11:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/29(月) 22:13:49.37 ID:
bwmQKZX7T
10:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/29(月) 22:13:41.34 ID:nySd/U14O
いもスレは文化
14:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/29(月) 22:28:25.94 ID:
bwmQKZX7T
妹「今日は母の誕生日なんですよ」
兄「……」
妹「ケーキを焼きましょう!ね?材料もありますし」
兄「……わかった」
妹「ありがとうございます!」
兄「……」
15:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/29(月) 22:38:43.58 ID:
bwmQKZX7T
妹「兄さんごめんなさい、動物柄のエプロンしかなくて……無地のを買っておけばよかったですね」
兄「かまわん、作るのには支障はない」
妹「でも兄さんの服のサイズが私と同じで大丈夫でよかったです」
兄「……」
妹「さぁ、卵を割りましょう!」
兄「……(このエプロン、かすかに妹の匂いがする)」
妹「兄さん、どうしたんですか?」
兄「いや、なんでもない」
16:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/29(月) 22:46:27.04 ID:
bwmQKZX7T
妹「ええっと次は……オーブンに…っっきゃ!!」
兄「!」サッ
妹「……!あ、ありがとうございます!!助かりました!」
兄「……」
妹「……あ、もう離してくれて大丈夫です、一人で立てます」
兄「……そうか」
妹「さぁ焼きますよー!」
19:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/29(月) 22:54:36.39 ID:
bwmQKZX7T
妹「わぁ!兄さん飾り付け上手!」
兄「別に普通だ」
妹「まるで母さんみたいです!きっと母さん喜びますよ!」
兄「……そうか」
妹「母さんの前まで持って行きますね」
兄「……ああ」
21:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/29(月) 23:02:30.30 ID:
bwmQKZX7T
妹「ハッピバースデー母さ~ん、ハッピバースデー母さ~ん」
兄「……」
妹「あ、母さん笑いました!」
兄「……写真が笑うわけ無い」
妹「いいえ、絶対笑いました!」
兄「…そうか、悪かった」
妹「あ、謝ることないですよ!……さぁ、一緒に火を消しましょう」ふー
兄「……(妹の息吹を感じる)」
妹「もう!私だけはしゃいで恥ずかしいじゃないですか!」
兄「……ケーキ食うぞ」
24:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/29(月) 23:14:44.28 ID:
bwmQKZX7T
妹「……兄さん、ラジオ付けてもいいですか?」
兄「ちょっと待ってろ……大丈夫だ」
妹「……」
ラジオ「先週行方不明になった兄さんと妹さんの行方は今だつかめておりません
二人の父親の父さんと義母の義母さんは大変心配しています
目撃情報のある方はこちらまでご連絡を……」
妹「もう二度と戻らない、あんな場所」
兄「……」
妹「兄さんと母さんだけを信じてます」ぎゅっ
兄「(かすかにケーキの香りがする)」
27:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/29(月) 23:23:17.93 ID:
bwmQKZX7T
妹「兄さんが私の居場所を見つけて助けてくれなければ今頃私は自殺か義母を殺してました」
兄「……」
妹「いったいどうしてわかったんです?」
兄「匂い」
妹「え?」
兄「……家族の絆だ」
妹「……兄さん、そんな言葉///」
兄「らしくなかったな……悪かった(本当は匂いを辿って見つけたとか言えない)」
25:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/04/29(月) 23:16:30.38 ID:gjg8kU9D0
おっと …
28:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/29(月) 23:25:23.65 ID:8CYro/hr0
空気は読めるんだ
29:
>>26死んでるよ文章能力無くてごめんね:2013/04/29(月) 23:32:06.17 ID:
bwmQKZX7T
妹「もっと早くからこうして一緒にいたかったです」
兄「……すまん、もっと早く気づけばお前にこんな傷は」
妹「義母も外部に漏らしたくなかったんです、巧妙にそして陰湿で……
私がわざと顔に傷ができるように動かなければ変わらないままでしたから」
兄「……早く治るといいな」
妹「はい!絶対治します!兄さんの傷よりも早く!」
兄「……ふん」
30:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/29(月) 23:42:44.66 ID:
bwmQKZX7T
妹「父さんはどうして兄にこんな事するのでしょうかね?」
兄「俺のせいで母さんは死んだようなもんだからな」
妹「でも、相手は飲酒運転だったじゃないですか……兄さんは悪く無いです
兄さんをかばった母さんのこと私はとても感謝してます」
兄「……母さん、今照れたな……死んだら意味ないのに」
ピロピロリーン
妹「あっお風呂沸いたみたいですね、じゃあ兄さんよろしくお願いしますね」
兄「……ああ」
34:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/29(月) 23:55:17.32 ID:
bwmQKZX7T
妹「背中……やっぱりひどいですか」
兄「……」クンクン
妹「……あんまりまじまじとみられると恥ずかしいです///」
兄「悪かったな」ゴシゴシ
妹「いえ……」
兄「……後で薬塗るからな、前と後ろ」
妹「はい……って前は自分で塗れます!///」
兄「冗談だ」
35:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/30(火) 00:03:32.81 ID:
6T8dfAplT
妹「兄さんとこうやって一緒にお風呂に入るの久しぶりです」
兄「5歳以来だったか」
妹「そうです……それまではこれが当たり前だったのに」
兄「……」
妹「義母と離婚するならはじめから結婚しないで欲しかったですね……苦労しても兄さんと分け合えたのに」
兄「……過去を羨んでもしかたない、今とこの先を考えたほうがいい」
妹「そうですね、兄さんの言うとおりです!」ぎゅっ
兄「(妹が近い……胸があたってる……)」クンクン
36:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/30(火) 00:11:09.37 ID:
6T8dfAplT
妹「兄さん、パジャマも私の物とピッタリだなんて……さすが双子と言うべきでしょうか」
兄「……」クンクン
妹「……気に入ったんですか?冗談で渡しただけですのに」
兄「……(妹のパジャマ)」ぎゅっ
妹「兄さんが気に入ったならよしとしましょうか……ふぁ~」
兄「……寝るか」クンクン
妹「……はい」
39:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/30(火) 00:23:58.44 ID:
6T8dfAplT
妹「今日はちゃんと……そばで寝てくださいね」
兄「……ああ」
妹「おやすみ……なさい……」
兄「……」
妹「スー……クカー……」
兄「……妹、もう寝たのか?」
妹「スー……スー……」
兄「……妹の寝顔……妹の寝息……妹の声……妹の感触……妹の匂い」クンクンクンクンクンクンクンクンクンクン
兄「……思い出すよ母さんのこと」
兄「いつも俺は母さんに抱きついて、母さんの匂い嗅いで」ギュッ
兄「ずっと甘えていたかった、でも死んでしまった」クンクン
兄「どうして……どうして死んだんだ」クンクン…グズ……クンクン
兄「もっと……そばに居て欲しかった!抱きしめたかった!!!!」ぎゅぅぅぅ
兄「うっうぐっぐずっうっうっ……」クンクン
兄「……Zzz」
40:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/30(火) 00:33:18.74 ID:
6T8dfAplT
妹「……兄さん」
兄「Zzz……Zzz……」
妹「寝てしまったんですか……もう抱きしめるのは終わりですか……匂いを嗅いでくれるのは終わりですか」
妹「やっぱり人間……過去にしがみつくものなんでしょうか」
妹「抱きしめられるの嬉しかった、匂いを嗅いでくれるの気持ちよかった……ですここに私は居ていいと安心出来ましたから」ポロポロ
妹「いいんですよね……私……ここに……いて」ポロポロ
妹「生きるのをやめては……ダメですよね……」
妹「おやすみなさい……兄さん」
41:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/30(火) 00:39:39.14 ID:
6T8dfAplT
チュンチュン
兄「Zzz」
妹「Zzz」
ピンポーン
兄「ん……こんな朝早く……」
ピンポーンピンポピンポピンポピンポピンポーン
妹「……誰でしょう?」
兄「静かに、様子がおかしい……」
ガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガーーンガラガラガラ
父「そこにいるのはわかっているぞ兄、妹」
44:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/30(火) 00:49:13.33 ID:
6T8dfAplT
父「兄、よく聞けお前がどれだけ逃げようとお前の罪は消えないぞ」
兄「……」スッ
父「よく出てきたな」
兄「なぜここがわかった」
父「匂いだ」
兄「!」
父「お前の妹の匂いをたどってきた」
妹「……私のせいで」
47:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/30(火) 00:53:27.39 ID:zswCaP7t0
妹どんだけ臭いんだ
49:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/30(火) 00:56:50.20 ID:
6T8dfAplT
兄「罪だと?なにが罪だ」
父「俺の恋人……妹の母さんを殺した罪だ殺人鬼め
妹を殺人鬼から救いに来た」
兄「捨てたくせに救いに来ただと?どの口がほざく」
父「妹は殺人鬼から遠くに逃したかった、どんな手段を使ってでも」
妹「……私のせい……私が原因……壊れる、兄さんとの生活壊れる」
50:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/30(火) 01:07:31.52 ID:
6T8dfAplT
兄「お前のせいで妹が義母に虐待されてたの知ってたのか?お前は!!!」
父「それは誤算だった……そういえばあいつは俺にこっちを振り向いてほしいとか言っていた」
父「俺を愛しているというなら、いうことをなんでも聞くと思ったが女は難しいものだ」
父「だから片付けてきた、お前も片付けに来た」
父「邪魔なものをすべて片付けて母の忘れ形見の妹を救いに来たのだ」
兄「こいつ完全に狂っていやがる……どうするか」
妹「……私って臭いんでしょうか?」
51:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/30(火) 01:16:56.07 ID:
6T8dfAplT
父「さぁ妹、おいで父さんのところにおいで」
兄「その包丁……!!!妹は渡さない!あっちへ行け!」
妹「臭い私のせいで、兄さんが死ぬ……」
父「消えろ」
兄「あっちへ行け!」
妹「……わかりました、消えます。『あっち』へ行きます」
52:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/30(火) 01:22:30.99 ID:
6T8dfAplT
妹「……」ユラ
兄「い……妹?」
父「おお、兄より俺のところを選んだか!さすが我が娘!」
妹「邪魔です、どいてください」
父「っっ!!実の父に何を!!」
兄「父、黙れ……様子がおかしい」
妹「……私、義母にずっとお前さえいなければと言われそれは間違ってると信じて来ました
でも本当は正しいことを言っていたんですね……間違っていたのは私でした」
53:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/30(火) 01:29:31.76 ID:
6T8dfAplT
兄「妹、ここは7階だやめろ!」
妹「兄さんの言うとおり『あっち』へ逝きますね」
兄「違う!お前にいったんじゃない……!」
妹「お気遣い、ありがとうございます。心配いりません、すぐにあちらへ参ります」
兄「そこから降りろ妹!」
妹「はい……さようなら」……ヒュゥゥゥゥ
兄「やめろ!逝くなァー―――――!!!」ガバッ
父「妹、兄!?」
55:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/30(火) 01:36:20.00 ID:
6T8dfAplT
妹「……さようなら、兄さん……母さんの代わりになれなくてごめんなさい」
兄「――!!―――ッッ!!!」
妹「兄さんの声がする……幻が見える……これが走馬灯ですか、母さんも見たのかな」
兄「――ぅとー――!!ー―もうと―――!!」
妹「兄さんを近くに感じる……匂いを感じる」
兄「妹――――!!!!」ギュッ!!!!!
妹「……兄さん!?」
兄「妹!!!!!絶対に離さない!!!!」
スドーーーン!!!ガラガラガラガラガシャン!!!
57:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/30(火) 01:44:10.70 ID:
6T8dfAplT
妹「……」
兄「妹!?生きてるか妹!?」クンクンクンクン
妹「……ぅ、ぁ」
兄「よかった!生きてる!妹生きてる!!!」クンクンクンクンクンクン
妹「兄さん、やめてください……くすぐったいです」
兄「やめない!もう絶対離さない!」クンカクンカクンカクンカ
妹「もう……兄さんたら」ポロポロ
ピーポーピーポー
兄「……救急車か」
妹「……いけない、物を沢山壊してしまいました、大家さんに怒られてしまいます」
兄「……そういえば、どうなるんだ……俺達」
父「……」
58:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/30(火) 01:50:09.22 ID:
6T8dfAplT
病院
兄「妹と別室なんて考えられん……『妹』を抱きしめたい、『妹』の匂いを嗅ぎたい」
ナース「兄さーん、面会でーす!」
兄「……誰だ?」
父「……父だ」
兄「何のようだ……とどめを刺しに来たか」
父「違う」
兄「じゃあ妹を殺人鬼から救いに来たのか」
父「……半分正解だ」
兄「……半分?」
父「殺人鬼から兄と妹を救いに来たのさ」
59:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/30(火) 02:01:57.85 ID:
6T8dfAplT
父「お前と妹が不自由なく暮らせる環境を提供する……そして俺は義母を殺したこと、お前への虐待を自首する」
兄「……どうして、突然」
父「一度に2つの命を失うと思った時、喉が引き裂けそうになって……心臓が一瞬に冷たくなった
そして……母さんの泣く声が聞こえた……」
父「その時思い出した……俺と母と妹とお前で……ピクニックにいったこと」
兄「……母さんが死んだ日の」
父「そうだ……覚えているかあの時の匂い」
兄「忘れるわけがない……あの匂い……家族の匂い……絆の匂い」
60:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/30(火) 02:08:49.67 ID:
6T8dfAplT
父「上出来だ……それさえ忘れなければやっていけるさ……臭いセリフだがな」
兄「自分でも臭いと思う」
父「ハハハ……」
兄「……やり直せないのかな?家族……」
父「……妹は嫌がるだろう、例えできたとしても、ごっこだ『家族ごっこ』」
兄「……」
父「どこで間違えたのかなー……じゃあそろそろ行くよ」
兄「……いってらっしゃい、父さん」
父「……戻ってくる保証ないんだぞ、じゃあな」
ナース「面会終わりですかー?では兄さん次の面会者でーす」
61:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/30(火) 02:10:34.56 ID:Tv4R8HWZ0
62:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/30(火) 02:18:09.25 ID:
6T8dfAplT
妹「兄さ~ん!」
兄「妹!!!どうしてここに!!」クンカクンカクンカクンカクンカ
ナース「リハビリするならここまで歩くっていいだしてね
頑張ったんだよねー妹ちゃん」
妹「はい!兄さんのためならどこへでも行きます!!」
兄「だが『あっち』はダメだぞ?」クンカクンカギュッ……!!
兄「っっ!!!~~~~~~……」
ナース「こらお兄ちゃん、妹ちゃん抱くのは両腕の骨折治してからね」
妹「兄さんも早く治ってくださいね、私と競争ですよ!」
兄「!……妹には負けんぞ、絶対早く治って抱きしめて匂いを嗅いでやる!!!」
妹「私だって負けません!」
64:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/30(火) 02:29:47.47 ID:
6T8dfAplT
ナース「はーい、感動の兄妹の対面終了~じゃあ妹ちゃん自分の病室戻ろうね」
妹「あぁ~私もう体が痛くて歩けないです~ここで休憩したいです」
兄「妹、無理はいけないぞ」クンカクンカクンカクンカクンカクンカ
ナース「じゃあ車椅子で帰ろうね~」サッ
妹「あぁ、兄さ~ん!」カラカラカラ
兄「妹~!……(父と義母が離婚した時も妹と別れたんだよな……もう会えないと思った)」
兄「だけど、ここなら毎日会える。退院したらずっと一緒」
兄「ずっと妹と抱き締めて匂いを嗅げる!」
兄「とにかく、退院するように頑張ろう!な、妹!」
妹「はい!」
兄「敬語妹を抱き締めて匂いを嗅ぐのがやめられない」 END
66:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/30(火) 02:32:12.88 ID:rU0uevca0
乙
69:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/30(火) 02:46:35.56 ID:Ok67VL7c0
おもしろかったよ乙
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