1:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/26(土) 13:05:29.22
ID:3e5CE4X60
アサシン「お前……殺し屋だろ?」
殺し屋「!」ビクッ
殺し屋「な、なんで分かった?」
アサシン「分かるさ……同業者のニオイはな。ところで、今までに何人殺った?」
殺し屋(僕はまだ新米だから、まだ一人だけど……正直に答えたら絶対バカにされる!)
殺し屋(しかたない、サバを読もう……)
殺し屋「ご、五人」
2:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/26(土) 13:07:24.75
ID:3e5CE4X60
アサシン「よっしゃ、勝った!」
殺し屋「え、君は何人なの?」
アサシン「俺は……10人殺ってる」
殺し屋「じゅ、10人!?」
殺し屋(すごい……大ベテランじゃないか……)
アサシン「……」ドヤァ
殺し屋(なんてドヤ顔だ! ムカつくぅ~! こんな奴に絶対負けたくないっ!)
3:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/26(土) 13:08:42.14
ID:3e5CE4X60
殺し屋「あ、思い出した!」
アサシン「え?」
殺し屋「実は僕はね、20人殺ってる」
アサシン「なんだと……」
殺し屋「ある仕事のことをすっかり忘れてたんだよね~、失敬失敬」
アサシン「……」
4:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/26(土) 13:11:04.15
ID:3e5CE4X60
アサシン「あ、そういえば!」
殺し屋「なんだよ?」
アサシン「数え間違えてた……そういや俺は50人殺ってたわ」
殺し屋「ご、50!?」
殺し屋「10と50、普通そんな数え間違いするか!?」
アサシン「数え忘れてた40人はあまりに小物だったから、カウントしてなかったんだよ」
アサシン「殺しもやりすぎると、こういうことがあるからなぁ」
殺し屋(くそっ、30も差をつけられた! だったら僕は60人にするか? いや――)
5:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/26(土) 13:12:42.26
ID:3e5CE4X60
殺し屋「そういや僕も数え忘れてたのがいたよ」
アサシン「何人ぐらいだよ?」
殺し屋「80人かな。つまり僕のスコアは……100人だ!」
アサシン「100だと!」
殺し屋「もちろん、これから200、300と更に上を目指していくつもりだけどね~」
殺し屋(フフフ、勝った……!)
6:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/26(土) 13:15:28.29
ID:3e5CE4X60
アサシン「ちょっと待て」
殺し屋「え」
アサシン「そういや、ある市民ホールに集まった連中をまとめてガスで毒殺したことがあったような……」
アサシン「そうだ! あったあった!」
アサシン「あれを合わせれば……俺の殺害数は1000人だ!」
殺し屋(しまった! 抜かれた!)
殺し屋(ここまできて引くわけにはいかない! だったら次は――)
7:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/26(土) 13:16:48.23
ID:3e5CE4X60
殺し屋「僕もすごい殺しをやったのを、すっかり忘れてたよ……」
殺し屋「コンサート会場の客を皆殺し、あれは大変な仕事だった」
アサシン「な、なにぃ!?」
殺し屋「あれを加味すれば……僕の殺した人数は1万人にはなるかな」
アサシン「1万ンンン!?」
殺し屋(五人から1万人になっちゃった……ホントは一人だけど)
殺し屋(ま、これも殺し屋としてハクをつけるためだ! 方便方便!)
8:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/26(土) 13:18:03.93
ID:3e5CE4X60
アサシン「――あっ!」
殺し屋「な、なに?」
アサシン「そういや俺、ある町の住民をまとめて全滅させたことあったわ~」
殺し屋「町を!?」
アサシン「きちんと数えてないけど、あの件を合わせりゃ俺の殺した数は10万にはなるはずだ!」
殺し屋(町を全滅させるなんてとんでもない奴だ! もはや殺し屋ってレベルじゃないぞ!)
殺し屋(だけどもっとサバを読まなきゃ! 町には市で対抗だ!)
9:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/26(土) 13:19:58.21
ID:3e5CE4X60
殺し屋「……僕はある市を壊滅させたことがある」
アサシン「市を!? 大事件じゃねえか!」
殺し屋「まぁね、あれをもみ消すのはだいぶ苦労したよ……。あちこちに手を回してさ……」
アサシン「……で? 肝心の殺害数は?」
殺し屋「そうだねえ……ざっと50万人にはなるかなあ……」
アサシン「うぐぐぐ……だったらぁ!」
10:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/26(土) 13:21:36.89
ID:3e5CE4X60
アサシン「お、俺は……100万人だ!」
殺し屋「100万!? んな無茶な!」
アサシン「かなりの大都市だったからな……」
殺し屋「あぐぐ……だったら僕は……1000万人だ!」
アサシン「んな数、ありえるわけが……」
殺し屋「ある国の首都をまとめて滅ぼしたからね……」
アサシン「ぐぬぬ、首都だったらありえる……」
11:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/26(土) 13:22:58.24
ID:3e5CE4X60
アサシン「俺はやっぱり1億人だぁ!」
殺し屋「僕は5億人殺ってる!」
アサシン「俺は10億ぅぅぅ!」
殺し屋「なら僕は――」
殺し屋「70億人だぁぁぁぁぁ!!!!!」
12:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/26(土) 13:24:26.41
ID:3e5CE4X60
アサシン「70億って……世界の人口と同じくらいじゃん。人類全滅しちゃうじゃん」
殺し屋「……あ」
アサシン「お前、本当に70億人も殺したのか?」
殺し屋「い、いや……」
殺し屋「ごめん、ウソついた」
アサシン「ウソだったのか……」
13:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/26(土) 13:27:10.56
ID:3e5CE4X60
殺し屋「実は僕、殺し屋としては新米で……本当はまだ一人しか殺してないんだ」
殺し屋「笑ってくれ……」
アサシン「いや、俺も似たようなもんさ」
アサシン「俺だってまだ、二人しか殺してないペーペーよ」
殺し屋「ペーペーなのに、僕が殺し屋だってよく分かったね?」
アサシン「お前に話しかける前に、お前が武器を手入れしてるとこを見かけただけさ」
アサシン「同業者のニオイなんて分かるわけねえ……。笑ってくれ……」
殺し屋「……」プッ
アサシン「……」プッ
二人「アッハッハッハッハッハッハ!!!」
14:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/26(土) 13:27:52.20
ID:3e5CE4X60
殺し屋「まっさか、お互いハッタリをかましあってたなんてねえ!」
アサシン「なにしろこの世界はナメられたら終わりだからな」
殺し屋「うんうん、実力以上にハッタリがものをいうところあるしね」
アサシン「にしても、見栄の張り合いが人類絶滅までいっちゃうとはケッサクだ!」
殺し屋「ホントだね! あ~、おかしい!」
15:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/26(土) 13:30:25.98
ID:3e5CE4X60
アサシン「あ、そうだ! ちなみにお前が殺した一人ってのはどんな奴だったんだ?」
殺し屋「ええと確か……何とかって国の大統領の奥さんだったかな。今頃死体が発見されてるかも」
アサシン「初仕事が大統領夫人とか、お前すげえな! 絶対才能あるぜ!」
殺し屋「そうかな……照れるな……」
アサシン「俺たち……新米同士、仲良くなれそうだな」
殺し屋「もしよかったらコンビ組んで仕事するのもいいかも!」
アサシン「それいい! 報酬はもちろん折半な!」
殺し屋「うん!」
16:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/26(土) 13:31:59.08
ID:3e5CE4X60
大統領「うおおおおおおおおっ!!! 私の愛するワイフがァ~~~~~!!!」
大統領「どこの誰だか知らんが許さんぞぉぉぉ~~~~~っ!!!」
大統領「愛する妻のいないこの世界などに、私はなんの未練もないッ!!!」
大統領「こうなったら、私が常々持ち歩いてる――」
大統領「我が国含め全世界に核ミサイルをばら撒く、禁断の最終スイッチを押すしかなぁぁぁぁぁい!!!!!」
ポチッ
END
元スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1527307528/
- 関連記事
-
Amazonの新着おすすめ
おすすめサイトの最新記事