ
スイレン「」ギクッ
スイレン「ち、違う!これはその……お父さん!お父さんに作るの!////」
マオ「アハハ、がんバルーン!だよ、スイレン!」ニコッ
スイレン「うぅ////」カァー
リーリエ(スイレン……まさか残ったチョコ作りの材料を持って帰って食べる気でしょうか……?)
リーリエ「……スイレン、スイレンは女の子なんです!育ち盛りとはいえ…食べ過ぎには気をつけてください!」
シロン「コン!」
スイレン「は?」
オシャマリ「シャリー」
8:
◆Giu6rR0Y.o 2019/02/11(月) 22:59:31.83
ID:oyRduWMU0
夜
スイレンの家
ホウ「できたー!ナギサの形のチョコー!」
ナギサ「ブイッ♪」
スイ「スイのはオシャマリチョコだよー!」
オシャマリ「リマー!」ニコニコ
スイレンママ「ウフフ、二人とも上手ねー?」ニコニコ
ホウ、スイ「えへへ!」
ホウ「お父さん喜ぶかなー?」
スイレンママ「うん、きっと大喜びで踊りだすわよ?」
ホウ「お、お父さん踊るのー?」ワクワク
スイ「見たい見たーい!」キラキラ
スイレンママ「うふふ♪」ニコニコ
スイレンママ(うっそだよーん♪……とは言えない雰囲気ね…)
ホウ「おねーちゃんはチョコできたー?」チラッ
9:
◆Giu6rR0Y.o 2019/02/12(火) 00:21:33.61
ID:E8uJ6mtK0
スイレン「えーと、ここをこうして…」ブツブツ
スイ「お、おねーちゃん?」
ホウ「おねーちゃん真剣だ…」ゴクリ
スイレン「……角度がちょっと気に入らない…やり直して…」ブツブツ
ホウ、スイ「! わぁー!おねーちゃんが作ってるチョコ、ピカチュウの形してるー!」キラキラ
ホウ「ねぇねぇおねーちゃん!そのチョコ、ひょっとしてボーイフレンドのお兄ちゃんに渡すのー?」ワクワク
スイ「おねーちゃん、アツアツだねー?」ニヤニヤ
ナギサ「ブイブーイ!」
スイレン「ホウ、スイ!ちょっと黙って!集中できない!」
ホウ、スイ「ご、ごめんなさーい…」ビクッ
ナギサ「ブイ…」
スイレン「あー、もう!またやり直し!」ブツブツ
ホウ、スイ「……………」
スイレンママ「ホウ、スイ。おねーちゃんはね?明日大事なバトルなの。そっとしておいてあげて?」ポン
ホウ「バトルー?誰と?」
スイ「まさか…ボーイフレンドのお兄ちゃんと?」
スイレンママ「ええ、きっとそうね?」クスッ
ホウ「なんでなんでー?」
スイ「まさか…おねーちゃん、ボーイフレンドのお兄ちゃんとケンカでもしたのー?」
スイレンママ「んー……ちょっと違うかな?でも……」
スイレンママ「きっとスイレンにとっては……ゼンリョクで勝負しなくちゃいけない…大切なバトルね…」
オシャマリ「シャリー!」コクコク
ホウ「どういうことー?」
スイ「ぜんぜんわかんなーい!」
ナギサ「ブイッ!」
スイレンママ「ふふっ、ホウとスイももう少し大きくなったらわかるわ?」ニコッ
オシャマリ「シャリー!」コクコク
ホウ、スイ「???」
スイレンママ「……………」チラッ
スイレン「えーと、ここを………」スッスッ
スイレンママ(スイレン……これは女の子なら誰しもが一度は通る道よ、お母さんも応援してるわ)
スイレン「……やっぱり、角度がイマイチ…」
スイレンママ(……きっとサトシくんなら…結果がどうであれ、スイレンがゼンリョクで頑張ったキモチにはゼンリョクで答えてくれるわ…だから)
スイレン「……これでどうかな?オシャマリ!」
オシャマリ「シャリ!」グッ
スイレンママ(スイレンが気の済むまで…明日は悔いが残らないように…頑張りなさい!)ニコッ
ナギサ「イッブイ!」
10:
◆Giu6rR0Y.o 2019/02/12(火) 00:41:43.26
ID:E8uJ6mtK0
翌日
2月14日
浜辺
ザザーン
サトシ「ふぁ~あ……」
ロトム図鑑「サトシー!あくびとはだらしがないロトー!」
ロトム図鑑「だからあれほど夜更かしはするなと…」クドクド
ピカチュウ「ピカァ!」
サトシ「あー……もうわかったから!」
ロトム図鑑「ロー」
サトシ「………にしてもスイレン遅いな~…いつもならもう来てるのに…」キョロキョロ
サトシ「バルーンの朝練してる時間なくなっちゃうよ!スイレン…寝坊でもしたのかな…?」
ロトム図鑑「スイレンをサトシと一緒にしてはいけないロト」
サトシ「…一言おおいよロトム…」
ピカチュウ「ピカァ!」
スイレン「……………」コソッ
ナギサ「ブイ」コソッ
オシャマリ「マシャー」コソッ
スイレン(サトシ…もう来てる…)ドキドキ
サトシ「スイレンまだかなー」
スイレン(うぅ…この期に及んで……何をビクビクしてるの私!私はただ……チョコをサトシに渡すだけ!)
オシャマリ「シャリ」ポン
スイレン「オシャマリ…」
オシャマリ「シャマ!」グッ
スイレン「……うん、そうだね……ただ隠れて眺めてたって始まんない…!」スクッ
スイレン「ここまで来たら……当たって砕けろのスタイル!……いざ!!」メラメラメラ
オシャマリ「リシャマー!」オー
ナギサ「ブイー♪」
「サトシー!」
サトシ「! スイレン来たみたいだな!」
ピカチュウ「ピカァ!」
11:
◆Giu6rR0Y.o 2019/02/12(火) 21:09:32.14
ID:E8uJ6mtK0
サトシ「スイレーン!遅かったなー!」
ロトム図鑑「ヒビッ!サトシ、この声はー!」
アセロラ「スイレンだと思った?ざんねーん!アセロラちゃんでした~♪」
ミミたん「キュー」
サトシ「アセロラ!ミミたん!」
ピカチュウ「ピカァ!」
アセロラ「アローラ!サトシ、ピカチュウ、ロトム!」ニコッ
スイレン(な、なんでアセロラがここに……?)コソッ
オシャマリ「シャリー…」ハラハラ
ナギサ「ブイブイッ!」
12:
◆Giu6rR0Y.o 2019/02/12(火) 21:23:55.73
ID:E8uJ6mtK0
サトシ「アセロラ!こんな朝っぱらからどうしたんだよ?」
アセロラ「ふっふっふー」
アセロラ「サトシ、さーて問題です!今日はなんの日でしょーか?」ビシッ
ミミたん「キューゥ?」
サトシ「へ?」
ピカチュウ「ピカ?」
ロトム図鑑「今日はバレンタインデー!女の子が好きな男子やお世話になった人にチョコレートを送る日ロトー!」
アセロラ「あー、もう!ロトム!答え言わないでよ!」
ロトム図鑑「ご、ごめんロト…」
サトシ「あー!そうそう!バレンタインデーな!そういや、バーネット博士が今晩はご馳走よって言ってたのはバレンタインデーだったからなのかー」
ピカチュウ「ピカー!」
サトシ「つーことはアセロラ!まさか俺にチョコを渡しに?」ワクワク
アセロラ「へっへー」ゴソゴソ
サトシ「」ワクワク
アセロラ「はい、これ!」スッ
サトシ「これは……!」
ロトム図鑑「可愛く袋詰めにされたチョコクッキーロトー!」
ロトム図鑑「アセロラ、ひょっとしてこれ、手作りロト?」
アセロラ「まーね?」ニコッ
サトシ「やったー!ありがとうアセロラ!」
アセロラ「サトシ、悪いんだけど…それ、カキとマーマネとスイレンとマオとリーリエに渡しておいてもらっていいかな?」
サトシ「…………へ?」
ピカチュウ「ピ……?」
サトシ「……カキとマーマネとスイレンとマオとリーリエ……?」
アセロラ「うん、そう」コクッ
ミミたん「キュー」コクッ
サトシ「あ、あのー……アセロラ…俺の分は……?」ハハハ
アセロラ「ないよ」ニコッ
サトシ「えぇぇぇ!?」ガーン
ピカチュウ「ピカピ」ポンッ
13:
◆Giu6rR0Y.o 2019/02/12(火) 21:33:20.72
ID:E8uJ6mtK0
サトシ「な、なんで!?」
アセロラ「なんでって……バレンタインデーはお世話になった人にチョコレートをあげる日でしょ?」
アセロラ「ウラウラでは……アセロラがサトシの試練のお手伝いはしたけど……アセロラがサトシにお世話になった覚えはないからねー?」ニヤニヤ
ミミたん「キュー」ニヤニヤ
サトシ「うぅ……そ、そういえば……」グサッ
ロトム図鑑「サトシ、ドンマイロト」
サトシ「じゃ、じゃあ……本来なら俺がアセロラにチョコをあげなきゃならなかったのか…」
ロトム図鑑「それは違うと思うロト」
ピカチュウ「ピカピ…」
アセロラ「ふふふ」ニコニコ
サトシ「んー……わかったよ!んじゃあ、みんなには渡しておく……」
アセロラ「……待って、サトシ」
サトシ「え?」
アセロラ「はい、これ!」スッ
サトシ「こ、これは……」
ロトム図鑑「でっかいハート型のチョコロト…」
ピカチュウ「ピカァ…」
アセロラ「さっきはごめんね?ちょっとからかっちゃった♪」
サトシ「こ、これ……俺にくれんの…?」
アセロラ「うん、もちろん!」ニコッ
ミミたん「キュー」ニコッ
サトシ「やったー!ありがとうアセロラー!」
ピカチュウ「ピカァ!」
アセロラ「うふふ」ニコッ
14:
◆Giu6rR0Y.o 2019/02/12(火) 21:49:31.92
ID:E8uJ6mtK0
サトシ「ありがとう!アセロラ!すっげー嬉しいよ!」
アセロラ「どういたしまして!そこまで喜んで貰えたら、アセロラも頑張って作った甲斐があるよ」ニコッ
サトシ「へへへ!」ウキウキ
ピカチュウ「ピカァ!」
ロトム図鑑「アセロラ……このチョコ、もしかして本め…」
アセロラ「あっ!そうだサトシ」ビシッ
サトシ「? なに?」
アセロラ「三倍返し、お願いね?」ニコッ
サトシ「三倍返し……?」
ロトム図鑑「サトシ!バレンタインデーのチョコレートを女性から貰った男性は」
ロトム図鑑「ホワイトデーにその女性から貰った分の三倍相当のお返しをしなくてはならないロトー!」
サトシ「ホワイトデー…なるほどな」ポンッ
サトシ「おう!任せてよアセロラ!三倍どころか十倍返ししてやるよ!」
ピカチュウ「ピッカー!」
アセロラ「ふふっ、楽しみにしてるよ?」ニコッ
ミミたん「キュー」
アセロラ「じゃ、アセロラはもう帰ろっかな?」クルッ
アセロラ「これからおじさんや図書館に遊びに来る子たちにもチョコレートあげなきゃいけないしねー?」
ミミたん「キュー」クルッ
サトシ「うん、ありがとう!アセロラ!」
アセロラ「サトシ、みんなにもチョコ渡すの忘れないでね!………それと…」
サトシ「?」
アセロラ「………そのチョコ食べたら……感想教えてね?」モジッ
サトシ「うん!わかったよ!」ニッ
ピカチュウ「ピカァ!」
アセロラ「えへへ」ニコッ
ミミたん「キュー」
ザザーン
15:
◆Giu6rR0Y.o 2019/02/12(火) 22:10:41.19
ID:E8uJ6mtK0
サトシ「へへへ」ニコニコ
ピカチュウ「ピカァ」
スイレン「サトシ!」タッタッタ
オシャマリ「シャリー!」タッタッタ
ナギサ「ブイッ!」タッタッタ
サトシ「あっ、スイレン!アローラ!」ニコニコ
スイレン「アローラ、サトシ!ごめん、遅れて!」
サトシ「いーっていーって!気にすんなよ!」ニコニコ
ピカチュウ「ピカァ!」
スイレン「…………」
スイレン「どうしたのサトシ?随分機嫌いいみたい」ジトッ
サトシ「ん?そうかな?」ニコニコ
ロトム図鑑「サトシはさっきアセロラからバレンタインデーのチョコを貰ってご機嫌ロトー!」
サトシ「おい!言うなってロトムー?」ニコニコ
スイレン「…………バレンタインのチョコ…」
サトシ「あっ、そうそう!これアセロラから!スイレンたちに渡しておいてだってさ!チョコクッキー!」スッ
スイレン「ど、どうも…」
サトシ「へへへ!んじゃ、バルーンの練習しようぜ!スイレン!」
スイレン「…………しない」
サトシ「………へ?」
ピカチュウ「ピ?」
ロトム図鑑「………まぁ…確かに今からバルーンの特訓をしてたらスクールに遅刻してしまうロトー」
サトシ「そ、そっか…」
サトシ「な、なぁ…スイレン?今日は何かあった?遅れてきたみたいだし……」
スイレン「…………」
サトシ「………そ、それに…俺の気のせいだといいんだけどさ?何か機嫌悪そうに見えるし…」ハハハ
スイレン「…………」
サトシ「も、もしかしてスイレンのママとケンカでもした?何かあったならさ?相談……」
スイレン「………スクールいこっ、オシャマリ、ナギサ。遅刻しちゃう」クルッ
ナギサ「ブイ」クルッ
オシャマリ「シャリマー………」クルッ
サトシ「お、おい!スイレン?」
ピカチュウ「ピカピ…」
ロトム図鑑「年頃の女の子は難しいロトー」
16:
◆Giu6rR0Y.o 2019/02/12(火) 22:26:10.07
ID:E8uJ6mtK0
ポケモンスクール
カキ「」ソワソワ
マーマネ「」ソワソワ
マオ、リーリエ「………………」
シェイミ「ミィ」
カキ「な、なぁマオ…」
マオ「? なに?」ニコッ
カキ「い、いやー…ほらっ!な?」ハハハ
マオ「な?って言われても……」
カキ「だからそのー……」
マーマネ「ね、ねぇリーリエ…」
リーリエ「なんですかマーマネ?」ニコッ
マーマネ「今日ってそのー……何か行事があったような……なんだっけ?思い出せないや」ハハハ
リーリエ「行事……ですか?」ハテ
マーマネ「そ、そうだよ!」
カキ(ナイスだマーマネ!!)
リーリエ「マオ!今日は何かある日でしたっけ?」
マオ「んー………あっ!」
カキ、マーマネ「!」
マオ「確か……体育でマラソンがある日だよー!」
リーリエ「あー!そうでした!私……マラソン苦手です…」
マオ「私もだよ…」アハハ
カキ、マーマネ「………………」
リーリエ「カキ、マーマネ!教えてくれてありがとうございます!」ニコッ
カキ「いや…」ハァ
マーマネ「どういたしまして」ハァ
シロン「コーン!」
17:
◆Giu6rR0Y.o 2019/02/12(火) 22:38:14.07
ID:E8uJ6mtK0
リーリエ「カキとマーマネ…ソワソワしていますね?」ワクワク
マオ「ふふっ、きっとチョコを期待してるんだね?わかりやすすぎだよ二人ともー」クスッ
カキ、マーマネ「」ソワソワ
リーリエ「そういえば……スイレンとサトシ、遅いですね?」
マオ「あー、スイレンならきっと……」ゴニョニョ
リーリエ「えー!?スイレンがサトシに愛を込めたチョコをですかー!?」キャーキャー
マオ「ちょ、ちょっとリーリエ!声大きいって!」
カキ「なに?チョコ?」ピクッ
マーマネ「今チョコって……」ピクッ
マオ「ほ、ほら~!」
リーリエ「す、すみません……つい……」
カキ「おいマオ!何か俺に渡したい物でもあるんじゃないか?」
マーマネ「リーリエ!今、チョコって単語が聞こえたんだけど…?」
リーリエ「……好きな男の子に心を込めたチョコレートを…素敵です。これこそ真のバレンタインデー…」ウットリ
マオ「うん、スイレン……うまく行ってるといいね…」
スイレン「アローラ」
オシャマリ「シャリマー」
ナギサ「イッブイ!」
マオ、リーリエ「!」
リーリエ「スイレン来ましたね!」
マオ「うん、どうだったか聞いてみようよ!」
18:
◆Giu6rR0Y.o 2019/02/12(火) 22:55:08.70
ID:E8uJ6mtK0
マオ「アローラ!スイレン!」
リーリエ「アローラです」ニコッ
スイレン「アローラ、マオちゃん、リーリエ!」
リーリエ「で、スイレン!どうだったんですか?」ニコニコ
マオ「サトシにちゃんと渡せた?」ニコニコ
スイレン「なにが?」ニコッ
リーリエ「……え?」
マオ「なにがって……」
サトシ「おーい!待ってくれよスイレーン!」
ピカチュウ「ピカァ!」
ロトム図鑑「ロー」
マオ、リーリエ(サトシ…)
スイレン「…………」
カキ「サトシー!今日は遅かったなー」
マーマネ「寝坊でもしたの?」
サトシ「い、いやぁ…それが色々あって…」ハハハ
サトシ「……な?スイレン?」
スイレン「…………」プイッ
サトシ「スイレン………」
リーリエ「あ、あの……マオ…なんだかスイレンとサトシの様子がおかしいように思えるのですが……」ヒソヒソ
リーリエ「ま、まさか……スイレン…告白しっぱ………」
マオ「で、でも見てよ!サトシが持ってる袋!」
サトシ「…………」
リーリエ「! あれは……論理的結論からいいますと、どう見てもチョコレートが入っている袋ですね」ムウ
リーリエ「で、では…サトシがスイレンのチョコを受け取ったのに、何故あのような険悪な雰囲気に……?」
マオ「うーん………」
カキ「……ん?サトシ…お前その袋……」
サトシ「ん?」
マーマネ「まさか……」
スイレン「…………」
19:
◆Giu6rR0Y.o 2019/02/12(火) 23:10:44.43
ID:E8uJ6mtK0
サトシ「チョコだよ!今朝貰ったんだ!」スッ
ピカチュウ「ピカァ!」
カキ、マーマネ「サトシィィィィ!!!」ウガー
サトシ「」ビクッ
リーリエ「見てくださいマオ!ハート型のチョコです!」キラキラ
マオ「うん!あれはどう見ても本命!やるじゃんスイレン!」チラッ
スイレン「………………」ムスッ
リーリエ、マオ(えっ、スイレン…すごく機嫌悪そう…なんで???)
ロトム図鑑「サトシはこのチョコをアセロラから貰ったロトー!」
カキ「アセロラから?」
マーマネ「あのお化け屋敷の……」
マオ、リーリエ(アセロラから……?)チラッ
スイレン「………………」プクー
サトシ「あっ、そうそう!アセロラからみんなに渡しておいてって、チョコ預かってたんだ!」
マーマネ「え!?僕らにもあるの?」ズイッ
カキ「それを早く言え!サトシ!!」ズイッ
サトシ「ご、ごめん…」ビクッ
サトシ「はい、これ!チョコクッキーだってさ!」スッ
カキ「お、おう!ありがとう」
カキ(明らかにサトシのと違う……あれ絶対に本命だろ…)
マーマネ「ど、どうも…」
マーマネ(どうせなら直接渡して貰いたかったよ…)ハァ
サトシ「マオとリーリエにもあるよ!」
マオ「え?私たちにも?」
リーリエ「友チョコってやつですね」
ピカチュウ「ピカァ」
ワイワイ
20:
◆Giu6rR0Y.o 2019/02/12(火) 23:28:28.37
ID:E8uJ6mtK0
ロトム図鑑「サトシは今朝アセロラからチョコを貰ってからはずっとご機嫌だったロトー」
サトシ「そ、そんなんじゃないって!」
ピカチュウ「ピカァ」
マオ、リーリエ(あー……それでスイレンが機嫌悪かったんだ…)チラッ
スイレン「…………」
オシャマリ「シャリー…」
マオ「てことはスイレン…まだサトシにチョコを…」
リーリエ「……きっと渡してはいないんでしょうね…」
マオ「……リーリエ、ここは私たちが…」チラッ
リーリエ「……ですね」コクッ
カキ「おいサトシ!調子にのるなよ!」ズイッ
サトシ「な、なにが……?」
カキ「見ろこのチョコを!!昨日ホシからもらったんだ!!」バーン
サトシ「へぇー……ホシちゃんから…」
カキ「しかもお手紙付きだ!このホシのゼンリョクの心が詰まったチョコと手紙を見ると、俺は涙が……」ウルッ
サトシ「よ、良かったなカキ…」ハハハ
マオ、リーリエ(……何で昨日貰ったチョコをスクールに持って来てるんだろう……)
マーマネ「サトシとカキもやるねー?でも………」ドンッ
サトシ「ん?マーマネ、その紙袋はどうしたの?」
カキ「マーマネ…まさか……」ゴクリ
マーマネ「えっへっへー!」ドーン
ロトム図鑑「ロロー!!マーマネの紙袋の中からチョコがたくさん出てきたロトー!!」
カキ「な、なんだと!?」
マーマネ「いやぁ……実は、登校中に色んな子からもらっちゃってさー?」
サトシ「マーマネ……モテるんだな!すっげー!!」キラキラ
マーマネ「ま、まぁね?」ドヤッ
マーマネ(本当はお小遣い使って自分で買ったんだけどね……)ハァ
トゲデマル「マキュキュ」
21:
◆Giu6rR0Y.o 2019/02/12(火) 23:49:02.89
ID:E8uJ6mtK0
マオ「へぇー?カキ、ホシちゃんからチョコ貰ったんだ!良かったね!」
カキ「まぁな?////」デレーン
リーリエ「マーマネ!すごい量のチョコですね!」
マーマネ「いやぁ…参っちゃうよー////」テレテレ
マオ「パンパカパーン!!」
サトシ、カキ、マーマネ「!」
マオ「男子諸君!!実は……私たちも昨日、みんなでチョコを作ったんだよ!」
カキ「な、なに!?」ガタッ
マーマネ「チョコ!?」ガタッ
リーリエ「はい、私とマオとスイレンの三人で……みなさんに渡す為にです」ニコッ
シロン「コーン!」
サトシ「マジ?やったー!」
マオ「まぁ…でも……」
マオ「カキはホシちゃんからチョコ貰ったし……いらないよね?」ニコッ
カキ「ま、待て!いらないとは言ってない!!」
リーリエ「マーマネも……参っちゃうくらいチョコを貰ったのならば、いらないですよね?」ニコッ
マーマネ「ま、待ってよリーリエ!欲しい!欲しいです!!」
カキ「お、おい!マオ!イジワルするなよー!」
マオ「あー、もう!冗談だって!はい」スッ
カキ「うおぉぉぉー!!ありがとう!!」
マオ「そ、そこまで喜ばれるとテレちゃうな…」ハハハ
アマージョ「ッジョ」
シェイミ「ミィミィ」
リーリエ「どうぞマーマネ」スッ
マーマネ「ありがとうリーリエ!僕、このチョコ……一生大事にするよ!!」
リーリエ「で、出来れば食べて欲しいのですが……」ハハハ
シロン「コーン」
ロトム図鑑「カキもマーマネもまるで朝のサトシみたいロト」
サトシ「言うなロトム」
ピカチュウ「ピカ」
マオ「……まったく、そこまで喜ぶことないのに」クスッ
リーリエ「ふふっ、ですが……作った甲斐はありましたね?」ニコッ
マオ「うん、だね?」ニコッ
リーリエ「……さて、後は……」チラッ
スイレン「…………………」
オシャマリ「リシャマー……」
22:
◆Giu6rR0Y.o 2019/02/12(火) 23:59:40.86
ID:E8uJ6mtK0
マオ「ほらスイレン、サトシにチョコ渡してきなよ?」ポン
リーリエ「スイレン、がんばリーリエです!」
スイレン「………………」スクッ
スイレン「サトシ」
サトシ「ん?」
スイレン「はい、これチョコ!昨日、マオちゃんとリーリエと作ったやつ」スッ
サトシ「おっ、サンキュー!スイレン!」
スイレン「………嬉しくないよね?」
サトシ「………へ?」
スイレン「………私が作ったチョコなんか貰っても…嬉しくないよね?だって、サトシはもうアセロラから心のこもったチョコを貰ってるから」
サトシ「な、何言ってんだよスイレン……嬉しいに決まってんだろ?」
スイレン「………………」
マーマネ「ね、ねぇ…サトシとスイレンケンカでもしてるの……?」
カキ「さ、さぁ……」
リーリエ「マオ……」ヒソヒソ
マオ「う、うん……」
マオ「あ、あのさー……」
23:
◆Giu6rR0Y.o 2019/02/13(水) 00:13:02.45
ID:HzNzN3m60
スイレン「だってサトシ……アセロラからチョコ貰った時は喜んでた!今よりも!!」
マオ「スイレン……」ピタッ
サトシ「そんなことないって!」
スイレン「そんなことある!……だって……あれからサトシ……ずっとニコニコニヤニヤして……カッコ悪い!!」
サトシ「カッコ悪いって……」
ロトム図鑑「確かにサトシはアセロラからチョコを貰ってからは、ずっとニコニコ……」
リーリエ「ロトム、空気を読んでください」
ロトム図鑑「ロー……」
サトシ「あ、あのさスイレ……」
スイレン「サトシは……好きなのアセロラのこと?女の子として?」
サトシ「女の子としてって……」
スイレン「………………」
サトシ「俺は…」
スイレン「………………」
スイレン「………嘘です」ニコッ
サトシ「え?」
スイレン「サトシ、そのチョコ……私とマオちゃんとリーリエで昨日、ゼンリョクで作ったから食べてね!」
スイレン「………感想は…言わなくていい…」クルッ
サトシ「……………」
マオ「スイレン……」
カキ「たくっ、スイレン!心臓に悪い嘘はやめろよー!」
マーマネ「ハラハラしたよ!」
スイレン「えへへ、ごめん」テヘッ
ワイワイ
サトシ「……………」
ピカチュウ「ピカピ……」
24:
◆Giu6rR0Y.o 2019/02/13(水) 00:23:11.87
ID:HzNzN3m60
放課後
ワイワイ
サトシ「スイレン!一緒に帰んない?」
ピカチュウ「ピカァ!」
スイレン「………ごめん、今日用事あるから」スクッ
スイレン「………帰ろ。オシャマリ、ナギサ」
オシャマリ「シャリ…」
ナギサ「ブイッ」
サトシ「……………スイレン…」
ピカチュウ「ピカ……」
マオ、リーリエ「……………」
25:
◆Giu6rR0Y.o 2019/02/13(水) 00:41:53.63
ID:HzNzN3m60
校舎裏
スイレン「………………」
オシャマリ「シャリマー…」
ナギサ「ブイッ」
マオ「スイレン!こんなとこにいたんだね?」ザッ
リーリエ「探しましたよ?」
シロン「コーン」
スイレン「マオちゃん……リーリエ……」
リーリエ「いいんですかスイレン?サトシ、帰っちゃいますよ?」
スイレン「………サトシ……まだいたんだ…スクールに…」
リーリエ「………きっとスイレンを探しているんです」
スイレン「…なんで?」
マオ「なんでって……スイレンのことを心配してるからだよ!」
スイレン「そんな暇あるなら…アセロラのとこに行けばいいのに」
リーリエ「スイレン……」
マオ「…チョコ…渡さなくていいの……?」
スイレン「チョコならもう渡した」
マオ「…そうじゃないよ…みんなで作ったやつじゃなくて……」
マオ「…そのバッグに入ってるやつだよ」
スイレン「……………」
マオ「わからないとでも思った?言っておくけど、スイレンとは長い付き合いだからね!私にはおみとおし!だよ?」
スイレン「………それはもういらない!マオちゃんとリーリエで食べて」
リーリエ「な、何を言っているんですかスイレン!!」
スイレン「………なんなら…捨ててもいい…」
マオ「………………」
リーリエ「………捨てるって……そんな…!?そのチョコはスイレンのゼンリョクの想いが詰まった……」
スイレン「もう放っといて!!」
リーリエ「スイレン……」
スイレン「………サトシは私のヘタクソなチョコなんてもらっても嬉しくない!!喜ばない!!」
スイレン「………私のチョコなんかより……アセロラの……」ウルッ
リーリエ「す、スイレ……」
マオ「泣くの?スイレン」
スイレン「………え?」
リーリエ「マオ……?」
マオ「………スイレンは自分勝手なんだね?付き合いが長い私でもそれは知らなかったよ」ニコッ
スイレン「自分……勝手……?」
26:
◆Giu6rR0Y.o 2019/02/13(水) 00:58:41.27
ID:HzNzN3m60
リーリエ「あ、あのマオ……何を……」オロオロ
マオ「だってそうだよー?チョコを渡す前から諦めて……」
スイレン「……………」
マオ「………サトシは喜ばないとか決めつけたり……勝手にアセロラにヤキモチ焼いて悪者にしたり……」
スイレン「わ、私は別に…アセロラを悪者になんて……」
マオ「…その上、フラれるどころか、何もしないで悲劇のヒロイン気取り?いい加減にして。そんなの私の知ってるスイレンじゃない!!」
スイレン「………私の何を知って……」
マオ「知ってるよ!スイレンのことならなんでも!!幼なじみだもん!スイレンだってそうでしょ!!」
スイレン「………………」
リーリエ「マオ……」
マオ「………何もしない内から卑屈になるスイレンなんてスイレンじゃない……少なくとも、今のスイレンには……」
マオ「…涙を流す資格だってないよ」
スイレン「……………」
リーリエ「……………」
ナギサ「ブイッブイッ」
マオ「スイレンがそのチョコを捨てるって言うなら私は止めないよ。だって、そのチョコはスイレンのだから、どうするかもスイレンが決めることだもん」
スイレン「……………」
マオ「でもきっと……私が知ってるスイレンならこうするよ」
マオ「その涙をこらえて……こっからきしかいせい!だってね!」ニコッ
スイレン「マオちゃん……」
27:
◆Giu6rR0Y.o 2019/02/13(水) 01:18:22.75
ID:HzNzN3m60
リーリエ「スイレン、人を好きになるって…幸せな分、ちょっぴり…怖いですよね?」
スイレン「!」
リーリエ「………あの人がもし他の人にとられちゃったら…もしあの人に嫌われちゃったらどうしようって…」
スイレン「……………」
リーリエ「………ですが…マオの言う通りです。ここでただずっと立って待っていたって何も始まりませんよ?」
リーリエ「未来は…自分の手で掴み取るんです!それは…スイレンが一番わかっているんじゃないですか?」ニコッ
スイレン「リーリエ……」
マオ「スイレン!もしもの時は……私たちも一緒に泣いてあげるよ!」
リーリエ「そして……上手く言った時は一緒に喜びましょう」ニコッ
スイレン「………マオちゃん…リーリエ……」
スイレン「………ありがとう、勇気出た!……もう、怖くない……!」ニコッ
オシャマリ「シャリマー!」
ナギサ「ブイッ!」
スイレン「………やる前から諦めるなんて……私らしくない!」
マオ「そうだよスイレン!」
リーリエ「スイレン!当たって砕けろのスタイルです!!」
マオ「…砕けちゃダメなんじゃないかな……?」アハハ
スイレン「………迷ってるヒマなんてなかった……!最初から!!」メラメラメラ
リーリエ「おぉ!!スイレンが燃えています!!」
マオ「スイレン!がんバルーン!だよ!スイレンのゼンリョク……サトシなら絶対に受け止めてくれるよ!!」
スイレン(待っててサトシ……今の私の加速するキモチ、でんこうせっか!!)
スイレン(いや……)
スイレン「燃えるハートは………オーバーヒート!!」メラメラメラ
オシャマリ「シャリー!!」メラメラメラ
ナギサ「ブイッ♪」
28:
◆Giu6rR0Y.o 2019/02/13(水) 12:30:23.89
ID:HzNzN3m60
・・・
サトシ「マオ!スイレン見つかったの!?」
ピカチュウ「ピカァ!」
マオ「うん!スクールの裏でサトシを待ってるよ!」
サトシ「持ってる???」
ロトム図鑑「どういうことロト?」
リーリエ「サトシ!ごちゃごちゃ考えるのはサトシらしくありません!」
マオ「男の子なら前進あるのみだよ!」
アマージョ「ッジョ!」
シェイミ「ミィミィ!」
サトシ「そ、そうだな!」
リーリエ「サトシ!スイレンのところまで、こうそくいどう!!」
シロン「コーン!」グイグイ
サトシ「い、急ぐから!引っ張るなよシローン!」
ピカチュウ「チャー」
29:
◆Giu6rR0Y.o 2019/02/13(水) 18:43:57.87
ID:9pPIkd9t0
校舎裏
サトシ「おーい!スイレーン!」タッタッタ
ピカチュウ「ピカー!」タッタッタ
スイレン「サトシ……」
サトシ「ハァハァ……探したよ!」
スイレン「………」
サトシ「スイレン……今日ちょっと様子がおかしかったからさ?」
スイレン(マオちゃんとリーリエがせっかく作ってくれたチャンス…)
サトシ「……俺…きっと気付かない内にスイレンを傷つけるようなことしちゃったんだよな……?だったら遠慮なく言ってくれよ!直すからさ!」
スイレン(無駄にはしない……!!)
サトシ「……とりあえず……ごめ…」
スイレン「ごめん!サトシ!」
サトシ「へ?」
ピカチュウ「ピ?」
サトシ「な、なんでスイレンが謝るんだよ!」
スイレン「………私…自分勝手だった!ごめんなさい!」
サトシ「え、えーと……よくわかんないけど…俺なら気にしてないよ!」
サトシ「だからさ!俺の方こそごめん!スイレン!」
スイレン「サトシ……」
サトシ「へへへ、じゃあさ!…これで仲直りにしようよ!」ニッ
スイレン「うん!」ニコッ
ピカチュウ「ピカ!」
ナギサ「ブイ!」
サトシ「じゃ、帰ろうぜ!あんまり遅くなるとみんな心配して……」
スイレン「待って!」
サトシ「ん?」
スイレン「………これ…」スッ
サトシ「……これって…」
30:
◆Giu6rR0Y.o 2019/02/13(水) 18:48:46.96
ID:9pPIkd9t0
スイレン「サトシ、これ……バレンタインデーのチョコレート!」
サトシ「チョコ……?チョコなら昼間スクールで……」
スイレン「………あれは…みんなで作ったやつ…これは…」
スイレン「………私が…一人で作ったの…サトシに…」ドキドキ
サトシ「え?」
ピカチュウ「ピカー」
スイレン「そ、その…このチョコに込めたの…!私のゼンリョクのキモチ!」ドキドキ
スイレン「……だから…受け取ってほしい…サトシに…」ドキドキ
サトシ「スイレン…」
31:
◆Giu6rR0Y.o 2019/02/13(水) 19:01:25.67
ID:9pPIkd9t0
サトシ(俺に……)チラッ
スイレン「」ドキドキ
オシャマリ、ナギサ「」ハラハラ
サトシ「へへっ、サンキュー!スイレン!すっげー嬉しいよ!」ニッ
スイレン「う、うん!////」コクッ
サトシ「あけてもいい?」
スイレン「いいよ!」ニコッ
サトシ「やったー!えーっと……」ゴソゴソ
ピカチュウチョコ「」ドロ
サトシ「ん?」
スイレン(う、嘘……なんで……?)
スイレン(チョコが溶けてる……そんな……)
サトシ「これ……」
スイレン(……きっと…私が変なヤキモチ焼いてみんなを振り回したから……罰が当たったんだ……)
スイレン「………ご、ごめ……」
サトシ「ピカチュウの形かな?」
スイレン「………え?」
サトシ「違う?」
スイレン「そ、そうだけど……なんでわかったの?」
スイレン「チョコはドロドロ!原型も何もな……」
サトシ「ここが耳だろ?んで、こっちが目で……ここがほっぺたかな?」
ピカチュウ「ピカァ!」
スイレン「なんで……」
サトシ「なんでって…そんなのわかるに決まってんじゃん!」
スイレン「……え?」
サトシ「……確かにチョコはドロドロだけどさ……これを見ればスイレンがゼンリョクで俺のために作ってくれたことくらい、俺でもわかるよ」
サトシ「ありがとう!スイレン!」ニッ
ピカチュウ「ピカ!」
スイレン「うん!」ニコッ
32:
◆Giu6rR0Y.o 2019/02/13(水) 19:12:18.47
ID:9pPIkd9t0
サトシ「食べていい?」
スイレン「どうぞ」ニコッ
サトシ「やった!ピカチュウも一緒に食べようぜ?」
ピカチュウ「ピカァ!」
スイレン「………」ジーッ
サトシ「な、なに……?」ビクッ
スイレン(夢とはちょっと違うけど……)
スイレン「…………おいしい?」
サトシ「うん!すっげー美味いよ!」モグモグ
ピカチュウ「ピカァ!」モグモグ
スイレン(これで満足!……今は…)
オシャマリ「シャリー」モグモグ
ナギサ「ブイッ!」モグモグ
スイレン(でもきっといつかは……)
スイレン「よかった!」ニコッ
スイレン(……夢は夢のままでは…終わらせやしないから……)
ピカチュウ「ピカ!」ニコニコ
マオ、リーリエ「」コソッ
マオ「良かったねー!スイレン!」ウルウル
リーリエ「はい!これぞバレンタインデー!素敵です!」ニコッ
シロン「コーン!」
ロトム図鑑「シャッターチャンスロトー!」
マオ、リーリエ「やめなさい!」ビシッ
ロトム図鑑「ロー…」
33:
◆Giu6rR0Y.o 2019/02/13(水) 19:20:16.07
ID:9pPIkd9t0
スイレンの家
スイレン「ただいまー」ガチャッ
ホウ「おかえりー!おねーちゃん、オシャマリ、ナギサ!」
スイ「おかえりー!」
スイレン「うん、ただいま」ニコッ
オシャマリ「シャリー!」
ナギサ「ブイッ!」
スイレンママ「おかえり、スイレン。ずいぶん遅かったのねー?」
スイレン「ごめん、色々あって」ニコニコ
スイレンママ「!」
スイレンママ(スイレンのあの表情……そっか…サトシくんといいことあったのねスイレン…)
スイレンママ「今日はご馳走ね!」ニコッ
ホウ「ご馳走ー!?」
スイ「わーい!やったー!」
スイレンママ「あっ、そういえばスイレン…」
スイレン「? なに?」
スイレンママ「スイレンに届け物があったわよ?」
スイレン「届け物……?」
34:
◆Giu6rR0Y.o 2019/02/13(水) 19:31:23.85
ID:9pPIkd9t0
スイレンの部屋
スイレン「届け物……なんだろ?何かに応募した覚えもないし……」ウーン
スイレン「………とりあえず、送り主はっと……」ヒョイッ
『ポニ島 ハプウ』
スイレン「………ハプウ?なんだろ?」
ヒラッ
スイレン「! 手紙がついてる!どれどれ……」
『アローラ。久しぶりなのじゃスイレン』
『ポニではお主らに世話になった。そこで……』
『どうやら世間ではバレンタインデー。世話になった者に感謝を込めて贈り物をする日のようなのじゃ』
『なので…わらわもその日をかり、お主らに感謝の意を込め、贈り物をしたいと思う』
スイレン「………感謝の意を込めたバレンタインデーの贈り物……チョコかな?」ゴソゴソ
スイレン「! こ、これは!?」ヒョイッ
ポニ大根「」
スイレン「………大量のポニ大根……バレンタイン大根だ……」
ハプウのバレンタイン大根はクラスメイト全員の家に届いた
今夜はみんなポニ大根料理だ
おわり
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