1:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/03(金) 09:25:45.77
ID:QX5HAQkL0
2:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/03(金) 09:26:49.32
ID:QX5HAQkL0
――弦巻邸――
弦巻こころ「催眠術?」
北沢はぐみ「かーくんがあーちゃんにかけたんだって!」
奥沢美咲「催眠術って……それ、本当にかかってたの?」
はぐみ「うん! あーちゃん、すっごい素直になってて面白かったよ!」
はぐみ「顔真っ赤にして、『そーだよ、私はお前たちのこと親友だと思ってるよ、悪いかよ!』ってポピパのみんなに言ってたんだ!」
美咲「いや、それ素直なのかなぁ? なんか開き直ってるだけのような気が……」
こころ「へー、面白そうね! あたしたちもやってみましょう!」
美咲「そしてやっぱりこころはそう言いますよねー……」
こころ「それで、どうやってやるのかしら、催眠術って?」
はぐみ「うーん……はぐみ、やり方まではかーくんに聞かなかったなぁ……」
こころ「じゃあ調べてみましょう! 美咲!」
美咲「はいはい、調べますよー」
美咲「まぁ……素人がやる分にはかからないと思うし、危ない物でもなさそうだしいいか……」
――ガチャ
松原花音「こ、こんにちは」
瀬田薫「遅れてすまないね、みんな」
こころ「花音、薫! いいところに来たわね、今日のハロハピ会議は催眠術をやるわよ!」
……………………
3:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/03(金) 09:27:45.51
ID:QX5HAQkL0
美咲「簡単に調べてみたけど、まず用意するものは振り子……あーっと、五円玉に紐を通したものでいいのかな」
美咲「誰か五円玉持ってる?」
こころ「ごえんだま?」
美咲「うん、こころはそんな感じじゃないかなーって思ってたからいいよ」
花音「私は……持ってないね」
薫「私も生憎切らしているね……」
はぐみ「はぐみも……あ、でもイヴちんがくれた寛永通宝ならあるよ!」
美咲「なんで五円玉より先にそんなのが出てくるのさ……ていうか若宮さんもなんで持ってるの……」
はぐみ「月刊ブシドーって雑誌の取材受けた時にいっぱい貰ったんだって!」
薫「これは……長い歴史を感じられる実に儚い硬貨だね……」
美咲「いや、それレプリカじゃ……」
こころ「あら、それで良ければウチにもいっぱいあるわよ? 持ってきましょうか?」
美咲「いやいやっ、こころの家にあるのって歴史的な希少価値がある本物でしょ!?」
美咲「そんなの催眠術の道具に使えないって!」
こころ「そうなの?」
美咲「そうなの! とりあえずはぐみの寛永通宝を使うから……」
はぐみ「はい、みーくん!」
美咲「ん、ありがと。あとは紐を通して……」
花音「紐はあるの、美咲ちゃん?」
美咲「ええ。あたし、ソーイングセット持ち歩いてますし」
花音「さ、流石美咲ちゃん、女子力高いね……」
美咲「まぁ趣味も兼ねてますから……っと、はい、とりあえず完成」
4:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/03(金) 09:28:25.37
ID:QX5HAQkL0
薫「これをどうすればいいんだい?」
美咲「えーっと、催眠術をかけたい人の真正面で振り子みたいに揺らして、『あなたはだんだん眠くなる』って声をかければいいみたいですね」
こころ「分かったわ! それじゃあ美咲、早速あたしにかけてみて!」
はぐみ「あ、こころんずるい! ねぇねぇみーくん、はぐみにもかけてかけて!」
美咲「ちょ、そんな2人して抱き着いてこないでって!」
花音「美咲ちゃん、相変わらず大人気だね」
薫「美咲は人を惑わせる魔性の人間だからね……」
美咲「人聞きの悪いこと言わないでください! 2人ともはーなーれーてー!」
こころ「はーい!」
はぐみ「はーい!」
美咲「はぁ……まったく。それじゃあ、まずこころからね」
こころ「分かったわ! さぁ来なさい、美咲」
美咲「…………」
美咲(キラキラした瞳で待ち構えてるとこ申し訳ないけど、正直プロの人でもこころには催眠術なんてかけられないんじゃないかなぁ)
美咲(まぁやるだけやってみよ)
美咲「じゃーこころ。この寛永通宝をじっと見ててね」
こころ「ええ!」
美咲「えー、あなたはだんだん眠くなーる、あなたはだんだん眠くなーる……」
こころ「……?」
美咲「……一応聞くけど、眠くなった?」
こころ「ぜーんぜん眠くないわ! 何が起こるんだろうってワクワクしてるわよ!」
美咲(ですよねー……)
5:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/03(金) 09:29:10.96
ID:QX5HAQkL0
美咲「多分だけどさ、こころみたいな女の子は催眠術が効かないんだと思うよ」
こころ「そうなのかしら?」
美咲「うん。ほら、こころって素直だし、自分を強く持ってるし」
美咲「多分市ヶ谷さんみたいなチョロ……えーっと、あんまり自分を出さない人の方が効きやすいと思う」
はぐみ「じゃあはぐみは?」
美咲「はぐみもあんまり効かないと思うなぁ……」
はぐみ「そっかぁー……」
薫「ふふ、王者に安眠なし……ということだね。では、花音か美咲が適任ということかな」
花音「ふぇ!?」
美咲(言いたいことは分かるけど……さらっと自分を除外してる薫さんも割りとチョロそうなんだよなぁ……)
こころ「じゃあ花音か美咲にかけてみましょうか!」
花音「え、えっと……どうしよう、美咲ちゃん」
美咲「そうですね……」
美咲(正直こんな胡散臭いものにかかるとは思えないし、あたしが受ければ……あ、でもそうしたら結局花音さんも受けることになるのか)
花音「…………」
美咲(花音さん、なんだかちょっと怖がってそうだし……あたしがかかった振りでもすればいいか)
美咲(催眠術も花音さんにかけてもらって……そうすれば大火傷なんてしないと思うし、耳打ちして口裏合わせてそうしよう)
6:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/03(金) 09:29:59.72
ID:QX5HAQkL0
美咲「花音さん花音さん」コソコソ
花音「え? な、なに、美咲ちゃん」
美咲「あの、こういうの怖いですか? 怖いなら、あたしがかかった振りをしますから……」
花音「み、美咲ちゃん……」
美咲「誰だって嫌ですよね、催眠術なんてかけられるの。だからここはあたしが受けますんで、花音さんも催眠術をかけた振りを――」
花音「う、ううん、大丈夫!」
美咲「え?」
花音「ちょ、ちょっと怖いけど……いつも優しくしてくれる美咲ちゃんに迷惑ばっかりかけられないから……!」
花音「だから……ここは私に任せてっ」
美咲「え、あ、はい」
美咲(……予想外に強い言葉に押し切られてしまった)
美咲(まぁ……花音さんもかかる訳ないだろうし、その後に作戦通りあたしがやればいっか)
薫「どちらがかけられるか決まったかい?」
花音「う、うん……私が受けます……!」
こころ「分かったわ! じゃあ美咲がそのままかければいいかしら?」
美咲「あー、そうだね。その方がいいと思う」
はぐみ「じゃあじゃあ、みーくんとかのちゃん先輩の勝負だね!」
美咲「なんの勝負なのさ……」
薫「シェイクスピアもこう言っている。『簡潔こそが英知の神髄である』と。つまり……そういうことさ」
美咲「いや訳が分からないですよ、薫さん」
7:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/03(金) 09:31:19.63
ID:QX5HAQkL0
花音「えと……美咲ちゃん、よろしくね」
美咲「ええ、はい。それじゃあ……」
花音「う、うん……!」
美咲(あたしが寛永通宝を持って向き直ると、花音さんはキッとした目つきで身構えていた)
美咲(花音さんの胸の前で作られた2つの握りこぶしが少し震えている。随分と肩に力が入っているようだ)
美咲(その様子を少しおかしく思いながら、あたしはフッと笑って彼女に声をかける)
美咲「花音さん、そんなに身構えなくても大丈夫ですよ」
花音「あ、そ、そうだね……」
美咲(そう言って頷いてくれるけど、やっぱりまだ体が強張っているのがはっきりと見て取れる)
美咲「……やっぱり怖いですか?」
美咲(こういう時は『大丈夫ですよ』なんて言うよりも、共感してあげる方がいいだろう。そう思って、あたしは花音さんと目の高さを合わせる)
美咲(花音さんとあたしの身長は確か1センチしか変わらない。だけど、彼女は今は少し俯きがちになっている)
美咲(だから目を合わせるには少し屈まないといけなかった)
美咲(背を少し丸めると、自然と顔が前へ出る。近くなった分花音さんの顔がよく見える)
花音「……うん、ちょっと……だけ」
美咲(長い睫毛が微かに震えていた。やっぱりこれからあたしにされることが不安なのだろう)
美咲(そんな表情を見てしまうと罪悪感のようなものが胸の内にジワリと広がる。けどここまで来てしまったならもう引き返せない)
8:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/03(金) 09:32:05.00
ID:QX5HAQkL0
美咲「花音さん、こう言ってはなんですけど……あたしを信じてください」
花音「信じる……?」
美咲「ええ。花音さんには絶対怖い思いをさせません」
美咲「だから……ね?」
美咲(似合わないとは思いつつ、花音さんに優しげな笑顔を投げてみる)
美咲(それが出来ているかは分からない。けどまぁ、最悪出来ていない不格好な笑顔でも、笑いを誘って彼女の緊張をほぐすことが出来るかもしれない)
花音「……うん。美咲ちゃんのこと、信じる」
美咲(あたしのどちらの思惑が当たってくれたのかは不明だけど、花音さんはゆっくりと頷いてくれた)
美咲(その表情にはどこか赤みがさしている気がする。ということは、あたしの思惑は後者の方で花音さんに伝わったんだろう)
美咲(やや気恥しい思いがないでもないけど、今はそれは置いておこう)
美咲「じゃあ、花音さん。行きますよ」
花音「うん……来て、美咲ちゃん……」
美咲(おおよそ催眠術をかけるかけられるという場面には似つかわしくない言葉だったと思う)
美咲(なんだかとてもイケナイことをしているような気分になって、あたしをジッと見つめる花音さんの瞳から目を逸らしたくなる)
美咲(けど『あたしを信じてくれ』なんて言った手前、目を逸らすのは約束を破ることになるだろう)
美咲(あたしは意図して強く花音さんの瞳を見つめ返す)
美咲(何故だか花音さんが少し顔を赤くしたような気がするけど、多分気のせいだろう)
美咲(そう思って、寛永通宝に通した紐を持ち、それを振り子のように揺らす)
9:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/03(金) 09:32:34.80
ID:QX5HAQkL0
美咲「……あなたはだんだん眠くなる」
美咲(声をかける。あたしと花音さんの間に寛永通宝が右へ左へ行ったり来たりと横切っていく)
美咲(でも花音さんはそれを目では追わず、どうしてかずっとあたしの目を見ていた)
美咲(あたしもそれを逸らすわけにはいかず、ずっと花音さんの瞳を覗いている)
美咲(それからどれくらい経っただろうか)
美咲(寛永通宝が視界を横切っていく都度、花音さんの瞳がどこか遠くを見るようなぼんやりとしたものに変わっていく)
美咲「……花音さん?」
美咲(そして何度目かの「あなたはだんだん眠くなる」という言葉をかけたところで、あたしは花音さんに名前を呼びかけてみる)
花音「…………」
美咲(返事はなかった。ただぼんやりとした瞳で、黙ったままどこかを見つめている花音さんがいた)
10:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/03(金) 09:33:22.49
ID:QX5HAQkL0
美咲「ウソ……本当にかかっちゃった……?」
はぐみ「おー! みーくんの勝ちだね!」
こころ「流石美咲ね!」
薫「ああ。美咲は人を惑わすのが本当に上手だね」
美咲「ちょ、だから言い方!」
こころ「それで、この後はどうすればいいのかしら?」
美咲「え? えーっと……催眠にかかった人に暗示をかける……みたい」
はぐみ「あんじ?」
美咲「『あなたはこういう人間です』って伝えて、目の前で手を叩いたりして起こせばいいんだって」
薫「つまり私が演じる時みたいにすればいいんだね」
こころ「なるほど!」
はぐみ「どんな暗示にすればいいのかなぁ?」
美咲「…………」
美咲(かけといてなんだけど……いやかかると思ってなかったんだけど……なんか花音さんに悪いことしちゃったな……)
美咲(せめてまともな暗示をかけるようにしないと)
薫「花音に合う役か……」
はぐみ「うーん……」
こころ「難しく考える必要なんてないんじゃないかしら?」
11:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/03(金) 09:34:06.33
ID:QX5HAQkL0
薫「と、言うと?」
こころ「『あなたはこういう人間です』って伝えればいいのよね?」
美咲「まぁ、うん」
こころ「それなら、『あなたは迷わない人間です』って伝えればいいと思うわ!」
こころ「あたしは道に迷った方が色んなところに行けて楽しいと思うけど、花音自身が気にしているみたいだし、せっかくだから治してあげましょう!」
美咲「予想外にまともな暗示だ……」
薫「ふふ、それはいい提案だ。迷子になってしまってはまた花音が怪盗に攫われてしまうかもしれないしね」
はぐみ「だねだね! はぐみもかのちゃん先輩といると色んな場所に行けて楽しいけど、かのちゃん先輩が気にしてるなら治してあげたいな!」
こころ「決まりね! それじゃあ美咲、お願いするわ!」
美咲「分かったよ、こころ」
美咲(……そうだよね。なんだかんだ、みんな優しいもんなぁ)
美咲(『とんでもないものが来るんじゃないか』なんて変に邪推して身構えてた自分がちょっと恥ずかしい……)
美咲(っと、それは今はいいか。とにかく、花音さんに暗示をかけて早く起こしてあげよう)
美咲「それじゃあ花音さん」
花音「…………」
美咲「えっと、花音さんはこれから迷わない人間になります」
美咲「はい」パン!
12:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/03(金) 09:34:43.16
ID:QX5HAQkL0
花音「はっ……」
こころ「おはよう、花音!」
はぐみ「おはよー!」
薫「おはよう。どうだい、目覚めの気分は?」
花音「あれ……私……」
美咲「覚えてますか? 催眠術に本当にかかっちゃって寝てたんですよ」
花音「あ……うん……」
美咲「大丈夫ですか? 頭が痛いとかそういうのありませんか?」
花音「ううん……平気……だよ」
美咲「良かった……花音さんに何かあったらどうしようって思ってましたよ」
花音「優しい……やっぱり美咲ちゃんって優しいな」
花音「だから私は……うん……」
13:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/03(金) 09:35:15.03
ID:QX5HAQkL0
花音「……美咲ちゃん」
美咲「どうかしましたか?」
花音「すき」
美咲「はい?」
花音「だいすき」
美咲「……はい!?」
こころ「まぁ!」
はぐみ「おお!」
薫「なんと!」
14:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/03(金) 09:36:12.01
ID:QX5HAQkL0
美咲「え、あの、花音さん!? 色々と大丈夫ですか!?」
花音「また私のこと心配してくれるんだ……えへへ、優しい美咲ちゃん、大好き……」
美咲「えぇ!?」
美咲(なにこれ!? なんでこんな……こう、なんかアレになってるの!?)
花音「ずっとね、迷ってたんだ」
美咲「え、な、何をですか……?」
花音「いつも優しくしてくれて、色んなことから私を守ってくれて……」
花音「王子様みたいな美咲ちゃんのことがずっとずっと大好きだったんだけど、この好きってどういうものなのかなって」
花音「そう考えるだけで夜も眠れなくて……でも美咲ちゃんが笑いかけてくれるとすぐに元気になれて……」
花音「友達としての好きなのか、それ以上なのかなって……ずっと迷ってたんだ」
美咲「あ、すごく嫌な予感がする……」
花音「今日だって私の身代わりになってくれようとして……催眠術をかける時も優しく笑いかけてくれて、ジッと見つめてくれて……胸がずっとキュンてしてて……辛かったんだ」
花音「でも、でもね? 目が覚めてからはそんな迷いが嘘みたいに晴れたんだ」
花音「美咲ちゃんが好き。大好き。それ以外に何もいらないんだって」
花音「キュンてするのはもう……苦しくなくて、今はただ嬉しいの」
花音「美咲ちゃんに優しくされるのも、さっきまでは悩みの種でもあったけど……今はそんなことはなくてね? すごく嬉しいだけのことなんだ」
花音「なんでこんな簡単なことに迷ってたんだろう。えへへ、不思議」
美咲(やっぱりこれアレだよ! 物理的に道に迷わなくなるんじゃなくて精神的な迷いがなくなってるよ!)
美咲(なんで言葉を端折っちゃったんだちょっと前のあたしはっ! いやこんなことになるなんて予想なんか出来るはずないけどさぁ!!)
15:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/03(金) 09:36:53.58
ID:QX5HAQkL0
花音「美咲ちゃん……」ズイ
美咲「か、かか、花音さん? 距離、近くないですか……?」
花音「大丈夫。大丈夫だから」
美咲「い、いやいや!? なんか瞳にハートマーク浮かんでません!? それダメなやつじゃないですか!?」
花音「へーきだよ……」
美咲「ちょ、冗談抜きにヤバいってこれ!」
美咲「そ、そうだ! ほ、他の3人がいるところでそういうのはマズくないですかね!? ねぇ、こころ、はぐみ、薫さん!」
花音「いないよ?」
美咲「へ?」
美咲(花音さんばっかりに気を取られていたけど、確かに室内を見回すと3バカの姿はどこにもなかった)
美咲(代わりにテーブルの上に置かれた紙が目についた)
“「ぼんやりしている心にこそ恋の魔翌力が忍び込む」……シェイクスピアの言葉だよ。美咲は本当に罪な人間だね……大丈夫、2人の邪魔はしないよ。こころとはぐみには上手く言っておくさ”
美咲(そこにはそう書いてあった)
美咲(…………)
美咲(どうしてあの人はこうっ、ピンポイントで絶妙に外した気の遣い方をするのかなぁっ!!)
16:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/03(金) 09:38:10.30
ID:QX5HAQkL0
花音「美咲ちゃん……私のこと嫌い、かな?」
美咲(机の上の書面から正面に視線を移すと、花音さんがかなり悲しそうな顔でそんなことを呟いていた)
美咲(そういう表情を見せられてしまうとあたしもこう、色々とアレな迷いが心の中に生じてしまうので是非ともやめてもらいたいのですが、果たしてそう言って今の花音さんはやめてくれるでしょうか)
美咲「……絶対無理だ、喜ぶに決まってる……」
花音「無理……? やっぱり私のこと……っ!」
美咲「ああ違います違います! えと、その、花音さんのことは嫌いじゃないですよ?」
花音「じゃあ好き?」
美咲「えー……っと、好きって色んなベクトルがあるじゃないですか? 親愛とか友愛とか……」
花音「私は全部の意味で美咲ちゃんが好きだよ」
花音「美咲ちゃんは……どうかな?」
美咲「えっ、いや」
花音「私は好き。大好きです。愛してます。美咲ちゃん。ねぇ、美咲ちゃん……」
花音「さっきみたいに……優しく私を見つめて欲しいな……?」
美咲(押しが強い)
花音「えへへ……美咲ちゃんに抱き着いちゃお」ギュッ
美咲(非常に強い)
花音「美咲ちゃんの匂い、やっぱり安心するね……」
美咲(そしてあたしはどうにも花音さんには強く当たることが出来ない)
花音「ねぇ、美咲ちゃん」
美咲(至近距離からの甘い声。それがまるで身体全体を撫でるように響いてゾクゾクする)
美咲(そしてしなだれかかってきている花音さんの熱っぽい瞳が上目遣いにあたしを射抜いてくる)
花音「好きって、言って……?」
美咲(あー……これ詰みだぁ)
その後、ギリギリのところでかのちゃん先輩の催眠が解けてみーくんも踏みとどまるけど2人が色々とギクシャクしちゃうのは別の話
17:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/03(金) 09:38:50.26
ID:QX5HAQkL0
――芸能事務所 レッスンルーム――
丸山彩「…………」
白鷺千聖「…………」
彩「…………」
千聖「…………」
彩「…………」
千聖「……どうしたらいいのかしら」
千聖「彩ちゃん……まさかこんなに簡単に催眠術にかかるなんて……」
彩「…………」
18:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/03(金) 09:39:47.94
ID:QX5HAQkL0
千聖(イヴちゃんから『アリサさんがカスミさんたちに『大好きだよ』って言ってました! 催眠術ってスゴイです!』なんて聞いたのが発端で、彩ちゃんにかけてみようと思ったのは出来心だった)
千聖(正直かかる訳ないと思ってた)
千聖(そもそも『MCで噛むのは緊張するからよね? 催眠術でそういうのを感じなくさせれば上手く出来るんじゃない?』なんて誘い文句に2つ返事で乗ってくるとは思わなかった)
千聖(そして素人の見様見真似の催眠術に20秒で堕ちるとも思わなかった)
千聖(……彩ちゃんの純粋さを舐めていたわ)
千聖「彩ちゃん、彩ちゃん……」ユサユサ
彩「…………」
千聖「身体を揺すってもやっぱり起きないわね……どうすればいいのかしら」
千聖(このままだと非常にマズいわ)
千聖(日頃から彩ちゃんに対して並々ならぬ想いを抱いてしまっている身として、果たして理性が持つかどうか……)
千聖(『今なら何をしても彩ちゃんは抵抗しないしきっと覚えてもいない』)
千聖(そんな悪魔の囁きが聞こえてきそうなくらい……マズいわ)
千聖「…………」
千聖「いや、でも逆に考えればアリじゃないかしら」
19:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/03(金) 09:40:46.72
ID:QX5HAQkL0
千聖(前々から思っていたけど、彩ちゃんはちょっと危機管理能力が低いような気がするわ)
千聖(変装する時も『ファンの人に気付いて欲しいな~』っていう気持ちがなんとなく透けて見えるし……まぁそこも可愛いんだけど)
千聖(それは置いておいて、私たちも有名になってきたんだから、そういうところは芸能界の先輩としてしっかり教えてあげないと)
千聖(だからここは私が心を鬼にして……そう、決して私利私欲の為じゃなく、仕方なく、彩ちゃんに色々して危機管理は大事だっていうのを身を持って知ってもらうべきだわ)
千聖(本当に仕方なく、ね。彩ちゃんに黙ってこんなことをしたくはないんだけどね、仕方なく)
千聖(これは彩ちゃんの為だから。きっと神様も見逃してくれるわ)
千聖「……よし、完璧な理論武装ね」
千聖(そうと決まれば早速……彩ちゃんの手を……)
千聖「…………」
千聖「……彩ちゃん? 起きてないわよね?」
彩「…………」
千聖(返事がない。まだ催眠術にかかっているみたい。だから安心……なんだけど、やっぱりドキドキするわね)
千聖(そう、思えばいつも私に歩み寄って来てくれるのは彩ちゃんからだったから)
千聖(この前も眠る私をその腕に抱いてくれたのは彩ちゃんからだし、私の胸に飛び込んできてくれたのも彩ちゃんから)
千聖(だから私からアクションを起こそうという訳なんだけど……すごい勇気がいるわ)
千聖(彩ちゃん……いつも何でもないようにしてるけど、実はものすごく勇気がある子だったのね)
千聖「けど……私だってこれくらい……なんてことはないわ……」
千聖(そう、私から彩ちゃんの手を握るくらい……どうってことない……)
千聖(大丈夫、大丈夫……)
千聖(ゆっくり深呼吸して、落ち着いて……そっと、そっと……)
千聖「……!」ギュ
20:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/03(金) 09:41:55.91
ID:QX5HAQkL0
彩「…………」
千聖「起きてない、わよね」
千聖(……遂に私から彩ちゃんの手を取ることに成功した……感無量ね)
千聖(ああ……私の手が小さいから、ということもあるかもしれないけど、彩ちゃんの手、大きい……)
千聖(……恋人繋ぎとかって、しても平気なのかしら。少し大胆過ぎるかしら)
千聖(いや、でもこれは彩ちゃんの為だから……きっとセーフのはずよ)
千聖「彩ちゃん?」
彩「…………」
千聖「……大丈夫ね。起きそうにないわ」
千聖(だから大丈夫……そっと手を組み替えて……よし!)ギュ
千聖「……はぁぁ」
千聖(彩ちゃんの手に私の手が包み込まれるような感覚……すごい)
千聖(ふふ……勇気を出して良かったわ)
千聖「彩ちゃんの手……柔らかいわね」
千聖「……私の手は最近、皮膚が硬くなってきてしまったわ」
千聖「ベースの弦は太いし、フレット幅も広いから……その弊害ね」
千聖(どのフレーズを弾くのにも運指に大きく左手を動かすから、弦を押さえる指先はもとより、掌全体が少し硬くなってしまっている)
千聖(右手は指弾きをすることもあるから、人差し指と中指の先が主に……)
千聖(それに比べて彩ちゃんの手はスベスベで、温かくて……すごく心地が良いわ。繋いだ手をずっと眺めていられる)
千聖(綺麗な手、よね)
21:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/03(金) 09:42:35.64
ID:QX5HAQkL0
千聖「彩ちゃんにはずっと綺麗なままでいてもらいたい……なんて言うのはやっぱり私のワガママなのかしらね」
千聖「……ずっと芸能界で生きてきて、損得勘定ばっかりが上手になってた私に色んな楽しさを教えてくれた彩ちゃんが好きなの」
千聖「パステルパレットであなたに出会わなかったら……私はきっと醜い人間になっていたわ」
千聖「芸能人としてもきっとそこそこの存在で終わっていた、って今なら素直に思えるの」
千聖「あなたのおかげで今の私がいるの」
千聖「自分にとっての得だけを求めて、媚びへつらって八方美人でいるみっともない私じゃない」
千聖「自分にとっての得を自分でしっかり決められて、その為にひたむきに頑張れるの」
千聖「失敗したっていいし、格好悪く足掻いたっていいんだって」
千聖「それは前の私よりもみっともないかもしれないけど、でも、そんな自分が胸を張って好きだって言える私がいるの」
千聖「ありがとう、彩ちゃん。私と出会ってくれて本当にありがとう」
千聖「だから……私のワガママだけどね」
千聖「いつまでも一生懸命で、不器用ながらもまっすぐで、たくさん笑って泣いて……そんな風に、彩ちゃんは何があっても彩ちゃんのままでいて欲しい」
千聖「私はそんな彩ちゃんが大好きだから」
千聖「大切な人にはずっと笑顔でいてほしいから」
千聖「言葉には出来ない色んなカタチで……大好きよ、彩ちゃん」
22:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/03(金) 09:43:24.84
ID:QX5HAQkL0
千聖「……あら?」
千聖(と、そこで気付く)
千聖(ずっと見つめていた繋ぎ合った手。何か、彩ちゃんの手が赤みを帯びてきている)
千聖(それにとても嫌な予感がした)
千聖(彩ちゃんと繋がってる場所にじんわりと汗が滲むのが分かる)
千聖(心臓が早鐘を打つ。どうしよう、どうしたらいいんだろう、なんて考えるけれど、きっと逃げ場はない)
千聖(私は乱れそうになる呼吸を意識して整えて、恐る恐る視線を上げる)
彩「…………」
千聖(彩ちゃんがそっぽを向いていた。その横顔が耳まで真っ赤だった)
千聖「…………」
彩「…………」
千聖「……あっ、彩、ちゃん……?」
彩「は、はい!?」
千聖「その、い、いつからお目覚めで……?」
彩「え、えっと……私の手が柔らかいって言ってたところ……かなぁ……?」
千聖「……そう」
彩「……うん」
千聖(それはつまり私が彩ちゃんに対して抱えている気持ちとかそういうものを彩ちゃんは聞いていたということで色んな意味での大好きって言葉は眠らされている間に恋人繋ぎなんてされてる状況からしたらもうそれしかないって察せられてるハズであってつまり今の状況を考えると私は窮地というかもうほぼ瀕死というか致命傷を負っている訳であるということね)
千聖「…………」
彩「…………」
千聖「きゅ、急用を思い出したわ、ちょっと失礼するわね!」
彩「ま、待って!」ギュ
23:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/03(金) 09:44:52.43
ID:QX5HAQkL0
千聖(とりあえず問題の先延ばしという名の仕切り直しをしようとして、名残惜しくも彩ちゃんの手を離そうとした私の手が強く握られる)
千聖(それは実に卑怯な手段だと思う)
千聖(ただでさえ彩ちゃんの手に包み込まれるのはマズいのに、そんなことをされたら抗える訳がない)
千聖「…………」
千聖(元はと言えば眠ってる彩ちゃんの手を勝手に握っていた私が悪いという見方がなくもないかもしれないけれど、とにかく、私はそんなことを思いながら大人しく彩ちゃんの言葉に従ってしまうのだった)
彩「え、えっと、その……ね?」
千聖「…………」
千聖(……彩ちゃんに強く握られた手から伝わる幸福の波動的なものが大変な強さで私の情緒をかき乱しているんだけど、本当にどうしよう)
彩「あの、なんて言えばいいのかよく分からないんだけど」
千聖(『気持ち悪い』なんて感じのことを言われたらどうすればいいのかしら。東尋坊あたりに行けばいいのかしらね)
彩「えーっと……」
千聖(あとはあれね、しっかりしたものを残さないといけないから習字も習わないと)
千聖(ついでに薫から『儚い』について少しだけ学んでおきましょう。靴の揃え方のマナーもしっかり学ばないといけないわ)
千聖(あ、そうだ。そうしたらイヴちゃんに辞世の句の書き方も教えてもらわないといけないわよね。ふふふ、これから忙しくなりそうね)
24:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/03(金) 09:45:31.79
ID:QX5HAQkL0
彩「ち、千聖ちゃん」
千聖「はい」
彩「わた、私も、千聖ちゃんが色んな意味で好きだよっ」
千聖「はい」
千聖「…………」
千聖「えっ」
彩「だから千聖ちゃんの気持ち、すごく嬉しいな。えへへ」
彩「それと、ね? 女の子同士でこんなこと言うのも変かもしれないけど……千聖ちゃんにされて嫌なことって何もないし……私も千聖ちゃんに色々したいっていうか……」
千聖「え!?」
25:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/03(金) 09:47:15.40
ID:QX5HAQkL0
千聖(どうやら東尋坊への片道切符は必要がないみたいだ)
千聖(それはそれでいいとして、また別の問題が私の中に生まれてしまった)
千聖「…………」
千聖(『色々したい』。曖昧なそれが意味するところを耳年増な脳内が勝手に補完してしまって、まともに彩ちゃんの顔が見れない)
彩「……千聖ちゃん、真っ赤だね」
千聖「ちょっと、その……今は私の顔を見ないで欲しいわ……」
彩「千聖ちゃんのそういうところ、私すごく好きだな」
千聖「そういうところ……?」
彩「普段は堂々としてるのにこういうところは臆病で……意外とピュアで、想像力が逞しいところ」
千聖「っ!?」
千聖(まるで自分の頭の中に広げた淡い桃色模様を見透かされたような気持ちになって、私は言葉に詰まる)
千聖(普段とはまるで逆な彩ちゃんと私の関係に心が少しざわざわとする)
千聖(そしてその感覚を決して嫌なものではないと理解してしまうからこそ私はどうすればいいのか分からなくなる)
彩「千聖ちゃん、可愛いよ」
千聖「ま、待って、彩ちゃん……その、今そんなに顔を近づけるのは……」
彩「本当は嬉しいんじゃないかな?」
千聖(ポソリと囁かれた言葉が鼓膜を打ち、心をゾクりと震わせる。胸中を彩ちゃんに見透かされた気持ち……赤裸々な自分の全てを彩ちゃんに見られたような気持ちだ)
千聖(でもそんな私の全てを見透かした上で、彩ちゃんが『好きだ』と、『可愛い』と言ってくれたことに名状しがたい高翌揚感が心の奥底からふつふつと湧いてくる)
26:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/03(金) 09:48:03.63
ID:QX5HAQkL0
千聖「う、嬉しいか嬉しくないかで言ったら嬉しいけど……彩ちゃん、いつもと雰囲気が違いすぎないかしら……?」
彩「うん、なんだかね、私が抱える気持ちと千聖ちゃんが抱える気持ちが同じなんだって思ったら……こうしたい衝動がやまなくて」
彩「その、ごめんね? イジワルなんてしたくないんだけど、でも、千聖ちゃんの可愛いところをもっと私だけに見せて欲しいなって」
彩「私だけのモノにしたいなって、そう思うんだ」
千聖「ぅぅ……っ」
千聖(高翌揚感がどんどん胸の中で膨らむ。『丸山彩の白鷺千聖』という文言が脳裏によぎり、それに私の意思と関係なく背筋が勝手に震えてしまうのが分かる)
千聖(情けなさと不甲斐なさとが入り乱れ、胸の内が焦げつくような感覚がした)
千聖(ジリジリ、チリチリと、その感覚が私を優しく嬲る。愛おしい痛みを与えてくれる)
彩「そう……そういう姿。千聖ちゃんのそういうところを、全部、私だけのモノにしたいな」
千聖「そんなこと……言われても……」
千聖(それは残った理性による精一杯の反攻だった。僅かばかりの反攻だった)
千聖(これが焼け石に水を打つような無駄な行いだということは痛いほどに理解できる)
千聖(だって……頼りなく紡がれた言葉と裏腹に、私の心のほとんどは彩ちゃんを望んでしまっているんだから)
27:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/03(金) 09:49:02.41
ID:QX5HAQkL0
彩「……そうだ。千聖ちゃんにいっぱい勇気を出して貰ったから、今度は私の番だよね?」
千聖「え……?」
彩「頑張って言ってくれたんだよね? 私が眠ってる間に手を繋ぐことしか出来なかった千聖ちゃんが、勇気を出して私に告白してくれたんだよね?」
千聖「…………」
彩「だから……今度は私からしてあげるね?」
千聖(悪魔の囁き。私はそれを甘く見ていた)
千聖(さっき私の胸の内に語り掛けた囁きなんて、幼稚園のお遊戯会で悪魔を演じている子供のものだった)
千聖(目の前の、比喩でも何でもなく、鼻の先がくっつきそうなほど近い彩ちゃんの口から囁かれた囁き)
千聖(あざとい甘さで毒を包み込んだ、それこそが悪魔の囁きだ)
千聖(私の残り僅かな理性を瓦解させ、『降伏の屈辱』を『服従の快楽』へと変える……悪魔の囁きだった)
千聖「や……」
彩「うん?」
千聖「優しく……してね……?」
彩「うん、いいよ」
彩「ふふ……素直な千聖ちゃん、可愛い」
千聖(私の言葉に蠱惑的な笑みを浮かべた彩ちゃんが頷いた)
千聖(それから私が見惚れていた綺麗な手が、優しい荒々しさで私の顎をスルリと撫でるのだった)
このあと滅茶苦茶ゆら・ゆら Ring-Doug-Danceした
おわり
28:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/03(金) 09:49:47.93
ID:QX5HAQkL0
魔が差しました。本当にごめんなさい。
王道の催眠系いちゃラブコメディなバンドリSSが読みたいです。
きっと誰かが書いてくれると信じて疑っていません。
HTML化依頼出してきます。
31:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/04(土) 03:49:25.02 ID:sx9uC+ezO
大変素晴らしい
元スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1533255945/
- 関連記事
-
Amazonの新着おすすめ
おすすめサイトの最新記事