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以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/01/23(木) 02:28:52.86
ID:VkxCchnrO
父の高須竜児と母の高須大河は高校生の時に出会い、大恋愛の末に結婚して、私が生まれた。
「いよいよ明日から高校生だな、松姫」
「うん、そうだね……」
「なによあんた、シャキッとしなさい!」
2人の愛に育まれながらスクスク育った私は明日、高校生となる。父や母の期待が重かった。
やけに嬉しそうな父は定食屋を営んでおり、入学前夜の献立は腕によりをかけて豪華な晩餐をこしらえ、私の好物ばかりが揃っていた。
「ほら、松姫。あんたの好きな竜田揚げよ」
気を利かせた母が竜田揚げを箸で掴みこちらに見せつけてから、何故かぱくりと頬張った。
「おいしーい! さっすが私の旦那ね!」
「大河。そこは娘に食わせてやるところだろ」
「おっと。私としたことが、遺憾だわ」
この阿呆らしいやり取りからもわかる通り、結婚から15年ほど経つというのに両親は仲睦まじく、娘としては他所でやれとゲンナリしつつも、不仲よりはよっぽどマシだと思った。