1:
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2018/10/19(金) 22:46:17.68
ID:u9VAKemd0
聞き間違えかと思った。
すっかり秋めいた十月中旬、ある朝の執務室で――。
私は秘書官と仕事をしていた。本部に送る資料をまとめていたのだ。
その合間、お茶でも飲もうかと提案した時のことだった。
吹雪は茶菓子を用意しながら、何気ない様子で振り返ると、
「司令官ってアナル弱そうですよね?」
私に向かってそう言ったのだ。
2:
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2018/10/19(金) 22:47:56.79
ID:u9VAKemd0
提督「な……」
提督「何を……」
提督「どういう、意味だ……?」
吹雪「えー? 言葉通りの意味ですよー」
吹雪「司令官ってアナル弱そうだなあって思って」
吹雪「よくそう言われません?」
3:
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2018/10/19(金) 22:51:09.16
ID:u9VAKemd0
言われるも何も、アナルという単語を聞くこと自体初めてだった。
まさかそれを口に出して言う者がいるとは――。
そしてそれが他ならぬ秘書官であることに、私は大いに狼狽していた。
吹雪「睦月ちゃんたちとよく話をするんですけど」
吹雪「みんな同じように言ってますよ?」
吹雪「司令官はアナルが弱そうだ。司令官はお尻が弱そうだって」
吹雪「自分ではそう思わないんですか?」
提督「思うわけがないだろう!」
4:
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2018/10/19(金) 22:55:57.87
ID:u9VAKemd0
提督「なんだ、その下劣な話題は!」
提督「いつからそのような言葉を口にするようになった!」
提督「仮にも執務時間中、上官に向かって下ネタを振るだと!?」
提督「艦娘ともあろう者が……恥を知れ!」
私は叫んだ。叫ばずにはいられなかった。
突如として現れた非日常、その侵食を恐れたのだろうか。
柄にもなく激昂し、激しい言葉を吹雪に叩きつけたのだが――。
5:
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2018/10/19(金) 22:58:49.57
ID:u9VAKemd0
吹雪「…………」
吹雪「えー、でもぉー……」
吹雪「司令官って絶対にアナルが弱い」
吹雪「私、そう思うんですよね……?」
提督「~~~~~~~~っ!」
背筋におぞ気が走った。
ひょっとすると彼女なりの冗談だったのかもしれない。
場を和ませようと、そういった話題を振っただけなのかもしれない。
6:
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2018/10/19(金) 23:00:23.00
ID:u9VAKemd0
しかし、あの目だ。妖艶にも感じられるあの目。
笑いながら私を見る、確信と優越感に満ちた吹雪の目。
そこに妖しげな光を感じ、私はたまらず執務室から飛び出していった。
吹雪「…………」
吹雪は最後まで微笑んでいた。
それが私には、なぜか無性に恐ろしかった。
7:
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2018/10/19(金) 23:05:05.98
ID:u9VAKemd0
あの一件から数日が経過した。
吹雪を秘書官から外し、直接的な話題が続くことはなかったが――。
注意深く気にしてみると、鎮守府の雰囲気がおかしいことに気がついた。
睦月「……絶対……そうだよ……」
夕立「……弱い……っぽい……」
第一に、ささやき声が気になるようになった。
以前は気にも留めなかったのだが、それがなぜか気にかかる。
8:
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2018/10/19(金) 23:07:28.59
ID:u9VAKemd0
こちらをうかがいながら、くすくすと楽しそうに笑いながら――。
駆逐艦たちは、一体、何を話しているのだろうか?
知るのが怖く、私はあえて気がつかないふりをしていた。
9:
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2018/10/19(金) 23:14:34.63
ID:u9VAKemd0
また、駆逐艦たちによる接触も気になるようになった。
島風「どーん!」
提督「うおっ!?」
雪風「隙ありです!」
提督「こ、こらっ! 待ちなさい!」
後ろからぶつかり、たまにカンチョーなどをしかけるいたずらっ子たち。
彼女らの天真爛漫さには、微笑ましいものがあると思っていたが――。
10:
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2018/10/19(金) 23:16:31.90
ID:u9VAKemd0
吹雪「ねえ、どうだった……?」
島風「うん、えっとねー……」
雪風「あれは絶対……」
吹雪「だよね……?」
島風「うん……」
クスクス……
提督「…………!」
11:
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2018/10/19(金) 23:19:20.80
ID:u9VAKemd0
島風たちが消えた方、曲がり角の向こうで――。
やはり笑いとささやき声が聞こえていた。
それは私の何かに関する話題のようで、
提督「くっ……!」
たまらず私はその場から逃げ出していた。
12:
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2018/10/19(金) 23:25:54.64
ID:u9VAKemd0
それからも事態が好転することはなかった。
非日常は非日常のまま、駆逐艦たちは私に好奇の視線を浴びせ続けた。
巡洋艦たちは落ち着いたものだったが、その平静さが逆に恐ろしかった。
提督(異常を異常と認識できていない……!)
精神汚染の線も十分に考えられた。
13:
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2018/10/19(金) 23:34:48.19
ID:u9VAKemd0
不安のまま漠然と過ぎていく日々。
しかし、私は策もなしにただ待っていただけではない。
帰ってくるのだ! 主力艦隊がもうすぐここに帰ってくる。
そうなれば形勢は逆転だ。力づくでも駆逐艦を止め、メンテナンスに回すことができる。
14:
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2018/10/19(金) 23:35:56.25
ID:u9VAKemd0
何があったのかは分からないが、それでこの問題は解決だ。
そう信じてひたすら待ち、私はついにその時を迎え――。
長門「帰還したぞ、提督」
提督「おお!」
提督「よく帰ってきてくれた!」
15:
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2018/10/19(金) 23:38:49.42
ID:u9VAKemd0
長門「なんだ、どうした」
大和「ふふっ。そんなに私たちに会いたかったのですか?」
金剛「提督からのラブを感じまーす!」
提督「うん、うん、待ち遠しかったぞ……!」
赤城「あれ?」
加賀「何か様子がおかしいですね」
16:
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2018/10/19(金) 23:41:53.53
ID:u9VAKemd0
赤城「何かあったのですか?」
提督「いや、実はだな」
提督「口に出すのもはばかられるが」
提督「駆逐艦たちがおかしなことを言い出して……」
~説明中~
提督「ということがあったのだよ」
赤城「はあ、それは何というか……」
長門「実に馬鹿げているな」
17:
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2018/10/19(金) 23:44:25.83
ID:u9VAKemd0
提督「そう思うだろう? みんなもそう思うよな!?」
加賀「ええ、まあ」
大和「そ、そうですね」
提督「良かったぁ~……!」
おかしかったのは吹雪たちの方だった。
自分は何もおかしくない。自分は何も間違ってはいない。
それを確認した私は、心の底から安堵の息を吐き出して――。
大和「だって、分かり切ったことですものね?」
提督「…………え?」
18:
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2018/10/19(金) 23:48:26.26
ID:u9VAKemd0
長門「提督のアナルが弱いだなどと、噴飯ものだな」
大和「そうですよねえ。弱いわけがありません」
金剛「提督のアナルはベリーストロングに決まっていマース!」
加賀「私たちの指揮官なのですから」
赤城「ちょっと考えれば分かることですよね?」
提督「え、え……?」
19:
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2018/10/19(金) 23:49:59.68 ID:PfLHL1zgo
恐ろしい…
20:
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2018/10/20(土) 00:03:36.61
ID:Rc8P5SXd0
長門「この程度、常識だと思っていたのだがな」
加賀「上官の能力を疑うなど、艦娘としてどうかと思うわ」
赤城「でも、仕方ないんじゃありませんか?」
長門「どういうことだ?」
赤城「だってあの子たちは幼いじゃないですか」
赤城「私たちの当たり前も、彼女らにとって同じとは限りません」
長門「むう……」
21:
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2018/10/20(土) 00:05:19.12
ID:Rc8P5SXd0
長門「ならばどうする? 一から教えろと言うのか?」
赤城「いえ、それには及びませんよ」
赤城「証明すればいいのです」
赤城「提督のアナルが強いと分かれば、彼女らも落ち着きますよ」
長門「なるほど!」
22:
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2018/10/20(土) 00:07:37.37
ID:Rc8P5SXd0
大和「一目瞭然というものですね」フフッ
金剛「ナイスアイディアデース!」
加賀「では、私がみんなを集めましょう」
赤城「あっ、加賀さん! 私も手伝いますよ!」
長門「提督は執務室でゆっくりしていてくれ」
長門「準備が整い次第、声をかけるからな?」
提督「あ……あ……あ……!?」
23:
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2018/10/20(土) 00:12:02.68
ID:Rc8P5SXd0
狂っている!
原因は分からないが、艦娘たちは全員狂ってしまっている。
もうここに私の味方はいない。どこか別の場所に助けを呼ぶしかない。
そう決めた私は慌てて執務室に駆けこんだが――。
提督「通信機が壊されている……!?」
何もかもが、もう手遅れだったのだ。
24:
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2018/10/20(土) 00:19:23.58
ID:Rc8P5SXd0
ワァァァァァァァ……!
長門「さあ、待たせてしまったな!」
長門「いよいよ実証の開始だ」
長門「分かり切ったことではあるが……」
長門「提督のアナルについて、これから強弱を図ろうと思う!」
長門「これから提督の尻穴に一式徹甲弾をねじ込んで」
長門「その様子を以って強いアナルの証明としたい」
ワァァァァァァァ……!
25:
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2018/10/20(土) 00:22:55.93
ID:Rc8P5SXd0
長門「さあ、提督。準備はいいか?」
長門「すぐにも徹甲弾をねじ込んでやるぞ」
提督「待て! 長門、止めてくれ!」
提督「徹甲弾はそう使うものではないんだ!」
提督「尻穴も物を入れるようにはできていない!」
提督「今すぐこんなことは止めるんだ!」
長門「ふむ……」
26:
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2018/10/20(土) 00:25:09.09
ID:Rc8P5SXd0
長門「何を言い出すかと思えば」
長門「そのような態度が駆逐艦たちを不安にさせていたのだな?」
提督「なっ!?」
長門「合点がいった。これは益々証明の必要性が高まった」
提督「待て! 違う! 違う!! それは!」
長門「ぐずつくな、提督」
長門「あまりそのようなことを言っては」
長門「ケツの穴が小さいと言われてしまうぞ?」ハハ
提督「あっ、あっ、ああああ~~~~~!?!?!?」
27:
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2018/10/20(土) 00:31:01.02
ID:Rc8P5SXd0
めり込んでくる。一式徹甲弾がめり込んでくる。
割れんばかりの歓声の中、私は金属の冷たさだけを感じていた。
講堂の床が見える。四つん這いになった自分の手足が見える。
そして周りを取り囲む艦娘たちの脚。
それは密集する木々にも見えて、逃げ道はどこにもないように感じられた。
28:
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2018/10/20(土) 00:34:06.34
ID:Rc8P5SXd0
ヌッ……。
提督「うああっ!?」
来る! いよいよ突き入れられる!
戦艦の装甲すら貫く徹甲弾、その先端が尻穴の中に入り込んでくる!
しかし、しかし、私はただの人間なのだ――!
私の尻穴は鋼鉄製ではない。柔らかな肉であり、それはわずかな刺激でも容易く出血してしまうのだ。
ましてや相手は徹甲弾、私の尻穴は悲鳴を上げて、あえなくその身を引きちぎられ――。
29:
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2018/10/20(土) 00:35:13.12
ID:Rc8P5SXd0
ヌッ……。
ヌヌッ……。
グッ……。
グググッ……!
ブツッ……。
30:
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2018/10/20(土) 00:41:39.48
ID:Rc8P5SXd0
長門「なっ……!?」
大和「えっ……!?」
赤城「そんなっ……!?」
聞こえたのは戸惑いの声。
それも一声、二声で終わってしまい、あとには沈黙だけが残された。
艦娘たちは私の尻穴を見ている。限界まで拡張され、すぐにも出血に至った「弱いアナル」を――。
31:
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2018/10/20(土) 00:44:26.46
ID:Rc8P5SXd0
大和「提督……どういうことですか?」
大和「なんでこの程度で音を上げるのですか?」
提督「や、大和……」
大和「提督は私たちを騙していたのですか!?」
大和「こんな弱いアナルで! 強いアナルだと偽っていた!!」グイイッ!
提督「あああっ!?」
32:
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2018/10/20(土) 00:46:22.51
ID:Rc8P5SXd0
大和「許しませんよ、提督……」
大和「この裏切りを許すことはできません……」
大和「かくなる上はアナルを鍛え……」
大和「私たちに相応しいアナルにしてあげます!」グイイイイッ!
提督「ひいいいっ!!」
33:
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2018/10/20(土) 00:48:09.82
ID:Rc8P5SXd0
中途半端に潜り込んだ徹甲弾、それを揺すられ悲鳴を上げる。
しかし、そんな私を見る艦娘たちの視線は冷たい。
軽蔑、侮蔑、冷ややかな感情が彼女らの顔には浮かんでいる――。
いや、違う。それだけではない。
中には嬉しそうに、楽しそうに私を見つめる者もいた。
34:
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2018/10/20(土) 00:53:30.06
ID:Rc8P5SXd0
吹雪「ふ、ふふふ」
吹雪「うふふふふふ……!」
吹雪「あはっ、あはぁー♪」
吹雪「ほら、司令官。私の言った通りじゃないですか!」
吹雪「司令官はアナルが弱そうだって……」
吹雪「うふ、うふふ」
吹雪「私が見抜いた通りでしたね?」
35:
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2018/10/20(土) 00:57:13.92
ID:Rc8P5SXd0
吹雪「証明する必要なんてなかったんです」
吹雪「だって司令官はアナルが弱いんですから」
吹雪「ふふっ、ふふふっ」
吹雪「でも安心してください。私たちは軽蔑したりしませんよ」
吹雪「むしろ、守ってあげたい、尽くしてあげたいって気持ちが高まりました」
吹雪「だから、もしも強いアナルになれなくっても……」
吹雪「私たちは最後まで貴方を守りますよ」
吹雪「ね?」
吹雪「クソ雑魚アナル提督さん♪」
36:
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2018/10/20(土) 00:59:54.76
ID:Rc8P5SXd0
戦艦たちの怒りの声。空母たちの嘆きの声。
そして吹雪の笑い声を聞きながら、私はゆっくりと気を失っていった。
これから私はどうなるのだろう。艦娘たちに一体何があったのだろう。
それさえ分からないまま、ただ尻穴に徹甲弾を突き立てたまま――。
私はまどろみの底へと沈んでいった。
~完~
元スレ
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