仲上眞一郎「ミニスカ比呂美サンタ……」湯浅比呂美「眞一郎くんのスケベ」

2021-01-29 (金) 12:01  その他二次創作SS truetears   0コメント  
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/12/23(水) 21:14:06.45 ID:c1SlKGgsO

高校1年の冬に起こった出来事は丸1年経った今でも色褪せることなく、俺の中で思い出となり鮮やかに思い返すことができる。

麦端まつりの花形としてこの小さな麦端町で舞っていたことは、もう過ぎ去った過去のことでしかないのに、同じ時期に交際関係にあった石動乃絵の声や、仕草や、あどけない表情はそう簡単に忘れられそうになかった。

最終的にというか、最初から俺は湯浅比呂美のことが好きで、にも関わらず乃絵を巻き込んだというか、巻き込まれたことについては申し訳なく思っているけれど、乃絵の存在が俺と周りの人間関係を大きく動かす結果に繋がっていることは紛れもない事実だった。

石動乃絵。
かなりの変わり者で不思議な少女。
人付き合いが下手くそで、可愛がっていた鶏が縁で、俺は彼女と親しくなった。

なし崩し的に交際関係に発展し、破局し、お互いに傷ついて、今は距離を置いている。

たまに校内で見かけると目で追ってしまう。
また根も葉もない噂を立てられていないか。
また木に登って下りれなくなっていないか。

そんな俺の心配は杞憂であり、乃絵はあれから友達を作って楽しくやっているようだ。
そのことに安堵すると同時に一抹の寂しさを覚える自分の過保護さの理由を考えてみる。

考えるまでもない。
俺は石動乃絵のことが、好きだった。
あの時あの瞬間、乃絵のことが好きだった。

「また女の子のこと考えてる」

そのことは比呂美にはお見通しらしく、すぐに勘づいて、こうして半目で睨まれる。




石動乃絵「しんいちろーのお尻の中にもあぶらむし~」仲上眞一郎「やめてくれ!」

2019-07-23 (火) 00:07  その他二次創作SS truetears   0コメント  
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/30(日) 23:22:15.86 ID:ZOjUA0V2O

麦端高校に通う、高校一年生である仲上眞一郎を取り巻く環境は、少々複雑だ。

酒蔵を営む家系のひとり息子であり、両親と3人で暮らしていた頃は至って平凡な暮らしをしていたのだが、一年前のある日、両親を亡くして身寄りが居なくなった湯浅比呂美と同居するようになってから、普通ではなくなった。

というのも、眞一郎は幼馴染とも呼べる比呂美のことを、密かに意識していたからだ。

長い艶やかな黒髪が特徴的な比呂美は美人であり、且つ成績優秀という才色兼備な優等生であるにもかかわらずそれを鼻にかけた様子もないところが周囲の好感を集め、眞一郎も周りと同じくそんな比呂美に好意を抱いていたのだ。

そんな存在と一つ屋根の下で暮らすことを、悪友である野伏三代吉はしきりに羨ましがっていたが、当事者からすると嬉しくもなんともない、というのが現状であり、現実だった。

「あ、おはよ」
「うん。おはよう、眞一郎くん」

朝起きて、顔を洗おうと洗面所の扉を開いた眞一郎は、先に顔を洗っていたらしいパジャマ姿の比呂美と出くわし、固まってしまった。

一緒に暮らしているからと言って、比呂美のパジャマ姿をいつも拝める関係性ではないので、眞一郎としては嬉しいやら、気まずいやら。

「ごめんなさい。洗面台、使っていいよ」
「い、いいよ。ゆっくり使えば」
「私はもう済んだから」

また、比呂美はごめんなさいと口にした。
それが堪らなく不憫に思えて、憤りを覚える。
他人の家の中で肩身の狭い思いをして、小さくなっている彼女を見るのが、眞一郎は辛かった。