1:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/04/24(月) 19:30:12.09
ID:UtzcqAEh0
フェネック「アライさんにそんなひどいことしないよー……」グスグス
アライグマ「えっ、あ」
フェネック「なんでそんなこと言うのさー……」ベソベソ
アライグマ「ふぇ、フェネック……」
フェネック「……」チラッ
アライグマ「うぅ……フェネック…………」
アライグマ「ご、ごめんなさいなのだ……疑って、悪かったのだ……」
フェネック「……」
アライグマ「確かによく考えれば、フェネックがこんなひどいことするわけなかったのだ……」
アライグマ「アライさんが寝てるあいだに」
アライグマ「アライさんの……アライさんのっ……ぅ、うぅ」プルプル
フェネック「よしよーし、大丈夫、大丈夫だよー」ギュッ
2:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/04/24(月) 19:30:44.07
ID:UtzcqAEh0
フェネック「いたかったねー……よしよし」サスサス
アライグマ「んひっ!? やめっ、そこさわっ、さわっちゃだめなのだぁっ!」
フェネック「ここ……? ここがいたいのかなー」クニクニ
アライグマ「ぃあぁ!! やみぇっやめるのだぁ!!」ガクガクッ
3:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/04/24(月) 19:31:34.51
ID:UtzcqAEh0
アライグマ「うぅ……」グス
フェネック「ごめーんよー」
アライグマ「……いいのだ。フェネックは、アライさんのことを、心配してくれて……」
フェネック「まあねー」
アライグマ「でも、無理 矢理アライさんの……をさわっちゃ、だめなのだ……こわかったのだ……」
フェネック「うんうん、そうだねー。……でも」
アライグマ「……フェネック?」
フェネック「アライさんがひどいことされて、傷になってないか、気になるしさー」ガシッ
アライグマ「ふぇ、フェネック!?」
フェネック「脱いで」
アライグマ「」
4:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/04/24(月) 19:32:21.79
ID:UtzcqAEh0
アライグマ「あーっ!! やめるのだ! フェネック!! やめるのだやめるのだ!! フェネッ……ああぁ!! だめっ、やなのだ! やなのだぁー!!」
フェネック「傷を、か、確認しとかないとさぁ……ケガ、してたら……手当てしないとー」
アライグマ「いらない!! 手当ていらないのだぁっあ! 大丈夫らかりゃあっあっあ!!」
フェネック「アライさっわたしのアライさんが、けがっ……けがされてないか、た、たしかめっ」ハァハァ
アライグマ「ひぃいい!!? や、やめっ……やめっ」
アライグマ「やめるのだぁあああ!!!」ドンッ
フェネック「!!?」
ゴロゴロゴロッ
ドカッ
フェネック「」キュウ
5:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/04/24(月) 19:33:01.24
ID:UtzcqAEh0
アライグマ「ふぇ、フェネック!? だ、大丈夫なのだ!? 木に頭を打ったのだ! しっかりするのだ! 突き飛ばしてごめんなさいなのだ……だからしっかり」
フェネック「ふ、ふへへぇ……アライさんのひざまくらぁ」スリスリ
アライグマ「」
アライグマ「フェネックなんて……フェネックなんてっ…………もう知らないのだぁあーーーっ!!!」ダッ
フェネック「あっ」
6:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/04/24(月) 19:34:11.13
ID:UtzcqAEh0
……
あらいぐまやく おのさきおねえさん
かな(ふぇねっくやく)は、愛が重いんですよ……
何の脈絡もなくいきなりLINEで「アライさんかわいい!」って送ってきたり
雑誌のインタビューで自分の役作りの話なのに「ちゃんさきに引っ張ってもらいました!」とか言ったり
……「ちゃんさきに飼われたい」ってなに?
誰に飼われたいですかって質問の回答?
そんな質問答えなくていいから……
……え?
私もニコラジで、一番好きなフレンズは?って質問でフェネック!って答えてた?
…………おぼえてなーい
わすれちゃったー
しらないしらないしらなーい
7:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/04/24(月) 19:34:50.28
ID:UtzcqAEh0
……
アライグマ「……」
アライグマ「…………」
アライグマ「どこなのだ……ここ…………」
8:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/04/24(月) 19:36:21.41
ID:UtzcqAEh0
ケーッ
バサバサバサッ
アライグマ「」ビクッ
アライグマ「と、鳥……? び、びっくりしたのだ……」
アライグマ「まわりは木と葉っぱがいっぱいで……よく見えないのだ……」
アライグマ「うぅ……最初にばすがあったっていうじゃんぐるちほーに来てみたけど……こんなところでフェネックと離れるべきじゃなかったのだ……アライさん、かんぜんにまいごなのだぁ……」グスッ
アライグマ「まんまるないし……帰り道もわかんないのだぁ……」ベソベソ
ガサガサッ
アライグマ「! フェネック!? さ、さっきは悪かったのだ! フェネックを置いてったりして悪かったのだぁ! だからっ……ぅう、だからぁ」
タスマニアデビル「ばぁーーー!!」
アライグマ「ぴぎゃぁああーーーーーー!!?!」
タスマニアデビル「タスマニアデビルだぞー! ……って、ありゃ?」
アライグマ「」
タスマニアデビル「おーい、しっかりしろー。おーい……」
9:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/04/24(月) 19:37:20.76
ID:UtzcqAEh0
アライグマ「はっ……な、なんだったのだ、今の」
タスマニアデビル「あ、起きた」
アライグマ「……? どちらさまなのだ??」
タスマニアデビル「タスマニアデビルだぞー。そんなにこわかったかー?」
アライグマ「え……? いや、ちょっとびっくりしただけなのだ……」
タスマニアデビル「そ、そう……」
アライグマ「むしろかわいいのだ。なでていいのだ?」
タスマニアデビル「えぇー……デビルって、悪魔って意味なんだぞ……」
アライグマ「あくま? くまさんなのだ? アライさんは、アライグマなのだ! ちょっと似てるのだ!」
タスマニアデビル「似てないぞ」
アライグマ「そんなことないのだ! このなでくりまわしたくなる感じのかわいさもそっくりなのだ」ナデナデ
タスマニアデビル「ちょっ、やめろって!」
アライグマ「あぁーいやされるのだー……かわいいのだー」ナデクリナデクリ
タスマニアデビル「やめっ……この……うぅう…………」
10:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/04/24(月) 19:38:34.43
ID:UtzcqAEh0
アライグマ「だいぶ落ち着いたのだ。ありがとうなのだ」
タスマニアデビル「……まったく。まぁ、おどかしたのは悪かったし、このぐらいいいけど。……それはそうとさ、アライさ、さっきフェネックって呼んでたろ」
アライグマ「えっ……よ、呼んでないのだ」
タスマニアデビル「うそつけ絶対呼んでたぞ」
アライグマ「なんで呼ぶ必要なんてあるのだ!!」
タスマニアデビル「アライさ、迷子なんでしょ。有名だぞ、世話焼きのレズキツネに面倒見てもらってるタヌキがいるって」
アライグマ「アライさんはタヌキじゃないしフェネックはレズじゃないのだーっ!!」
タスマニアデビル「はいはい。で、なんで一人なんだ」
アライグマ「ぅ…………じつは」
11:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/04/24(月) 19:39:08.70
ID:UtzcqAEh0
……
タスマニアデビル「やっぱレズじゃん」
アライグマ「レズじゃないのだぁー!!」
タスマニアデビル「でも、そんなことされて」
アライグマ「普段は絶対! フェネックはアライさんが嫌がるようなことしないのだ!!」
タスマニアデビル「でも、されたんでしょ?」
アライグマ「それは…………きっと、なにかじじょーがあったのだ……昨日も、ツタにぐるぐるに絡まったアライさんを助けてくれるとき、やけに体じゅうあちこち触られたし……おかしかったのだ……」
タスマニアデビル「ふぅん………………それって、もしかして……」
12:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/04/24(月) 19:40:02.42
ID:UtzcqAEh0
……
フェネック「……はぁ」
フェネック「なんであんなこと……そりゃ、アライさんの泣き顔は大好きだけどさー…………」
フェネック「傷つけたいわけでも……嫌われたいわけでも…………ないのに」
ガサガサッ
フェネック「! アライさん? アライさーん……?」
大セルリアン「……」ノソッ
フェネック「!! セルリアン……! それも、おーきいねー……」
大セルリアン「……」ヒュバッ
フェネック「くっ……一人じゃ、きびしいかなー…………アライさん……」
ズガァッ!
フェネック「うっ……! このままじゃあ……」
ダダダダダダダッ……!
フェネック「!? この全力疾走の音……アライさっ」
ラーテル「うおぉおぉぉおおおおおおおお!!!」バッ
ラーテル「アタシっ!! 参上!!!!」バーーンッ!!
フェネック「…………えっ」
13:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/04/24(月) 19:42:31.93
ID:UtzcqAEh0
ミツオシエ「この先ですよーラーテルさーん」
ラーテル「おっしゃー! 蹴散らしていくぜ!!」
大セルリアン「……」ヒュオッ
ラーテル「おりゃあああ!!!!」
フェネック「あんな大きいセルリアンに真正面から……すごいねー」
ミツオシエ「いけいけ頑張れラーテルさーん!」
フェネック「こっちの子は応援してるだけなのかー……」
ラーテル「おらおらおらおらおら!!!」ドガッ! バキッ!!
大セルリアン「……!」
ラーテル「そこだぁあああ!!! おらぁあああ!!!」
ドガァッ!!!
パカァーーーーンッ!!
ラーテル「…………牙が鋭い方が勝つ……それだけだぜっ」
14:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/04/24(月) 19:43:35.47
ID:UtzcqAEh0
フェネック「……ひゅー」
ミツオシエ「さっすがラーテルさん!! 恐れ知らずのラーテルさん! かっくいー!」
ラーテル「よせやい。これがアタシの普通だぜ」
ミツオシエ「いやーでも、セルリアンに『勇気』を取られたときはどうなるかと思ってたけど、復活してよかったです」
ラーテル「アタシの勇気は底なしだからな! ちょっとセルリアンに奪われたって、おくびょうかぜに吹かれたりしない!」
フェネック「あのさー、そこのお二人さーん」
ラーテル「ん? なんだ、アタシ達に何か用か?」
フェネック「勇気を奪われたって……いったいどういうことなのかなー」
ミツオシエ「あぁ、セルリアンは、フレンズの記憶を奪うのみでなく、そのフレンズの持つ輝きを奪うこともあるんです」
フェネック「輝きを……?」
ミツオシエ「えぇ、フレンズだけでなく、物や場所からも。……そして輝きを奪われると、あらゆるものが無価値で面白味のないものになってしまうんです」
フェネック「へぇー……セルリアンにはそんな力も……」
ミツオシエ「輝きを奪ったセルリアンは、その輝きに応じて姿形を変えるんです。……ずっと昔には、人間の兵器や武器から輝きを奪い全てを無力化した上、より強力な兵器型セルリアンが大量に出現したこともあったとか」
15:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/04/24(月) 19:44:23.28
ID:UtzcqAEh0
ラーテル「ま、アタシは自力で輝きを、勇気を取り戻したけどなっ!」
ミツオシエ「なに言ってるんですかー、布団にくるまって三日三晩『こわいよー……おそとこわいよー』って泣いてたのを、私が蜜をあげて看病しながら、ずっと励ましてあげて、やっと立ち直れたのにー」
ラーテル「わー!! わーー!! それは言うなって!!」
ミツオシエ「あはは! さーさー行きますよ。特製蜜ジュースの材料はこっちです!」
ラーテル「お、おう! ……じゃーな! お前も心の大切なトコ、奪われないよう気をつけろよ!」
フェネック「はーいよー……」
フェネック「……輝きを奪う……セルリアン」
16:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/04/24(月) 19:46:01.07
ID:UtzcqAEh0
……
アライグマ「フェネックー! どこなのだー!」
アライグマ「うぅん……そもそもここはどこなのだ……フェネック…………」
ガサッ
アライグマ「!」
フェネック「……」
アライグマ「フェネック! 置いていって悪かったのだ! ……って、フェネックけがしてるのだ!?」
フェネック「あー、だいじょうぶだよー、あらーいさーん」
アライグマ「アライさんがフェネックを一人にしてしまったせいなのだ……けがを見せるのだ! 洗ってやるのだ!」
フェネック「じゃーたのむよー」
アライグマ「……? フェネック、自分の爪でけがしたのだ?」
フェネック「あー、ちょっと、うっかりねー」
アライグマ「……フェネック、アライさんのこと、怒ってないのだ?」
フェネック「おこってないよー。あらいさんのことだからねー」
アライグマ「…………違うのだ」
フェネック「?」
17:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/04/24(月) 19:46:53.37
ID:UtzcqAEh0
アライグマ「フェネックは、アライさんが突っ走って失敗したときは、ちゃんとしかってくれるのだ。……いったいだれなのだ!!?」
フェネック?「……」
ヒュオッ!
アライグマ「わわわぁっ!?」
ガキィンッ……!
フェネック「アラーイさーん。だいじょうぶかーい?」
アライグマ「ふぇ、フェネック!!」
セルリアン「ぅ、あ、あら、ぃ、さ」
フェネック「返して、もらーう……よっと!!」シュバッ!!
ザシュッ!
パカァーーーーンッ!!
18:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/04/24(月) 19:48:15.49
ID:UtzcqAEh0
アライグマ「……フェネック」
フェネック「気をつけてよーアライさーん。わたしじゃないって気づいたなら、すぐに離れなきゃー」
アライグマ「フェネック!」ギュッ
フェネック「わっ……」
アライグマ「置いてってごめんなさいなのだ……」
フェネック「こっちこそ、ごめんねアライさん。……でも、迷子にはならないようにしなよー」
アライグマ「うんっ……」
フェネック「……ところで、どーしてわたしじゃないって気がついたのかなー?」
アライグマ「右腕に、フェネック自身の右手の爪跡がついてたのだ。あれがフェネックなら、そんなことはありえないのだ!」
フェネック「はぁー……なるほどねー。ほんとにすごいや」
フェネック「……アライさんにしては、いやに冴えてる気もするけど」
アライグマ「なにぃ! どーいう意味なのだー!」
フェネック「じょーだんだよー」
アライグマ「うぬぬ……」
19:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/04/24(月) 19:48:59.63
ID:UtzcqAEh0
アライグマ「……フェネック」
フェネック「なーにー、アライさーん」
アライグマ「これからは、フェネック一人の時間も作るのだ」
フェネック「……?」
アライグマ「だからっ」
アライグマ「た、ためこまずに、たまには発散するといいのだ! アライさんと一緒だと、その……い、いろいろ、できなくて苦しいんだろうって……!」
フェネック「」
20:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/04/24(月) 19:49:55.07
ID:UtzcqAEh0
フェネック「……誰かに聞いたの?」
アライグマ「……タスマニアデビルが言ってたのだ」
フェネック「…………」
アライグマ「フェネック?」
フェネック「大丈夫だよー」
キュッ
フェネック「こうして、たまに手をつなげれば、わたしはそれで満足だからさー」
アライグマ「……そうなのだ? ……ならよかったのだ!! じゃーあらためて」
アライグマ「まんまる、見つけるのだー! おー!」
フェネック「おー」
それから少しして、アライさんから『とある輝き』を奪ったセルリアンと二人が出会うのは
また別のおはなしです。
おわり。
21:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/04/24(月) 19:52:34.78
ID:UtzcqAEh0
PPP「ぺぱぷ予告!!!」
コウテイ「今週はアライについて予習するそうだ」
イワビー「アライ?」
ジェーン「アライさんのことでしょうか」
プリンセス「確か、アライグマだったわよね」
コウテイ「いや、アライとは、正確にはストレートアライ、と言って、性的少数者に理解を示し受け入れるノンケ、のことらしい」
イワビー「あー」
フルル「ねーみんなーノンケってなにー」
イワビー「なんだろうなー」
フルル「……」
イワビー「……なんだよその目は」
ジェーン「……」
プリンセス「……」
コウテイ「……」
イワビー「なんなんだよーーーっ!!! もぉーーーーっ!!!」
次回、ゆりっぷる
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http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1493029810/
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