1:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/28(土) 01:26:59.85
ID:+qgdRtC+0
男「さ、どうぞ」
女子高生「人気タレントの男さんの家に入れるなんて、超ウレシー!」
男「俺は君みたいな若い子を家に招くなんて初めてだから、緊張してるよ」
女子高生「とかなんとかいって、しょっちゅう招いてたりして!」
男「そんなわけないだろ~」
女子高生「じゃ、お邪魔しま~す!」
バタン…
2:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/28(土) 01:28:20.85
ID:+qgdRtC+0
男「ようこそ、我が領域(フィールド)へ……」ゴゴゴゴゴ…
女子高生「!?」
3:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/28(土) 01:29:38.65
ID:+qgdRtC+0
女子高生「なんですか、フィールドって? やだ、オカシー!」
男「俺の正体を教えてやろう」
男「俺は悪の組織の大幹部≪四天王≫の一人だ」
女子高生「え、なにそれ? ジョークかなにか? 正直滑ってますって~」
男「いい加減、猿芝居はやめろ」
女子高生「!」
男「俺は知ってるんだよ……貴様の正体を」
男「女子高生とは仮の姿……我ら悪の組織と敵対する≪正義の執行人≫だということを!」
女子高生「ふふ……バレちゃってたのね」
4:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/28(土) 01:31:11.16
ID:+qgdRtC+0
女子高生「そう、私はアンタたち悪の組織を潰すために戦う、正義の使者なのよ!」
男「ふん、口調まで勇ましくなったか」
女子高生「だけど、アンタってバカね」
女子高生「私の正体を知ってて、わざわざ私に倒されるために、近づいてくれるなんて」
男「バカは貴様だ」
女子高生「!」
5:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/28(土) 01:32:12.35
ID:+qgdRtC+0
男「このフィールド内では、俺の能力は増幅され、フルに発揮することができる」
男「貴様はみすみす、勝ち目の薄い戦いに挑むはめになってしまったんだよ」
男「これぞまさに、飛んで火に入る夏の虫!」
女子高生「それでいいのよ」
男「……?」
女子高生「アンタたちみたいな悪党は、全力を出させた上で叩き潰す、って決めてるんだから!」
男「……小娘がァ!」
6:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/28(土) 01:33:30.32
ID:+qgdRtC+0
男「俺を先日貴様に倒された四天王≪煙草使い≫などと一緒にするなよ?」
男「俺はヤツより格上だ! ≪酒使い≫の恐ろしさ、思い知らせてくれる!」
女子高生「とっとと来なさいよ!」
男「はああああああああ……!」シュワワワワワ…
女子高生(ものすごい量の泡が作られていく……!)
男「浄化せよ! “最初の一杯(とりあえずビール)”!!!」
シュワワワワワッ!
8:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/28(土) 01:35:47.86
ID:+qgdRtC+0
ズガァァァァァンッ!
男「やったか!?」
女子高生「いきなりビールってのはオジサンの発想よ、四天王!」
女子高生「“地刃(ジバ)”!!!」
シュバッ!
男「ぐっ!」ザシュッ…
男「地面を刃のように鋭利にして伸ばしたのか……。そうか、貴様の能力は……」
女子高生「そう、私の能力は≪大地を操る能力≫よ!」
男「面白い……相手にとって不足なし!」
9:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/28(土) 01:37:19.01
ID:+qgdRtC+0
男「“ウォッカビーム”!」
ビッ!
女子高生「うっ!?」ブシュッ…
男「まだまだまだまだまだァァァァァ!!!」ビビビビビッ
女子高生(体内でウォッカを生成して、超高圧で撃ち出してるのね!)
男「さぁ、追い詰めたぞ!」
10:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/28(土) 01:38:53.86
ID:+qgdRtC+0
女子高生「させない! “地山(ジザン)”!!!」バッ
ズゴゴゴゴゴ……!
男「!」
男(地面を隆起させて山を作った! あれは“ウォッカビーム”では貫通できん!)
男(なるほど、接近戦がお望みというわけか)
女子高生「――と思ったでしょ?」
男「!?」
11:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/28(土) 01:39:36.81
ID:+qgdRtC+0
女子高生「“地矢(ジヤ)”!!!」
ビュビュビュビュビュッ!
男「ぐおっ!」ザクザクッ
男「ちっ……!」
男(地面を操り、矢のように飛ばしてくるとは! 器用なヤツめ!)
12:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/28(土) 01:41:01.09
ID:+qgdRtC+0
男「“焼酎消毒”!」ブッ
男「ふぅ……」パァァァ…
男(焼酎パワーで傷を癒やしたが――)
女子高生「“地矢(ジヤ)”!!!」
ビュビュビュビュビュッ!
男(小娘の攻撃が予想以上に激しい! これではジリ貧だ!)
13:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/28(土) 01:42:52.00
ID:+qgdRtC+0
男「“ワインガード”!」ジャキッ
グササササッ!
男「おのれ……! ワイン樽による防御も貫通されるとは……!」
女子高生「昔ワインを飲んだ時はずいぶん苦かったけど、アンタのワインはガードが甘いわね」
男「未成年の分際でェ……!」ギリッ
14:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/28(土) 01:44:24.61
ID:+qgdRtC+0
男「ならば、本気を出させてもらう……!」
男「たかが小娘にこれを使うことになるとは……」
男「このフィールド内でのみ使える奥義――“大酒豪(ビッグウェーブ)”!!!」
ザバァァァァァッ!!!
女子高生「きゃああああああああっ!!!」
15:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/28(土) 01:45:31.62
ID:+qgdRtC+0
ザァァァァァッ!!!
男「酒による洪水を起こすこの大技!」
男「酒の奔流に巻き込まれたら脱出する術はない! 酒に呑まれて死ぬがよい!」
ズゴォォォォォッ!!!
女子高生「ガボッ、ゴボッ、ガボッ……!」ジタバタジタバタ
16:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/28(土) 01:46:40.18
ID:+qgdRtC+0
女子高生(ま、まだよ……!)
女子高生(こういう技が来ると予想してたからこそ、“地山(ジザン)”で山を作っておいたんだから!)
ゴゴゴゴゴ……!
ドザァァァァァッ……!
男「し、しまった! さっきの山が酒の洪水で崩れて、土砂崩れを……!」
男「うおおおおおおおおおっ……!!!」
17:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/28(土) 01:48:20.26
ID:+qgdRtC+0
……
男「ハァ、ハァ、ハァ……」
女子高生「ハァ、ハァ、ハァ……」
男(もうお互い、ほとんど力は残っていない……!)
女子高生(次の一撃で、勝負は決まる……!)
18:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/28(土) 01:49:36.67
ID:+qgdRtC+0
男「“ウォッカビーム”!!!」
ビッ!
女子高生「くっ!」サッ
男「しまった、かわされた!」
女子高生「この技で……決めてみせる!」
男「まだだ! これを耐えきれば、逆転はある!」
19:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/28(土) 01:50:45.62
ID:+qgdRtC+0
女子高生「“地弾(ジダン)”!!!」バシュッ
ズガァァァァァンッ!!!
男「が、がはっ……!」
男「まさか……地面で、弾丸を作る、とは……」ドサッ
20:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/28(土) 01:52:35.91
ID:+qgdRtC+0
男「み、みごと、だ……」
女子高生「ハァ、ハァ……」
男「だが、残る四天王……≪ギャンブル使い≫と≪暴力使い≫は……俺より、遥かに強い……」
男「貴様程度では、勝てん……」
男「せいぜい足掻くがいい……地獄で貴様が来るのを待って、いるぞ……」ガクッ
女子高生(四天王の二人目……さすがね。一人目よりずっと手強かった……)
女子高生(だけど、まだ終わっていない!)
21:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/28(土) 01:54:14.51
ID:+qgdRtC+0
女子高生(残る二人の四天王も、黒幕も、私の地面の力で倒してみせる!)
女子高生(それが死んだ父さんの悲願だったんだから……!)
ついに、悪の組織四天王の二人目≪酒使い≫を撃破した正義の女子高生。
しかし、まだまだ彼女の戦いは終わらない――
― 完 ―
元スレ
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