1:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/17(土) 23:52:12.58
ID:iY6Gh4SY0
石上「会長、この資料出来ましたよ」
白銀「おお、もうできたのか。さすがだな」
石上「いえいえ」
かぐや「……」
藤原「あのー会長、これなんですけど……」
白銀「ん?どれどれ?」
かぐや「……」
かぐや(椅子に座っている会長の正面に立ち、覗き込むように会長を見て、上目遣いで私可愛いアピールですか。本当に卑しい豚)
2:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/17(土) 23:55:00.77
ID:iY6Gh4SY0
白銀「っ」
かぐや(ん? 会長が一瞬視線をそらして……ハッ! まさか!)
藤原「?」
かぐや(藤原さん……見損ないました)
かぐや(この制服のちょっとした隙間から谷間アピールしてくるとは……明日あなたの家がどうなっているか? 楽しみね……)
白銀(四宮がジッと睨んできたから、思わず目をそらしてしまった。俺は何もしていないはずなんだが……)ドキドキ
藤原「ありがとうございます! 助かりました」
白銀「あ、ああ、また何かあったら聞いてくれ」
3:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/17(土) 23:56:48.25
ID:iY6Gh4SY0
伊井野「会長、ここなんですが……」
白銀「どうかしたのか?」
かぐや「……」
かぐや(正面から話せばいいのに、わざわざ隣に行って話すとか……)
かぐや(そんなに会長とくっつきたいんですね。残念です。あなたはいい子だと思っていたのに)
伊井野「……あっ、すみません……」
白銀「ん? どうかしたのか?」
伊井野「あっ、いえ、なんでも」
かぐや「…………」ゴゴゴゴゴ
石上(き、今日の四宮先輩、いつも以上に怖い)ガタガタ
かぐや(へ、へぇ……。伊井野さんの指が会長の指に当たりましたね……いいえ、わざと当てたのね……)
かぐや(なるほど伊井野さんはそういう姑息な手を使うんですね。いいでしょういいでしょういいでしょう)
かぐや(あなたがそういう手を使うなら、私も色んな手を使ってあげましょう)
4:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/17(土) 23:59:24.53
ID:iY6Gh4SY0
* * *
かぐや「----という事があったんです」
早坂「はぁ……」
かぐや「会長が男性として魅力的なのはわかります」
かぐや「だからと言って、真面目に生徒会活動をしている時に会長の気を引こうとか、頭がおかしいとしか言いようがないわ」
早坂「確かに頭がおかしいかもしれませんね」ジー
かぐや「あっ……でも……ま、まさか……」ワナワナ
早坂「?」
かぐや「ま、まさか早坂も会長の事が好きなんじゃ」
早坂「今の流れでどうしてそうなるんです!?」
5:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/18(日) 00:00:29.72
ID:0eBdNwWf0
かぐや「だって、早坂機嫌悪そうだし」
早坂「えー。機嫌悪くはないですよ。面倒だなーとは思ってましたけど」
かぐや「それに会長は控えめに言っても日本で一番の可能性がありますし。その……早坂が好きになっても……」
早坂「すみません。私の好みのタイプじゃないので」
かぐや「あ、あなた、会長がタイプじゃないって、どうかしてると思うわよ」
早坂「うわぁーい。そろそろ怒ってもいいですか?」
6:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/18(日) 00:00:56.00
ID:0eBdNwWf0
かぐや「コホン。で、何か方法はないかしら?」
早坂「え? どういうことです?」
かぐや「だから、藤原さんと伊井野さんを会長から引き離す方法です」
早坂「はぁ……」
かぐや「そうだわ。ついでに石上くんの対応も考え直しましょう」
かぐや「可愛い後輩だと思っていたのだけれど、彼は最近会長に距離が近すぎます」
かぐや「おかげでここ二日ほど、私は会長とあいさつ以外会話した覚えがありません」
早坂「いや、それはかぐや様から声をかければ」
かぐや「はぁ……。早坂よく考えてみなさい」
早坂「」イラッ
7:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/18(日) 00:01:39.01
ID:0eBdNwWf0
かぐや「もし、私から話かけでもしたら……」
会長『ん? 最近、会話がないからって、自分から話題を振ってきたのか? そうかそうか寂しかったんだな』
かぐや『いや、それはその……』
会長『お可愛い奴め』
かぐや「って、なるに決まってます!」
早坂「寂しいのは事実だから、別にいいのでは?」
かぐや「別に寂しくなんかないわよ!!」
かぐや「そもそも会長は誰にでも優しすぎます! だから言い寄る女が増えて……」
かぐや「……増えて……」
かぐや「……」
早坂「かぐや様?」
8:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/18(日) 00:02:21.65
ID:0eBdNwWf0
かぐや「会長は本当に誰にでも優しく……。私って本当に会長から好かれてるのかしら……。実はただの副会長なだけで……」
かぐや「会長にとって私って別に特別でも何でもないんじゃ……」
早坂「大丈夫ですよ。かぐや様は特別です。ただきっと会長さんも気恥ずかしいだけだと思います」
かぐや「でも、でも、でも。もう二日も会長とあいさつ以外の会話をしていないの……」
早坂「私が見る限り会長さんは初恋なんでしょうね。だからどうしていいかわかってないんですよ」
かぐや「へっ// 初恋!?」
早坂「よかったですね。会長さんの初めては全部かぐや様の物ですよ」
かぐや「も、もうっ。からかわないで! べ、別に嬉しくなんかないわ」
早坂「はいはい。あっ、そういえば、例の物が用意できましたよ」
かぐや「ああ、今週末期限の遊園地のチケットね。ありがとう。これを使って会長と二人で……って、あれ? 5枚あるわよ?」
早坂「いつも2枚だと失敗しているようなので、5枚用意しました」
早坂「みんなで行こうと誘ったらどうです? 遊園地です。二人っきりになるチャンスも多いと思いますよ」
かぐや「……そうね。考えてみます」
9:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/18(日) 00:03:22.94
ID:0eBdNwWf0
* * *
かぐや「というわけで、どうでしょう? 期限が今週末なのですが」
白銀「ちょうどスケジュールは空いている。遊園地なんて小 学生以来だから楽しみだ」
かぐや「ふふっ。それはよかったです」
藤原「あっ……その……」
かぐや「どうかしましたか?」
藤原「ごめんなさい。どうしても行けないんです。週末は家族でお父様の所に行く約束があって」
かぐや「え?」
伊井野「その私もすみません。その日は近所のボランティア活動でして、小さい頃からずっと参加しているので……」
かぐや「え?」
石上「僕も大切な用事が……(ゲームの発売日)」
かぐや「え?」
10:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/18(日) 00:05:01.18
ID:0eBdNwWf0
白銀「仕方ない。日付をずらす事にするか?」
かぐや「いえ、このチケットは期限が週末までで」
藤原「そうですよ。せっかくだから二人で行ってきてください!」
白銀「しかし、それはだな……」
藤原「小 学生以来なんですよね! この機会を逃すとずっと行けませんよ!」
白銀「まぁ……確かに……」
藤原「ほら、じゃあ行ってきてくださいよ!」
白銀「うーん、そうだな……」
伊井野「そうです。私達の事は気にしないでください」
石上「あっ、僕、お土産はクッキー系がいいです」
伊井野「石上。黙れ」
石上「……」
藤原「ほらほら、そんな事言わずにミコちゃんはどんなお土産がいい? 私はお土産はケーキ系がいいなー」
伊井野「えーと、じゃあ、私はその……藤原先輩と同じでケーキ系で……」
藤原「会長覚えましたか? では、楽しみにしてますから♪」
白銀「あ、ああ……」
11:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/18(日) 00:05:34.53
ID:0eBdNwWf0
白銀「……」
かぐや「……」
白銀「……」
かぐや「……」
白銀「……」
かぐや「……」
白銀(って、四宮と二人っきりで遊園地だとーーーー!!!?)
白銀(ヤバい! ヤバい! ヤバい! ヤバい!!)
白銀(すっごく嬉しいんだがーーーーーーっ!!!)
12:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/18(日) 00:06:04.98
ID:0eBdNwWf0
白銀「……」チラッ
かぐや「……」チラッ
白銀(四宮と目があった!)
白銀(やっばい! やっばい! やっばい! やっばい!!)
白銀(四宮も絶対に意識しているぅーーーー!!)
白銀「……」
かぐや「……」
かぐや(あーーーーーーーーっ//)
かぐや(え? なに? なにが起きたの?)
かぐや(え? なんで? なんで? 会長と二人っきりで遊園地?)
かぐや(べ、別に嬉しくなんかないけど、嬉しすぎて倒れそう!)
13:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/18(日) 00:07:13.96
ID:0eBdNwWf0
* * *
早坂「よかったですね」
かぐや「藤原さんと伊井野さんと石上くんには困ったものです。せっかく誘ってあげたのに」
かぐや「ああ、本当に困った子達」
早坂(昨日はその3人を殺してやると言わんばかりの剣幕だったのに……)
かぐや「それにしても、週末……ふふふっ♪」
早坂「会長とデート楽しみですね」
かぐや「そうね。ふふふふっ♪」
早坂(いつものかぐや様なら否定するのに……)
かぐや「~♪」
早坂(顔、ゆるみきってますよ。かぐや様)
早坂(どうか、かぐや様にとって良き日でありますように----)
14:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/18(日) 00:07:58.72
ID:0eBdNwWf0
今回はここまでになります。
また近いうちに続きを投下します。
17:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/18(日) 09:10:57.12 ID:JPsPy38zo
お可愛いこと
お可愛いやつめ
これすき
18:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/21(水) 22:57:30.00
ID:kpNc3frg0
* * *
■当日
かぐや「車はここまででいいわ。あとは会長を待つから」
早坂「では、お気をつけて」
かぐや「ええ」
かぐや「……」
かぐや(き、きましたーーーーー)
かぐや(ついにこの日が!)
かぐや(うぅ……)
かぐや(き、緊張してきて吐きそう……)
19:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/21(水) 22:59:48.39
ID:kpNc3frg0
かぐや(ところで、早坂のおススメのコーデ。何もおかしくないわよね……)
かぐや(か、会長は気に入ってくれるかしら?)
かぐや(……)
■妄想中------
かぐや「会長、この服どうでしょう? 可愛いですか?」
白銀「なんだ、俺と遊びに行くだけなのにそんな気合いが入った格好をして。もしかして俺と二人っきりがそんなに嬉しかったのか?」
白銀「お可愛い奴め」
かぐや「っ~~~~~~//」
■妄想終了----
かぐや(あーーーーーーっ!! 私なんてことを!)
かぐや(スカートも短いし、まるで会長を誘っているメスみたいじゃない!!)
かぐや(こうなったら早坂を呼んで。もっとこう普通の服に!!)
白銀「待たせたか?」
かぐや「か、会長」
白銀「あーその……その服、かわい……に、似合ってるな」
かぐや「ふぇっ……あ、ありがとうございます//」シュー
20:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/21(水) 23:00:33.49
ID:kpNc3frg0
白銀(よし! 言った! 言ってやったぞ!!!)
白銀(最近の四宮は石上と仲が良い……)
白銀(だから、どうにかして男子力をあげてやろうと、つい焦ってすぐに服装の話をしてしまったが--)
かぐや「//」
白銀(ふふふふふふ。四宮は嬉しそうにしている!)
白銀(成功だ! これはポイント高いな!)
21:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/21(水) 23:02:07.56
ID:kpNc3frg0
白銀「よし、じゃあ行くか」
かぐや「は、はい」
かぐや(会長が似合ってるって……)
かぐや「//」プシュー
かぐや(よかった。本当によかった。早坂ありがとう)
かぐや「……」
かぐや(でも、会長……)
かぐや(遊園地に制服は正直ないんじゃないかな……と)
22:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/21(水) 23:02:53.80
ID:kpNc3frg0
* * *
ガタンゴトンガタンゴトン
かぐや「よ、ようやく着きましたね……」
白銀「だ、大丈夫だったか?」
かぐや「……はい。その……まぁ……」
白銀(まさか電車が初めてだったとは……)
白銀(満員電車とは言わないが、人が多い電車はお嬢様にはきつかっただろう)
白銀(ぐっ……。お金を出してでもタクシーにするべきだったか)
備考:白銀はドケチ
23:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/21(水) 23:04:32.33
ID:kpNc3frg0
かぐや(た、倒れるかと思いました……)ドキドキ
かぐや(ま、まさか会長とあんなに密着して座ることになるなんて//)ドキドキ
かぐや(会長の顔があんなに近くに……)
かぐや(って、そうじゃない!)
かぐや(これじゃまるで私が会長の事、意識しまくっているみたいじゃない!)
かぐや(確かに一度キスしようとしたせいで、意識……恐怖……いえ、認めましょう。会長を意識している所はあります)
かぐや(ですが、四宮家の家訓の一つ「人を愛すな」を忘れてはダメ!)
かぐや(そう。私は四宮家の娘、四宮かぐや!)
かぐや(私に恋焦がれる男がいたとしても、私が恋焦がれる事なんてあってはいけない!)
24:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/21(水) 23:05:47.57
ID:kpNc3frg0
かぐや(私はあくまでもほんの少し、ほんの一ミリ、会長を意識しているだけ!)
かぐや(というわけで会長! 帰りの電車では覚悟してください!)
かぐや(私の魅力でメロメロにして差し上げますしょう!)
かぐや「その……帰りもあの電車に乗る事になるのでしょうか?」
白銀「いや、帰りはタクシーを使おう」
かぐや(ええーーーーーーっ!!!)
かぐや(そ、そんな……。もうちょっと会長と一緒に……メロメロ……あぁ……)
25:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/21(水) 23:06:38.73
ID:kpNc3frg0
白銀(ど、どういう事だ?)
白銀(タクシーと言った後、四宮がガッカリした顔をしているぞ)
白銀(はっ! ま、まさか----)
白銀(俺と一緒にタクシーに乗るのは嫌だと言っているのか?)
白銀(た、確かに最近四宮には話しかけても避けられている節があったし……)
白銀(石上とは仲良さそうだし)
白銀(……)
白銀(仕方がない。帰りは四宮を車の後部座席に。俺は前の助手席に座ることにしよう)
白銀(それが一番の策だ……)
白銀・かぐや「はぁ……」
26:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/21(水) 23:08:37.49
ID:kpNc3frg0
* * *
キャーキャーガヤガヤ
かぐや「人多いですね」
白銀「ニュースで見たんだが、まだ開店したばかりで人気らしい」
かぐや「なるほど」
かぐや(早坂にもっと人が少ない遊園地を選んで貰うべきでしたね)
白銀「しかし、入場口だけでもこれほど並ぶとは、中はどれだけ人が多いんだ?」
かぐや「会長。あっちの入場口は人が少ないですよ」
白銀「ん?」
スタッフ①「カップルの方はこちらに並んでくださーい」
スタッフ②「オープン記念につき、カップルの方は入場料が無料になりまーす」
白銀「そういえばニュースでやっていたな。カップルは入場料が無料らしい」
白銀「だが遊具……ジェットコースターなどのフリーパスは別料金らしいな」
かぐや「なるほど」
27:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/21(水) 23:09:52.51
ID:kpNc3frg0
白銀「ところでチケットを貰ってもいいか? チケットを入場口で提出する必要があるからな」
かぐや「わかりました。ちょっと待ってくださいね」
ガサゴソ
かぐや「……」
白銀「ん? どうかしたのか?」
かぐや「……その……チケットを忘れてしまったみたいで……」
白銀(なん……だと!?)
かぐや「ど、どうしましょう。会長のチケットも私が持っていたというのに……」
かぐや「本当にすみません」ペコッ
白銀「気にするな。人間忘れる事くらいある」
白銀(なんてな。またこんなあからさまな仕掛けをしやがって、俺とカップル入場したいんだろ? お可愛いやつめ……)
28:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/21(水) 23:10:47.58
ID:kpNc3frg0
白銀「……」
白銀(ふむ……。だが、俺はどうするべきだ?)
白銀(四宮は俺とカップル入場を狙っているからと言って、俺から『カップルのふりをするか?』とは言えない)
白銀(もし、そんなことを言ってしまえば)
かぐや『くすっ』
かぐや『お可愛いこと……』
白銀(って、なるに決まっている)
白銀(それとも普通にチケットを買うか?)
白銀(いやそれはNG。NGだ! 今日のデートの為に予算は多めで考えているが、このお金は出来るだけ四宮の為に使いたい!)
白銀(くっ。ここは四宮の出方を見てから考えても遅くはないだろう)
白銀(四宮は----)チラッ
29:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/21(水) 23:12:09.77
ID:kpNc3frg0
かぐや「……」
かぐや「………………」
かぐや「………………………………」
かぐや(どうしようーーーーーー!!!)
かぐや(早坂のばか! ばか! ばかーーーーーっ!)
そう……かぐやは本当にチケットを持っていなかったのだった。
本来チケットが入っているはずの封筒の中には。
早坂『カップル入場だと無料です。お得でよかったですね。ちなみにフリーパス無料券を2枚入れておきます』
というメモとフリーパスのチケットのみ。
かぐや(会長とカップル入場なんて……できるわけないじゃない!)
かぐや(もし、私がそんな事を言ったら)
白銀『もしかして、俺とカップル入場したいからチケットを忘れたのか?』
白銀『お可愛いやつめ』
かぐや(ってなるに決まってるでしょうが!)
30:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/21(水) 23:13:15.53
ID:kpNc3frg0
かぐや(そうだ! 私が新しいチケットを買ってくれば!)
かぐや(そうです。そもそも忘れた私が悪いから、頑固な会長だってチケットを受け取ってくれるはず)
かぐや「会長。あの----」
ギュッ
かぐや(え? え? なんで? 会長が私の手首を握って?)
白銀「あっちがカップル入場口だな。あっちに行くぞ」
かぐや「え?」
白銀(俺はバカだ。四宮は真っ青だった。本当にチケット忘れていたのだろう)
白銀(だというのに、俺は『四宮がわざと忘れた』とか考えて……)
白銀(俺は四宮の事を何でもわかっているつもりになっていた)
白銀(----俺は大バカ者だ!!!)
31:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/21(水) 23:15:16.77
ID:kpNc3frg0
スタスタ
かぐや(会長……もしかして、私に気を使ってくれて……)
かぐや(でも、会長。いいんですか? こっちから入場したら……私達……その……)
かぐや(恋仲の関係と思われちゃうんです……)
かぐや(会長は本当にそれでいいのですか?)
かぐや「か、会長。大丈夫です。私がお金を払うからチケットを買いましょう。これは忘れた私の責任です」
白銀「今日は----今日だけは俺とお前はカップルだ。それなら問題ないだろ!」
かぐや「なっ//」カァー
白銀「ほら、こっちに行くぞ」
かぐや「は、はぃ//」
32:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/21(水) 23:17:08.72
ID:kpNc3frg0
スタッフ③「カップルの方は手を繋いでくださーい」
スタッフ④「入場の際に写真撮影もできますので、お気軽にお声掛けくださーい」
かぐや「あっ、手……」
白銀「ああ、すまん。手首を掴んでて痛かっただろう」
かぐや「え? べ、べつに」
パッ
かぐや(あっ……会長が手を離しちゃった……。別にそのままでもよかったのに……)
ギュウウ
かぐや「っ//」
かぐや(は、はれぇーーーーーー? 恋人繋ぎ!!!?!?)
白銀「よし、これで何も問題ないな」
かぐや(問題ありまくりですよーーーーーー!!!!)
33:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/21(水) 23:18:38.58
ID:kpNc3frg0
白銀(少し並んでいるな。まぁ、あとは入場するだけだ)
白銀「……」
白銀「…………」
白銀「……………………」
白銀(うあああああああああああああああああ)
白銀(俺は何をやっているんだあああああああ)
白銀(しまった。自分自身への怒りで、完全に我を失っていた)
白銀「……」
白銀『今日は今日だけは俺とお前はカップルだ。それなら問題ないだろ!』
白銀(問題ありまくりだああああ! 誰か俺を殺してくれえええええ!!!)
34:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/21(水) 23:20:00.34
ID:kpNc3frg0
白銀(と、とりあえず、置いておこう。ま、まずは今の状況だ)
白銀「……」チラッ
かぐや「……//」
白銀(うっ。可愛い)
白銀(じゃなくてだ! どうする! このままカップル入場口で並んだままでいいのか?)
白銀(手が柔らかい。気持ちいい)
白銀(じゃなくて!!)
白銀(四宮の手、すべすべしている。赤くなっている四宮可愛い)
白銀(うおおおお!!! 考えがまとまらんんんんんん!!!)
白銀「……」チラッ
かぐや「……//」
白銀(ヤバい! 四宮を見ると、顔がニヤけそうでヤバい!!!)
35:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/21(水) 23:21:15.58
ID:kpNc3frg0
かぐや(か、会長。顔が真っ赤ですよ)
かぐや(うぅ……。そんなに意識されると私も……)
かぐや「……//」カァー
かぐや(あぅぅ//)
かぐや「あっ」
白銀「ど、どうかしたのか?」
かぐや「い、いえ、何でもありません」
白銀「そ、そうか。なんでもないならいいんだ」
36:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/21(水) 23:22:17.33
ID:kpNc3frg0
かぐや(うぅ……手の消毒を忘れてました)
かぐや(私の手汚れたりしてないわよね? 大丈夫よね? こんな事で会長に嫌われたり……)
かぐや「……」チラッ
白銀「……」
かぐや(かっこいい……って、なにこれ!! もうドキドキしないで! 会長に聞こえちゃうから!! お願いだから聞こえないで!)
かぐや(というか、会長の手がいけないの! なんでこう男らしい手なのよ!!!)
かぐや(あーーーっ! もうーーーっ! これもあれも全部早坂のせいなんだから! 早坂のばかーーーっ!!!)
37:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/21(水) 23:23:31.49
ID:kpNc3frg0
今回はここまでになります。
また近いうちに続き書いていきます。
38:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/21(水) 23:40:55.24 ID:xXVVcNBOo
実にいい 続けて
40:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/22(木) 11:32:38.51 ID:Y/9iey2Do
ニヤニヤが止まらん
42:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/24(土) 21:20:28.23
ID:ck9+9Tp40
* * *
藤原「もしもし、あっ、ミコちゃん? 今、電話大丈夫?」
藤原「暇になっちゃいまして……」
藤原「だから、ミコちゃんが時間できたらかぐやさんがいる遊園地に……」
藤原「石上くんも誘って----」
藤原「え? 邪魔? 私達は仲間だから、仲間と一緒の方がかぐやさんも喜んでくれます!」
藤原「だから、遊びに行きましょう!」
43:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/24(土) 21:22:36.76
ID:ck9+9Tp40
* * *
白銀(無事入場できたな……)
かぐや(も、もうだめ……)
白銀(て、手を離すタイミングがわからん……)
かぐや(緊張して死にそう)
白銀(だが、できれば……このまま握っていたい)
かぐや(こんな事なら、自然な手の離し方を柏木さんに聞いておくんでした)
スタッフ「お写真1枚1,000円になりますが、どうですかー?」
かぐや「写真……」
白銀「そういえば、入場前にスタッフの人が写真撮影できますとか言っていたな」
スタッフ「あっ、そこのカップルさん、記念にどうですか?」
白銀「え、えーと……その……」
白銀(すごく欲しい! すごく欲しいが、どうする? せっかくこういう所に来たんだ。今なら自然に----)
かぐや「じゃあ、お願いします」
白銀(なんだとーーーー!!!?)
かぐや(これでお金を払う時に手を離せます)
44:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/24(土) 21:24:54.43
ID:ck9+9Tp40
スタッフ「じゃあ、撮りますねー。はいチーズ」
パシャッ
スタッフ「はい。こちらが引換券です。現像しておきますので、お帰りの際にお声掛けください」
かぐや「わかりました」
白銀(あの四宮が積極的に!? これも遊園地のテンションってやつか?)ドキドキ
かぐや(はぁ……。危なかった……。ドキドキで死んじゃうかと思いました)
白銀「し、写真楽しみだな」
かぐや「そうですね」
45:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/24(土) 21:25:37.62
ID:ck9+9Tp40
かぐや「……」
かぐや「…………」
かぐや「……………………」
かぐや(みゃーーーーーーーーーーーー!!)
かぐや(わ、私何をやったの!!?)
かぐや(写真は家宝にしますけど! じゃなくて! 早坂にバカにされないように隠さなきゃ)
かぐや(あっ、でも生徒手帳に挟んでいつでも見れるように……)
かぐや『これでいつでも会長と一緒にいれる』
かぐや(とかいいじゃないですか!!)
かぐや(って、そうじゃなくて!!)
かぐや(これって絶対に会長から勘違いされたやつでしょう!)
かぐや(もおおおおお!! 私何をやっているのよーーーー!!!)
46:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/24(土) 21:26:42.78
ID:ck9+9Tp40
白銀「四宮?」
かぐや「え?」
白銀「大丈夫か? 顔真っ赤だが熱でもあるんじゃないか?」
かぐや「い、いえ、大丈夫です。ちょっと厚着しすぎたせいみたいで」
白銀「そういわれると2月のわりに今日は暑いよな。俺も暑くて敵わん」
かぐや「ですね。ここまで暑いと困ってしまいます」
露店スタッフ「マフラーや手袋いりませんかー? 今日は特に寒いので、よかったらどうぞー」
白銀「……」
かぐや「……」
白銀「そうだ。フリーパスを買いに行くか」
かぐや「あっ、私、フリーパスのチケットあります」
白銀「そうか。では、フリーパスに交換しに行こう」
47:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/24(土) 21:27:25.22
ID:ck9+9Tp40
* * *
かぐや「へぇー。フリーパスって手首につけるんですね」
白銀「フリーパスの形態も様々だ。このようにバーコードが印刷された時計のようなものを手首につけて、遊具で遊ぶときにスタッフに見せるタイプもある」
白銀「有名なものでは、入場チケットに金額が含まれているものだな。それなら、遊具でいちいちお金を払う必要がない」
白銀「ほかにチャージタイプのカードのような物もある」
かぐや「なるほど、色々あるんですね」
白銀「ああ、機会があったら違う遊園地にも連れて行ってやるさ」
かぐや「え? あっ、はぁ。そうですね」
白銀(あ……あれ!? 普通な反応!?)
白銀(自然な感じで遊びに行く約束ができたと思っていたんだが!?)
などと考えている白銀。
白銀(もしかして四宮とデートだからと舞い上がっていたのは俺だけだったのか!?)
48:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/24(土) 21:28:11.67
ID:ck9+9Tp40
かぐや(会長がフリーパス着けてくれた。私の手首にフリーパスを巻いてくれた)
かぐや(きっと結婚指輪を想像しながら、私の手首につけてくれたんでしょう)
かぐや(もうっ、会長ったら仕方の無いひと)
かぐや(ふふっ♪)
かぐやは白銀以上に舞い上がっていた。
かぐや(そうね。結婚式ではこの遊園地で初めて恋人繋ぎをしたエピソードも入れ込んで貰いましょう)
かぐや(チケットを忘れた私を助けてくれたのは会長! その会長の男らしさを皆に伝えてさし上げましょう)
天才少女かぐやの最高の頭脳の中では、すでに結婚式までのプロットが出来上がりつつあった。
人それを妄想と言う。
かぐや(あっ、でも、このエピソードは私と会長との秘密にした方が……)
かぐや(……二人だけの秘密。二人だけの共有……)
かぐや(ふふふっ)
49:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/24(土) 21:29:17.96
ID:ck9+9Tp40
白銀「さて、まずはジェットコースターに行くか? 定番だしな」
かぐや「え?」
白銀「もしかして、ジェットコースターは苦手か?」
かぐや「いえ、お恥ずかしい話、私あまり経験がないもので……」
白銀「実を言うと俺もだ。バイトで働いた事はあるんだが、実際に遊んだのは小 学生以来だしな」
かぐや「そういえば、前にも言われてましたね」
白銀「ああ。では、ジェットコースターに乗ってみるか?」
かぐや「ええ、お願いします」
かぐや(改めて見てみると、遊園地ってすごいのね)
かぐや(すごく大きいお城。色んな遊具。中に入れる大きなぬいぐるみ。巨大迷路。ヒーローショーまであるわね)
かぐや(バスも走っているわ)
かぐや(きっと藤原さんなら----)
かぐや「……」
かぐや(今度は生徒会のみんなや、早坂と来るのもいいですね)
かぐや(もちろん、初めて行く所は会長と二人っきりがいいですが)
50:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/24(土) 21:30:13.09
ID:ck9+9Tp40
* * *
かぐや「こ、これに乗……乗るんですか?」
白銀「……大丈夫。大丈夫だ。こういう物は確実な安全チェックがされているから、大丈夫だ」
かぐや「そ、そうですよね」
白銀「もしかして四宮は怖いのか? だったら他のに行ってもいいんだぞ?」
かぐや「またまたご冗談を。怖がっているのは会長ではありませんこと? お顔が真っ青ですわよ?」
白銀「くくっ。生徒会で色んな怖い相手と戦ってきた俺が怖いわけないだろう。四宮こそ口調が変だぞ。引き返すなら今のうちだぞ」
かぐや「ふふふふ。四宮家長女たる私がこんな遊びに怖がるなんてそんなそんな」
白銀「いやいや、俺も怖くないからな」
かぐや「ふふふ」
白銀「くくくく」
白銀(いやいやいやいや、立ちながら乗るジェットコースターとか怖いに決まってるだろ!!!!)
白銀(誰だよ! こんな危険なジェットコースター考えたやつ!)
白銀(そもそも四宮も四宮だ! 怖いなら怖いってちゃんと言えよ!!!)
51:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/24(土) 21:30:47.76
ID:ck9+9Tp40
白銀「……」
白銀(だからと言って、俺が怖いって言えば)
かぐや『お可愛いこと……』
白銀(無理無理無理無理!! 遊園地で逃げるとか男として絶対にNGだ!)
白銀「よし! 乗るぞ!」
かぐや「は、はい」
ガタンゴトン
白銀(無理無理無理無理!! 高い高い高い高い!!!)
白銀(しかも、この先に1回転とかあるんだが!!)
白銀「……」
白銀(だ、ダメだ! 気絶するな俺!)
白銀(四宮と遊園地に来れたのに気絶するとかダメすぎる!)
白銀(頑張れ俺! ここは男の見せ所だぞ!)
白銀(そうだ、四宮はどうなんだ? 四宮だって怖いはずだ!)
かぐや「」ニヤニヤ
白銀(笑ってるだとーーーーー!!!?)
52:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/24(土) 21:31:32.02
ID:ck9+9Tp40
かぐや「……」チラッ
白銀「……!!」ヒィィィ
かぐや(ふふっ。会長の顔が可笑しくて、それがまた可愛くて……。一体何に怯えているのかしら?)
かぐやは白銀しか見えていなかった。
というか、怖すぎて現実を直視できなくなっていた!
かぐや(あっ、あっちの方で蝶々が飛んでいるわね♪)
ガタン…ゴトン
白銀「ちょ、頂上に来た! お、落ちる! 落ちるぞ!!!」
かぐや「え? 落ちる? どういう事ですか……って、やあああああああああ!!!」
かぐや(無理無理無理無理無理ぃぃぃぃぃぃ!!!)
ギュッ
かぐや「え?」
白銀「おおおおおおおおおおおおおお!」
かぐや(か、会長が手を握ってきた!?)
かぐや「きゃああああああ//」
53:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/24(土) 21:32:11.59
ID:ck9+9Tp40
* * *
白銀「……」
かぐや「……」
白銀「……」
かぐや「……」
白銀「なんだこれ!」
かぐや「……」
白銀「すっごい楽しいな!」
かぐや「そうですね」
白銀「おお! 四宮も面白かったのか!?」
かぐや「ええ、すっごく」
かぐや(お可愛いこと。私が手を握っていたら、安心してジェットコースターに乗れただけだというのに)
白銀「よし! ジェットコースター全制覇するぞ!」
かぐや「はい!」
かぐや(ふふっ、本当に困った人。仕方ありませんからまた手を握ってあげますよ)
54:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/24(土) 21:32:45.68
ID:ck9+9Tp40
かぐや(って、全然握ってくれないんですが!!!)
白銀「今のジェットコースターも面白かったな!」
かぐや(くっ。一番最初に一番怖いのに乗ったせいで、他のが怖くないのか全然手を握ってくれない!)
白銀「さて次は~♪」
かぐや(もっと怖いものはないのかしら? それさえあれば、会長はもっと私を求めて……)
かぐや(怖いもの……そういえば、あれがあるじゃないですか! 怖いものの定番と言えばあれが!)
白銀「むっ。なんだかんだジェットコースターは全部制覇したみたいだな。どうする? 一度休憩でも……」
かぐや「あの建物はなんでしょう? 少し興味があるのですが……」
白銀「あ、あれは……」
お化け屋敷。
遊園地と言えばジェットコースターと観覧車に次ぐ、ド定番のアトラクション。
さらにカップルと言えばお化け屋敷は外せない存在だ。
かぐや(ふふふふ。覚悟してください会長!)
かぐや(積極的にくっついてメロメロにして差し上げましょう!!)
55:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/24(土) 21:33:17.37
ID:ck9+9Tp40
白銀(お、お化け屋敷だと!?)
お化け怖い!!
勉学に関しては非常に秀でた白銀であるが、こと非科学的な事(幽霊)に関しては苦手!
お風呂で目を閉じ髪を洗う時、背後に幽霊がいそうでドキドキするくらいなのである。
白銀(くそっ! 想像はしていた。遊園地と言えばお化け屋敷!)
白銀(だ、だが、今の俺は昔の俺じゃない!)
そう! 白銀はすでにグロ耐性を持っていた!
過去に魚を捌きたい白銀は藤原との特訓のさい、スプラッタ映画を見まくる!
これにより幽霊耐性も克服しているだろうと、いや、していて欲しいと白銀は願っていた!
56:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/24(土) 21:34:03.28
ID:ck9+9Tp40
白銀(大丈夫だ。俺はやれるやれる男だ……)
白銀「……」
白銀(も、もし、気絶でもしてみろ。その時は……)
☆妄想中~~~~~~~~~
お化け「わーおばけだぞー」
白銀「南無阿弥陀仏。南無妙法蓮華経。南無釈迦牟尼仏」ブツブツ
かぐや「……」
白銀「ハッ! べ、別に怖くなんかないからな!」
かぐや「……お可愛いこ……いえ、ドン引きです」
☆妄想終了~~~~~~~~
白銀(うわあああああああああああああああああああああ)
白銀(ダメだ! これは絶対にない! さすがに嫌われる!)
57:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/24(土) 21:34:31.57
ID:ck9+9Tp40
白銀(気合いだ! 気合い! 俺ならやれる!)
かぐや(ふふふふふ。お化け屋敷を出た時は会長が私にメロメロになってるでしょう。会長、お覚悟を!)
白銀「行くぞ! 四宮!」
かぐや「はい!」
スタッフ「お二人どうぞー」
白銀「く、暗いな」
かぐや「そうですね」
かぐや(まずはそっと手を握りましょう)
58:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/24(土) 21:34:58.93
ID:ck9+9Tp40
かぐや「……」
かぐや「…………」
かぐや「……………………」
かぐや(え? 手? わ、私から握るの……?)
体育倉庫イベントがあって以来、かぐやは自分が思っている以上に白銀の事を意識していた。
かぐや(えっ……あっ……だ、だめ……)
かぐや(ドキドキして……)
かぐや(だ、だめ! 会長に聞こえるからドキドキしないで!)
かぐや(って、そうじゃない! なんで私ドキドキしているのよーーー!!!)
59:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/24(土) 21:35:35.87
ID:ck9+9Tp40
かぐや(そもそもおかしいわ。昔、ゴキブリが出た時は抱きついたりしていたでしょう!!!)
かぐや(なんで、今になって手を握る事すらできなく……)
かぐや(手……)
かぐや(そういえば入場口で手を握って貰えた時は嬉しかった……)
かぐや(もう一回恋人繋ぎが出来れば----)
かぐや(……)
かぐや(ふふっ♪)
かぐや(って、そうじゃない!!!)
かぐや(何を考えているの私!)
かぐや(過去より今! 今を行動しない者には未来なんてないわ!)
かぐや(そう! 今頑張るのよ! 四宮かぐや!)
60:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/24(土) 21:36:13.98
ID:ck9+9Tp40
* * *
■外
白銀「……」
かぐや「……」
白銀(よし! 怖くなかった!)
かぐや(抱きつけなかったーーー!!)
白銀(というか、このお化け屋敷大丈夫か? 怖い要素なんて一つもなかったぞ)
かぐや(うぅ……。まさか手も握れないなんて……)
かぐや「はぁ……」
白銀(むっ。四宮がため息を。そうか、お化け屋敷がつまらなさすぎてため息が出たのか)
白銀(くくくく、仕方あるまい。ここは一つ)
61:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/24(土) 21:36:59.16
ID:ck9+9Tp40
白銀「そろそろお昼の時間だな」
かぐや「そうですね。レストランも多いですようです。ガイドマップによると……」
かぐや「『本場アメリカン』『マグロナルド』『鎌月うどんさん』『ハンバーグびより』『ひまさく喫茶』『和食制作部(仮)』『俺のメガネとラーメンが修羅場すぎる』『竹取喫茶』」
かぐや「などがあるようですね」
かぐや(もちろん全部下調べ済みです)
かぐや(なかでも『本場アメリカン』という場所では数名のカップルが誕生したようですね)
かぐや(そもそも店長の蛇文字という人が恋愛脳らしいですし)
かぐや(きっとそのような店長ならば、カップル用の飲み物など、会長が赤面するような食事が提供される事でしょう)
かぐや(お優しい会長の事ですから、食べたい場所は私に決めさせてくれるはず!)
かぐや(さあ、聞いてください! 『どこで食べたい?』と!)
白銀「ふむ。ではここに行くとしよう。ガイドマップで言うと……F-4あたりに」
かぐや「え?」」
かぐや(あ、あれ? え? か、勝手に決めるんですか!? というか、F-4の近くにあるのって『マグロナルド』?)
62:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/24(土) 21:37:39.27
ID:ck9+9Tp40
かぐや「……」
かぐや(あー、そうですよね。そこって安いですもんねー。もちろん知ってますよー)
かぐや(ドケチだとは思ってましたが、そーですか! そーですか! デートでもケチるんですね!)
かぐや(会長のやり方というのがよくわかりました)
かぐや(ええ、よくわかりましたとも)
白銀「実を言うと、お弁当を作ってきた。四宮が良いというならご馳走したいんだが」
かぐや「食べます♪」ニパー
かぐや(あーもう会長ったらさすがね! デートで彼氏の手作りお弁当とかポイント高いですよ♪)
かぐや(って、誰が彼女なのよ!! もう!! えへへ)
63:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/24(土) 21:38:40.55
ID:ck9+9Tp40
* * *
かぐや「ご馳走様でした」
白銀「気に入って貰えたようで何よりだ」
かぐや「ふふっ、本当に美味しかったですよ。そうです。今度は私が作ってきますね」
白銀「ふむ、それは楽しみだ」
かぐや「ええ、楽しみにしていてくださいね。こう見えても料理には自信があるので」
白銀(ふむ、ふむふむ)
白銀(……)
白銀(よっしゃあああああああああああああああああ!)
白銀(次作ってくるだと!? これはまた二人で遊びに行こうって事でいいんだよな?)
白銀(くくくく、四宮め。ここぞとばかりに誘ってきやがって……)
かぐや「~♪」
白銀「……」
白銀(四宮。美味しそうに食べてくれたな)
白銀(朝早起きして、作ってよかった。本当に……)
64:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/24(土) 21:39:14.42
ID:ck9+9Tp40
かぐや(ようやく私の手作りを会長に食べさせる事ができますね)
かぐや(会長に食べさせたら『すごく上手い! 四宮はいいお嫁さんになるな! ぜひ俺と結婚してくれ!』という事でしょう)
かぐや(まったく会長ったら求婚する前に、付き合ったり段階があるというのに……)
かぐや(……)
かぐや(本当に仕方の無いひと)クスクス
白銀「さて、じゃあ次に行くか」
かぐや「はい」
65:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/24(土) 21:39:41.61
ID:ck9+9Tp40
* * *
■スワンボート
かぐや「さっきまで騒がしかった遊園地が嘘みたいに静かですね」
白銀「湖の真ん中だしな」
白銀「勉強もバイトも忘れて、たまにはこういうゆったりした時間もいいな」
かぐや「ふふっ。そうですね。普段の会長は忙しすぎますから」
66:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/24(土) 21:40:26.30
ID:ck9+9Tp40
* * *
■パットゴルフ
白銀「く、くそぅ」
かぐや「ふふっ」
白銀「下手だからって笑う事ないだろ……」
かぐや「い、いえ。基本何でもできる会長が……お可愛い所もあるんですね」クスッ
白銀「次行くぞ! 次!」
かぐや(あらあら。まあまあ。赤くなってお可愛いこと)
67:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/24(土) 21:41:09.00
ID:ck9+9Tp40
* * *
かぐや(ああ----楽しい)
かぐや(こういうのを幸せって言うんでしょうか?)
かぐや(そうですよね。これが幸せじゃないなら、何が幸せなんでしょう)
かぐや(会長。私、すっごく幸せですよ------)
68:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/24(土) 21:42:45.63
ID:ck9+9Tp40
* * *
■射的
白銀「どうだ!」
かぐや「っ!」
白銀「さっきは負けたが、今回は俺の勝ちのようだな」
かぐや「会長が上手すぎなんですよ」
白銀「そうか」
かぐや「ええ」
白銀(ふぅ……練習しておいてよかった)
前回の夏休みにかぐやと行きたいデートプランを鬼のように考えていた白銀。
もちろん、夏祭りにありそうな射的や金魚すくいはなどは練習済み!
用意周到。それが白銀という男だ。
69:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/24(土) 21:43:18.85
ID:ck9+9Tp40
白銀「ふむ」
かぐや「?」
白銀「射的で取ったストラップ。二つセットになっているようだな。二つあってもいらないな」
かぐや「え? そ、そうですね」
白銀「ほれ、四宮に一つやろう。どうせ二つはいらないしな」
かぐや「え?」
白銀「そ、その……受け取ってくれるか?」
かぐや「……」
白銀「あっ、その……だな」
かぐや「ありがとうございます。大切にしますね」
白銀「あ、ああ。そうしてくれると助かる」
白銀(今、四宮の目に涙が……いや、気のせいか?)
かぐや(会長とお揃いのストラップなんて。私、こんなに幸せでいいのかな……)
かぐや(こんな日がずっと続けばいいのに)
70:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/24(土) 21:43:53.40
ID:ck9+9Tp40
* * *
かぐや(告白)
かぐや(もし、会長が告白してくれたら、こんな日がずっと続くんでしょうか?)
かぐや(……)
かぐや(そうだ! 告白と言ったら!)
白銀「もう夕方か。早いな」
かぐや「会長。最後にあれに乗りたいです」
白銀「ん? 観覧車か」
かぐや「ええ、乗ったことなくて、せっかくなので是非乗ってみたいです」
白銀「よし……行くか」
かぐや(ふふふ、夕焼けに観覧車と言ったら、絶好の告白スポットですよ!)
かぐや(さあ、いつでも告白してください!)
71:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/24(土) 21:44:37.45
ID:ck9+9Tp40
* * *
かぐや(って、何事もなく終わったあああああ!!?)
かぐや(え? なんで!? 今日いい雰囲気だったのに! なんで何も起こらなかったの!?)
白銀(や、やばかった……)
そうお気づきの読者も多い事であろうが。
白銀(ふぅ、観覧車とか超やばかったな。ジェットコースターで多少耐性がついていてよかった)
白銀は高い所がとても苦手である。
白銀(四宮が何か考えことをしていて、俯いていてくれたおかげで助かった)
白銀(もし、四宮が声かけてきたら、声が震えていたかもしれんしな)
白銀(……)
白銀(ま、まさか! 四宮も怖かったのか!? そういえばずっと俯いてたし)
白銀(しまった! ちゃんと気にかけてやるべきだった)
72:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/24(土) 21:45:05.83
ID:ck9+9Tp40
白銀「……四宮」
かぐや「はい?」
白銀「時間、まだ大丈夫か?」
かぐや「え?」
白銀「実を言うと、この遊園地。もう少しするとパレードと花火があるんだ。よかったら一緒に見ないか?」
かぐや「そうだったんですね。時間なら大丈夫です」
白銀「そうか。よかった」
白銀(遊園地最後の思い出が、怖かった観覧車とか最悪だしな)
かぐや(なるほど、花火を見ながら告白ですか……なるほどなるほど)ニヤニヤ
白銀「さて、時間つぶしに藤原達へのお土産でも買うとするか」
かぐや「そうですね。買った荷物はコインロッカーに預ける事もできますし」
73:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/24(土) 21:45:47.33
ID:ck9+9Tp40
* * *
■お土産買い物中
かぐや(しかし、花火の時に告白とか、会長も中々気がきいた事をしてきますね)
かぐや(ふふふふふっ)
かぐや(会長が今晩から彼氏……恋人関係に……)
かぐや(えへへへ//)
☆かぐや脳内裁判~~~~~~~~~~~~~~~~~~
かぐや(氷)「あなた何を考えているの? あの白銀御行が告白するなんてする訳ないじゃない。夢を見たらダメよ」キリッ
かぐや「え?た、確かに……。そう言われると、今までも何度も……」
かぐや(アホ)「えーでも、花火を見ながら告白とかロマンチックだと思うんだけどなー」ボケー
かぐや「た、確かに。すっごくいいと思う」
かぐや(氷)「ハァ……。議題を忘れないで、あの白銀御行という男がそう簡単に告白するわけないでしょ?」
かぐや(氷)「今回もそう思わせておいて、何もないパターンよ。あの男に踊らされてはダメ。踊らせてあげなきゃ」
かぐや「その通りだわ! 会長が私に告白するよう仕向けないと!」
かぐや(アホ)「じゃあ、私から告白しちゃおうよ」
かぐや「なんでそうなるのよーーーー!!!」
74:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/24(土) 21:46:34.58
ID:ck9+9Tp40
かぐや(アホ)「だから、告白させるのが無理だったから半年以上すぎたんでしょう?」
かぐや「そ、それは会長が奥手だから」
かぐや(アホ)「だから、私が告白するの!」
かぐや(氷)「ハァ……。それではまるで私達が屈服したみたいじゃない」
かぐや(アホ)「別にいいじゃない」
かぐや「そ、それは……」
かぐや(アホ)「だって、今日楽しかったんだもん! すっごくすっごく楽しかったんだもん!」
かぐや(氷)「ぐっ……」
かぐや(アホ)「告白して付き合っちゃえば、来週の週末だってすっごく楽しくなるんだよ。幸せになるんだよ。何がいけないの?」
かぐや「確かに……。でも、だから、会長が告白すれば全て丸く収まって」
かぐや(氷)「その通りよ。すべては白銀御行から」
かぐや(アホ)「怖いんでしょう?」
かぐや「え?」
かぐや(氷)「っ!」
75:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/24(土) 21:47:42.52
ID:ck9+9Tp40
かぐや(アホ)「私はあなただからわかる。告白して----もし振られたら……って思うと怖いんでしょう?」
かぐや(氷)「……その通りです。告白されるのが大前提ではありますが」
かぐや(氷)「それを置いておいたとしても、自分から告白はリスクが大きすぎます。もし、失敗したら四宮かぐやという人間は崩壊する」
かぐや「……そうね。会長が私を好きって確定したわけじゃないものね……」
かぐや(アホ)「でも大丈夫。きっと会長なら……あの人なら好きって言ってくれるよ」
かぐや「……会長……」
カンカン
かぐや(幼)「みんな静粛に」
かぐや(氷)「裁判長!」
かぐや「裁判長、私、どうすれば……」
76:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/24(土) 21:48:11.43
ID:ck9+9Tp40
かぐや(幼)「会長が私を好きなんて、実際にわからないんだから」
かぐや「わからないなら?」
かぐや(幼)「押し倒して、既成事実を作っちゃえばいいんじゃないかな?」
かぐや「へっ!?」
かぐや(幼)「あの会長なら責任とってくれそうだし。この辺ホテル多いし、リサーチ済みだし」
かぐや(氷)「なっ!」
かぐや(アホ)「そ、それはまだ早いんじゃ//」
かぐや(幼)「ついでに子供作っちゃえばトントン拍子に。そうだ。どうせ9人作るんだから早めに」
かぐや(アホ)「た、確かにそうだけど//」
かぐや(氷)「裁判長っ! 9人という数字は現実味がないわ!」
かぐや「えっ! つっこむ所そこなの!?」
ギャーギャーワーワー
かぐや「もうっーーーーー! 私、どうすればいいのーーーっ!」
☆かぐや脳内裁判終了~~~~~~~~~~~~~~~~
77:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/24(土) 21:48:42.90
ID:ck9+9Tp40
かぐや(そっか。そうですね)
かぐや(私、怖いんです。もし振られたらどうなるか……考えるのが……怖いんです)
かぐや(だから、会長に告白をさせようと……)
かぐや(……)
78:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/24(土) 21:49:14.53
ID:ck9+9Tp40
* * *
■パレード
白銀「すごいな。テレビでは見た事があったが、実物は全然違うな! おっ、ぬいぐるみが手を振っているぞ」
かぐや「ふふっ。会長ったら子供みたいに、はしゃいで」
白銀「し、仕方あるまい。この雰囲気で、はしゃがない人間などいないだろう」
かぐや「そうですね。私も楽しいです」
白銀「だろうだろう」
かぐや(違います)
かぐや(もしこれが『会長と見た』のではなく、『他の人と見た』パレードだったら、これほど楽しかったでしょうか?)
かぐや(会長……。私、会長と一緒だから楽しいんですよ?)
かぐや(……)
かぐや(会長。私、決めました。私----)
79:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/24(土) 21:49:53.68
ID:ck9+9Tp40
* * *
■花火
\ドーンドーン/
かぐや「花火……綺麗……」
白銀「ああ、綺麗だ」
かぐや(うぅ……。ドキドキしてきた……)
かぐや(え? 告白ってこんなに勇気がいるものなの?)
かぐや(今日一番……いいえ、人生において一番ドキドキしているかも……)
かぐや(や、やっぱり告白なんてやめた方が----)
かぐや(逃げたらダメ!!)
かぐや(そうよ! 私は四宮かぐや! 国の盟主とも謳われた四宮家長女なのよ!)
かぐや(逃げたらダメ!!!)
80:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/24(土) 21:50:23.19
ID:ck9+9Tp40
かぐや「会長……。その大切なお話があります」
白銀「ん?」
かぐや(早坂。力を貸して!!)
白銀「そうか。実を言うと、俺も四宮に大切な話があるんだ----」
かぐや(え?)
白銀「ちょうど同時に大切な話とはな」
かぐや(会長。すっごく優しい顔をしている……。も、もしかして、会長も?)
81:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/24(土) 21:50:55.48
ID:ck9+9Tp40
かぐや「……ふふっ。私達、似た者同士なのかもしれませんね」
白銀「まったく困ったことにな」
かぐや「では、会長からどうぞ」
白銀「いや、四宮からいいぞ」
\ドーンドーン/
かぐや「では、同時に言うのはどうでしょう?」
白銀「そうだな」
かぐや(会長も同じ結論に? ……根拠はないけど、たぶんきっとそうなんだと思う……)
かぐや(同じ事を感じて、同じ考えでいてくれて、同じ結論になってくれて……)
かぐや(もしこの想像が本当なんだとしたら----。すごく嬉しいです。嬉しいですよ。会長)
82:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/24(土) 21:51:30.14
ID:ck9+9Tp40
\ドーンドーン/
白銀「俺、白銀御行は」
かぐや「私、四宮かぐやは」
かぐや(花火が鳴っているのに……相手の声以外……何も聞こえない)
白銀「四宮かぐやの事が!」
かぐや「白銀御行さんの事が!」
かぐや(あっ、ダメ。頭が真っ白になっていく----)
かぐや・白銀「好---- 藤原「かぐやさーん。会長ーーー」」
白銀「へ?」
かぐや「え?」
かぐや(えええええええええええ!!!)
藤原「まったく、ようやく見つけましたよ」
かぐや(……絶許)
83:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/24(土) 21:53:04.82
ID:ck9+9Tp40
藤原「パレードに合わせて入場したのですが、全然みつからなくて! もうどこにいたんですか!」
白銀「いや……そんな事を言われてもな……。ん? あっちにいるのは石上達か?」
藤原「ええ、みんなで来ました。さあ、花火を楽しみましょう!」
かぐや(この女……。もしかして、会長が取られると思ったから邪魔してきたんじゃ)
かぐや(そうです! そうに決まっている! そうじゃないとタイミングが良すぎます!)
藤原「えへへ。かぐやさんと一緒に遊園地。私の夢が叶いました」
かぐや「あなた……、夢は私を笑わせる事じゃなかったの?」
藤原「ダメですよ。常に向上心をもたないと。夢はどんどん増えていくものですよ」
かぐや「……そう」
藤原「なので今度の夢は、かぐやさんと一日中遊園地で遊ぶことです♪」
かぐや「まったく……強欲なのね。あなたは」
藤原「えへへ~」
かぐや(……)
かぐや(正直許したくありませんが、まぁ、許してあげましょう。なぜなら今の私は機嫌がいいんです)
かぐや(……)
かぐや(それに最後は聞こえませんでしたが、会長の気持ちがわかりましたし)
かぐや(ふふっ♪)
84:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/24(土) 21:54:20.82
ID:ck9+9Tp40
白銀「はぁ……。まったく……」
かぐや「会長」
白銀「ん?」
かぐや「また遊びに来ましょうね」
白銀「え?あ、ああ」
かぐや「その時に----先程の続きよろしくお願いしますね」ボソッ
白銀「あっ、あ、ああ」
かぐや(会長、今度は邪魔が入らない所での告白楽しみに待ってますね)
かぐや「では、藤原さん行きましょう」
藤原「はい。実を言うと、とても良い花火スポットをさっき見つけて」
かぐや「いいですね。さっそくそこに行きましょう」
85:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/24(土) 21:55:39.89
ID:ck9+9Tp40
白銀(……)
白銀(…………)
白銀(……………………)
白銀(うわああああああああああああああああああああああああああ!)
白銀(やった!やった! 最後は聞こえなかったが、四宮は『好き』って言ってくれたはず!)
白銀(いや、まぁ、俺に惚れるのは仕方がないが……)
白銀(そうかそうか)
白銀(やはり俺の方針は何も間違っていなかった!)
白銀(雰囲気さえ作れば四宮から告白してくれる!)
恋人たちの間にも明確な力関係が存在する事を、かぐやと白銀は知っていた!
そう!恋愛は戦!
白銀(くくく。四宮からの告白楽しみだ)
かぐや(ふふっ。会長からの告白楽しみですね)
好きになった方……先に告白した方が負けなのである!
86:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/24(土) 21:56:36.93
ID:ck9+9Tp40
■その日の夜
早坂「……え?」
かぐや「というわけなの。ふふふふふ。これで会長が告白してくるのも時間の問題ですね」
早坂「いえ、かぐや様から告白すれば……」
かぐや「何を言っているの。会長に私の気持ちは伝わったのよ」
かぐや「成功するとわかれば告白するに決まってます」
かぐや「さあ、会長! いつでも告白してください!」
早坂「はぁ……」
かぐや「どうかしたの? ため息なんて……」
早坂「いや、バカだなーと思いまして」
かぐや「え!? バカ!? どういう事!?」
早坂「いえ、まぁ、会長さんの事を好きって認めただけ、成長したのかもですね」
かぐや「え!?」
早坂「え? 好きなんでしょ? 会長さんに言ったんですよね?」
かぐや「す、す、す」
早坂「?」
かぐや「好きなんかじゃないからーーーー!!!!」
本日の勝敗
両者敗北
敗因・まるで成長しなかった
終わり
87:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/24(土) 21:57:19.69
ID:ck9+9Tp40
■おまけ①
スタッフ「こちら入場時に撮影した記念写真になります。はい、二人分ですね」
かぐや「え? あっ、はい」
白銀「そういえば撮ったんだったな」
スタッフ「はい。確かにお渡しましたので」
かぐや「……」
白銀「……」
かぐや(ふふっ。写真の会長ったらこんなに赤くなっていたんですね。お可愛いですよ)クスッ
かぐや(ずっと大切に保管しておきましょう。いえ、家宝ですね。何と言っても会長と念願のツーショットなんですから……)
白銀(夢にまで見た。四宮と二人っきりの写真)
白銀(やばい。やばい! ニヤニヤしそうでヤバい!)
白銀(ここでニヤニヤしたら四宮に誤解される! いや、誤解されるも何も、もう告白まがいな事までしたんだが)
白銀(いや、ダメだ! ここで弱い所は見せられん!)
白銀(うおおおおお! 頑張れ俺! ニヤニヤするな!!)
88:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/24(土) 21:58:30.56
ID:ck9+9Tp40
かぐや「写真大切にしますね」
白銀「ああ、俺もだ」
藤原「どんな写真撮ったんですか? 私にも、私にも見せてください!」
クシャッ
白銀・かぐや「」
藤原「ど、どうしたんですか? 二人とも写真が入った封筒をクシャクシャにして……」
かぐや「え? あ、あの……その……」
白銀「ぴ、ピンボケだ。ちょっとひどくピンボケしてたから、捨てようと思ってな」
藤原「そうなんですか。残念です」
白銀(うっせええええええ! 残念なのはこっちの方だあああああ!!!)
かぐや(うううううううううううううう! せっかくの家宝なのにいいいい!!!)
89:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/24(土) 21:59:19.53
ID:ck9+9Tp40
■おまけ②
かぐや「ふふっ……ふふふっ」ニヤニヤ
早坂(あーあ、また会長さんとお揃いのストラップを嬉しそうに眺めて……)
早坂(……)
早坂(よかったですね。かぐや様にとって良き日であって)
かぐや「~♪」
本当の本当に終わり
90:
◆xW69XHZIXl2A 2018/02/24(土) 21:59:59.88
ID:ck9+9Tp40
これにて終わりになります。
読んでくれてありがとうございました!
また機会があればよろしくお願いします!
元スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1518879132/
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