シンジ「アスカ様ファンクラブ?」

2013-01-10 (木) 21:12  エヴァンゲリオンSS   4コメント  
1: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 :2012/12/22(土) 21:35:01.86 ID:8QWBDY3XP

シンジ「はー、アスカ可愛い」

シンジ「なんであんなに可愛いんだよ」


シンジ「クォーターで?」

シンジ「大学卒業してるのに、中学校に通っていて?」

シンジ「プライド高いくせに、実は繊細で?」

シンジ「口癖が『あんたバカぁ?』」


シンジ「なんだよ、その属性」

シンジ「反則だろ」

シンジ「はん! そく! だっ! ろっ!!」ダンダン


シンジ「……はぁ」


eval.gifフロムエース1 可愛すぎるクラスメイトとバイトするんだけど、何か質問ある? (富士見ファンタジア文庫)





3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 21:37:19.91 ID:8QWBDY3XP

ケンスケ「おい、碇」

シンジ「ケ、ケンスケ!?」

ケンスケ「聞いたぜ、今の魂の叫び」

シンジ「いや、今のは、その」

ケンスケ「何も言わなくていい。全て分かっている」

シンジ「え?」

ケンスケ「……まさか、お前も同志だったとはな」

シンジ「どういう意味?」

ケンスケ「ついて来い。真理を見せてやる」

シンジ「ちょっ、待ってよケンスケ!」



5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 21:39:21.37 ID:8QWBDY3XP

司会「今日の目玉写真はこれだ! 髪を解いたアスカ様!!」

男たち『う、うぉおおおおおおおおお!!』

司会「500円から! それではスタート!!」

男A「700円!!」

男B「1000円!!」

男C「1200円!!」


シンジ「こ、ここは?」

ケンスケ「『式波・アスカ・ラングレー大尉を、遠くからひっそりと見守る男たちの集う会』」

シンジ「……」

ケンスケ「通称、アスカ様ファンクラブだ」

シンジ「アスカ様ファンクラブ……?」



6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 21:41:25.09 ID:8QWBDY3XP

シンジ「何をするところなの?」

ケンスケ「基本的には、アスカ様について延々語り合う場所だ」

シンジ「アスカのことを?」

ケンスケ「―――バカ野郎!!」

シンジ「!」ビクッ

ケンスケ「いくら碇でも、この場所でアスカ様を呼び捨てにしてみろ」

シンジ「ど、どうなるの?」

ケンスケ「……二度と、その口から、アスカ様の名を口に出すことのできない体にしてやる」

シンジ「そうなんだ……ごめん、もう二度と呼び捨てにしないよ」

ケンスケ「分かってくれればいいんだ」



8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 21:42:28.07 ID:8QWBDY3XP

シンジ「ねぇ、あっちはなにか盛り上がっているみたいだけど」

ケンスケ「ああ、あれはアスカ様オークションだ」

シンジ「アスカ様オークション?」

ケンスケ「アスカ様の写真を、オークション形式で売りさばくんだよ」

シンジ「へぇー」

ケンスケ「ちなみに、過去最高額を叩きだした写真は『スク水アスカ様、お尻のくいこみを直す瞬間』だ」

シンジ「……いくらだったの?」

ケンスケ「12万8000円」

シンジ「じゅうにま……っ!?」

ケンスケ「落札者は、碇ゲンドウ氏だ」

シンジ「父さん!?」



9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 21:44:31.57 ID:8QWBDY3XP

シンジ「父さんが、そんな……ウソでしょ……?」

ケンスケ「ゲンドウ氏は、このファンクラブのスポンサーでもあるんだぜ」

シンジ「信じられない、信じたくないよ……」

ケンスケ「ファンクラブには結構、意外とも思える人物がいるぜ。ほら、あそこにも」

シンジ「え?」


トウジ「―――おー、碇やないか。お前もとうとう、この地へ来たんか」

シンジ「トウジ!」



11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 21:45:18.07 ID:hheq0yzX0

マダオ



12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 21:46:02.43 ID:kusW0Cti0

ゲンドウさん何やってんだよ



13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 21:46:35.86 ID:8QWBDY3XP

シンジ「どうして、ここに」

トウジ「そんなん、アスカ様を愛しているからに決まっとるやないか」

シンジ「だ、だって、いつもケンカしてるじゃないか」

トウジ「あー、あれはご褒美を貰うためや」

シンジ「ご褒美……?」

トウジ「ほれ」ピッ


『アンタって、ほんとバカね!』


シンジ「……」

トウジ「こうやって、録音してな。何度も繰り返し聞いとるんや」

シンジ「……」

トウジ「オークションでも高値で売れるしな。ほんま、アスカ様の罵倒はたまらんわ」



14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 21:48:30.31 ID:8QWBDY3XP

シンジ「……委員長は?」

トウジ「ん?」

シンジ「トウジには、委員長がいるじゃないか。なのに、どうして」

トウジ「いいんちょか……まぁ、ここでは隠す必要ないな。ワシはいいんちょが好きや」

シンジ「!」

トウジ「でも、アスカ様に対するそれとは次元が違う。アスカ様はこの世に御降臨なされた天使やからな」

シンジ「て、天使?」

トウジ「せやろ?」

シンジ「うん……まぁ、そうだね」



18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 21:50:57.45 ID:8QWBDY3XP

トウジ「そもそも、このファンクラブを作ったんは、ワシとケンスケなんやで」

シンジ「えっ」

トウジ「なっ、ケンスケ?」

ケンスケ「ああ、最初は二人きりのファンクラブだった」

シンジ「そうなんだ」

ケンスケ「しかし、一人、また一人と同志に声をかけ、仲間にしていき……」

トウジ「今では、このとおり、体育館一杯を埋め尽くすほどのファンクラブになったんや」

シンジ「すごいね」


ケンスケ「俺は将来、就職活動の面接で『学生時代になにを頑張ったか?』と問われれば、迷わずにこう答えるね」

ケンスケ「『アスカ様ファンクラブの会長として、民衆を導きました!』 って!!」


シンジ「それは、やめといた方がいいと思うけど」



20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 21:53:06.42 ID:8QWBDY3XP

ケンスケ「一つ悲報なんだが、碇はファンクラブの会員から嫌われてるよ」

シンジ「どうして!?」

ケンスケ「そりゃあ、アスカ様に一番近しい男だからな。一緒に暮らしてるし」

シンジ「そ、それは……」

トウジ「このままやと、会員に袋叩きにされてもおかしゅうない」

シンジ「そんなぁ……」


ケンスケ「そこで、頼みがあるんだが―――」

シンジ「―――え?」



22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 21:55:20.43 ID:8QWBDY3XP

―――ミサトの家


シンジ「ただいま」

アスカ「帰ってくるのがおそい」

シンジ「ごめん」

アスカ「なにやってたのよ」

シンジ「それは……色々だよ」

アスカ「……? まぁいいわ、早くご飯作ってよね」

シンジ「うん、今すぐ作るよ」

アスカ「もう、お腹ぺこぺこ」

シンジ「……」


シンジ「……」パシャッ

アスカ「!?」



23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 21:57:30.74 ID:8QWBDY3XP

アスカ「ちょっと!」

シンジ「な、なに?」

アスカ「なに? じゃないわよ! なんで写真撮ったのよ!」

シンジ「それは……」

アスカ「また言えないの?」

シンジ「……うん」

アスカ「だったらいいわ、カメラ貸しなさい」

シンジ「え?」

アスカ「データ消すから。ほら、早く!」

シンジ「だ、駄目だよ!」

アスカ「しょーぞーけんの侵害よ!」


シンジ「だって、これは……これは! 僕の目の保養にするんだ!!」

アスカ「……へっ?」



24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 21:59:36.52 ID:8QWBDY3XP

アスカ「め、目の保養って、あんたねぇ!」

シンジ「ほら、可愛い女の子の写真が部屋にあると、華やかになるじゃないか!」

アスカ「かわっ……!?」

シンジ「アスカの写真が必要なんだ! どうしても!!」

アスカ「ひ、ひつ……?」

シンジ「だから、お願いだよ。見逃してよ」

アスカ「……」


シンジ「アスカ?」

アスカ「え、あ……その、可愛い女の子の写真っていうのは」

シンジ「うん」

アスカ「私じゃなきゃ、駄目なの?」

シンジ「当たり前だろ」

アスカ「そ、そうなんだ……ふーん……」



25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 22:01:58.97 ID:8QWBDY3XP

アスカ「じゃ、じゃあ分かったよ。アスカ様は寛大だから、見逃してやるわ」

シンジ「ほんとに!?」

アスカ「ええ」

シンジ「良かったー。これが奪われたら、この世の終わりだよ」

アスカ「そんなに……?」

シンジ「うん!」

アスカ「……なら、しょうがないわね」

シンジ「ありがとう、アスカ!」



27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 22:04:27.22 ID:8QWBDY3XP

アスカ「でも、いきなり撮るのはやめてよね」

シンジ「いきなりじゃないと、意味がないんだ」

アスカ「どうして?」

シンジ「だって、いつものアスカが一番可愛いはずだって、ケンスケが……」

アスカ「えっ?」

シンジ「あ、いや! いつものアスカが一番可愛いって僕は思うから!」

アスカ「……本気で言ってる?」

シンジ「もちろん!」

アスカ「あっそ……まぁ別にうれしくないけどね、うん……」

シンジ「?」



29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 22:07:08.09 ID:8QWBDY3XP

シンジ「……じゃあ、ご飯作るから、待ってて」

アスカ「は、早くしなさいよね!」



シンジ(よーし、写真GETだ)

シンジ(これで、会員の人に殺さなくて済むよ)

シンジ(それはともかく、今日のアスカも可愛かったなぁ……)




アスカ「……」



31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 22:09:59.31 ID:8QWBDY3XP

ケンスケ「―――さて諸君、新たな会員が生まれたのは知ってるな?」

男たち『……』

ケンスケ「その者は、かつては俺たちの敵だった、かつては忌むべき存在だった……」

男たち『……』


ケンスケ「しっかぁーし! その者は、私たちの仲間に加わった! このような手土産を持参して!!」バシーン

男たち『そ、それは!』

ケンスケ「そう! 『部屋着アスカ様! 気を抜いてゴロゴロ』……という写真だ!!」

男たち『う、うぉおおおおおおおおおお!!』


ケンスケ「しずまれぇーい!! ……まずは、この写真を持ってきた男の自己紹介だ」

ケンスケ「来い、碇」


シンジ「―――あ、どうも、碇シンジです」

男たち『……』



33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 22:13:20.14 ID:8QWBDY3XP

シンジ「みなさんが、僕のことを嫌っていたのは知ってます」

シンジ「アスカ様の近くにいるんだから、当り前です」

シンジ「それも、たまたま……運が良かっただけで」

シンジ「席替えで、自分の好きな子の隣になった男子を恨むような……そんな気持ちにさせてしまったと思います」


シンジ「ですが、一つだけ、僕らには通じるものがあります」

シンジ「それは、アスカ様が大好きだってこと」

シンジ「それは、アスカ様のためなら死ねるってこと」


シンジ「……アスカ様を好きな人に、悪い人なんていません」

シンジ「僕たちは一つ。アスカ様が好きというカテゴリーの中の、一つの存在に過ぎないんです」

シンジ「だから、争ったり、憎んだり……そんな馬鹿げたことはやめませんか?」

シンジ「アスカ様を愛するという行為以外に、必要なものなんて、ありますか?」

シンジ「僕は、そう思わないから、だから……」

シンジ「……」


シンジ「話は、以上です」



34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 22:15:37.95 ID:8QWBDY3XP

シンジ「……」

シンジ「……」


パチ、パチ……


シンジ「!」


パチ、パチパチ、パチ!


シンジ「みんな……!!」


パチパチパチパチパチ!!

パチパチパチパチパチ!!


男たち『そうだ、アスカ様を好きなやつに悪い奴なんていないんだ!!』

男たち『うぉおおおおおおおおアスカ様ぁあああああ!!』

男たち『世界はアスカ様で一つになるぞおおおおおおお!!』



35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 22:15:52.85 ID:oDyR2urh0

シンジさんと呼ばせてください



36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 22:16:59.75 ID:3ZIJzv+g0

すばらしい・・



38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 22:18:29.61 ID:8QWBDY3XP

ケンスケ「さぁーて、感動的なシーンも終わったところで、さっそくオークションといきますか!」

トウジ「今日の目玉はもちろん?」

ケンスケ「碇が持参してきた写真、だな!」

トウジ「せやな!」


冬月「今日の予算は?」

ゲンドウ「……私に限界などない」

冬月「そうだったな」


シゲル「やれやれ、今月も苦しくなりそうだ」

マコト「カップラーメンで日々を過ごす覚悟は出来てますよ!」

加持「頼もしいな、流石はNERV職員だ」

ペンペン「クエッ!」



40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 22:21:00.29 ID:8QWBDY3XP

―――ミサトの家


アスカ「ねぇ、暇だからゲームの相手してよ」

シンジ「ごめん。僕はこれから行くとこがあって」

アスカ「……また出かけるの?」

シンジ「うん」

アスカ「最近、いっつも出かけてるけど、どこ行ってんのよ」

シンジ「ちょっと、ね」

アスカ「……帰ってくるのも遅いんでしょ?」

シンジ「そうなっちゃうかも」

アスカ「……」

シンジ「じゃあ、行ってくるね」


アスカ「……」グイッ

シンジ「?」



43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 22:23:21.53 ID:8QWBDY3XP

シンジ「どうしたの?」

アスカ「……」

シンジ「離してくれないと、出かけられないよ」

アスカ「……」

シンジ「アスカ?」

アスカ「私も行く」

シンジ「えっ!?」


アスカ「暇なんだもん」

シンジ「いや、でも、ダメだよ」

アスカ「どうして?」

シンジ「……男だけの場所だし」

アスカ「邪魔しないから!」

シンジ「そういう問題じゃ……」



44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 22:23:54.04 ID:oDyR2urh0

ファンクラブと生アスカの板挟みか…



46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 22:26:14.06 ID:8QWBDY3XP

アスカ「……そんなに私が邪魔なの?」

シンジ「ち、違うよ! そんなわけないじゃないか!」

アスカ「でも、来るなって」

シンジ「色々あるんだよ」

アスカ「色々って、なによ」

シンジ「と、とにかく! 勘弁してよ、アスカ!」

アスカ「……」

シンジ「今日のご飯は、アスカの好きなものにするから! ね?」

アスカ「……わかった」

シンジ「ほんと? よかった!」



50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 22:28:55.36 ID:8QWBDY3XP

シンジ「なにが食べたい?」

アスカ「エビフライ」

シンジ「りょーかい。じゃ、行くね」

アスカ「……ねぇ」

シンジ「ん?」

アスカ「早く、帰ってきなさいよ……?」

シンジ「うん、分かった」

アスカ「……」

シンジ「行ってくるね」

アスカ「行ってらっしゃい」



アスカ「…………」



52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 22:31:53.01 ID:8QWBDY3XP

―――ファンクラブ会場


ケンスケ「今日の写真はこれだ! 『眠気に耐えきれず船を漕ぐアスカ様!』」

男たち『う、うぉおおおおおおおおお!!』

ケンスケ「800円からぁあああ……スタート!」


男A「1100円!」

男B「1300円!」

男C「1500円!」

ゲンドウ「……10000円」

男D「いちまんんんっ!?」

男E「畜生! 相場を守れよ、会員ナンバー12番!!」


冬月「……買ったな」

ゲンドウ「ああ」



55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 22:33:45.17 ID:6MPG1YZO0

中学生の財力じゃ太刀打ちできねーぞ!



56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 22:34:52.23 ID:8QWBDY3XP

シンジ「……」

加持「やぁ、シンジ君」

シンジ「加持さん!」

加持「隣、いいかい?」

シンジ「あ、はい、どうぞ」

加持「失礼するよ」

シンジ「……盛り上がってますね」

加持「そうだな。やはり、部屋着は可愛い」

シンジ「同感です」

加持「君のおかげだ、シンジ君」

シンジ「そんな、僕なんて、別に……」



59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 22:38:22.17 ID:8QWBDY3XP

シンジ「……」

加持「気になることでもあるのか?」

シンジ「……父さんが」

加持「自分の父親が、ああしてなにかに熱狂している姿は、やはり見たくないものか?」

シンジ「それもそうですけど……分からなくて」

加持「分からない?」

シンジ「だってそうじゃないですか。大好きなはずなのに……どうして、アスカ様をエヴァのパイロットとして、危険な目に遭わせるんですか?」

加持「それは、俺も碇司令に尋ねたことがあるよ」

シンジ「父さんは、なんて?」

加持「戦うアスカ様も、可愛い」

シンジ「……なるほど」



58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 22:37:23.62 ID:8QWBDY3XP

加持「知ってるか? プラグスーツっていうのは、碇司令が自らデザインしたものなんだ」

シンジ「えっ?」

加持「言っちゃ悪いが……アレだろ?」

シンジ「たしかに……ちょっと卑猥ですよね」

加持「アスカ様に性を連想させるような格好を強要させる司令を、糾弾する声も少なくない」

シンジ「そういった行為はご法度ですもんね」

加持「しかし、こういう理由で決着がついた……『ギリギリを目指すその姿勢、悪くない』」

シンジ「!」

加持「パンチラは駄目だ。だが、アンスコは許す……その理念に則っているとも言えなくないしな」

シンジ「……」



60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 22:41:46.52 ID:PT6l6FWv0

ユイが泣いてるぞ



61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 22:42:39.14 ID:8QWBDY3XP

シンジ「すみません、つまりどういうことですか?」

加持「碇司令も色々悩んでいるってことさ」

シンジ「……?」


加持「本当は戦わせたくない。でも、可愛いから戦わせたい」

加持「エロは駄目だ。でも、エロいのも見たい」

加持「守りたい。でも、守れないから―――」


シンジ「ファンクラブの会員に、守らせる……」

加持「そういうことだ。このファンクラブがある限り、アスカ様は人為的な脅威に晒されることはないだろうしな」

シンジ「……」

加持「このファンクラブ自体が脅威と言えなくもないが」

シンジ「それを言ったら、お終いですよ」



63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 22:45:17.34 ID:8QWBDY3XP

シンジ「……アスカ様は、すごいですね」

加持「ん?」

シンジ「父さんもそうだけど、こんな大勢の人に愛されて」

加持「そうだな」

シンジ「みんなの、アスカ様ですね」

加持「ああ、俺たちのアスカ様だ」

シンジ「……」

加持「どうかしたか?」

シンジ「いえ、なんでも」

加持「?」



65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 22:47:18.74 ID:8QWBDY3XP

―――ミサトの家


アスカ「おかえり」

シンジ「ただいま」

アスカ「今日は、早かったじゃない」

シンジ「早く帰って来いって、言ったじゃないか」

アスカ「言ったわね」

シンジ「そうだろ?」

アスカ「……ふふっ、そうね、言ったわ」

シンジ「?」



66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 22:49:19.51 ID:8QWBDY3XP

アスカ「ねぇ、ご飯作るまで、まだ時間あるでしょ?」

シンジ「えーっと……うん」

アスカ「じゃあ、私の部屋でゲームするから、来なさい」

シンジ「それは駄目だよ」

アスカ「えっ?」


シンジ「あ、その、宿題やんないといけないから」

アスカ「……そんなの、後でもいいじゃない」

シンジ「今、やっておきたいし」

アスカ「……」

シンジ「ほ、ほら! 僕ってなにをやるのも遅いから! 出来る時にやっておかないと!」

アスカ「そうかも、しれないけど」



68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 22:51:41.96 ID:7XE84ROVO

これは落ちてますわ



69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 22:51:43.47 ID:8QWBDY3XP

シンジ「僕だってアスカと遊びたいけど、でも、ね?」

アスカ「ほんとに?」

シンジ「ほんとほんと」

アスカ「じゃあ、いいけど」

シンジ「ありがと、じゃあね」

アスカ「じゃあね、って……」


ガラッ


ピシャ


アスカ「…………」



70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 22:53:24.92 ID:cR9xbHV+O

ファンクラブ裏切りはよ



72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 22:54:18.60 ID:8QWBDY3XP

―――翌日


アスカ「ふぁーあ」

ミサト「おはよ、アスカ」

アスカ「おはよう……ん、あれ?」

ミサト「どうしたの?」

アスカ「シンジは?」

ミサト「学校行ったけど」

アスカ「もう? なんで?」

ミサト「さぁ。早めに行きたい気分だったんじゃない?」

アスカ「ふーん……」



73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 22:56:46.32 ID:8QWBDY3XP

ミサト「なぁーに、アスカ? 一緒に学校行けなくて寂しいの?」

アスカ「……んなわけないでしょ」

ミサト「あら、手厳しい」

アスカ「ったく、それより私の分のご飯は?」

ミサト「トースターにセットしてあるから、自分で焼いてください―い」

アスカ「それくらいミサトがやってくれればいいのに。保護者なんだから」

ミサト「それくらい自分でやってよ。中学生なんだから」

アスカ「……もうっ!」

ミサト「ふふっ」



77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 22:58:50.37 ID:8QWBDY3XP

―――学校


アスカ「バカシンジ」

シンジ「なに?」

アスカ「これからNERVでしょ? 行くわよ」

シンジ「あ、そうだね……ちょっと待ってて」

アスカ「?」


シンジ「―――綾波!」

綾波「なに?」

シンジ「綾波も、僕たちと一緒に行こうよ」

綾波「ええ」

シンジ「よかった」


アスカ「…………」



78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 23:01:32.23 ID:8QWBDY3XP

シンジ「じゃ、行こうか」

アスカ「……」

シンジ「アスカ?」

アスカ「……なによ」

シンジ「どうかした?」

アスカ「どうかするわけないでしょ!」

シンジ「な、なんだよ、急に大声出して」

アスカ「……」

シンジ「変なアスカ」

アスカ「……」



82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 23:03:30.69 ID:8QWBDY3XP

―――ファンクラブ会場


ケンスケ「さて、今日の議題だが」

トウジ「近頃、アスカ様の顔が優れない件についてやな」

ケンスケ「誰か、知ってる人はいないか?」

男たち『……』

ケンスケ「……」


トウジ「センセはどないや」

シンジ「なんで、僕に聞くんだよ」

ケンスケ「一緒に住んでるんだから、当然だろ」

シンジ「うーん……ごめん、分からないや」

ケンスケ「そうか……」



86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 23:06:39.45 ID:8QWBDY3XP

加持「ちょっといいかな?」

ケンスケ「なんだ、会員ナンバー238番」

加持「アスカ様は、退屈なんじゃないか?」

ケンスケ「退屈?」

加持「同居人碇シンジは、少し前まではアスカ様が暇な時間、よく一緒にいたらしい」

ケンスケ「そうなのか?」

シンジ「それは……まぁ、うん」

加持「しかし、彼がこのファンクラブの会員となったことで、暇な時間を潰す相手がいなくなった」

ケンスケ「なるほど、徐々にストレスが蓄積していったと」

加持「ああ」



87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 23:09:30.43 ID:8QWBDY3XP

加持「というわけで、同居人碇シンジを即座に家に帰すことを提案します」

シンジ「ちょっと待ってください! それは……」

加持「不服か?」

シンジ「いえ、その」

加持「アスカ様の為を思うならば、君の事情など、無視するべきだと思うが?」

シンジ「……」

加持「会長」

ケンスケ「そうだな。碇、行って来い。これは会長としての命令だ」

シンジ「……」

ケンスケ「碇」

シンジ「わ、分かったよ!」ガタッ



88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 23:11:57.45 ID:8QWBDY3XP

ガチャッ


バタン


ケンスケ「……」

トウジ「……」

加持「……」

男たち『……』


ケンスケ「238番」

加持「なんだい?」

ケンスケ「今の行動で……終わるかもしれないぞ」

加持「いいだろ。それは、アスカ様の幸せの始まりでもある」

ケンスケ「……」

加持「きっとな」



89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 23:11:58.91 ID:8V8iavWj0

加持………



93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 23:13:40.57 ID:8QWBDY3XP

―――ミサトの家


シンジ「ただいま」

アスカ「……ずいぶん、早いじゃない」

シンジ「そうかな?」

アスカ「そうでしょ」

シンジ「たまには、こういうこともあるよ」

アスカ「たまには、ね……」

シンジ「ん?」

アスカ「別に」



94:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 23:15:26.90 ID:8QWBDY3XP

シンジ「ねぇ、アスカ」

アスカ「なによ」

シンジ「ゲームやろうよ」

アスカ「ゲーム……?」

シンジ「だめ?」

アスカ「……なんで、そんなこと言いだしたのよ」

シンジ「特に意味はないけど」

アスカ「ウソ」

シンジ「嘘じゃないってば」

アスカ「……」

シンジ「やらないなら、別にいいけど」

アスカ「……やるわよ! やればいいんでしょ!!」

シンジ「う、うん」



98:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 23:18:06.26 ID:8QWBDY3XP

シンジ「ソフト、これでいい?」

アスカ「ええ」

シンジ「じゃあ、始めよっか」

アスカ「ええ」


シンジ「……」ピコピコ

アスカ「……」ピコピコ

シンジ「……」

アスカ「……」


シンジ「アスカ、楽しい?」

アスカ「楽しくない」

シンジ「そ、そっか」

アスカ「……」



102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 23:20:21.33 ID:8QWBDY3XP

アスカ「アンタさぁ」

シンジ「なに?」

アスカ「最近、なんで私のこと、避けてるわけ?」

シンジ「……避けてないけど」

アスカ「避けてたじゃん」

シンジ「避けてないって」


アスカ「―――避けてたでしょ!!」

シンジ「……!」


アスカ「なんで、ウソつくのよ」

シンジ「……」

アスカ「そんなに、私のこと……」

シンジ「いや、その」



105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 23:22:45.29 ID:8QWBDY3XP

アスカ「……」

シンジ「……」

アスカ「……」

シンジ「……」


アスカ「……う゛」

シンジ「あ、アス……!」

アスカ「うるさいバカこっち見んな」

シンジ「……」

アスカ「う、う゛ううううううううう」グスッ

シンジ「……」 



107:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 23:24:52.68 ID:8QWBDY3XP

シンジ「ごめん、アスカ。寂しかったよね」

アスカ「ざびじくない……」

シンジ「だよね。ごめん」

アスカ「うる゛ざい……」


シンジ「……これからは、ちゃんと時間とるよ」

アスカ「あだりまえ゛よ」

シンジ「そうだよね。それが、当り前だよ」

アスカ「……」グスッ



108:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 23:26:34.71 ID:8QWBDY3XP

シンジ「僕が一番大事なのはアスカだから」

シンジ「これからは、二度と放っておいたり、しないから」

シンジ「だから、許してくれる……?」


アスカ「……」グスッ

シンジ「……」


アスカ「……次は、絶対に許ざない」

シンジ「うん、許さないでいいよ。もうやらないから」

アスカ「……なら……許ず……」

シンジ「ありがとう、アスカ」



110:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 23:28:29.25 ID:8QWBDY3XP

―――ファンクラブ会場


シンジ「ファンクラブをやめさせてください」

ケンスケ「……理由は?」

シンジ「もっと、アスカと一緒にいたいから」

ケンスケ「……」


トウジ「分かってて言ってるんやな?」

シンジ「うん、ここにいる人たち、全員を敵に回す発言だよね」

トウジ「それでも、撤回はしないと?」

シンジ「僕は、自分よりアスカが大事だから」

トウジ「……」



113:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 23:30:29.39 ID:8QWBDY3XP

ケンスケ「碇」

シンジ「なに?」

ケンスケ「俺は、お前が妬ましい」

シンジ「……ごめん」

ケンスケ「五臓六腑を細切れにして、海鳥のえさにしてやりたい」

シンジ「そ、そこまで!?」

ケンスケ「でも……」

シンジ「?」


ケンスケ「―――お前といることが、アスカ様の一番の幸せなんだよなぁ」

シンジ「……!」



117:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 23:32:42.92 ID:8QWBDY3XP

ケンスケ「アスカ様の幸せこそ、俺たちの幸せ……そうだよな、みんな!」

男たち『応っ!!』

シンジ「みんな……!」



冬月「それにな」

シンジ「えっ?」

ゲンドウ「―――会員の幸せもまた、然り」

冬月「というわけだ」

シンジ「父さん……!!」



122:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 23:36:09.71 ID:8QWBDY3XP

ケンスケ「その代わり、アスカ様を大切にしろよ?」

シンジ「うん」

トウジ「アスカ様の笑顔を奪おうもんなら、ワシがぶん殴ったるからな」

シンジ「うん!」


ケンスケ「では、以上を持って」

トウジ「会員ナンバー812番。碇シンジの登録を抹消する」

ケンスケ「一同、礼!」


ビシッ!!


シンジ「―――ありがとう、ございました!!」



124:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 23:39:00.48 ID:8QWBDY3XP

ケンスケ「……これで、よかったんだよな?」

加持「ああ」

トウジ「部屋着が見れなくなるだけや」

シゲル「それはけっこう痛いな」

冬月「この際、女性会員の確保に乗り出すか?」

ゲンドウ「……あの家には一人、使えそうな人間がいたな」

マコト「あれ? その前に……」

ペンペン「クエッ?」


男たち『うぉおおおおお! アスカ様ファンクラブは不滅だぁあああああああ!!』



125:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 23:41:29.47 ID:8QWBDY3XP

エピローグ


アスカ「ねぇ」

シンジ「ん?」

アスカ「最近、写真撮らなくなったわね」

シンジ「あー……」

アスカ「どうして?」

シンジ「だって、ほら」

アスカ「?」

シンジ「写真より、実物の方が……ね」

アスカ「うっ」



127:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 23:43:30.46 ID:8QWBDY3XP

シンジ『本当にやめて良かったの? ファンクラブ』

ケンスケ『ああ、未来への投資っていう意味もあるから』

シンジ『?』

ケンスケ『なぁ碇、女の子の一番可愛い表情って知ってるか?』

シンジ『……笑顔とか?』

ケンスケ『惜しい』

シンジ『正解は?』

ケンスケ『好きな人に見せる笑顔だ』

シンジ『えっ』

ケンスケ『碇なら、アスカ様から引き出せるかもな』

シンジ『そんな、僕は別に……』

ケンスケ『少なくとも、俺よりはずっと確率が高いだろ?』

シンジ『それはまぁ』

ケンスケ『否定しろよ!?』 



128:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 23:44:57.97 ID:8QWBDY3XP

シンジ「……」

アスカ「なに?」

シンジ「アスカはいつも可愛いから、これ以上があるのかなって」

アスカ「は、はぁ?」



シンジ(でも、いつかは……なんてね)

アスカ「?」




終劇



130:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 23:46:00.67 ID:8QWBDY3XP

シンジとアスカがいちゃつくだけのを書きたい。
でも流石にそれは……と思った果てがこれです。どうもでした。



135:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 23:47:42.36 ID:1qafwNpe0

>>130
>シンジとアスカがいちゃつくだけのを書きたい。

なんで書きたいもん書かないの?俺たちに迎合するおまえなんて見たくねぇんだよ
書きたいもんをストレートに書けよ



143:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 23:58:21.73 ID:8QWBDY3XP

>>135
せやなぁ。じゃあ俺の欲求を消化するためだけにちょっと今から書くわ。
せっかくスレがあるし。

ただ、このSSとはまったく無関係で、ただひたすらイチャつかせるだけな。
途中で風呂も入る。寝オチするまでという時限爆弾付きで。



132:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 23:46:09.18 ID:CMQ9FwAQ0

良かった 乙



136:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/22(土) 23:47:44.94 ID:cR9xbHV+O

イチャイチャ展開も期待してるわ



150:シンジ「お姫様ゲーム?」:2012/12/23(日) 00:01:09.81 ID:8ExebvXCP

シンジ「なにそれ」

アスカ「お姫様の言うことを、従者が聞くゲーム」

シンジ「それだけ?」

アスカ「そうだけど」

シンジ「……説明だけ聞くと、まったく楽しくなさそうだね」

アスカ「説明だけだとね」

シンジ「実際は違うの?」

アスカ「ええ」

シンジ「へー」

アスカ「じゃ、始めるわよ」

シンジ「一応聞くけど、僕は……」

アスカ「従者」

シンジ「ああ、うん。そうだろうね」



156:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 00:05:01.26 ID:8ExebvXCP

アスカ「じゃあ、シンジ」

シンジ「うん」

アスカ「私の肩を揉みなさい」

シンジ「えっと……えっ?」

アスカ「返事は『かしこまりました。お姫様』」

シンジ「そういうことじゃなくて……」

アスカ「ハリー!」

シンジ「わ、分かったよ! かしこまりました、お姫様!」


アスカ「……」

シンジ「……」モミモミ

アスカ「……」

シンジ「……」モミモミ



160:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 00:09:02.19 ID:8ExebvXCP

シンジ「アスカ」

アスカ「なによ?」

シンジ「勘違いじゃないと思うけど……これ、楽しくないよ」

アスカ「ウソでしょ!?」

シンジ「驚くとこなんだ」

アスカ「涎を垂らしながら喜ぶのが普通よ」

シンジ「アスカは梅干しかなにかなの?」

アスカ「……しょうがないわね。じゃあ、やめていいわよ」

シンジ「助かった」パッ

アスカ「さて、次の命令はどうしようかしら」

シンジ「ゲームは続行なんだ」



162:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 00:13:26.57 ID:8ExebvXCP

アスカ「そうね、じゃあ……」

シンジ「?」

アスカ「頭を撫でなさい」

シンジ「ええっ!?」

アスカ「その位置からだと、ちょうど撫でやすいでしょ?」

シンジ「ま、まぁそうだけど」

アスカ「やりなさい」

シンジ「でも、なんのために?」

アスカ「……普段、やらないことをするのは、労力が必要でしょ?」

シンジ「うん」

アスカ「そういうのを敢えてやらせることで、姫側が権力を握ったことを実感するためよ」

シンジ「なる、ほど?」



165:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 00:17:24.39 ID:8ExebvXCP

シンジ「えっと、じゃあ」

アスカ「ええ」


シンジ「……」ナデナデ

アスカ「……」

シンジ「……」ナデナデ

アスカ「……」


シンジ「ねぇ」

アスカ「……ふあっ」ビクッ

シンジ「えっ」

アスカ「あ、いや……なに?」

シンジ「これは、どうすれば終わりになるの?」

アスカ「どちらかが敗北を認めるまでよ」

シンジ「勝負だったの!?」



166:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 00:21:53.05 ID:8ExebvXCP

アスカ「当り前よ。人生とは常に、死ぬかくたばるかでしょ」

シンジ「どっちみち死ぬんだ」

アスカ「いいから、撫で続けなさい」

シンジ「あ、うん」


アスカ「……」

シンジ「……」ナデナデ

アスカ「……」

シンジ「……」ナデナデ


アスカ「ちょっと」

シンジ「なに?」

アスカ「左手、持て余してるじゃない」

シンジ「それは……だって、両手で撫でるのなんて、変だろ?」

アスカ「そういう時は、腕をこう……分かるでしょ?」

シンジ「?」



167:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 00:24:51.65 ID:8ExebvXCP

アスカ「だから……左腕を、私の首に回して」

シンジ「締めればいいの?」

アスカ「んなわけないでしょ!」

シンジ「ええっ」


アスカ「ほら、その……優しく、人形を抱くような感じで」

シンジ「えっと、こう?」ギュッ

アスカ「そう、それよ。そのまま撫でる」

シンジ「……」ナデナデ

アスカ「~♪」


シンジ「……アスカ、これ、ちょっとマズイ気がするんだけど」

アスカ「なにが?」

シンジ「人が見たら誤解しそうっていうか」

アスカ「誤解~?」



169:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 00:27:50.52 ID:blRbBRsd0

グズるなワンコ君。男だろ。



170:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 00:28:21.08 ID:1xXmxfn00

シンジの潜在サド丸出しじゃないっすか



171:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 00:28:56.76 ID:8ExebvXCP

アスカ「まさか、カップルがイチャついているようにしか見えないとか、そういうこと?」

シンジ「う、うん」

アスカ「やだー! そんなこと考えてたんだ。へんたーい!」

シンジ「ええー……」

アスカ「そんなだから、クラスの女子に、ムッツリってあだ名付けられるのよ」

シンジ「初耳だよ!?」

アスカ「私の裸をシンジが見たことを話した時の、ドン引きっぷりったらなかったわね」

シンジ「完全にアスカのせいじゃないか!!」

アスカ「大丈夫よ。近づかなければ無害っていう結論に至ったから」

シンジ「近づいたら有害なのかよ……」

アスカ「現に、私はこんな目に遭ってるし」

シンジ「アスカがやらせてるんだろ!!」



173:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 00:33:36.23 ID:8ExebvXCP

アスカ「洗濯の時とか、私の服の匂い、嗅いでるんでしょ」

シンジ「嗅いでないよ」

アスカ「くんかくんか……これがアスカの匂い……はぁはぁ」

シンジ「僕はどんだけ変態なんだよ」

アスカ「くんかく……!? なんだこの加齢臭は! 消え去れ!!」ポイッ

シンジ「ミサトさんに謝れ!」

アスカ「ミサトの名前なんて、出してないんだけど」

シンジ「うっ」

アスカ「へぇー、アンタはミサトから加齢臭がすると思ってるんだ。へぇー、へぇー!」

シンジ「違うよ! ミサトさんは良い匂いがするよ!」

アスカ「なんで知ってんのよ」

シンジ「そ、それは……」



175:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 00:39:10.60 ID:8ExebvXCP

アスカ「……」

シンジ「……」ナデナデ

アスカ「……」

シンジ「……」ナデナデ


アスカ「ねぇ」

シンジ「―――不可抗力なんだ!」

アスカ「はぁ?」

シンジ「洗濯しようとしたら! どうしても匂いは嗅いじゃうだろ!!」

アスカ「……」

シンジ「服に顔を埋めるとかはしてないけど、近づくだけで、大人の香りが漂うんだ……」

アスカ「……」

シンジ「むしろ僕は被害者だよ。あんな匂いを嗅がされて、おかしなことをしてないだけ善良だよ……」

アスカ「……」



176:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 00:45:48.97 ID:8ExebvXCP

シンジ「アス」

アスカ「―――第三ゲーム!!」

シンジ「えっ」

アスカ「離して」

シンジ「あ、うん」

アスカ「よし……じゃあ、どうぞ」パッ

シンジ「?」

アスカ「早く来なさいよ」

シンジ「ごめん、どういうこと?」

アスカ「だから、私の胸に飛び込んできなさいって言ってんの!」

シンジ「ええっ!?」



179:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 00:51:18.85 ID:8ExebvXCP

アスカ「ほら!」

シンジ「流石にそれは……」

アスカ「また逃げるの?」

シンジ「また……?」

アスカ「逃げちゃだめだ、逃げちゃだめだ、逃げちゃだめだ」

シンジ「なんでそれをアスカが知ってるんだよ!!」

アスカ「いいから、来いっつってんのよ」ガバッ

シンジ「わっ」


アスカ「……」ギュー

シンジ「……」

アスカ「……」ギュー

シンジ「……」



181:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 00:54:07.64 ID:8ExebvXCP

アスカ「……で?」

シンジ「え?」

アスカ「どっち?」

シンジ「なにが?」

アスカ「だから! 私とミサト! どっちが良い匂い!?」

シンジ「そ、それは……」

アスカ「私でしょ?」

シンジ「えーと……」

アスカ「私よね!?」ギュー

シンジ「痛い痛い痛い! アスカです、アスカです!!」

アスカ「ふふん、そりゃそうよ。この私が、三十路のおばさんに負けるわけないんだから」

シンジ「頭が爆発するかと思った……」



184:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 00:59:48.30 ID:8ExebvXCP

ミサト「―――だーれが、三十路のおばさんですってぇ……!?」

アスカ「げっ!」パッ

シンジ「わっ」


ミサト「私は三十路じゃないわよ! まだ29よ!!」

アスカ「変わんないじゃない」

ミサト「変わるわよ! エヴァとエバーくらい違うわ」

アスカ「……?」

ミサト「と、とにかく、私をおばさん扱いしないで!」

アスカ「気にしてたの?」

ミサト「まぁ、うん……」

アスカ「それは……ごめん、ミサト」



200:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 01:24:50.98 ID:8ExebvXCP

ミサト「それともう一つ、不純異性交遊は禁止です」

アスカ「し、してないわよ!」

ミサト「思いっきり抱き合ってたじゃない」

アスカ「……清純異性交遊よ」

ミサト「ふーん、そういうことしてたのは認めるんだ」

アスカ「それは……」

ミサト「まぁ、ゲーム形式にしたのは、中々いい考えだと思うわ」

アスカ「……! い、いつから覗いてたのよ」

ミサト「『かしこまりました、お姫様』あたりから」

アスカ「ほとんど初めっからじゃないのよ!!」

ミサト「おほほ」



203:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 01:29:01.87 ID:8ExebvXCP

ミサト「というか二人とも、お風呂まだでしょ。早く入っちゃいなさい」

アスカ「あ、うん」

ミサト「……二人で入るのも、今なら許可するわよ?」

アスカ「ミサト!」

ミサト「はいはい、もう言わなーい」

アスカ「ったく……」


アスカ「……」

シンジ「……」

アスカ「……」

シンジ「……」


アスカ「一緒に入る?」

シンジ「……遠慮しとく」

アスカ「そう」スタスタ

シンジ(え、え?)



204:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 01:34:21.25 ID:8ExebvXCP

―――翌日


アスカ「ただいまー」

シンジ「おかえり、アスカ」

アスカ「なにしてんの?」

シンジ「映画見てる」

アスカ「ふーん……私も見る」

シンジ「どうぞ」

アスカ「よいしょっと」ポスッ

シンジ「わっ」

アスカ「ふぅ」

シンジ「なんで、わざわざ僕の上に座るの?」

アスカ「アンタがここで見てたってことは、ここが一番映画を見やすい場所じゃない」

シンジ「えーっと」

アスカ「さっすが私! 天才的!」

シンジ「うーん……」



208:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 01:39:41.54 ID:8ExebvXCP

シンジ「あと、痺れそうなんだけど」

アスカ「羽のように軽い私が乗ってるだけなのに?」

シンジ「羽のように軽いアスカが乗ってるだけなんだけどね」

アスカ「しょうがないわね……じゃあ、一旦どくわ」

シンジ「一旦?」

アスカ「んで、体育座り」

シンジ「こう?」

アスカ「で、ちょっと足を開いて」

シンジ「うん」

アスカ「私が間に入れば、完成」ポスッ

シンジ「……」

アスカ「これで、痺れない」

シンジ「あのさ」

アスカ「……」ギロッ

シンジ「ごめん、なんでもない」



210:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 01:44:25.02 ID:8ExebvXCP

シンジ「……」クンクン

アスカ「なに?」

シンジ「そういえば、今日は体育あったなーって」

アスカ「……!」ガバッ

シンジ「え?」

アスカ「……」

シンジ「どうしたの?」

アスカ「私、汗臭い?」

シンジ「そんなことないけど」

アスカ「でも」

シンジ「……あ! ごめん、たしかにいつもと匂いが違うなって思ったけど、別に汗臭いってわけじゃないよ!」

アスカ「……」

シンジ「むしろ、なんかいつもより良い感じだなって思うくらいで」

アスカ「……」



214:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 01:50:36.65 ID:8ExebvXCP

アスカ「ダメ」

シンジ「えっ」

アスカ「シャワー浴びてくる」

シンジ「わざわざ?」

アスカ「技もパワーもへったくれもないのよ!」

シンジ「意味分かんないよ……」

アスカ「ふんっ!」スタスタ


シンジ(そもそも、僕を座椅子代わりにしなきゃいいんじゃないのかな……)



216:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 01:53:16.17 ID:SBAyrJuk0

パンツ第一種戦闘配置用意完了



217:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 01:56:09.03 ID:8ExebvXCP

―――数十分後


アスカ「シャワー浴びたてアスカ様」

シンジ「はぁ、どうも」

アスカ「特技は水飛沫スプラッシュ」プルプル

シンジ「わっ! やめてよ!」

アスカ「拭いて」

シンジ「分かったから、こっちきてよ……」

アスカ「ドライヤーもね?」

シンジ「はいはい」

アスカ「あ、お姫様ゲーム!」

シンジ「忘れてるくらいなら、言わなくていいよ」

アスカ「お姫様ゲーム!」

シンジ「……かしこまりました、お姫様」

アスカ「よし」



219:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 02:02:17.91 ID:8ExebvXCP

アスカ「知ってる?」

シンジ「なにを?」

アスカ「女性にとって、髪の毛を触らせるのは、体を触らせることより抵抗があることなんだって」

シンジ「へぇ」

アスカ「個人差もあるみたいだけど」

シンジ「ふーん」

アスカ「良かったわね」

シンジ「なにが?」

アスカ「……話聞いてなかったの?」

シンジ「えーと……髪の毛より、体を触って欲しいってこと?」

アスカ「ヘンタイ! エッチ! スケベ!」ゲシゲシ

シンジ「わっ! なんだよ、なんなんだよ!!」



221:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 02:09:17.51 ID:8ExebvXCP

アスカ「はぁ……スケベシンジがここまでスケベなスケベだと思わなかったわ」

シンジ「スケベがゲシュタルト崩壊しそうだね」

アスカ「まぁいいわ、それより、この映画ってなんて映画?」

シンジ「バタフライ・エフェクト」

アスカ「どんな映画?」

シンジ「過去をやり直せる能力を持った主人公が、色んな人を救うために、過去へ飛ぶ映画」

アスカ「ふーん、で、オチは?」

シンジ「……オチを聞いちゃうの?」

アスカ「うん」

シンジ「それはダメだよ。どうせなら、最後まで一緒に見ようよ」

アスカ「でも、途中からだしー」

シンジ「なら、最初っから見よう。いいでしょ?」

アスカ「まぁ、それなら」

シンジ「じゃあ、巻戻しっと」



225:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 02:13:34.83 ID:8ExebvXCP

―――数時間後


シンジ「……っていう、話なんだけど」

アスカ「なんか、スッキリしないわね」

シンジ「そうかなぁ」

アスカ「マルチエンディングじゃなかったら、イライラして、バカシンジに一発芸でもさせてるところよ」

シンジ「製作者のみなさん、本当にありがとうございます……」

アスカ「でも、過去をやり直せるっていいわね」

シンジ「アスカはなにかやり直したいことがあるの?」

アスカ「……ペンペンに驚かないようにしたい」

シンジ「それは……まぁ、うん……」



228:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 02:21:07.04 ID:8ExebvXCP

アスカ「アンタはなにかあるの?」

シンジ「そうだなぁ……」

アスカ「?」

シンジ「いっぱいあり過ぎて、答えられない」

アスカ「うわっ、もっと、今を懸命に生きなさいよ」

シンジ「でも、やっぱり変えないままがいいかも」

アスカ「どうして?」

シンジ「バタフライエフェクトで、アスカに会えなくなったら嫌だし」

アスカ「……」

シンジ「……」

アスカ「それ言ったら、私が喜ぶと思ったでしょ?」

シンジ「うん、ごめん、かなり……」



230:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 02:26:42.70 ID:8ExebvXCP

アスカ「私を喜ばせたいんだったら、そうね……」

シンジ「うん」

アスカ「今月からお小遣い全て献上します、とか」

シンジ「もはや台詞じゃないよね」

アスカ「ご主人様の靴を舐めるのだけが生きがいです、とか」

シンジ「僕が望んでる関係と違うよ……」

アスカ「望んでる関係って?」

シンジ「えっ」

アスカ「ん?」

シンジ「……そこで聞くのは卑怯じゃないかな」

アスカ「私を喜ばせたいんでしょ?」

シンジ「……」

アスカ「ほらほら」



231:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 02:30:42.49 ID:8ExebvXCP

シンジ「望んでいるのは……こう、学校の帰り道で手をつなぐような……その……」

アスカ「へー?」

シンジ「……もう勘弁してよ! お願い!」

アスカ「スケベシンジは手を繋ぐのをお望みなんだ?」

シンジ「スケベじゃないよ、むしろ純情だろ!」

アスカ「手、繋いであげても良いわよ」

シンジ「……ほんと?」

アスカ「一回1000円で」

シンジ「高いよ!」

アスカ「恋人繋ぎなら1500円」

シンジ「あ、それもありなんだ……やらないけど!」



233:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 02:35:27.23 ID:8ExebvXCP

アスカ「じゃ、手を出して」

シンジ「え?」

アスカ「いいから」

シンジ「あ、うん」

アスカ「こんなのが嬉しいんだ」ギュッ

シンジ「まぁ、その……そうだね」

アスカ「私は頭を撫でられる方が……」

シンジ「ん?」

アスカ「……今のは、聞かなかったことにして」

シンジ「わ、分かった」



234:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 02:37:44.95 ID:8ExebvXCP

シンジ「アスカの手は温かいね」

アスカ「……」

シンジ「アスカ?」

アスカ「心が温かい人は手が冷たくて、その逆もまた然りなんだって」

シンジ「へー」

アスカ「傷つくわ……」

シンジ「……!? 理不尽すぎるだろ!」

アスカ「何気ない一言で傷つく人もいるのよ。覚えておきなさい」

シンジ「いや、そうじゃなくて」

アスカ「言い訳しない!」

シンジ「は、はい」

アスカ「よろしい」

シンジ「なんで僕が怒られてるんだよ……」



236:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 02:41:11.94 ID:8ExebvXCP

ミサト「―――アンタ達って、私がいない時、いっつもそんなことしてんの?」

アスカ「げっ、ミサト!?」

シンジ「わっ」


ミサト「ムカツクわね、こっちは頑張って仕事してるっちゅーのに」

アスカ「別に、いつもじゃないわ」

ミサト「そうなの?」

アスカ「週に六回くらい」

ミサト「ほぼ毎日じゃないのよ!」



239:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 02:54:27.28 ID:8ExebvXCP

ミサト「学校でもそんな感じなの?」

アスカ「まさか、学校のみんなに知られるくらいなら、死ぬわよ」

ミサト「そんなに嫌なの?」

アスカ「流石に、この歳で殺人の罪を背負うのはちょっと嫌だけど」

シンジ「死ぬの僕だったの!?」


ミサト「そういえば、外で二人がイチャついてるの、見たことないわね」

アスカ「別にイチャついてないし」

ミサト「今さらそこを否定するの?」

アスカ「イチャついてない!」

ミサト「じゃあ、もうそれでいいわよ。面倒臭いわね」

アスカ「面倒臭くない!」

シンジ(いや、アスカはそうとう面倒臭いよ)



241:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 02:58:56.37 ID:8ExebvXCP

ミサト「内と外の使い分け、しっかりしてるのね」

シンジ「その代わり、外のアスカの相手をするのは辛くって」

アスカ「バカシンジ!」

シンジ「ご、ごめんなさい」


アスカ「ったく……でも、ミサトだってそうでしょ?」

ミサト「え?」

アスカ「公私の使い分け、しっかりしてるじゃない」

ミサト「そ、そうかしら?」

アスカ「家ではダメ人間の見本みたいな生活してるのに」

ミサト「私の評価って、そんなに低かったのね……」



243:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 03:04:43.00 ID:8ExebvXCP

アスカ「私も、それを見習ってるの」

ミサト「あらあら、保護者として少しは影響与えてるのね!」

シンジ「ミサトさんがちゃんとした大人なら、アスカももっと……」

ミサト「シンジくーん? なにか言ったかな―?」

シンジ「い、いえ。別になにも!」


アスカ「ちょっと、バカシンジを怯えさせないでよ」

ミサト「え?」

アスカ「すぐ止まるんだから、こいつの心臓」

シンジ「そんなノミの心臓してないよ!」


ミサト(仲良いわねぇ……)



326:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 13:05:47.29 ID:8ExebvXCP

―――翌日


シンジ「あ、おかえり、アスカ」

アスカ「……」

シンジ「あのさ、実は……」

アスカ「―――シンジ」

シンジ「ん?」

アスカ「お姫様ゲーム」

シンジ「えっ」

アスカ「今から『ドーン』するから、耐えなさい」

シンジ「『ドーン』ってなに?」

アスカ「行くわよ」

シンジ「え、だから『ドーン』って……」



329:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 13:11:39.30 ID:8ExebvXCP

アスカ「ドーン!!」バッ

シンジ「う、うわっ!」


ドッシャーン!!


シンジ「……いてて」

アスカ「ちょっと、耐えろって言ったでしょ」

シンジ「いきなり飛びかかられて、耐えられるわけないだろ!」

アスカ「長州力なら耐えられるわ」

シンジ「できるかもしれないけど!」

アスカ「同じプロレスラーでしょ?」

シンジ「いつ僕がレスラーになったんだよ!」

アスカ「三日前」

シンジ「最近だね!」



330:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 13:14:10.11 ID:8ExebvXCP

アスカ「おっひめ様ゲ~ム」

シンジ「い、いや、今はマズいよ」

アスカ「頭撫ぜる―」

シンジ「だ、だからね、アスカ」

アスカ「お姫様だっこー」

シンジ「アスカ!」

アスカ「そのまま宇宙へ飛ぶー」

シンジ「出来たとしてもやらないよ!」

アスカ「……なによ、さっきから文句ばっかり」

シンジ「文句じゃなくて、あの」

アスカ「?」



333:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 13:16:43.24 ID:8ExebvXCP

ヒカリ「―――あ、その、えーと」

トウジ「お邪魔……させてもらっとるわ」


シンジ「あ、あのね、さっき来たんだ」

アスカ「……」

シンジ「アスカと僕に、話があるみたいで」

アスカ「……」

シンジ「『ドーン』の前に、僕は二人のことを話そうとしたんだよ、本当だからね?」

アスカ「……」



335:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 13:19:48.44 ID:mF+Zw4ZQ0

これは



336:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 13:21:01.05 ID:bmLehpbj0

なぐらなあかん



337:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 13:22:01.59 ID:8ExebvXCP

アスカ「ふぅ」スッ

アスカ「―――いらっしゃい、ヒカリ、鈴原」

ヒカリ「う、うん」

トウジ「お、おう」

アスカ「もてなしの準備をするから、ちょっと待っててね」スタスタ


ヒカリ「……」

トウジ「……」

シンジ「……」



342:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 13:25:45.44 ID:8ExebvXCP

アスカ「お待たせ」

ヒカリ「!」

トウジ「!」

シンジ「!」

アスカ「やっぱり、もてなしと言ったら、これよね」


キラーン


シンジ「包丁!?」

アスカ「アンタたちを殺して、私も死ぬわ」

シンジ「スプラッタ宣言!?」



344:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 13:28:42.74 ID:8ExebvXCP

ヒカリ「落ち着いて、アスカ!」

アスカ「ありがとうヒカリ。私、あなたに会えて良かった」

ヒカリ「遺言を残さないで!」


シンジ「あ、アスカ!」

アスカ「……最初の犠牲はアンタ?」

シンジ「違うよ!」

アスカ「じゃあ、なによ」

シンジ「ほ、ほら、二人が僕たちに話があるって言っただろ?」

アスカ「……ああ」

シンジ「トウジ!」


トウジ「お、おう」



345:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 13:29:19.22 ID:nzQkHura0

アスカをお姫様抱っこして宇宙に飛びたい



348:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 13:30:38.61 ID:8ExebvXCP

ヒカリ「あ、あのー、私たち」

トウジ「正式に付き合うことになってな」

アスカ「へ?」


ヒカリ「流石にまだみんなに言う気にはならないんだけど、二人には言っておこうかなって」

アスカ「……そうなんだ、へー」

ヒカリ「う、うん。それだけ、それだけだから……」

トウジ「ワシらはお邪魔? させてもらうわ」

ヒカリ「じゃあ……」

トウジ「ほんならな!」ソソクサ


ガチャ

バタン


アスカ「……」

シンジ(うまく逃げたなぁ)



349:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 13:32:01.51 ID:c2Snc5Bm0

ケンスケ…



351:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 13:34:36.05 ID:8ExebvXCP

シンジ「……」

アスカ「……」

シンジ「……」

アスカ「……」


シンジ「アスカ」

アスカ「ん?」

シンジ「とりあえず、その手に持ってるやつ……」

アスカ「刺す?」

シンジ「置くんだよ!」

アスカ「冗談に決まってるでしょ、まったく」コトッ

シンジ「マジな目してたじゃないか……」



352:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 13:38:39.74 ID:8ExebvXCP

シンジ「でも、あの二人もとうとうかぁ」

アスカ「そうね」

シンジ「……どうする?」

アスカ「なにが?」

シンジ「いや、だから、僕たちも……」

アスカ「?」

シンジ「……分かってないふりしてる?」

アスカ「ぜんぜん?」

シンジ「ホントかなぁ」

アスカ「……アンタばかぁ?」

シンジ「えっ」

アスカ「男から言うものだから……してるんでしょ?」

シンジ「!」



354:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 13:42:49.41 ID:8ExebvXCP

シンジ「……」

アスカ「……」

シンジ「……」

アスカ「……」


シンジ「ア、アスカ!」

アスカ「……」

シンジ「ぼ、僕と―――」



356:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 13:44:27.96 ID:8ExebvXCP

エピローグ


シンジ「お待たせ」

アスカ「……」

トウジ「おう、センセ。今日はよろしゅうな」

シンジ「うん」

アスカ「……」


ヒカリ「……碇君、碇君」ヒソッ

シンジ「なに?」

ヒカリ「なんで、アスカはムスッとしてるの?」

シンジ「あー……外であんまり遊んだりしないから」

ヒカリ「照れてるの?」

シンジ「たぶん……」

ヒカリ「ふふっ、そっか」



357:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 13:45:36.52 ID:8ExebvXCP

ヒカリ「じゃあ、いこっか」

トウジ「おう」

ヒカリ「鈴原」

トウジ「ん? ああ」ギュッ

ヒカリ「えへへ」ギュッ


シンジ「……」

アスカ「……」

シンジ「……」

アスカ「……」



358:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 13:47:11.20 ID:8ExebvXCP

アスカ「よくもまぁ、公共の場であんなことを」

シンジ「そうだね……」

アスカ「なに?」

シンジ「あ、いや、別に」

アスカ「?」

シンジ「……」

アスカ「ああ、そういえば前に」
アスカ「……しょうがないわね」

シンジ「アスカ?」

アスカ「お姫様ゲーム」

シンジ「えっ?」



360:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 13:48:11.21 ID:8ExebvXCP

アスカ「手、出して」

シンジ「!」

アスカ「……」

シンジ「かしこまりました。お姫様」







終劇



362:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 13:49:20.15 ID:7L8XyW9e0

よかった。>>1乙



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エヴァンゲリオンSS   コメント:4   このエントリーをはてなブックマークに追加
コメント一覧
30599. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2013/01/10(木) 22:41 ▼このコメントに返信する
ふぅぅぅうう!!!!

良いSSだった!
もう最高だね!!!
30601. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2013/01/10(木) 23:11 ▼このコメントに返信する
LAS最高
30612. 名前 : 名無しさん@Pmagazine◆- 投稿日 : 2013/01/11(金) 19:09 ▼このコメントに返信する
素晴らしい!!!!!
30669. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2013/01/14(月) 01:29 ▼このコメントに返信する
やっぱアスカいいなあ
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