1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 11:00:40.77 ID:YpyC2+uf0
リリス「え、お兄ちゃん、結婚するの?」
スタン「ああ」
リリス「そう、なんだ……」
スタン「ルーティと結婚して、孤児院を作りたいって思ってる」
リリス「へ、へー。うん、良いんじゃないかな?」
スタン「戦いで孤児になった子供が多いらしい。ルーティはそんな子供たちを助けたいって言ってる」
リリス「で、お兄ちゃんはそれをお手伝いするってこと?」
スタン「ああ」
リリス「べ、別に結婚しなくてもお手伝いは出来るんじゃないかな?」
スタン「いや、それが結婚してくれないと手伝わせないってルーティが言うから」
リリス「……そう……なんだ……」
2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 11:02:46.52 ID:YpyC2+uf0
スタン「ごめんな、リリス。急な話で」
リリス「ううん。お兄ちゃんがルーティさんのこと好きなのは知ってたし、近いうちにこうなることはなんとなく、ね」
スタン「そうか。やっぱり、リリスは最高の妹だよ。孤児院が出来たら、遊びに来てくれよ」
リリス「……うん、行くよ。今までありがとう、お兄ちゃん」
スタン「何言ってるんだ、お礼を言わなきゃいけないのずっと支えてもらっていた俺の方だ」
リリス「お兄ちゃん……」
スタン「俺、今回の旅でリリスがどれだけ俺の支えになってくれていたか、分かったんだ。って、もう遅過ぎるけどな」
リリス「本当にね」
スタン「だからさ、リリス。なんか俺に出来ることはないか?」
リリス「え?」
スタン「ここを出て行くことになるんだ。何かひとつくらいお兄ちゃんらしいことをさせてくれ、リリス」
リリス「……じゃあ、デートしてくれる?」
6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 11:05:50.54 ID:YpyC2+uf0
スタン「デート?」
リリス「うん。昔、よくお兄ちゃんと恋人ごっこしてたじゃない?あれ、もう一度やりたいな」
スタン「え、それはちょっと恥ずかしい、な」
リリス「なんでもするって言ったのに……」
スタン「わ、わかった。俺も男だ。二言は無しで行こう!」
リリス「じゃあ、明日ね」
スタン「あ、ああ……」
リリス「何を着て行こうかな~♪」
スタン(お、俺もおしゃれしないとだめかな?)
9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 11:08:19.28 ID:YpyC2+uf0
翌日
リリス「お兄ちゃん、おまたせ~」
スタン「じゃあいくか」
リリス「うん。で、どこに連れて行ってくれるのかな~?」
スタン「ノイシュタットでいいか?」
リリス「まあ、どこも復興で忙しいもんね。船とかで遠出はできないか」
スタン「こっちはまだ被害が少ない方だからな」
リリス「じゃあ、ノイシュタットまで行こう、お兄ちゃん」
スタン「ああ」
11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 11:11:02.78 ID:YpyC2+uf0
リリス「って、歩いて行く気?」
スタン「他になにかあるか?」
リリス「まあ、そうだよねぇ……」
スタン「確かに遠いけど二泊三日の旅だと思えばいいだろ?」
リリス「そっか。それもいいね。婚前旅行ってことで」
スタン「なんでだよ」
リリス「いいじゃない。『ごっこ』なんだから」
スタン「まあ、いいけど」
リリス「じゃあ、今から私たちは恋人ね!はい、スタート!」
スタン「うわ、いきなり腕にしがみ付くなよ」
リリス「今から恋人だもん。これぐらい当然でしょ?」
スタン「はいはい。お前には敵わないよ……」
13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 11:14:58.13 ID:YpyC2+uf0
ノイシュタット 夕方
スタン「ようやく、着いたな」
リリス「うん……つかれちゃった」
スタン「宿は予約してあるから、まずは何か食べよう」
リリス「うん。えーと、ハンバーグがいいなぁ」
スタン「ハンバーグ?」
リリス「お兄ちゃん、好きでしょ?」
スタン「まあ、好きだけど」
リリス「じゃあ、ハンバーグ」
スタン「リリスの好きなものじゃなくていいのか?」
リリス「いいよ」
スタン「ホントに?」
リリス「もう、ほらほら、お店を探す探す」
スタン「わかったから押すなって」
16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 11:17:27.99 ID:51ZddRioO
リリス可愛すぎて僕のソーディアンが暴走しそうです><
18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 11:17:57.87 ID:YpyC2+uf0
レストラン
ウェイター「お待たせしました」
スタン「おお、美味しそうだな」
リリス「うん」
スタン「じゃあ、リリス。乾杯」
リリス「乾杯、お兄ちゃん」
スタン「……うん、うまい」
リリス「本当だね」
スタン「明日はどうしたい?」
リリス「彼女に決めさせるの?普通は惚れた男がエスコートするんじゃないかな?」
21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 11:21:23.70 ID:YpyC2+uf0
スタン「いや、それとこれとは……」
リリス「恋人ごっこでも今のお兄ちゃんは私の彼氏で、お兄ちゃんの彼女は私なんだからね」
スタン「そうだなあ……。じゃあ、やっぱり闘技場は見ておかないとな」
リリス「デートスポットと呼べるのかは微妙だけどね」
スタン「いいだろ、別に。で、その後は買い物にいこう」
リリス「うん。定番どころは押さえているね、スタンさん♪」
スタン「なんだよ、それ」
リリス「お兄ちゃんって呼んだ方がやっぱりいい?」
スタン「そうだな、そっちのほうが嬉しい」
リリス「じゃあ、お兄ちゃんでいいけど……」
22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 11:23:49.33 ID:YpyC2+uf0
ホテル
リリス「い、一緒の部屋なの?」
スタン「当たり前じゃないか。何言ってんだ?」
リリス「そ、それもそうか……」
スタン「はー、食った食った」
リリス「もう、いきなりベッドに倒れ込まないでよね。で、お兄ちゃん、お風呂はどうするの?」
スタン「先に入ってくれ」
リリス「う、うん。の、覗かないでよ」
スタン「誰が覗くかよ」
リリス「……じゃあ、お先に」
スタン「ああ、ゆっくりでいいぞー」
23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 11:26:29.95 ID:YpyC2+uf0
二十分後
リリス「あの~、上がったけど着替え取ってほしいな~。バスタオル一枚じゃあ恥ずかしい、なんて……」
スタン「ぐー……ぐー……」
リリス「あ、寝てる……」
リリス「もう。変な期待した私が馬鹿みたいじゃない。こんな姿まで晒して……」
スタン「リリスぅ……おにいちゃんがまもる、からな~」
リリス「もう十分守ってくれました。世界まで救っちゃって、このお兄ちゃんは……」
スタン「ぐー……」
リリス「本当に英雄かどうか疑わしいぐらいに無防備なんだから……」
スタン「ぐー……むにゃむにゃ……」
リリス「……今は恋人だもん。べ、別にいいよね……」
24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 11:29:07.26 ID:YpyC2+uf0
翌日
スタン「ふああ……」
リリス「もう、中々起きないんだから。そこまで寝つきがいいと逆に可愛く見えてくるよ」
スタン「そうか?ありがとう」
リリス「褒めてない!」
スタン「じゃあ、闘技場に行こうか。何でも今日はコングマンの引退試合らしいし」
リリス「え?コングマンさんやめちゃうの?」
スタン「このご時世だから引退して復興に力を注ぐんだとさ」
リリス「やっぱり立派だね。コングマンさん」
スタン「まあ、言動はアレだけど悪い奴じゃないことは確かだな」
リリス「へえ。お兄ちゃんってコングマンさんとは仲が悪かったの?」
スタン「なんだろうな。向こうから突っかかって来るほうが大半だったけど」
リリス「愛情の裏返し?」
スタン「やめろよ、気持ち悪い」
25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 11:33:06.58 ID:YpyC2+uf0
闘技場
観客「コングマン!!コングマン!!コングマン!!」
アナウンサー「さあ、ご来場の皆様!!ついに、ついにこの時がやってまいりました!!!」
観客「コングマン、やめるなー!!」
アナウンサー「先の戦役で被災した都市部を救う為に我らがコングマンはここを去ると決心しました!!」
観客「やめないでー!!」
アナウンサー「とてもとてもかなしいことですが、我々はコングマンを見送らなくてはなりません!!」
スタン「すごい熱気だな」
リリス「それだけ人気が高いってことでしょ?」
スタン「貧富の差が激しいことを深く気にしたのは、コングマンとイレーヌさんだからな」
リリス「そっか……」
スタン「イレーヌさんは劇薬で変えようとしていたけど、コングマンは別のやり方を模索していたから」
リリス「……お兄ちゃん」
スタン「あ、ごめん。こんな話してもしかたないのにな」
リリス「ううん。お兄ちゃんがそうやって今迄の想いを話すとき、すごくかっこいいよ」
29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 11:36:20.14 ID:YpyC2+uf0
スタン「そ、そうか?」
リリス「うん。……でも、少しだけ寂しいけど」
スタン「何が?」
リリス「だって、その瞬間は私の知らないお兄ちゃんなんだもん」
スタン「リリス……」
コングマン「アイアムチャンピョン!!」
観客「おー!!」
観客「コングマン!!コングマン!!」
スタン「あ、出てきたな」
リリス「最後なだけあって派手だね」
コングマン「みんな、聞いてくれ……。俺様は、俺様は……普通のコングマンに戻る事にしたぜ!!!」
スタン「何言ってんだ、あいつ?」
リリス「面白い人だね」
31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 11:40:46.21 ID:YpyC2+uf0
コングマン「そして。俺は今日、チャンピョンを辞める」
観客「やめないでくれー!!」
コングマン「そう。今日は俺様が華麗に勝利し、完全無欠のまま終わる……」
スタン「……なんか嫌な予感がする」
リリス「え?」
コングマン「おいこら、スタン!!!おりてきやがれ!!!!いるのはわかってるんだぜ!!!!」
スタン「やっぱり……」
リリス「どうする?」
スタン「観客の目もあるし、行かない訳にはいかないな」
リリス「お兄ちゃん……」
33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 11:44:35.74 ID:YpyC2+uf0
コングマン「よう、スタン。俺様は嬉しいぜ。こうして最後の戦いに出向いてくれたことにな」
スタン「なんだ。俺は大事なデートの途中なんだ」
コングマン「愛しのフィリアさんを泣かしておいて、なにをいけしゃあしゃあと」
スタン「フィリア?どういう意味だ?」
コングマン「うるせえ!!てめえがルーティと婚約なんてするからこうなるんだよぉ!!」
スタン「なんで泣いてんだよ!?」
コングマン「もうあの人はこの先も処女を貫くことだろうぜ」
スタン「話が見えないんだけど?」
コングマン「さあ、受け取りな。お前の剣だ」
スタン「……本当にやるのか?」
コングマン「かつて、俺様がお前に後れをとったのはソーディアンの力の所為だ!だから、今は対等に戦えるわけだ!!」
スタン「……」
コングマン「手加減は抜きだ、スタン・エルロン!!」
スタン「わかった、来い。コングマン!!」
コングマン「うおおおおおお!!!!」
36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 11:48:42.53 ID:YpyC2+uf0
スタン「ぐわ!!」
コングマン「……っふっふっふ!遂に遂に、スタンに勝ったぁぁぁぁぁぁ!!!」
スタン「く、そ……本当に手加減なしで殴りやがって……」
リリス「お兄ちゃん!!」
コングマン「なんだ?おまえ?」
リリス「お兄ちゃん、それ貸して」
スタン「リリス、なにを?」
リリス「許さない。お兄ちゃんをこんな目に遭わせて。いくらこの街の英雄だからって容赦しません」
コングマン「がっはっはっは!!負け犬スタンの妹か?通りで負け犬の面をしてやがるぜ!!」
リリス「……っ!」
スタン「コングマン、挑発するな。リリスは、俺よりも……」
39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 11:52:35.07 ID:YpyC2+uf0
コングマン「なんだ?剣を構えて、もしかしてやる気か?」
リリス「……じゃない」
コングマン「ん?よくきこえんな~」
リリス「訂正してください!!お兄ちゃんは負け犬じゃない!!!世界の英雄です!!!」
コングマン「俺に負ける奴は全員負け犬なんだよ!」
リリス「……!!!」
スタン「やめろ、リリス!!」
リリス「覚悟、してください……!!」
コングマン「はっはっは!よっしゃ、かかってこい!兄妹まとめてその綺麗な服に土をつけてやるぜ!!」
リリス「サンダァ……」
コングマン「イカスヒィィィィィップ!!!」
リリス「ソォォォォォォド!!!!!!」
42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 11:56:03.27 ID:YpyC2+uf0
公園
スタン「いたたた……」
リリス「あ、染みた?」
スタン「いや、大丈夫。ありがとう、リリス」
リリス「ごめんね、お兄ちゃん。コングマンさんのためにわざと負けてあげたんだよね?」
スタン「もういいよ。それより、コングマンの尻が心配だ」
リリス「サンダーソードがうまい具合に直撃しちゃったね」
スタン「まあ、尻から突っ込んできたコングマンが悪いけどな」
リリス「これからどうする?」
スタン「そうだな。とりあえず、腫れが引くまでここにいようか?」
リリス「うん」
スタン「じゃあ、ずっとベンチにいるのもなんだし、アイスキャンディー買って来てくれないか?」
リリス「おっけー。ちょっとまってて」
スタン「……そういえば、イレーヌさんともこんなことしたなぁ」
47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 12:03:45.84 ID:4VH6HCHjO
それはそれとしてとりあえず超奥義が出せちゃうリリスさんは
ブラコンブロンドポニテ秘技死者の目覚め可愛い
44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 11:59:47.90 ID:YpyC2+uf0
リリス「はい、お兄ちゃん」
スタン「お、ありがとう」
リリス「冷たくておいしいね」
スタン「ああ。あ、これ当たりが出たらもう一本もらえるんだぜ?」
リリス「へえ、そうなんだ。じゃあ当たりが出たらお兄ちゃんにあげるね」
スタン「いや、リリスがもっとけよ。交換は店がある限りしてくれるからさ」
リリス「いいの?」
スタン「いや、別にそこまでアイスキャンディーが好きってわけじゃないから」
リリス「そうなんだ。お兄ちゃんって子供だからこういうの好きなのかと思った」
スタン「酷いなおい」
リリス「ふふ」
スタン「……このあとは買い物しような」
リリス「うん」
リリス「……あ、ハズレ」
スタン「……あ、当たりだ」
46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 12:03:23.82 ID:YpyC2+uf0
ショップ
スタン「やっぱり服がいいか?」
リリス「じゃあねえ、下着買いたいな」
スタン「なんで?」
リリス「男の人には分からないかもしれないけど、女性の下着って高いんだよ?」
スタン「そ、そうなのか」
リリス「じゃあ、下着コーナーへレッツゴー!」
スタン「わわ!ひっぱるな!だいたい、俺が行く必要はないだろ?」
リリス「なんで?お兄ちゃんが私にぴったりのランジェリーを選んでくれるんでしょ?」
スタン「俺が?!」
リリス「彼氏は彼女の下着も選ぶよ?」
スタン「それ嘘だ!絶対嘘だ!」
リリス「ほらほら、早くする」
スタン「やーめーてー」
48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 12:06:48.15 ID:YpyC2+uf0
リリス「ねえ、この黒いのとかどうかな?」
スタン「ちょっとリリスには派手すぎないか?」
リリス「そうかな?」
スタン「だいたい、そんなの見せる相手がいないだろ?」
リリス「……お兄ちゃんが見てくれれば……」
スタン「え?」
リリス「なんでもなーい。じゃあ、こっちのストライプにしよっと」
スタン「なんでもいいから早くしてくれ。恥ずかしくて死にそう……」
リリス「次はブラジャーをえらんでね?」
スタン「マジで!?」
リリス「マジでー!」
53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 12:11:37.14 ID:YpyC2+uf0
公園 夕方
スタン「精神的に疲れた」
リリス「もう、だらしないな。たかが彼女の下着選びで」
スタン「あのなぁ……。まあいいや、とりあえずベンチで一休みしよう」
リリス「うん。よいしょ」
スタン「はー、もう夕焼けだな」
リリス「明日の朝には帰るんだよね?」
スタン「まあ、リーネまで遠いからな」
リリス「そっか」
スタン「楽しかったか?」
リリス「まだだもん」
スタン「なにが?」
リリス「まだ終わってないから感想なんていえない」
スタン「そ、そうか」
56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 12:16:26.74 ID:YpyC2+uf0
リリス「……お兄ちゃん」
スタン「ん?」
リリス「夕焼けでベンチに座る恋人だよ?……肩ぐらい抱いてよ」
スタン「あ、ああ……こうか?」
リリス「……うん。ありがとう」
スタン「……リリス、香水つけてるんだな」
リリス「遅い。そんなの出発前に気が付くべきだよ」
スタン「ああ、そうだな。そういうところ鈍いんだよな俺。ルーティにもよく……」
リリス「やめて」
スタン「え?」
リリス「もうすぐ終わるから……今は……私だけを見て……」
59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 12:20:17.33 ID:YpyC2+uf0
スタン「リ、リリス……?」
リリス「ほら、もっと強く抱きしめてよ」
スタン「リリス……お前、泣いて……」
リリス「……お願い、お兄ちゃん……」
スタン「分かったよ」
リリス「ごめんね、お兄ちゃん」
スタン「謝るな。俺はお前のおにい……いや、彼氏だからな」
リリス「……うれしい」
60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 12:22:36.77 ID:YpyC2+uf0
ホテル
リリス「お風呂、お兄ちゃんが先ね」
スタン「なんで?」
リリス「お兄ちゃん、寝ちゃうもん」
スタン「それもそうだな。じゃあ、先に入るよ」
リリス「うん。ゆっくりでいいよ?」
スタン「覗くなよ?」
リリス「保証はできません」
スタン「なんで?!」
リリス「なんでも」
62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 12:26:31.01 ID:YpyC2+uf0
浴室
スタン「ふんふんふ~ん♪」
リリス「お兄ちゃん、湯加減はどう?」
スタン「ん?いい感じだぞ~」
ガラ!
リリス「じゃあ私も入る~!」
スタン「うわ!!何してんだよ!!」
リリス「え?ちゃんと気を遣ってバスタオル巻いてあげてるじゃない。もしかして、裸が良かった?」
スタン「いやいやいや!そういうことじゃなくてだな!」
リリス「いいじゃないの。13歳まで一緒に入って洗いあいっこしてたじゃない」
スタン「あれはリリスが恥ずかしいっていうからやめたんだぞ?」
リリス「そうだっけ?」
スタン「なんだよ一体?」
リリス「だって、もうこんなこと出来なくなるじゃない……」
スタン「そうだけどさ……」
67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 12:30:16.81 ID:YpyC2+uf0
リリス「はい、というわけで背中を向ける!」
スタン「わかったよ。じゃあ、お願いします」
リリス「お願いされましょう」
スタン「前は自分で洗うからな」
リリス「じゃあ私の前も洗ってくれるの?」
スタン「自分で洗え!」
リリス「えー」
スタン「えー、じゃない」
リリス「ま、いいけど。背中は洗ってよね」
スタン「それぐらいは、まあ、いいけど」
70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 12:34:18.23 ID:YpyC2+uf0
リリス「はい!完了!次はお兄ちゃんの番ね」
スタン「はいはい」
リリス「こうゆっくり剥がしていくとエロく……」
スタン「扇情的にするな!」
リリス「後ろからでも胸って見える?」
スタン「よかったよ。お前が美乳で」
リリス「まあ、確かに大きくはないけど」
スタン「で、これも思い出づくりの一環なのか?」
リリス「うん」
スタン「行きすぎのような気もするけど」
リリス「そうかな?」
スタン「……リリス、どうだった?」
リリス「何が?」
スタン「少しは彼氏っぽかったか?」
リリス「少しだけね」
75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 12:37:45.07 ID:YpyC2+uf0
スタン「そうか。少しだけか」
リリス「でも、かっこよかったかな?」
スタン「リリスのほうが勇ましかった気がするけど?」
リリス「振り返ってもいいんだよ?」
スタン「ごめん」
リリス「もう、いくじなし」
スタン「そういうな。はい、終わり」
リリス「ありがとう。気持ち良かったよ」
スタン「じゃあ、俺は先に上がるから」
リリス「うん」
スタン「……先に寝ていいか?実はもう眠くてさ」
リリス「……はあ。いーよ、別に」
スタン「わるいな。リリス、おやすみ」
リリス「うん。おやすみ」
78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 12:40:50.71 ID:YpyC2+uf0
五分後 寝室
リリス「……」
スタン「ぐー……」
リリス「本当に寝ちゃうところがお兄ちゃんらしい」
スタン「……」
リリス「ねえ、私は彼女っぽかったかな?」
スタン「ぐー……」
リリス「本当に彼女になれたらよかったのになぁ……」
スタン「むにゃ……」
リリス「……ごめんね、お兄ちゃん」
スタン「……」
リリス「いまだけ、だから……」
81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 12:43:58.16 ID:YpyC2+uf0
翌日
スタン「ふあああ~」
リリス「また寝過した」
スタン「リリスが起こしてくれないからだろ?」
リリス「べ、別にいいでしょ」
スタン「まあいいや。よし、帰ろうか」
リリス「……うん」
スタン「で、どうだった?楽しかったか?」
リリス「まだおわってないもーん」
スタン「えー?」
リリス「家に着くまで恋人だからね、お兄ちゃん」
スタン「そうなのか……はあ……」
83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 12:47:12.92 ID:YpyC2+uf0
リーネ 夕方
リリス「はい。到着。お疲れ様、お兄ちゃん」
スタン「ああ。お疲れ様」
リリス「……楽しかったよ」
スタン「それは良かった。最後にお兄ちゃんができてうれしいよ」
リリス「私も今まで溜めこんだ分は甘えられたし、文句はないかな。95点ってことで」
スタン「えー?あとの5点はなんだよ?」
リリス「勿論、お兄ちゃんが私のことを本当の恋人にしてくれなかったからマイナス5点」
スタン「な……厳しいな」
リリス「100点なんて絶対にあげないもん……100点なんて……無理だから……」
スタン「リリスー、お腹すいたー」
リリス「はいはい。じゃあ、着替えたらぱっぱっと作るねー、お兄ちゃん」
スタン「頼むよ~」
リリス「うん。任せて」
84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 12:50:57.54 ID:YpyC2+uf0
数ヶ月後 ノイシュタット港
スタン「じゃあ、行ってくるよ」
リリス「うん。ごめんね、最後までお見送りできなくて」
スタン「ここで十分だよ」
リリス「うん……」
スタン「あ、そうだ。リリス、これ」
リリス「え?」
スタン「あのときの当たり棒」
リリス「まだ、持ってたんだ」
スタン「帰りに交換してもらえ」
リリス「……うん」
スタン「それじゃあ、手紙書くから」
リリス「うん。体に気を付けてね。ルーティさんにもよろしく伝えて」
スタン「ああ。分かった」
85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 12:53:36.15 ID:YpyC2+uf0
公園
リリス「あーあ、いっちゃった」
リリス「朝の仕事が一つ減ったのは喜ばしいけど……」
リリス「ちょっと張り合いが無くて困るかもね」
リリス「それにしても、どうしようかな、この当たり棒……」
リリス「交換したら、お兄ちゃんのじゃなくなっちゃうし……」
リリス「……このままでもいいか。交換はいつでもできるしね」
リリス「……バイバイ、お兄ちゃん」
86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 12:55:51.48 ID:YpyC2+uf0
数年後 リーネ
リムル「お母さん、これ何?」
リリス「え?ああ、まだあったんだ、それ」
リムル「あ……り?掠れて読めないよ?」
リリス「それはアイスキャンディーの当たり棒なの」
リムル「へえ。これって貴重なの?」
リリス「うん。貴重。すごーく、貴重なの」
リムル「ふーん……」
リリス「だから捨てないでね?」
リムル「はーい。じゃあ剣の稽古してくるね」
リリス「……母親になっても、これだけは捨てられないってどうかしてるね」
リリス「そういえば結局、言えなかったなぁ……」
リリス「お兄ちゃん……大好き……」
trueend
89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 12:57:21.14 ID:5dM1NWNZ0
ってあれ、一線超えるのを期待したのに
とりあえず乙
94:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 12:59:59.73 ID:YpyC2+uf0
>>89
まあ、ホテルでの寝るシーンは想像にお任せします
自分の中でリムルはスタンの娘だと思ってるので
バッカスは体裁を保つために結婚したとか云々
92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 12:58:36.05 ID:QnbQbnro0
乙
俺は未だにスタンの子だと信じてる
110:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 13:32:31.69 ID:BoqM9ICz0
大層乙であった
作者まとめ→
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