1:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/17(金) 15:09:04.98
ID:jTJ1tnddo
注意点
・地の文たくさんあります
・anotherの延長線上の話ですが読んでなくても平気だと思います
・後半いちゃこら成分マシマシです
2:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/17(金) 15:10:34.78
ID:jTJ1tnddo
窓を水滴が伝い流れ落ちた。
仄暗い空から雪の成れの果てがさあさあと降り注ぎ、静かな部屋に自然の音を運ぶ。
昼以降になってから急に雲が辺りを覆い始め、降りだすまでに時間はそうかからなかった。時期が時期とはいえ、朝見た天気予報では言及されておらず完全な不意打ちの格好だ。
折り畳み傘を持ってきておいてよかった。備えあれば嬉しいなとはよく言ったものだ。随分な口語なのが不思議だが先人の言葉にはやはり深みがあるな。
じっとしていても湿り気を帯びて不愉快さを増した空気が肌にまとわりつき、参考書を眺める集中力を際限なく奪う。この季節特有のジメジメ攻撃はうっとうしいことこの上ない。攻撃はその後も休むことなく俺に追い討ちをかけ続け、ついに本に落としていた目を上げることになった。
そもそも頭の中心にはここ数週間ほど同じ悩みがどーんと鎮座しており、それが理由で集中できていないのはわかっていたのだが。