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以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/05(日) 16:34:47.37
ID:lKXwV95n0
レンタルマギカのクロスと称して主に魔神柱について振り返ったり振り返らなかったりするSSです。
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以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/05(日) 16:37:08.02
ID:lKXwV95n0
人理修復を果たしたカルデアに、一本の連絡が入る。
「協会からの、査察……ですか?」
内容を受けてマシュ・キリエライトの声には僅かばかりの不安が混じっていた。
「ああ。世界がやっとこさ元に戻ったばっかりで、まだ魔術協会も混乱してるものだと思っていたんだけどねぇ」
ダ・ヴィンチちゃんも、口調こそいつもと変わらないものの戸惑いを隠せないようだ。
人理継続保証期間カルデアは、魔術王を名乗るモノを倒し、焼却された歴史を元に戻したばかりである。
1年間、消失していた世界が元に戻ったということで、どこもかしこも大慌てである。
一方で、消失した1年を知るこのカルデアは外部からの手が入ることが予想されていた。
「まぁ、魔術協会の人間が直接来るわけじゃないみたいだけどね。あくまで先遣隊と言うか、前座の前座ってとこかな」
「……どういうことですか?」
「どうにも、さてどう動くかと決めかねている協会で、さる魔術結社の首領が手を挙げたらしい。
そしてその上げた手をそのままぐいと隙間に突っ込んだとか」
「では、その結社の方がいらっしゃる、と」
「そそそ。だから横合いから殴られた気分で、協会側も難色を示しているとかななんとか。
外と連絡とってるスタッフからのまた聞きだけどね」
「しかし……いったいなぜそこまでして」
「その魔術結社の由来が由来だからね。一番早く動けたんだろうし、一番早く動きたいんだろう。なにしろ――」
そこに一人の少年が駆けつける。
世界を救った立役者。
多くの英霊と絆を結び、最後まで戦った少年。
「――すんません!遅れました」
「おはようございます。先輩」
「ちょうどよかった。これからカルデアに来る魔術結社と、その首領の話をしようと思っていたところでね?」
「へ?」
「カルデアに査察に来る結社の名は〈ゲーティア〉。首領アディリシア・レン・メイザース率いる、ソロモン王の魔術に特化した魔術集団だ」